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保険業法

平成七年法律第百五号 保険業法

第一編 総則
(目的)
第一条 この法律は、保険業の公共性にかんがみ、保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営及び保険募集の公正を確保することにより、保険契約者等の保護を図り、もって国民生活の安定及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「保険業」とは、人の生存又は死亡に関し一定額の保険金を支払うことを約し保険料を収受する保険、一定の偶然の事故によって生ずることのある損害をてん補することを約し保険料を収受する保険その他の保険で、第三条第四項各号又は第五項各号に掲げるものの引受けを行う事業(次に掲げるものを除く。)をいう。
一 他の法律に特別の規定のあるもの
二 次に掲げるもの
イ 地方公共団体がその住民を相手方として行うもの
ロ 一の会社等(会社(外国会社を含む。以下この号において同じ。)その他の事業者(政令で定める者を除く。)をいう。)又はその役員若しくは使用人(役員又は使用人であった者を含む。以下この号において同じ。)が構成する団体がその役員若しくは使用人又はこれらの者の親族(政令で定める者に限る。以下この号において同じ。)を相手方として行うもの
ハ 一の労働組合がその組合員(組合員であった者を含む。)又はその親族を相手方として行うもの
ニ 会社が同一の会社の集団(一の会社及び当該会社の子会社の集団をいう。)に属する他の会社を相手方として行うもの
ホ 一の学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校をいう。)又はその学生が構成する団体がその学生又は生徒を相手方として行うもの
ヘ 一の地縁による団体(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百六十条の二第一項に規定する地縁による団体であって、同条第二項各号に掲げる要件に該当するものをいう。)がその構成員を相手方として行うもの
ト イからヘまでに掲げるものに準ずるものとして政令で定めるもの
三 政令で定める人数以下の者を相手方とするもの(政令で定めるものを除く。)
2 この法律において「保険会社」とは、第三条第一項の内閣総理大臣の免許を受けて保険業を行う者をいう。
3 この法律において「生命保険会社」とは、保険会社のうち第三条第四項の生命保険業免許を受けた者をいう。
4 この法律において「損害保険会社」とは、保険会社のうち第三条第五項の損害保険業免許を受けた者をいう。
5 この法律において「相互会社」とは、保険業を行うことを目的として、この法律に基づき設立された保険契約者をその社員とする社団をいう。
6 この法律において「外国保険業者」とは、外国の法令に準拠して外国において保険業を行う者(保険会社を除く。)をいう。
7 この法律において「外国保険会社等」とは、外国保険業者のうち第百八十五条第一項の内閣総理大臣の免許を受けた者をいう。
8 この法律において「外国生命保険会社等」とは、外国保険会社等のうち第百八十五条第四項の外国生命保険業免許を受けた者をいう。
9 この法律において「外国損害保険会社等」とは、外国保険会社等のうち第百八十五条第五項の外国損害保険業免許を受けた者をいう。
10 この法律において「外国相互会社」とは、外国の法令に準拠して設立された相互会社と同種の外国の法人又はこれに類似する外国の法人をいう。
11 この法律において「総株主等の議決権」とは、総株主又は総出資者の議決権(株式会社にあっては、株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項(特別清算事件の管轄)の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下この条、次条、第百条の二の二、第百六条、第百七条、第百二十七条、第二百六十条、第二編第十一章及び第十二章並びに第三百三十三条において同じ。)をいう。
12 この法律において「子会社」とは、会社がその総株主等の議決権の百分の五十を超える議決権を保有する他の会社をいう。この場合において、会社及びその一若しくは二以上の子会社又は当該会社の一若しくは二以上の子会社がその総株主等の議決権の百分の五十を超える議決権を保有する他の会社は、当該会社の子会社とみなす。
13 この法律において「主要株主基準値」とは、総株主の議決権の百分の二十(会社の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実が存在するものとして内閣府令で定める要件に該当する者が当該会社の議決権の保有者である場合にあっては、百分の十五)をいう。
14 この法律において「保険主要株主」とは、保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者(他人(仮設人を含む。)の名義をもって保有する者を含む。以下同じ。)であって、第二百七十一条の十第一項の認可を受けて設立され、又は同項若しくは同条第二項ただし書の認可を受けているものをいう。
15 第十二項又は前項の場合において、会社又は議決権の保有者が保有する議決権には、金銭又は有価証券の信託に係る信託財産として所有する株式又は持分に係る議決権(委託者又は受益者が行使し、又はその行使について当該会社若しくは当該議決権の保有者に指図を行うことができるものに限る。)その他内閣府令で定める議決権を含まないものとし、信託財産である株式又は持分に係る議決権で、当該会社又は当該議決権の保有者が委託者若しくは受益者として行使し、又はその行使について指図を行うことができるもの(内閣府令で定める議決権を除く。)及び社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第百四十七条第一項又は第百四十八条第一項の規定により発行者に対抗することができない株式に係る議決権を含むものとする。
16 この法律において「保険持株会社」とは、保険会社を子会社とする持株会社(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第九条第四項第一号(持株会社)に規定する持株会社をいう。以下同じ。)であって、第二百七十一条の十八第一項の認可を受けて設立され、又は同項若しくは同条第三項ただし書の認可を受けているものをいう。
17 この法律において「少額短期保険業」とは、保険業のうち、保険期間が二年以内の政令で定める期間以内であって、保険金額が千万円を超えない範囲内において政令で定める金額以下の保険(政令で定めるものを除く。)のみの引受けを行う事業をいう。
18 この法律において「少額短期保険業者」とは、第二百七十二条第一項の登録を受けて少額短期保険業を行う者をいう。
19 この法律において「生命保険募集人」とは、生命保険会社(外国生命保険会社等を含む。以下この項において同じ。)の役員(代表権を有する役員並びに監査役、監査等委員会の委員(以下「監査等委員」という。)及び監査委員会の委員(以下「監査委員」という。)を除く。以下この条において同じ。)若しくは使用人若しくはこれらの者の使用人又は生命保険会社の委託を受けた者若しくはその者の再委託を受けた者(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)若しくはこれらの者の役員若しくは使用人で、その生命保険会社のために保険契約の締結の代理又は媒介を行うものをいう。
20 この法律において「損害保険募集人」とは、損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。次項において同じ。)の役員若しくは使用人、損害保険代理店又はその役員若しくは使用人をいう。
21 この法律において「損害保険代理店」とは、損害保険会社の委託を受け、又は当該委託を受けた者の再委託を受けて、その損害保険会社のために保険契約の締結の代理又は媒介を行う者(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)で、その損害保険会社の役員又は使用人でないものをいう。
22 この法律において「少額短期保険募集人」とは、少額短期保険業者の役員若しくは使用人又は少額短期保険業者の委託を受けた者若しくはその者の再委託を受けた者(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)若しくはこれらの者の役員若しくは使用人で、その少額短期保険業者のために保険契約の締結の代理又は媒介を行うものをいう。
23 この法律において「保険募集人」とは、生命保険募集人、損害保険募集人又は少額短期保険募集人をいう。
24 この法律において「所属保険会社等」とは、生命保険募集人、損害保険募集人又は少額短期保険募集人が保険募集を行う保険契約の保険者となるべき保険会社(外国保険会社等を含む。)又は少額短期保険業者をいう。
25 この法律において「保険仲立人」とは、保険契約の締結の媒介であって生命保険募集人、損害保険募集人及び少額短期保険募集人がその所属保険会社等のために行う保険契約の締結の媒介以外のものを行う者(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)をいう。
26 この法律において「保険募集」とは、保険契約の締結の代理又は媒介を行うことをいう。
27 この法律において「公告方法」とは、株式会社及び外国会社である外国保険会社等にあっては会社法第二条第三十三号(定義)に規定する公告方法をいい、相互会社及び外国保険会社等(外国会社を除く。以下この項において同じ。)にあっては相互会社及び外国保険会社等が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。
28 この法律において「指定紛争解決機関」とは、第三百八条の二第一項の規定による指定を受けた者をいう。
29 この法律において「生命保険業務」とは、生命保険会社が第九十七条、第九十八条及び第九十九条の規定により行う業務並びに他の法律により行う業務並びに当該生命保険会社のために生命保険募集人が行う保険募集をいう。
30 この法律において「損害保険業務」とは、損害保険会社が第九十七条、第九十八条及び第九十九条の規定により行う業務(自動車損害賠償保障法(昭和三十年法律第九十七号)第五条(責任保険又は責任共済の契約の締結強制)に規定する責任保険に係る保険金等(同法第十六条の二(休業による損害等に係る保険金等の限度)に規定する保険金等をいう。)の支払及び支払に係る手続に関する業務(第三十二項及び第三十四項において「自動車損害賠償責任保険事業」という。)を除く。)並びに他の法律により行う業務並びに当該損害保険会社のために損害保険募集人が行う保険募集をいう。
31 この法律において「外国生命保険業務」とは、外国生命保険会社等が第百九十九条において準用する第九十七条、第九十八条、第九十九条及び第百条の規定により行う業務並びに当該外国生命保険会社等のために生命保険募集人が行う保険募集をいう。
32 この法律において「外国損害保険業務」とは、外国損害保険会社等が第百九十九条において準用する第九十七条、第九十八条、第九十九条及び第百条の規定により行う業務(自動車損害賠償責任保険事業を除く。)並びに当該外国損害保険会社等のために損害保険募集人が行う保険募集をいう。
33 この法律において「特定生命保険業務」とは、第二百十九条第四項の特定生命保険業免許を受けた同条第一項の特定法人の同項の引受社員が第百九十九条において準用する第九十七条、第九十八条、第九十九条及び第百条の規定により行う業務並びに当該引受社員のために生命保険募集人が行う保険募集をいう。
34 この法律において「特定損害保険業務」とは、第二百十九条第五項の特定損害保険業免許を受けた同条第一項の特定法人の同項の引受社員が第百九十九条において準用する第九十七条、第九十八条、第九十九条及び第百条の規定により行う業務(自動車損害賠償責任保険事業を除く。)並びに当該引受社員のために損害保険募集人が行う保険募集をいう。
35 この法律において「少額短期保険業務」とは、少額短期保険業者が第二百七十二条の十一第一項の規定により行う業務及び当該少額短期保険業者のために少額短期保険募集人が行う保険募集をいう。
36 この法律において「保険仲立人保険募集」とは、保険仲立人が行う保険契約の締結の媒介をいう。
37 この法律において「保険業務等」とは、生命保険業務、損害保険業務、外国生命保険業務、外国損害保険業務、特定生命保険業務、特定損害保険業務、少額短期保険業務又は保険仲立人保険募集をいう。
38 この法律において「苦情処理手続」とは、保険業務等関連苦情(保険業務等に関する苦情をいう。第三百八条の七、第三百八条の八及び第三百八条の十二において同じ。)を処理する手続をいう。
39 この法律において「紛争解決手続」とは、保険業務等関連紛争(保険業務等に関する紛争で当事者が和解をすることができるものをいう。第三百八条の七、第三百八条の八及び第三百八条の十三から第三百八条の十五までにおいて同じ。)について訴訟手続によらずに解決を図る手続をいう。
40 この法律において「紛争解決等業務」とは、苦情処理手続及び紛争解決手続に係る業務並びにこれに付随する業務をいう。
41 この法律において「紛争解決等業務の種別」とは、紛争解決等業務に係る生命保険業務、損害保険業務、外国生命保険業務、外国損害保険業務、特定生命保険業務、特定損害保険業務、少額短期保険業務及び保険仲立人保険募集の種別をいう。
42 この法律において「手続実施基本契約」とは、紛争解決等業務の実施に関し指定紛争解決機関と保険業関係業者(保険会社、外国保険会社等、第二百二十三条第一項の免許特定法人、少額短期保険業者又は保険仲立人をいう。以下同じ。)との間で締結される契約をいう。
第二条の二 次の各号に掲げる者は、それぞれ当該各号に定める数の保険会社等(保険会社又は少額短期保険業者をいう。以下同じ。)の議決権の保有者とみなして、第二編第十一章第一節及び第二節、第十二章並びに第十三章、第五編並びに第六編の規定を適用する。
一 法人でない団体(法人に準ずるものとして内閣府令で定めるものに限る。) 当該法人でない団体の名義をもって保有される保険会社等の議決権の数
二 内閣府令で定めるところにより連結してその計算書類その他の書類を作成するものとされる会社(次号において「連結基準対象会社」という。)であって、その連結する会社その他の法人(前号に掲げる法人でない団体を含む。以下この項において「会社等」という。)のうちに保険会社等を含むもののうち、他の会社の計算書類その他の書類に連結される会社以外の会社 当該会社の当該保険会社等に対する実質的な影響力を表すものとして内閣府令で定めるところにより計算される数
三 連結基準対象会社以外の会社等(保険会社等の議決権の保有者である会社等に限り、前号に掲げる会社の計算書類その他の書類に連結されるものを除く。)が会社等集団(当該会社等及び当該会社等が他の会社等に係る議決権の過半数を保有していることその他の当該会社等と密接な関係を有する会社等として内閣府令で定める会社等の集団をいう。以下この項において同じ。)に属し、かつ、当該会社等集団が当該会社等集団に属する全部の会社等の保有する一の保険会社等の議決権の数を合算した数(以下この号及び次号において「会社等集団保有議決権数」という。)が当該保険会社等の主要株主基準値以上の数である会社等集団(以下この号及び次号において「特定会社等集団」という。)である場合において、当該特定会社等集団に属する会社等のうち、その会社等に係る議決権の過半数の保有者である会社等がない会社等 当該特定会社等集団に係る会社等集団保有議決権数
四 特定会社等集団に属する会社等のうちに前号に掲げる会社等がない場合において、当該特定会社等集団に属する会社等のうちその貸借対照表上の資産の額が最も多い会社等 当該特定会社等集団に係る会社等集団保有議決権数
五 保険会社等の議決権の保有者である会社等(第二号から前号までに掲げる者を含む。以下この号において同じ。)に係る議決権の過半数の保有者である個人のうち、当該個人がその議決権の過半数の保有者である会社等がそれぞれ保有する一の保険会社等の議決権の数(当該会社等が前各号に掲げる者であるときは、それぞれ当該各号に定める数)を合算した数(当該個人が当該保険会社等の議決権の保有者である場合にあっては、当該合算した数に当該個人が保有する当該保険会社等の議決権の数を加算した数。以下この号において「合算議決権数」という。)が当該保険会社等の総株主の議決権の百分の二十以上の数である者 当該個人に係る合算議決権数
六 保険会社等の議決権の保有者(前各号に掲げる者を含む。以下この号において同じ。)のうち、その保有する当該保険会社等の議決権の数(当該議決権の保有者が前各号に掲げる者であるときは、それぞれ当該各号に定める数)とその共同保有者(保険会社等の議決権の保有者が、当該保険会社等の議決権の他の保有者(前各号に掲げる者を含む。)と共同して当該議決権に係る株式を取得し、若しくは譲渡し、又は当該保険会社等の株主としての議決権その他の権利を行使することを合意している場合における当該他の保有者(当該議決権の保有者が第二号に掲げる会社である場合においては当該会社の計算書類その他の書類に連結される会社等を、当該議決権の保有者が第三号又は第四号に掲げる会社等である場合においては当該会社等が属する会社等集団に属する当該会社等以外の会社等を、当該議決権の保有者が前号に掲げる個人である場合においては当該個人がその議決権の過半数の保有者である会社等を除き、当該議決権の保有者と政令で定める特別な関係を有する者を含む。)をいう。)の保有する当該保険会社等の議決権の数(当該共同保有者が前各号に掲げる者であるときは、それぞれ当該各号に定める数)を合算した数(以下この号において「共同保有議決権数」という。)が当該保険会社等の総株主の議決権の百分の二十以上の数である者 共同保有議決権数
七 前各号に掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める者 保険会社等に対する実質的な影響力を表すものとして内閣府令で定めるところにより計算される数
2 前条第十五項の規定は、前項各号の場合において同項各号に掲げる者が保有するものとみなされる議決権又は議決権の保有者が保有する議決権について準用する。
第二編 保険会社等
第一章 通則
(免許)
第三条 保険業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、行うことができない。
2 前項の免許は、生命保険業免許及び損害保険業免許の二種類とする。
3 生命保険業免許と損害保険業免許とは、同一の者が受けることはできない。
4 生命保険業免許は、第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行う事業に係る免許とする。
一 人の生存又は死亡(当該人の余命が一定の期間以内であると医師により診断された身体の状態を含む。以下この項及び次項において同じ。)に関し、一定額の保険金を支払うことを約し、保険料を収受する保険(次号ハに掲げる死亡のみに係るものを除く。)
二 次に掲げる事由に関し、一定額の保険金を支払うこと又はこれらによって生ずることのある当該人の損害をてん補することを約し、保険料を収受する保険
イ 人が疾病にかかったこと。
ロ 傷害を受けたこと又は疾病にかかったことを原因とする人の状態
ハ 傷害を受けたことを直接の原因とする人の死亡
ニ イ又はロに掲げるものに類するものとして内閣府令で定めるもの(人の死亡を除く。)
ホ イ、ロ又はニに掲げるものに関し、治療(治療に類する行為として内閣府令で定めるものを含む。)を受けたこと。
三 次項第一号に掲げる保険のうち、再保険であって、前二号に掲げる保険に係るもの
5 損害保険業免許は、第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行う事業に係る免許とする。
一 一定の偶然の事故によって生ずることのある損害をてん補することを約し、保険料を収受する保険(次号に掲げる保険を除く。)
二 前項第二号に掲げる保険
三 前項第一号に掲げる保険のうち、人が外国への旅行のために住居を出発した後、住居に帰着するまでの間(以下この号において「海外旅行期間」という。)における当該人の死亡又は人が海外旅行期間中にかかった疾病を直接の原因とする当該人の死亡に関する保険
6 保証証券業務(契約上の債務又は法令上の義務の履行を保証することを約し、その対価を受ける業務のうち、保険数理に基づき、当該対価を決定し、準備金を積み立て、再保険による危険の分散を行うことその他保険に固有の方法を用いて行うものをいう。)による当該保証は、前項第一号に掲げる保険の引受けとみなし、当該保証に係る対価は、同号の保険に係る保険料とみなす。
(免許申請手続)
第四条 前条第一項の免許を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した免許申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一 商号又は名称
二 資本金の額又は基金の総額
三 取締役及び監査役(監査等委員会設置会社(監査等委員会を置く株式会社又は相互会社をいう。以下同じ。)にあっては取締役、指名委員会等設置会社(指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社又は相互会社をいう。以下同じ。)にあっては取締役及び執行役)の氏名
四 受けようとする免許の種類
五 本店又は主たる事務所の所在地
2 前項の免許申請書には、次に掲げる書類その他内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
一 定款
二 事業方法書
三 普通保険約款
四 保険料及び責任準備金の算出方法書
3 前項の場合において、同項第一号の定款が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)で作成されているときは、書類に代えて電磁的記録を添付することができる。
4 第二項第二号から第四号までに掲げる書類には、内閣府令で定める事項を記載しなければならない。
(免許審査基準)
第五条 内閣総理大臣は、第三条第一項の免許の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該申請をした者(以下この項において「申請者」という。)が保険会社の業務を健全かつ効率的に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、申請者の当該業務に係る収支の見込みが良好であること。
二 申請者が、その人的構成等に照らして、保険会社の業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
三 前条第二項第二号及び第三号に掲げる書類に記載された事項が次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 保険契約の内容が、保険契約者、被保険者、保険金額を受け取るべき者その他の関係者(以下「保険契約者等」という。)の保護に欠けるおそれのないものであること。
ロ 保険契約の内容に関し、特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
ハ 保険契約の内容が、公の秩序又は善良の風俗を害する行為を助長し、又は誘発するおそれのないものであること。
ニ 保険契約者等の権利義務その他保険契約の内容が、保険契約者等にとって明確かつ平易に定められたものであること。
ホ その他内閣府令で定める基準
四 前条第二項第四号に掲げる書類に記載された事項が次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 保険料及び責任準備金の算出方法が、保険数理に基づき、合理的かつ妥当なものであること。
ロ 保険料に関し、特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
ハ その他内閣府令で定める基準
2 内閣総理大臣は、前項に定める審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第三条第一項の免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。
(機関)
第五条の二 保険会社は、株式会社又は相互会社であって次に掲げる機関を置くものでなければならない。
一 取締役会
二 監査役会、監査等委員会又は指名委員会等
三 会計監査人
(資本金の額又は基金の総額)
第六条 保険会社の資本金の額又は基金(第五十六条の基金償却積立金を含む。)の総額は、政令で定める額以上でなければならない。
2 前項の政令で定める額は、十億円を下回ってはならない。
(商号又は名称)
第七条 保険会社は、その商号又は名称中に、生命保険会社又は損害保険会社であることを示す文字として内閣府令で定めるものを使用しなければならない。
2 保険会社でない者は、その商号又は名称中に保険会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
(名義貸しの禁止)
第七条の二 保険会社は、自己の名義をもって、他人に保険業を行わせてはならない。
(取締役等の兼職制限)
第八条 保険会社の常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)は、内閣総理大臣の認可を受けた場合を除き、他の会社の常務に従事してはならない。
2 内閣総理大臣は、前項の認可の申請があったときは、当該申請に係る事項が当該保険会社の業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがないと認める場合でなければ、これを認可してはならない。
(取締役等の適格性)
第八条の二 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者でなければならない。
一 保険会社の常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社にあっては、保険会社の常務に従事する取締役及び執行役) 保険会社の経営管理を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験
二 保険会社の監査役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員) 保険会社の取締役(会計参与設置会社(会計参与を置く株式会社又は相互会社をいう。以下同じ。)にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験
三 保険会社の監査委員 保険会社の執行役及び取締役(会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験
2 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者は、保険会社の取締役、執行役又は監査役となることができない。
第二章 保険業を営む株式会社及び相互会社
第一節 保険業を営む株式会社の特例
(公告方法)
第九条 保険業を営む株式会社(以下この節において「株式会社」という。)は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めなければならない。
一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
二 電子公告(株式会社及び外国会社である外国保険会社等にあっては会社法第二条第三十四号(定義)に規定する電子公告をいい、相互会社及び外国保険会社等(外国会社を除く。)にあっては公告方法のうち、電磁的方法(同号に規定する電磁的方法をいう。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって同号に規定するものをとる方法をいう。以下同じ。)
2 会社法第九百四十条第一項(第二号を除く。)及び第三項(電子公告の公告期間等)の規定は、株式会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(募集株式等の申込み)
第十条 株式会社は、会社法第五十九条第一項(設立時募集株式の申込み)、第二百三条第一項(募集株式の申込み)又は第二百四十二条第一項(募集新株予約権の申込み)の規定による通知をする場合には、それぞれ、同法第五十九条第一項各号、第二百三条第一項各号又は第二百四十二条第一項各号に掲げる事項のほか、第百十三条後段(第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)の定款の定めがあるときは、その定めを通知しなければならない。
(基準日)
第十一条 株式会社に対する会社法第百二十四条第二項(基準日)の規定の適用については、同項中「三箇月」とあるのは、「三箇月(定時株主総会において議決権を行使する権利その他内閣府令で定める権利については、四箇月)」とする。
(取締役等の資格等)
第十二条 株式会社に対する会社法第三百三十一条第一項第三号(取締役の資格等)(同法第三百三十五条第一項(監査役の資格等)及び第四百二条第四項(執行役の選任等)において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同号中「この法律」とあるのは、「保険業法、この法律」とする。
2 会社法第三百三十一条第二項ただし書(同法第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十二条第二項(取締役の任期)(同法第三百三十四条第一項(会計参与の任期)において準用する場合を含む。)、第三百三十六条第二項(監査役の任期)、第三百八十九条第一項(定款の定めによる監査範囲の限定)及び第四百二条第五項ただし書の規定は、株式会社については、適用しない。
(株主総会参考書類及び議決権行使書面等)
第十三条 株式会社に対する会社法第三百一条第一項(株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等)、第四百三十二条第一項(会計帳簿の作成及び保存)、第四百三十五条第一項及び第二項(計算書類等の作成及び保存)、第四百三十六条第一項及び第二項(計算書類等の監査等)、第四百三十九条(会計監査人設置会社の特則)並びに第四百四十条第一項(計算書類の公告)の規定の適用については、これらの規定中「法務省令」とあるのは、「内閣府令」とする。
(会計帳簿の閲覧等の請求の適用除外等)
第十四条 会社法第四百三十三条(会計帳簿の閲覧等の請求)の規定は、株式会社の会計帳簿又はこれに関する資料については、適用しない。
2 株式会社に対する会社法第四百四十二条第三項(計算書類等の備置き及び閲覧等)の規定の適用については、同項中「及び債権者」とあるのは、「、保険契約者、保険金額を受け取るべき者その他の債権者及び被保険者」とする。
(準備金)
第十五条 会社法第四百四十五条第四項(資本金の額及び準備金の額)の規定にかかわらず、剰余金の配当をする場合には、株式会社は、内閣府令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に五分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。
(資本金等の額の減少に係る書類の備置き及び閲覧等)
第十六条 株式会社は、資本金又は準備金(以下この節において「資本金等」という。)の額の減少(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)の決議に係る株主総会(会社法第四百四十七条第三項(資本金の額の減少)又は第四百四十八条第三項(準備金の額の減少)に規定する場合にあっては、取締役会)の会日の二週間前から資本金等の額の減少の効力を生じた日後六月を経過する日まで、資本金等の額の減少に関する議案その他の内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書類又は電磁的記録を各営業所に備え置かなければならない。ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。
一 定時株主総会において会社法第四百四十八条第一項各号に掲げる事項を定めること。
二 会社法第四百四十八条第一項第一号の額が前号の定時株主総会の日(同法第四百三十九条前段(会計監査人設置会社の特則)に規定する場合にあっては、同法第四百三十六条第三項(計算書類等の監査等)の承認があった日)における欠損の額として内閣府令で定める方法により算定される額を超えないこと。
2 株式会社の株主及び保険契約者その他の債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書類の閲覧の請求
二 前項の書類の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
3 会社法第四百五十九条第一項(剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め)の規定による定款の定めがある場合における第一項第一号の規定の適用については、同号中「定時株主総会」とあるのは、「定時株主総会又は会社法第四百三十六条第三項の取締役会」とする。
(債権者の異議)
第十七条 株式会社が資本金等の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の保険契約者その他の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、前条第一項各号のいずれにも該当するときは、この限りでない。
2 前項の規定により株式会社の保険契約者その他の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げる事項を官報及び当該株式会社の定款で定めた公告方法により公告しなければならない。ただし、第三号の期間は、一月を下ることができない。
一 当該資本金等の額の減少の内容
二 当該株式会社の計算書類に関する事項として内閣府令で定めるもの
三 保険契約者その他の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
3 保険契約者その他の債権者が前項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該保険契約者その他の債権者は、当該資本金等の額の減少について承認をしたものとみなす。
4 保険契約者その他の債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、第一項の株式会社は、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項(定義)に規定する信託会社をいう。以下同じ。)及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項(兼営の認可)の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該資本金等の額の減少をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
5 前項の規定は、保険契約者その他保険契約に係る権利を有する者の当該権利(第二項の規定による公告の時において既に保険事故の発生その他の事由により生じている保険金請求権その他の政令で定める権利(以下この節及び第三節並びに第八章第二節及び第三節において「保険金請求権等」という。)を除く。)については、適用しない。
6 第二項第三号の期間内に異議を述べた保険契約者(同項の規定による公告の時において既に保険金請求権等が生じている保険契約(当該保険金請求権等に係る支払により消滅することとなるものに限る。)に係る保険契約者を除く。以下この項及び次条第四項において同じ。)の数が保険契約者の総数の五分の一を超え、かつ、当該異議を述べた保険契約者の保険契約に係る債権(保険金請求権等を除く。)の額に相当する金額として内閣府令で定める金額が保険契約者の当該金額の総額の五分の一を超えるときは、資本金等の額の減少に係る会社法第四百四十七条第一項(資本金の額の減少)又は第四百四十八条第一項(準備金の額の減少)の決議は、効力を有しない。
7 前各項に定めるもののほか、これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(効力の発生)
第十七条の二 次の各号に掲げる額の減少は、当該各号に定める日にその効力を生ずる。ただし、前条の規定による手続が終了していないとき、又は同条第六項の規定により資本金等の額の減少に係る会社法第四百四十七条第一項(資本金の額の減少)若しくは第四百四十八条第一項(準備金の額の減少)の決議が効力を有しないこととなったときは、この限りでない。
一 資本金の額の減少 会社法第四百四十七条第一項第三号の日
二 準備金の額の減少 会社法第四百四十八条第一項第三号の日
2 株式会社は、前項各号に定める日前は、いつでも当該日を変更することができる。
3 株式会社の資本金の額の減少は、第一項の規定にかかわらず、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
4 前条(資本金の額の減少にあっては、同条及び前項)の規定によりされた資本金等の額の減少は、同条第六項の異議を述べた保険契約者及び保険契約者に係る保険契約に係る権利(保険金請求権等を除く。)を有する者についても、その効力を生ずる。
(登記に関する特例)
第十七条の三 株式会社の資本金の額の減少による変更の登記の申請書には、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十八条、第十九条(申請書の添付書面)及び第四十六条(添付書面の通則)に規定する書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 第十七条第二項の規定による公告をしたことを証する書面
二 第十七条第四項の異議を述べた保険契約者その他の債権者があるときは、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、相当の担保を提供し、若しくは当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託したこと又は当該資本金の額の減少をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないことを証する書面
三 第十七条第六項の異議を述べた保険契約者の数が同項の保険契約者の総数の五分の一を超えなかったことを証する書面又はその者の同項の内閣府令で定める金額が同項の金額の総額の五分の一を超えなかったことを証する書面
2 商業登記法第七十条(資本金の額の減少による変更の登記)の規定は、株式会社の資本金の額の減少による変更の登記については、適用しない。
(資本金等の額の減少に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第十七条の四 株式会社は、資本金等の額の減少がその効力を生じた日から六月間、第十七条に規定する手続の経過その他の資本金等の額の減少に関する事項として内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各営業所に備え置かなければならない。
2 株式会社の株主及び保険契約者その他の債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(適用除外等)
第十七条の五 会社法第四百四十九条(債権者の異議)の規定は、株式会社の資本金等の額の減少については、適用しない。
2 株式会社に対する会社法第七百四十条第一項(債権者の異議手続の特則)の規定の適用については、同項中「又は第八百十条」とあるのは「若しくは第八百十条」と、「の規定」とあるのは「又は保険業法第十七条、第七十条、第百六十五条の七(同法第百六十五条の十二において準用する場合を含む。)、第百六十五条の二十四若しくは第百七十三条の四の規定」とする。
(株主に対する剰余金の配当の制限等)
第十七条の六 株式会社は、第百十三条前段(第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)の規定により貸借対照表の資産の部に計上した金額がある場合には、その全額を償却した後でなければ、次に掲げる行為をしてはならない。
一 会社法第百三十八条第一号ハ又は第二号ハ(譲渡等承認請求の方法)の請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り
二 会社法第百五十六条第一項(株式の取得に関する事項の決定)の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(同法第百六十三条(子会社からの株式の取得)に規定する場合又は同法第百六十五条第一項(市場取引等による株式の取得)に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る。)
三 会社法第百五十七条第一項(取得価格等の決定)の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得
四 会社法第百七十三条第一項(効力の発生)の規定による当該株式会社の株式の取得(金銭その他の財産を交付しない場合を除く。)
五 会社法第百七十六条第一項(売渡しの請求)の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り
六 会社法第百九十七条第三項(株式の競売)の規定による当該株式会社の株式の買取り
七 会社法第二百三十四条第四項(一に満たない端数の処理)(同法第二百三十五条第二項(一に満たない端数の処理)において準用する場合を含む。)の規定による当該株式会社の株式の買取り
八 剰余金の配当
2 会社法第四百六十三条第二項(株主に対する求償権の制限等)の規定は、前項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 株式会社に対する会社法第四百四十六条第七号(剰余金の額)並びに第四百六十一条第二項第二号イ及び第六号(配当等の制限)の規定の適用については、これらの規定中「法務省令」とあるのは、「内閣府令」とする。
(設立の登記に係る登記事項)
第十七条の七 株式会社の設立の登記には、会社法第九百十一条第三項各号(株式会社の設立の登記)に掲げる事項のほか、第百十三条後段(第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)の定款の定めがあるときは、その定めを登記しなければならない。
2 株式会社において前項に規定する事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。
第二節 相互会社
第一款 通則
(法人格)
第十八条 相互会社は、法人とする。
(住所)
第十九条 相互会社の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(名称)
第二十条 相互会社は、その名称中に相互会社という文字を用いなければならない。
(会社法の準用)
第二十一条 会社法第八条(会社と誤認させる名称等の使用の禁止)の規定は相互会社であると誤認されるおそれのある商号又は名称の使用について、同法第九条(自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任)の規定は相互会社について、同法第一編第三章第一節(会社の使用人)の規定は相互会社の使用人について、同章第二節(第十八条を除く。)(会社の代理商)の規定は相互会社のために取引の代理又は媒介をする者について、同編第四章(第二十四条を除く。)(事業の譲渡をした場合の競業の禁止等)の規定は相互会社が事業を譲渡し、又は事業若しくは営業を譲り受けた場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第十条(支配人)中「会社(外国会社を含む。以下この編において同じ。)」とあるのは「相互会社」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
2 商法(明治三十二年法律第四十八号)第二編第一章(第五百一条から第五百三条まで及び第五百二十三条を除く。)(総則)の規定は相互会社の行う行為について、同編第二章(売買)の規定は相互会社が商人又は相互会社(外国相互会社を含む。)との間で行う売買について、同編第三章(交互計算)の規定は相互会社が平常取引をする者との間で行う相殺に係る契約について、同編第五章(第五百四十五条を除く。)(仲立営業)の規定は相互会社が行う他人間の商行為の媒介について、同編第六章(第五百五十八条を除く。)(問屋営業)及び同法第五百九十三条(寄託)の規定は相互会社について、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 この編(前節、第一項、第六十七条の二及び第二百十七条第三項を除く。)及び第六編(第三百三十二条の二を除く。)の規定において会社法の規定を準用する場合には、同法の規定(当該規定において準用する同法の他の規定を含む。)中「電磁的記録」とあるのは「電磁的記録(保険業法第四条第三項に規定する電磁的記録をいう。)」と、「電磁的方法」とあるのは「電磁的方法(保険業法第十六条第二項第四号に規定する電磁的方法をいう。)」と、「法務省令」とあるのは「内閣府令」と読み替えるものとする。
4 この節(第一項、第四款第一目及び第二目並びに第六十七条の二を除く。)及び第八章第四節の規定において会社法の規定を準用する場合には、特別の定めがある場合を除き、同法の規定(当該規定において準用する同法の他の規定を含む。)中「株式会社」とあり、及び「取締役会設置会社」とあるのは「相互会社」と、「株主」とあるのは「社員」と、「子会社」とあるのは「実質子会社(保険業法第三十三条の二第一項に規定する実質子会社をいう。)」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「支店」とあるのは「従たる事務所」と、「営業時間」とあるのは「事業時間」と、「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会を設けているときは、総代会)」と、「定時株主総会」とあるのは「定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会)」と読み替えるものとする。
第二款 設立
(定款)
第二十二条 相互会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
2 前項の定款は、電磁的記録をもって作成することができる。この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、内閣府令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
(定款の記載又は記録事項)
第二十三条 相互会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 目的
二 名称
三 主たる事務所の所在地
四 基金(第五十六条の基金償却積立金を含む。)の総額
五 基金の拠出者の権利に関する定め
六 基金の償却の方法
七 剰余金の分配の方法
八 公告方法
九 発起人の氏名又は名称及び住所
2 前項第八号に掲げる公告方法は、次に掲げる方法のいずれかとする。
一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
二 電子公告
3 相互会社が前項第二号に掲げる方法を公告方法とする旨を定款で定める場合には、その定款には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号に掲げる方法を定めることができる。
4 会社法第三十条(定款の認証)の規定は、前条第一項の定款の認証について準用する。この場合において、同法第三十条第二項中「第三十三条第七項若しくは第九項又は第三十七条第一項若しくは第二項」とあるのは「保険業法第二十四条第二項において準用する第三十三条第七項又は第九項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第二十四条 相互会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十二条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
一 相互会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称
二 相互会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称
三 相互会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他相互会社に損害を与えるおそれがないものとして内閣府令で定めるものを除く。)
2 会社法第三十三条(定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第一号及び第三号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、相互会社の定款に前項各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときの検査役による当該事項の調査について準用する。この場合において、同法第三十三条第八項中「その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消す」とあるのは「その職を辞する」と、同条第十項第一号中「第二十八条第一号及び第二号」とあり、並びに同項第二号及び第三号中「第二十八条第一号又は第二号」とあるのは「保険業法第二十四条第一項第一号」と、同項第一号中「同条第一号及び第二号」とあるのは「同号」と、同条第十一項第三号中「第三十八条第一項」とあるのは「保険業法第三十条の十第一項」と、「同条第三項第二号」とあるのは「同項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第二十五条 第二十三条第一項各号及び前条第一項各号に掲げる事項のほか、相互会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。
(定款の備置き及び閲覧等)
第二十六条 発起人(相互会社の成立後にあっては、当該相互会社)は、定款を発起人が定めた場所(相互会社の成立後にあっては、各事務所)に備え置かなければならない。
2 発起人(相互会社の成立後にあっては、その社員及び債権者)は、発起人が定めた時間(相互会社の成立後にあっては、その事業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人(相互会社の成立後にあっては、当該相互会社)の定めた費用を支払わなければならない。
一 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(相互会社の成立後にあっては、当該相互会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
3 定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における前項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として内閣府令で定めるものをとっている相互会社についての第一項の規定の適用については、同項中「各事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。
(相互会社の設立時の基金の募集)
第二十七条 発起人は、この款の定めるところにより、相互会社の設立に際して基金の総額を募集しなければならない。
(基金の拠出の申込み)
第二十八条 発起人は、前条の募集に応じて基金の拠出の申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名
二 第二十三条第一項各号及び第二十四条第一項各号に掲げる事項
三 基金の拠出に係る銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項(定義等)に規定する銀行をいう。以下同じ。)、信託会社その他これに準ずるものとして内閣府令で定めるものをいう。以下この編において同じ。)の払込みの取扱いの場所
四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
2 前条の募集に応じて基金の拠出の申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。
一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所
二 拠出しようとする基金の額
3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
4 発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。
5 発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
(基金の割当て)
第二十九条 発起人は、申込者の中から基金を拠出すべき者を定め、かつ、その者に割り当てる拠出すべき基金の額を定めなければならない。この場合において、発起人は、当該申込者が拠出すべき基金の額を、前条第二項第二号の額よりも減少することができる。
2 発起人は、前項の規定による定めをした後遅滞なく、申込者に対し、当該申込者が拠出すべき基金の額を通知しなければならない。
(設立時に募集をする基金の拠出の申込み及び割当てに関する特則)
第三十条 前二条の規定は、設立時に募集をする基金を拠出しようとする者がその総額の拠出を行う契約を締結する場合には、適用しない。
(基金の引受け)
第三十条の二 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める基金の額について設立時に募集をする基金の引受人となる。
一 申込者 発起人の割り当てた拠出すべき基金の額
二 前条の契約により設立時に募集をする基金の総額を引き受けた者 その者が引き受けた基金の額
(基金の払込み)
第三十条の三 設立時に募集をする基金の引受人は、第二十九条第二項の規定による通知を受けた後遅滞なく、第二十八条第一項第三号に掲げる払込みの取扱いの場所において、それぞれ、設立時に募集をする基金の拠出に係る金銭の全額の払込みを行わなければならない。
2 設立時に募集をする基金の引受人のうち前項の払込みをしていないものがある場合には、発起人は、当該払込みをしていない設立時に募集をする基金の引受人に対して、期日を定め、その期日までに当該払込みをしなければならない旨を通知しなければならない。
3 前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。
4 第一項の規定による払込みをすることにより相互会社の設立時の基金の拠出者となる権利の譲渡は、成立後の相互会社に対抗することができない。
5 第二項の規定による通知を受けた設立時に募集をする基金の引受人は、同項に規定する期日までに払込みをしないときは、当該払込みをすることにより相互会社の設立時の基金の拠出者となる権利を失う。
(払込金の保管証明)
第三十条の四 発起人は、前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、同項の規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
2 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の相互会社に対抗することができない。
(引受けの無効又は取消しの制限等)
第三十条の五 設立時に募集をする基金の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第二十六条第二項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。
2 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条ただし書(心裡り留保)及び第九十四条第一項(虚偽表示)の規定は、設立時に募集をする基金の拠出の申込み及び割当て並びに第三十条の契約に係る意思表示については、適用しない。
3 設立時に募集をする基金の引受人は、相互会社の成立後は、錯誤を理由として設立時に募集をする基金の拠出の無効を主張し、又は詐欺若しくは強迫を理由として設立時に募集をする基金の拠出の取消しをすることができない。
(社員の募集)
第三十条の六 発起人は、この款の定めるところにより、相互会社の設立に際して社員を募集しなければならない。
2 相互会社の設立に必要な社員の数は、百人以上とする。
(入社の申込み)
第三十条の七 発起人は、前条第一項の募集に応じて入社の申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名
二 第二十三条第一項各号及び第二十四条第一項各号に掲げる事項
三 基金の拠出者(基金の引受人を含む。)の氏名又は名称及び住所並びに当該各拠出者が拠出した金額(拠出すべき額を含む。)
四 設立の時に募集をしようとする社員の数
五 第百十三条後段(第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)の定款の定めがあるときは、その定め
六 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
2 前条第一項の募集に応じて入社の申込みをする者は、次に掲げる事項を記載して署名した書面を二通作成し、発起人に交付しなければならない。
一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所
二 相互会社との間で締結しようとする保険契約に係る保険の種類
3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
4 第三十条の五第二項の規定は、相互会社の成立前における入社の申込みに係る意思表示について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(創立総会)
第三十条の八 発起人は、基金の総額についてその拠出に係る払込みが終了し、かつ、前条第二項の書面を発起人に交付した者の数が同条第一項第四号に掲げる数に達したとき(次項において「払込等完了時」という。)は、遅滞なく、相互会社の社員になろうとする者の総会(以下この節において「創立総会」という。)を招集しなければならない。
2 発起人は、払込等完了時以後は、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。
3 創立総会は、この節に規定する事項及び相互会社の設立の廃止、創立総会の終結その他相互会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。
4 社員になろうとする者は、創立総会において、各々一個の議決権を有する。
5 創立総会の決議は、社員になろうとする者の半数以上が出席し、その議決権の四分の三以上の多数により行う。
6 会社法第六十七条(創立総会の招集の決定)、第六十八条(第二項各号を除く。)(創立総会の招集の通知)、第七十条、第七十一条(創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等)、第七十三条第四項(創立総会の決議)、第七十四条から第七十六条まで(議決権の代理行使、書面による議決権の行使、電磁的方法による議決権の行使)、第七十八条から第八十条まで(発起人の説明義務、議長の権限、延期又は続行の決議)及び第八十一条(第四項を除く。)(議事録)の規定は相互会社の創立総会について、同法第八百三十条(株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え)、第八百三十一条(株主総会等の決議の取消しの訴え)、第八百三十四条(第十六号及び第十七号に係る部分に限る。)(被告)、第八百三十五条第一項(訴えの管轄)、第八百三十六条第一項及び第三項(担保提供命令)、第八百三十七条(弁論等の必要的併合)、第八百三十八条(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)、第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)並びに第九百三十七条第一項(第一号トに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は相互会社の創立総会の決議の不存在若しくは無効の確認又は取消しの訴えについて、それぞれ準用する。この場合において、これらの規定(同法第六十七条第二項及び第八百三十一条第一項を除く。)中「設立時株主」とあり、及び同法第六十七条第二項中「設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く。次条から第七十一条までにおいて同じ。)」とあるのは「社員になろうとする者」と、同法第六十八条第一項中「二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは「二週間」と、同条第二項中「次に掲げる場合には、前項」とあるのは「前項」と、同条第五項中「第二十七条第五号又は第五十九条第三項第一号」とあるのは「保険業法第三十条の七第二項第一号」と、同法第八百三十一条第一項中「株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)」とあるのは「相互会社の社員、取締役、監査役若しくは清算人(監査等委員会設置会社にあっては社員、取締役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては社員、取締役、執行役又は清算人)又は社員になろうとする者、設立時取締役(保険業法第三十条の十第一項に規定する設立時取締役をいう。以下この項において同じ。)若しくは設立時監査役(同条第一項に規定する設立時監査役をいう。以下この項において同じ。)」と、「株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)」とあるのは「取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、監査役若しくは清算人又は社員になろうとする者、設立時取締役(設立しようとする相互会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員(保険業法第三十条の十第二項に規定する設立時監査等委員をいう。)である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)若しくは設立時監査役」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(設立に関する事項の報告)
第三十条の九 発起人は、相互会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。
2 発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。
一 定款に第二十四条第一項各号に掲げる事項(同条第二項において準用する会社法第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)の定めがある場合 第二十四条第二項において準用する同法第三十三条第二項の検査役の第二十四条第二項において準用する同法第三十三条第四項の報告の内容
二 第二十四条第二項において準用する会社法第三十三条第十項第三号に掲げる場合 第二十四条第二項において準用する同法第三十三条第十項第三号に規定する証明の内容
(設立時取締役等の選任等)
第三十条の十 設立時取締役(相互会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)、設立時会計参与(相互会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。)、設立時監査役(相互会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。)又は設立時会計監査人(相互会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。)の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
2 設立しようとする相互会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(相互会社の設立に際して監査等委員となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。
3 設立時取締役は、三人以上でなければならない。
4 設立しようとする相互会社が監査役会設置会社(監査役会を置く株式会社又は相互会社をいう。以下同じ。)である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければならない。
5 設立しようとする相互会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、三人以上でなければならない。
6 第八条の二第二項、第五十三条の二第一項(第五十三条の五第一項において準用する場合を含む。)、第五十三条の四において準用する会社法第三百三十三条第一項若しくは第三項又は第五十三条の七において準用する同法第三百三十七条第一項若しくは第三項の規定により成立後の相互会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の相互会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人となることができない。
7 第一項及び第二項の規定により選任された設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人は、相互会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。
8 会社法第四十七条(設立時代表取締役の選定等)の規定は相互会社(指名委員会等設置会社を除く。)の設立時代表取締役(相互会社の設立に際して代表取締役となる者をいう。以下同じ。)の選定及び解職について、同法第四十八条(設立時委員の選定等)の規定は相互会社(指名委員会等設置会社に限る。)の設立時委員(相互会社の設立に際して指名委員会等の委員となる者をいう。以下同じ。)の選定、設立時執行役(相互会社の設立に際して執行役となる者をいう。以下同じ。)の選任及び設立時代表執行役(相互会社の設立に際して代表執行役となる者をいう。以下同じ。)の選定並びにこれらの者の解職及び解任について、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(設立時取締役等による調査)
第三十条の十一 設立時取締役(設立しようとする相互会社が監査役設置会社(監査役を置く株式会社又は相互会社をいう。以下同じ。)である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。
一 第二十四条第二項において準用する会社法第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(第二十四条第二項において準用する同法第三十三条第十項第二号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。
二 第二十四条第二項において準用する会社法第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。
三 相互会社の設立に際して募集をする基金の総額の引受けがあること。
四 第三十条の三第一項の規定による払込みが完了していること。
五 社員になろうとする者が百人以上であること。
六 前各号に掲げる事項のほか、相互会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。
2 会社法第九十三条第二項及び第三項(設立時取締役等による調査)並びに第九十四条(設立時取締役等が発起人である場合の特則)の規定は、前項の規定による調査について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(設立時の定款の変更等)
第三十条の十二 発起人は、第二十九条第二項の規定による通知をした以後は、第二十四条第二項において準用する会社法第三十三条第九項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。
2 第二十三条第四項において準用する会社法第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。
3 創立総会において、第二十四条第一項各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、発起人は、当該決議後二週間以内に限り、その職を辞することができる。
(成立の時期)
第三十条の十三 相互会社は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
2 第三十条の七第二項の書面を発起人に交付した者は、相互会社が成立し、かつ、当該相互会社が第三条第一項の免許又は第二百七十二条第一項の登録を受けた後、遅滞なく、当該相互会社に保険契約の申込みをしなければならない。
(会社法の準用)
第三十条の十四 会社法第二編第一章第八節(第五十二条第二項第二号及び第五十二条の二を除く。)(発起人等の責任等)及び第百三条第四項(発起人の責任等)の規定は、相互会社の発起人、設立時取締役又は設立時監査役の責任について準用する。この場合において、同法第五十二条第二項(出資された財産等の価額が不足する場合の責任)中「(第二十八条第一号の財産を給付した者又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)」とあるのは「(保険業法第二十四条第一項第一号の財産の譲渡人を除く。)」と、同項第一号中「第二十八条第一号又は第二号」とあるのは「保険業法第二十四条第一項第一号」と、同条第三項中「第三十三条第十項第三号」とあるのは「保険業法第二十四条第二項において準用する第三十三条第十項第三号」と、同法第百三条第四項中「第五十七条第一項の募集をした場合において、当該募集」とあるのは「保険業法第二十七条又は第三十条の六第一項の募集」と、「及び前三項」とあるのは「(第五十二条第二項第二号及び第五十二条の二を除く。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(設立の無効の訴え)
第三十条の十五 会社法第八百二十八条第一項(第一号に係る部分に限る。)及び第二項(第一号に係る部分に限る。)(会社の組織に関する行為の無効の訴え)、第八百三十四条(第一号に係る部分に限る。)(被告)、第八百三十五条第一項(訴えの管轄)、第八百三十六条第一項及び第三項(担保提供命令)、第八百三十七条から第八百三十九条まで(弁論等の必要的併合、認容判決の効力が及ぶ者の範囲、無効又は取消しの判決の効力)、第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)並びに第九百三十七条第一項(第一号イに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は、相互会社の設立の無効の訴えについて準用する。この場合において、同法第八百二十八条第二項第一号中「株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)」とあるのは「社員、取締役、監査役又は清算人(監査等委員会設置会社にあっては社員、取締役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては社員、取締役、執行役又は清算人)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第三款 社員の権利義務
(社員の責任)
第三十一条 社員の責任は、保険料を限度とする。
(通知及び催告)
第三十二条 相互会社への入社の申込みをした者又は社員に対する通知又は催告は、その者が発起人又は相互会社に通知した場所又は連絡先にあてて発すれば足りる。ただし、保険関係に属する事項の通知又は催告については、この限りでない。
2 前項本文の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
3 第一項本文及び前項の規定は、第四十一条第一項において準用する会社法第二百九十九条第一項の通知に際して社員に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(社員の名簿)
第三十二条の二 相互会社は、内閣府令で定めるところにより、社員の名簿を作成し、これに社員の名簿に関し必要な事項として内閣府令で定める事項を記載し、又は記録しなければならない。
2 相互会社は、社員の名簿をその主たる事務所に備え置かなければならない。
3 社員及び債権者は、相互会社の事業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
一 社員の名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 社員の名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
4 相互会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
一 当該請求を行う社員又は債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
二 請求者が当該相互会社の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
三 請求者が社員の名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
四 請求者が、過去二年以内において、社員の名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
(基準日)
第三十三条 相互会社は、社員として権利を行使すべき者を定めるため、その権利を行使すべき日の前四月以内の一定の日における社員をもって、その権利を行使すべき社員とみなすことができる。
2 相互会社は、前項の一定の日を定めた場合には、その日をその二週間前に公告しなければならない。ただし、定款でその日を指定した場合は、この限りでない。
3 第一項に規定する権利には、この法律に別段の定めがあるもの及び剰余金の分配を受ける権利その他の政令で定める権利を含まないものとする。
(社員又は総代の権利の行使に関する利益の供与)
第三十三条の二 相互会社は、何人に対しても、社員又は総代の権利の行使に関し、財産上の利益の供与(当該相互会社又はその実質子会社(相互会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該相互会社がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)の計算においてするものに限る。)をしてはならない。
2 会社法第百二十条第二項から第五項まで(株主等の権利の行使に関する利益の供与)の規定は前項の場合について、同法第七編第二章第二節(第八百四十七条第二項、第八百四十七条の二、第八百四十七条の三、第八百四十九条第二項及び第六項から第十一項まで、第八百五十一条第一項第一号及び第二項並びに第八百五十三条第一項第二号及び第三号を除く。)(株式会社における責任追及等の訴え)の規定はこの項において準用する同法第百二十条第三項の利益の返還を求める訴えについて、それぞれ準用する。この場合において、これらの規定(同法第八百四十七条の四第二項、第八百四十八条及び第八百四十九条第三項を除く。)中「株主等」とあるのは「社員」と、「株式会社等」とあるのは「相互会社」と、同法第百二十条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「保険業法第三十三条の二第一項」と、同条第五項中「総株主」とあるのは「総社員」と、同法第八百四十七条第一項(株主による責任追及等の訴え)中「株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)」とあるのは「社員である者」と、同法第八百四十七条の四第二項(責任追及等の訴えに係る訴訟費用等)中「株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)」とあるのは「社員」と、「当該株主等」とあるのは「当該社員」と、同法第八百四十八条(訴えの管轄)中「株式会社又は株式交換等完全子会社(以下この節において「株式会社等」という。)」とあるのは「相互会社」と、同法第八百四十九条第一項(訴訟参加)中「(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)に係る」とあるのは「に係る」と、同条第三項中「株式会社等、株式交換等完全親会社又は最終完全親会社等が、当該株式会社等、当該株式交換等完全親会社の株式交換等完全子会社又は当該最終完全親会社等の完全子会社等である株式会社の」とあるのは「相互会社が、」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(退社事由)
第三十四条 社員は、次に掲げる事由により退社する。
一 保険関係の消滅
二 定款で定める事由の発生
2 社員が死亡した場合(当該死亡が前項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合を除く。)又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人は、当該社員の権利及び義務を承継する。
3 前項の一般承継人(相続による一般承継人であって、保険料の払込みの全部又は一部を履行していないものに限る。以下この項において同じ。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、連帯して当該保険料の払込みの履行をする責任を負う。
4 一般承継人(相続による一般承継人に限る。以下この項において同じ。)が二人以上ある場合には、各一般承継人は、承継した社員としての権利を行使する者一人を定めなければ、当該権利を行使することができない。
(払戻請求権)
第三十五条 退社員は、定款又は保険約款の定めるところにより、その権利に属する金額の払戻しを請求することができる。ただし、その者に代わって社員となる者がある場合は、この限りでない。
(時効)
第三十六条 前条の払戻しを請求する権利は、三年間行わないときは、時効によって消滅する。
第四款 機関
第一目 社員総会
(議決権)
第三十七条 社員は、社員総会において、各々一個の議決権を有する。
(社員総会の権限)
第三十七条の二 社員総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。
(社員総会の決議)
第三十七条の三 社員総会の決議は、この法律又は定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の半数以上が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う。
2 社員総会は、第四十一条第一項において準用する会社法第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、第四十一条第一項において準用する同法第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第五十三条の二十三において準用する同法第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。
(社員総会招集請求権)
第三十八条 社員総数の千分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員又は三千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(少額短期保険業者である相互会社のうち政令で定めるもの(以下「特定相互会社」という。)にあっては、政令で定める数以上の社員)で六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者は、取締役に対し、社員総会の目的である事項(社員総会において決議をすることができる事項に限る。以下この目において同じ。)及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。
2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした社員は、裁判所の許可を得て、社員総会を招集することができる。
一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合
二 前項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を社員総会の日とする社員総会の招集の通知が発せられない場合
3 会社法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十四条(第四号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(提案権)
第三十九条 社員総数の千分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員又は千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、政令で定める数以上の社員)で六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者は、取締役に対し、一定の事項(社員総会において決議をすることができる事項に限る。)を社員総会の目的とすることを請求することができる。この場合において、その請求は、社員総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。
2 社員は、社員総会において、社員総会の目的である事項につき議案を提出することができる。ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。
3 社員総数の千分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員又は千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者は、取締役に対し、社員総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員総会の目的である事項につき当該社員が提出しようとする議案の要領を通知すること(第四十一条第一項において準用する会社法第二百九十九条第二項(各号を除く。)又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。
(社員総会検査役選任請求権)
第四十条 相互会社又は社員総数の千分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員若しくは千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、前条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者は、社員総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該社員総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
2 会社法第三百六条第三項から第七項まで(株主総会の招集手続等に関する検査役の選任)及び第三百七条(裁判所による株主総会招集等の決定)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同法第三百六条第三項中「前二項」とあるのは「保険業法第四十条第一項」と、同条第四項及び第七項中「株式会社」とあるのは「相互会社」と、同法第三百七条中「株主総会」とあるのは「社員総会」と、同条第一項第二号中「株主」とあるのは「社員」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 会社法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前二項の場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(会社法の準用)
第四十一条 会社法第二百九十六条(株主総会の招集)、第二百九十八条(第二項ただし書及び第三項を除く。)(株主総会の招集の決定)、第二百九十九条(第二項各号を除く。)(株主総会の招集の通知)、第三百条から第三百二条まで(招集手続の省略、株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等)、第三百十条から第三百十二条まで(議決権の代理行使、書面による議決権の行使、電磁的方法による議決権の行使)、第三百十四条から第三百十七条まで(取締役等の説明義務、議長の権限、株主総会に提出された資料等の調査、延期又は続行の決議)、第三百十八条(第五項を除く。)(議事録)、第三百十九条(第四項を除く。)(株主総会の決議の省略)及び第三百二十条(株主総会への報告の省略)の規定は、相互会社の社員総会について準用する。この場合において、これらの規定中「株式会社」とあり、及び「取締役会設置会社」とあるのは「相互会社」と、「株主」とあるのは「社員」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「営業時間」とあるのは「事業時間」と、同法第二百九十六条第一項中「定時株主総会」とあるのは「定時社員総会」と、同条第三項中「次条第四項」とあり、並びに同法第二百九十八条第一項及び第四項中「前条第四項」とあるのは「保険業法第三十八条第二項又は第五十条第二項」と、同条第二項中「(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条から第三百二条までにおいて同じ。)の数」とあるのは「の数」と、同法第二百九十九条第一項中「二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは「二週間」と、同条第二項中「次に掲げる場合には、前項」とあるのは「前項」と、同法第三百一条及び第三百二条中「株主総会参考書類」とあるのは「社員総会参考書類」と、同法第三百十条第七項中「株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)」とあるのは「社員」と、同法第三百十六条第二項中「第二百九十七条」とあるのは「保険業法第三十八条」と、同法第三百十八条第三項中「支店」とあるのは「従たる事務所」と、同法第三百十九条第一項中「株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員」とあるのは「社員の全員」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
2 会社法第八百三十条(株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え)、第八百三十一条(株主総会等の決議の取消しの訴え)、第八百三十四条(第十六号及び第十七号に係る部分に限る。)(被告)、第八百三十五条第一項(訴えの管轄)、第八百三十六条第一項及び第三項(担保提供命令)、第八百三十七条(弁論等の必要的併合)、第八百三十八条(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)、第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)並びに第九百三十七条第一項(第一号トに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は、相互会社の社員総会の決議の不存在若しくは無効の確認又は取消しの訴えについて準用する。この場合において、同法第八百三十一条第一項中「株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)」とあるのは「相互会社の社員、取締役、監査役又は清算人(監査等委員会設置会社にあっては社員、取締役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては社員、取締役、執行役又は清算人)」と、「株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)」とあるのは「社員又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(保険業法第五十三条の十二第一項(同法第百八十条の五第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含む。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第二目 総代会
(総代会の設置及び総代の任期等)
第四十二条 相互会社は、定款で定めるところにより、社員総会に代わるべき機関として、社員のうちから選出された総代により構成される機関(以下「総代会」という。)を設けることができる。
2 前項の定款には、総代の定数、任期、選出の方法その他の内閣府令で定める事項を定めなければならない。
3 総代の任期は、四年を超えることはできない。
(総代の議決権)
第四十三条 総代は、総代会において、各々一個の議決権を有する。
(総代会の権限)
第四十三条の二 総代会は、この法律に規定する事項及び定款に定めた事項に限り、決議をすることができる。
2 この法律の規定により社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の決議を必要とする事項について、取締役、執行役、取締役会その他の社員総会及び総代会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。
(総代会の決議の方法等)
第四十四条 総代会の議事は、この法律又は定款に別段の定めがある場合を除き、総代の半数以上が出席し、出席した者の議決権の過半数で決する。ただし、総代会に出席を必要とする総代の数は、定款の定めによっても総代の総数の三分の一未満とすることはできない。
2 総代会は、第四十九条第一項において準用する会社法第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、第四十九条第一項において準用する同法第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第五十三条の二十三において準用する同法第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。
(議決権の代理行使)
第四十四条の二 総代は、定款に定めがある場合には、代理人によってその議決権を行使することができる。この場合において、代理人は一人に限るものとし、かつ、当該総代又は代理人は、当該代理権を証する書面を相互会社に提出しなければならない。
2 前項の代理人となることができる者は、総代に限る。
3 会社法第三百十条(第一項及び第五項を除く。)(議決権の代理行使)の規定は、第一項の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、及び同条第三項中「第一項」とあるのは「保険業法第四十四条の二第一項」と、同条第三項、第四項、第六項及び第七項中「株式会社」とあるのは「相互会社」と、同条第四項中「第二百九十九条第三項」とあるのは「保険業法第四十九条第一項において準用する第二百九十九条第三項」と、同条第七項中「株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)」とあるのは「社員」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(総代会招集請求権)
第四十五条 社員総数の千分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員若しくは三千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、第三十八条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者又は九名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の総代は、取締役に対し、総代会の目的である事項(総代会において決議をすることができる事項に限る。以下この目において同じ。)及び招集の理由を示して、総代会の招集を請求することができる。
2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした社員又は総代は、裁判所の許可を得て、総代会を招集することができる。
一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合
二 前項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を総代会の日とする総代会の招集の通知が発せられない場合
3 会社法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十四条(第四号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(提案権)
第四十六条 社員総数の千分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員若しくは千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、第三十九条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者又は三名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の総代は、取締役に対し、一定の事項(総代会において決議をすることができる事項に限る。)を総代会の目的とすることを請求することができる。この場合において、その請求は、総代会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。
2 総代は、総代会において、総代会の目的である事項につき議案を提出することができる。ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき総代会において全総代の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。
3 社員総数の千分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員若しくは千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、第三十九条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者又は三名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の総代は、取締役に対し、総代会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、総代会の目的である事項につき議案の要領を通知すること(第四十九条第一項において準用する会社法第二百九十九条第二項(各号を除く。)又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき総代会において全総代の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。
(総代会検査役選任請求権)
第四十七条 相互会社、社員総数の千分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員若しくは千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、第三十九条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者又は三名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の総代は、総代会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該総代会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
2 会社法第三百六条第三項から第七項まで(株主総会の招集手続等に関する検査役の選任)及び第三百七条(裁判所による株主総会招集等の決定)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同法第三百六条第三項中「前二項」とあるのは「保険業法第四十七条第一項」と、同条第四項及び第七項中「株式会社」とあるのは「相互会社」と、同法第三百七条中「株主総会」とあるのは「総代会」と、同条第一項第二号中「株主」とあるのは「総代」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 会社法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前二項の場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(総代会における参考書類及び議決権行使書面の交付等)
第四十八条 取締役(第四十五条第二項の規定により社員又は総代が総代会を招集する場合にあっては、当該社員又は総代。以下この条において同じ。)は、次条第一項において読み替えて準用する会社法第二百九十九条第一項の通知に際して、内閣府令で定めるところにより、総代に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類を交付しなければならない。
2 取締役は、次条第一項において読み替えて準用する会社法第二百九十九条第三項の承諾をした総代に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による交付に代えて、その書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、総代の請求があったときは、その書類を当該総代に交付しなければならない。
3 取締役は、次条第一項において読み替えて準用する会社法第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、次条第一項において読み替えて準用する同法第二百九十九条第一項の通知に際して、内閣府令で定めるところにより、総代に対し、総代が議決権を行使するための書面(以下この条において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。
4 取締役は、次条第一項において読み替えて準用する会社法第二百九十九条第三項の承諾をした総代に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による交付に代えて、その議決権行使書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、総代の請求があったときは、その議決権行使書面を当該総代に交付しなければならない。
5 取締役は、次条第一項において読み替えて準用する会社法第二百九十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、次条第一項において準用する同法第二百九十九条第三項の承諾をした総代に対する同項の電磁的方法による通知に際して、内閣府令で定めるところにより、総代に対し、その議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。
6 取締役は、前項に規定する場合において、次条第一項において読み替えて準用する会社法第二百九十九条第三項の承諾をしていない総代から総代会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、内閣府令で定めるところにより、直ちに、当該総代に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。
(会社法の準用)
第四十九条 会社法第二百九十六条(株主総会の招集)、第二百九十八条(第二項及び第三項を除く。)(株主総会の招集の決定)、第二百九十九条(第二項各号を除く。)(株主総会の招集の通知)、第三百条(招集手続の省略)、第三百十一条(書面による議決権の行使)、第三百十二条(電磁的方法による議決権の行使)、第三百十四条から第三百十七条まで(取締役等の説明義務、議長の権限、株主総会に提出された資料等の調査、延期又は続行の決議)及び第三百十八条(第五項を除く。)(議事録)の規定は、相互会社の総代会について準用する。この場合において、これらの規定中「株式会社」とあり、及び「取締役会設置会社」とあるのは「相互会社」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「営業時間」とあるのは「事業時間」と、これらの規定(同法第二百九十八条第一項(各号を除く。)及び第四項、第三百十一条第四項、第三百十二条第五項、第三百十四条並びに第三百十八条第四項を除く。)中「株主」とあるのは「総代」と、同法第二百九十六条第一項中「定時株主総会」とあるのは「定時総代会」と、同条第三項中「次条第四項」とあるのは「保険業法第四十五条第二項」と、同法第二百九十八条第一項(各号を除く。)及び第四項中「前条第四項」とあるのは「保険業法第四十五条第二項」と、「株主」とあるのは「社員又は総代」と、同法第二百九十九条第一項中「二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは「二週間」と、同条第二項中「次に掲げる場合には、前項」とあるのは「前項」と、同法第三百十一条第四項及び第三百十二条第五項中「株主」とあるのは「社員」と、同法第三百十四条中「株主から」とあるのは「総代から」と、「株主の共同」とあるのは「社員の共同」と、同法第三百十六条第二項中「第二百九十七条」とあるのは「保険業法第四十五条」と、同法第三百十八条第三項中「支店」とあるのは「従たる事務所」と、同条第四項中「株主」とあるのは「社員」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
2 会社法第八百三十条(株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え)、第八百三十一条(株主総会等の決議の取消しの訴え)、第八百三十四条(第十六号及び第十七号に係る部分に限る。)(被告)、第八百三十五条第一項(訴えの管轄)、第八百三十六条第一項及び第三項(担保提供命令)、第八百三十七条(弁論等の必要的併合)、第八百三十八条(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)、第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)並びに第九百三十七条第一項(第一号トに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は、相互会社の総代会の決議の不存在若しくは無効の確認又は取消しの訴えについて準用する。この場合において、同法第八百三十一条第一項中「株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)」とあるのは「相互会社の社員、取締役、監査役又は清算人(監査等委員会設置会社にあっては社員、取締役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては社員、取締役、執行役又は清算人)」と、「株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)」とあるのは「社員又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(保険業法第五十三条の十二第一項(同法第百八十条の五第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含む。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(社員総会招集請求権)
第五十条 第四十二条第一項の規定により総代会が設けられている場合においても、社員総数の千分の五(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員(特定相互会社にあっては、政令で定める数以上の社員)で六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者は、取締役に対し、総代会の廃止又は同条第二項の規定により定款に定めた事項の変更を社員総会の目的として、当該社員総会の目的である事項及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。
2 次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした社員は、裁判所の許可を得て、社員総会を招集することができる。
一 前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合
二 前項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を社員総会の日とする社員総会の招集の通知が発せられない場合
3 会社法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十四条(第四号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 前三項の規定により招集された社員総会において、第四十二条第二項の規定により定款に定めた事項の変更の決議をした場合においては、当該事項に係る定款の変更が効力を生じた日から三年を経過する日までの間は、総代会においては、当該事項に係る定款の変更の決議をすることができない。
第三目 社員総会及び総代会以外の機関の設置等
(機関)
第五十一条 相互会社は、次に掲げる機関を置かなければならない。
一 取締役会
二 監査役、監査等委員会又は指名委員会等
2 相互会社は、定款の定めによって、会計参与、監査役会又は会計監査人を置くことができる。
3 保険会社である相互会社及び第二百七十二条の四第一項第一号ロに掲げる相互会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。
4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。
5 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。
6 指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。
(選任)
第五十二条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この目において同じ。)及び会計監査人は、社員総会(総代会を設けているときは、総代会。以下この款において同じ。)の決議によって選任する。
2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。
3 第一項の決議をする場合には、内閣府令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。
(相互会社と役員等との関係)
第五十三条 相互会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。
(取締役の資格等)
第五十三条の二 次に掲げる者は、取締役となることができない。
一 法人
二 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
三 この法律、会社法若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第百九十七条(有価証券届出書虚偽記載等の罪)、第百九十七条の二第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで(有価証券の無届募集等の罪)、第百九十八条第八号(裁判所の禁止又は停止命令違反の罪)、第百九十九条(報告拒絶等の罪)、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号(訂正届出書の不提出等の罪)、第二百三条第三項(金融商品取引業者等の役職員に対する贈賄罪)若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号(特定募集等の通知書の不提出等の罪)の罪、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第五百四十九条(詐欺更生罪)、第五百五十条(特定の債権者等に対する担保の供与等の罪)、第五百五十二条から第五百五十五条まで(報告及び検査の拒絶等の罪、業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪、管財人等に対する職務妨害の罪)若しくは第五百五十七条(贈賄罪)の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条(詐欺再生罪)、第二百五十六条(特定の債権者に対する担保の供与等の罪)、第二百五十八条から第二百六十条まで(報告及び検査の拒絶等の罪、業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪、監督委員等に対する職務妨害の罪)若しくは第二百六十二条(贈賄罪)の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条(報告及び検査の拒絶等の罪)、第六十六条(承認管財人等に対する職務妨害の罪)、第六十八条(贈賄罪)若しくは第六十九条(財産の無許可処分及び国外への持出しの罪)の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条(詐欺破産罪)、第二百六十六条(特定の債権者に対する担保の供与等の罪)、第二百六十八条から第二百七十二条まで(説明及び検査の拒絶等の罪、重要財産開示拒絶等の罪、業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪、審尋における説明拒絶等の罪、破産管財人等に対する職務妨害の罪)若しくは第二百七十四条(贈賄罪)の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
2 査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその実質子会社の業務執行取締役(相互会社にあっては第五十三条の十三第一項各号に掲げる取締役及び当該相互会社の業務を執行したその他の取締役をいい、株式会社にあっては会社法第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは支配人その他の使用人又は当該実質子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。
3 指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。
4 相互会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。
5 監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役(相互会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。以下同じ。)でなければならない。
一 当該相互会社又はその実質子会社の業務執行取締役等(業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人をいう。以下同じ。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該相互会社又はその実質子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。
二 その就任の前十年内のいずれかの時において当該相互会社又はその実質子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該相互会社又はその実質子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。
三 当該相互会社の取締役若しくは執行役又は支配人その他の重要な使用人の配偶者又は二親等内の親族でないこと。
(取締役の任期)
第五十三条の三 取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会。以下この款において同じ。)の終結の時までとする。ただし、定款又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。
2 監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員であるものを除く。)についての前項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。
3 監査等委員である取締役の任期については、第一項ただし書の規定は、適用しない。
4 第一項本文の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として選任された監査等委員である取締役の任期を退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時までとすることを妨げない。
5 指名委員会等設置会社の取締役についての第一項の規定の適用については、同項中「二年」とあるのは、「一年」とする。
6 会社法第三百三十二条第七項(第三号を除く。)(取締役の任期)の規定は、相互会社の取締役の任期について準用する。この場合において、同項中「前各項」とあるのは、「保険業法第五十三条の三第一項から第五項まで」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(会計参与の資格等)
第五十三条の四 会社法第三百三十三条(会計参与の資格等)及び第三百三十四条(同条第一項において準用する同法第三百三十二条第二項及び第七項第三号を除く。)(会計参与の任期)の規定は、相互会社の会計参与について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(監査役の資格等)
第五十三条の五 第五十三条の二第一項の規定は、相互会社の監査役について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
2 監査役は、相互会社若しくはその実質子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該実質子会社の執行役若しくは会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)を兼ねることができない。
3 監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役(相互会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。以下同じ。)でなければならない。
一 その就任の前十年間当該相互会社又はその実質子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。次号において同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。
二 その就任の前十年内のいずれかの時において当該相互会社又はその実質子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前十年間当該相互会社又はその実質子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。
三 当該相互会社の取締役又は支配人その他の重要な使用人の配偶者又は二親等内の親族でないこと。
(監査役の任期)
第五十三条の六 監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。
2 会社法第三百三十六条第三項及び第四項(第二号に係る部分に限る。)(監査役の任期)の規定は、相互会社の監査役について準用する。この場合において、同条第三項中「第一項」とあるのは「保険業法第五十三条の六第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(会計監査人の資格等)
第五十三条の七 会社法第三百三十七条(会計監査人の資格等)並びに第三百三十八条第一項及び第二項(会計監査人の任期)の規定は相互会社の会計監査人について、同条第三項の規定は第五十三条の十四第五項に規定する相互会社以外の相互会社の会計監査人について、それぞれ準用する。この場合において、同法第三百三十七条第三項第一号中「第四百三十五条第二項」とあるのは「保険業法第五十四条の三第二項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(解任)
第五十三条の八 相互会社の役員及び会計監査人は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。
2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、相互会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。
(監査役等による会計監査人の解任)
第五十三条の九 監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。
一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
二 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。
三 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
2 前項の規定による解任は、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。
3 第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される社員総会に報告しなければならない。
4 監査役会設置会社における前三項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査役会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査役」と、前項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査役会が選定した監査役」とする。
5 監査等委員会設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査等委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。
6 指名委員会等設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員」とする。
(役員の選任等のための決議の方法)
第五十三条の十 第三十七条の三第一項及び第四十四条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する社員総会の決議は、社員(総代会を設けているときは、総代)の半数以上(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。
2 前項の規定にかかわらず、監査等委員である取締役又は監査役の解任の決議をする場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。
(会社法の準用)
第五十三条の十一 会社法第三百四十二条の二第一項から第三項まで(監査等委員である取締役等の選任等についての意見の陳述)の規定は相互会社の監査等委員である取締役の選任若しくは解任又は辞任についての意見の陳述について、同条第四項の規定は相互会社の監査等委員である取締役以外の取締役の選任若しくは解任又は辞任についての意見の陳述について、同法第三百四十三条(第四項を除く。)(監査役の選任に関する監査役の同意等)の規定は相互会社の監査役の選任について、同法第三百四十四条(会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定)の規定は相互会社の会計監査人の選任について、同法第三百四十四条の二(第三項を除く。)(監査等委員である取締役の選任に関する監査等委員会の同意等)の規定は相互会社の監査等委員である取締役の選任について、同法第三百四十五条(会計参与等の選任等についての意見の陳述)の規定は相互会社の会計参与、監査役又は会計監査人の選任若しくは解任又は辞任についての意見の陳述について、それぞれ準用する。この場合において、同条第三項中「第二百九十八条第一項第一号」とあるのは「保険業法第四十一条第一項又は第四十九条第一項において準用する第二百九十八条第一項第一号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(役員等に欠員を生じた場合の措置)
第五十三条の十二 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。
3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、相互会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。
4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。
5 第五十三条の七において準用する会社法第三百三十七条の規定及び第五十三条の九の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。
7 監査等委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会」とする。
8 指名委員会等設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。
9 会社法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)、第八百七十六条(最高裁判所規則)及び第九百三十七条第一項(第二号イ及びハに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は、第二項及び第三項の場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第四目 取締役及び取締役会
(取締役の権限)
第五十三条の十三 次に掲げる取締役は、相互会社の業務を執行する。
一 代表取締役
二 代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって相互会社の業務を執行する取締役として選定されたもの
2 前項各号に掲げる取締役は、三月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。
(取締役会の権限等)
第五十三条の十四 取締役会は、すべての取締役で組織する。
2 取締役会は、次に掲げる職務を行う。
一 相互会社の業務執行の決定
二 取締役の職務の執行の監督
三 代表取締役の選定及び解職
3 取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。
4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一 重要な財産の処分及び譲受け
二 多額の借財
三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
五 第六十一条第一号に掲げる事項その他の社債(同条に規定する社債をいう。)を引き受ける者の募集に関する重要な事項として内閣府令で定める事項
六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他相互会社の業務並びに当該相互会社及びその実質子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして内閣府令で定める体制の整備
七 第五十三条の三十六において読み替えて準用する会社法第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第五十三条の三十三第一項の責任の免除
5 保険会社である相互会社及び第二百七十二条の四第一項第一号ロに掲げる相互会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。
(会社法の準用)
第五十三条の十五 会社法第三百五十条(代表者の行為についての損害賠償責任)、第三百五十二条(取締役の職務を代行する者の権限)、第三百五十四条から第三百五十七条まで(表見代表取締役、忠実義務、競業及び利益相反取引の制限、取締役の報告義務)、第三百五十八条(第一項第二号を除く。)(業務の執行に関する検査役の選任)、第三百五十九条(裁判所による株主総会招集等の決定)、第三百六十条第一項(株主による取締役の行為の差止め)、第三百六十一条(取締役の報酬等)及び第三百六十五条第二項(競業及び取締役会設置会社との取引等の制限)の規定は相互会社の取締役について、同法第三百四十九条第四項及び第五項(株式会社の代表)並びに第三百五十一条(代表取締役に欠員を生じた場合の措置)の規定は相互会社の代表取締役について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号及び第四号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は相互会社の取締役又は代表取締役について、同法第九百三十七条第一項(第二号イ及びハに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は相互会社の代表取締役について、それぞれ準用する。この場合において、同法第三百五十六条第一項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、同法第三百五十八条第一項中「株主は」とあるのは「社員又は総代は」と、同項第一号中「総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主」とあるのは「社員総数の千分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員又は三千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、保険業法第三十八条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者(総代会を設けているときは、これらの者又は九名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の総代)」と、同条第七項中「株主」とあるのは「社員又は総代」と、同法第三百五十九条第一項第二号中「株主」とあるのは「社員(総代会を設けているときは、総代)」と、同法第三百六十条第一項中「株式を有する株主」とあるのは「社員である者」と、「著しい損害」とあるのは「回復することができない損害」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(取締役会の運営)
第五十三条の十六 会社法第二編第四章第五節第二款(第三百六十七条並びに第三百七十一条第三項及び第五項を除く。)(運営)の規定は相互会社の取締役会の運営について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条第二項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定はこの条において読み替えて準用する同法第三百七十一条第二項又は第四項の規定による許可の申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、同法第三百七十一条第二項(議事録等)中「株主」とあるのは「社員(総代会を設けているときは、総代)」と、「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは「裁判所の許可を得て」と、同条第六項中「親会社若しくは子会社」とあるのは「保険業法第三十三条の二第一項に規定する実質子会社」と、同法第三百七十二条第二項及び第三項(取締役会への報告の省略)中「第三百六十三条第二項」とあるのは「保険業法第五十三条の十三第二項」と、同項中「第四百十七条第四項」とあるのは「保険業法第五十三条の三十第五項において準用する第四百十七条第四項」と、同法第三百七十三条第一項(特別取締役による取締役会の決議)中「第三百九十九条の十三第五項」とあるのは「保険業法第五十三条の二十三の三第五項」と、「第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号」とあるのは「同法第五十三条の十四第四項第一号及び第二号又は第五十三条の二十三の三第四項第一号及び第二号」と、同条第二項中「第三百六十二条第四項第一号及び第二号又は第三百九十九条の十三第四項第一号及び第二号」とあるのは「保険業法第五十三条の十四第四項第一号及び第二号又は第五十三条の二十三の三第四項第一号及び第二号」と、同条第四項中「第三百九十九条の十四」とあるのは「保険業法第五十三条の二十三の三第七項において準用する第三百九十九条の十四」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第五目 会計参与
(会計参与の権限等)
第五十三条の十七 会社法第二編第四章第六節(第三百七十八条第一項第二号及び第三項を除く。)(会計参与)の規定は、相互会社の会計参与について準用する。この場合において、同法第三百七十四条第一項(会計参与の権限)中「第四百三十五条第二項」とあるのは「保険業法第五十四条の三第二項」と、「附属明細書、臨時計算書類(第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)」とあるのは「附属明細書」と、「第四百四十四条第一項」とあるのは「保険業法第五十四条の十第一項」と、同条第五項中「第三百三十三条第三項第二号又は第三号」とあるのは「保険業法第五十三条の四において準用する第三百三十三条第三項第二号又は第三号」と、同法第三百七十六条第一項(取締役会への出席)中「第四百三十六条第三項、第四百四十一条第三項又は第四百四十四条第五項」とあるのは「保険業法第五十四条の四第三項又は第五十四条の十第五項」と、同条第三項中「第三百六十八条第二項」とあるのは「保険業法第五十三条の十六において準用する第三百六十八条第二項」と、同法第三百七十八条第一項第一号(会計参与による計算書類等の備置き等)中「第三百十九条第一項」とあるのは「保険業法第四十一条第一項において準用する第三百十九条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第六目 監査役及び監査役会
(監査役の権限)
第五十三条の十八 監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。この場合において、監査役は、内閣府令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。
2 監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は相互会社の業務及び財産の状況を調査することができる。
3 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、相互会社の実質子会社に対して事業の報告を求め、又はその実質子会社の業務及び財産の状況を調査することができる。
4 前項の実質子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。
(監査役会の権限)
第五十三条の十九 監査役会は、すべての監査役で組織する。
2 監査役会は、次に掲げる職務を行う。ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。
一 監査報告の作成
二 常勤の監査役の選定及び解職
三 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定
3 監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。
4 監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。
(会社法の準用)
第五十三条の二十 会社法第三百八十二条から第三百八十五条まで(取締役への報告義務、取締役会への出席義務等、株主総会に対する報告義務、監査役による取締役の行為の差止め)、第三百八十六条(第一項第二号及び第三号並びに第二項第三号及び第四号を除く。)(監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等)、第三百八十七条(監査役の報酬等)及び第三百八十八条(費用等の請求)の規定は、相互会社の監査役について準用する。この場合において、同法第三百八十三条第一項中「第三百七十三条第一項」とあるのは「保険業法第五十三条の十六において準用する第三百七十三条第一項」と、同条第二項中「第三百六十六条第一項ただし書」とあるのは「保険業法第五十三条の十六において準用する第三百六十六条第一項ただし書」と、同条第四項中「第三百七十三条第二項」とあるのは「保険業法第五十三条の十六において準用する第三百七十三条第二項」と、同法第三百八十六条第一項中「第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条」とあり、及び同条第二項中「第三百四十九条第四項」とあるのは「保険業法第五十三条の十五において準用する第三百四十九条第四項」と、同項第一号中「第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求」とあるのは「保険業法第五十三条の三十七において準用する第八百四十七条第一項の訴えの提起の請求」と、同項第二号中「第八百四十九条第四項」とあるのは「保険業法第五十三条の三十七において準用する第八百四十九条第四項」と、「第八百五十条第二項」とあるのは「保険業法第五十三条の三十七において準用する第八百五十条第二項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(監査役会の運営)
第五十三条の二十一 会社法第二編第四章第八節第二款(運営)の規定は相互会社の監査役会の運営について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条第二項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定はこの条において準用する同法第三百九十四条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による許可の申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、同法第三百九十四条第二項(議事録)中「株主」とあるのは「社員(総代会を設けているときは、総代)」と、同条第三項中「役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるとき」とあるのは「役員の責任を追及するため必要があるとき」と、同条第四項中「親会社若しくは子会社」とあるのは「保険業法第三十三条の二第一項に規定する実質子会社」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第七目 会計監査人
(会計監査人の権限等)
第五十三条の二十二 会計監査人は、次款の定めるところにより、相互会社の計算書類(第五十四条の三第二項に規定する計算書類をいう。以下この款において同じ。)及びその附属明細書並びに連結計算書類(第五十四条の十第一項に規定する連結計算書類をいう。)を監査する。この場合において、会計監査人は、内閣府令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。
2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。
一 会計帳簿(第五十四条の二第一項に規定する会計帳簿をいう。以下この款において同じ。)又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面
二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したもの
3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社(会計監査人を置く株式会社又は相互会社をいう。以下同じ。)の実質子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその実質子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4 前項の実質子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。
5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。
一 第五十三条の七において準用する会社法第三百三十七条第三項第一号又は第二号に掲げる者
二 会計監査人設置会社又はその実質子会社の取締役、執行役、会計参与若しくは監査役又は支配人その他の使用人である者
三 会計監査人設置会社又はその実質子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者
6 相互会社が指名委員会等設置会社である場合における第二項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「取締役、執行役」とする。
(会社法の準用)
第五十三条の二十三 会社法第三百九十七条から第三百九十九条まで(監査役に対する報告、定時株主総会における会計監査人の意見の陳述、会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与)の規定は、相互会社の会計監査人について準用する。この場合において、同法第三百九十八条第一項中「第三百九十六条第一項」とあるのは「保険業法第五十三条の二十二第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第八目 監査等委員会
(監査等委員会の権限等)
第五十三条の二十三の二 監査等委員会は、全ての監査等委員で組織する。
2 監査等委員は、取締役でなければならない。
3 監査等委員会は、次に掲げる職務を行う。
一 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査及び監査報告の作成
二 社員総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定
三 第五十三条の十一において準用する会社法第三百四十二条の二第四項及び第五十三条の十五において準用する同法第三百六十一条第六項に規定する監査等委員会の意見の決定
4 監査等委員がその職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について監査等委員会設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査等委員会設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査等委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。
一 費用の前払の請求
二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求
5 会社法第三百九十九条の三から第三百九十九条の六まで(監査等委員会による調査、取締役会への報告義務、株主総会に対する報告義務、監査等委員による取締役の行為の差止め)及び第三百九十九条の七(第三項、第四項並びに第五項第三号及び第四号を除く。)(監査等委員会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表等)の規定は、監査等委員会設置会社の監査等委員会又は監査等委員について準用する。この場合において、同条第一項中「第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条」とあり、及び同条第五項中「第三百四十九条第四項」とあるのは「保険業法第五十三条の十五において準用する第三百四十九条第四項」と、同項第一号中「第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求」とあるのは「保険業法第五十三条の三十七において準用する第八百四十七条第一項の規定による請求」と、同項第二号中「第八百四十九条第四項」とあるのは「保険業法第五十三条の三十七において準用する第八百四十九条第四項」と、「第八百五十条第二項」とあるのは「同法第五十三条の三十七において準用する第八百五十条第二項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
6 会社法第二編第四章第九節の二第二款(運営)の規定は監査等委員会設置会社の監査等委員会の運営について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条第二項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定はこの項において準用する同法第三百九十九条の十一第二項(同条第三項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による許可の申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、同条第二項(議事録)中「株主」とあるのは「社員(総代会を設けているときは、総代)」と、同条第三項中「取締役又は会計参与の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるとき」とあるのは「取締役又は会計参与の責任を追及するため必要があるとき」と、同条第四項中「又はその親会社若しくは子会社」とあるのは「又はその保険業法第三十三条の二第一項に規定する実質子会社」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(監査等委員会設置会社の取締役会の権限)
第五十三条の二十三の三 監査等委員会設置会社の取締役会は、第五十三条の十四の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。
一 次に掲げる事項その他監査等委員会設置会社の業務執行の決定
イ 経営の基本方針
ロ 監査等委員会の職務の執行のため必要なものとして内閣府令で定める事項
ハ 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他相互会社の業務並びに当該相互会社及びその実質子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして内閣府令で定める体制の整備
二 取締役の職務の執行の監督
三 代表取締役の選定及び解職
2 監査等委員会設置会社の取締役会は、前項第一号イからハまでに掲げる事項を決定しなければならない。
3 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の中から代表取締役を選定しなければならない。
4 監査等委員会設置会社の取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一 重要な財産の処分及び譲受け
二 多額の借財
三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
五 第六十一条第一号に掲げる事項その他の社債(同条に規定する社債をいう。)を引き受ける者の募集に関する重要な事項として内閣府令で定める事項
六 第五十三条の三十六において読み替えて準用する会社法第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第五十三条の三十三第一項の責任の免除
5 前項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、当該監査等委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる。ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。
一 第四十一条第一項又は第四十九条第一項において準用する会社法第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定
二 社員総会に提出する議案(会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定
三 第五十三条の十五において準用する会社法第三百五十六条第一項の承認
四 第五十三条の十六において準用する会社法第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定
五 前条第五項において準用する会社法第三百九十九条の七第一項第一号の規定による監査等委員会設置会社を代表する者の決定
六 前項第六号に掲げる事項
七 第五十四条の四第三項及び第五十四条の十第五項の承認
八 第六十二条の二第一項各号に掲げる行為に係る契約の内容の決定
九 組織変更計画の内容の決定
十 合併契約の内容の決定
6 前二項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社は、取締役会の決議によって重要な業務執行(前項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる。
7 会社法第三百九十九条の十四(監査等委員会による取締役会の招集)の規定は、監査等委員会設置会社の取締役会の招集について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第九目 指名委員会等及び執行役
(委員の選定等)
第五十三条の二十四 指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の各委員会(以下この条、次条及び第六十四条において単に「各委員会」という。)は、委員三人以上で組織する。
2 各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。
3 各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。
4 監査委員は、指名委員会等設置会社若しくはその実質子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の実質子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない。
(委員の解職等)
第五十三条の二十五 各委員会の委員は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。
2 会社法第四百一条第二項から第四項まで(委員の解職等)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)、第八百七十六条(最高裁判所規則)及び第九百三十七条第一項(第二号イ及びハに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は、指名委員会等設置会社の委員について準用する。この場合において、同法第四百一条第二項中「前条第一項」とあるのは「保険業法第五十三条の二十四第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(執行役の選任等)
第五十三条の二十六 指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。
2 執行役は、取締役会の決議によって選任する。
3 指名委員会等設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。
4 第五十三条の二第一項の規定は、執行役について準用する。
5 執行役は、取締役を兼ねることができる。
6 執行役の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。
7 会社法第四百二条第八項(執行役の選任等)の規定は、相互会社の執行役の任期について準用する。この場合において、同項中「前項」とあるのは「保険業法第五十三条の二十六第六項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(執行役の解任等)
第五十三条の二十七 執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解任することができる。
2 前項の規定により解任された執行役は、その解任について正当な理由がある場合を除き、指名委員会等設置会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。
3 第五十三条の二十五第二項において準用する会社法第四百一条第二項から第四項までの規定並びに同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)、第八百七十六条(最高裁判所規則)及び第九百三十七条第一項(第二号イ及びハに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は、執行役が欠けた場合又は定款で定めた執行役の員数が欠けた場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(指名委員会等の権限等)
第五十三条の二十八 指名委員会は、社員総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任及び解任に関する議案の内容を決定する。
2 監査委員会は、次に掲げる職務を行う。
一 執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。以下この目において同じ。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成
二 社員総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定
3 報酬委員会は、第五十三条の十五において準用する会社法第三百六十一条第一項の規定並びに第五十三条の十七において準用する同法第三百七十九条第一項及び第二項の規定にかかわらず、執行役等の個人別の報酬等(報酬、賞与その他の職務執行の対価として相互会社から受ける財産上の利益をいう。以下この項において同じ。)の内容を決定する。執行役が指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする。
4 委員がその職務の執行(当該委員が所属する指名委員会等の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について指名委員会等設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該指名委員会等設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。
一 費用の前払の請求
二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求
5 会社法第四百五条から第四百七条まで(監査委員会による調査、取締役会への報告義務、監査委員による執行役等の行為の差止め)、第四百八条(第三項、第四項並びに第五項第三号及び第四号を除く。)(指名委員会等設置会社と執行役又は取締役との間の訴えにおける会社の代表等)及び第四百九条(報酬委員会による報酬の決定の方法等)の規定は、指名委員会等設置会社の指名委員会等又は委員について準用する。この場合において、同法第四百八条第一項中「第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項の規定並びに第三百五十三条及び第三百六十四条」とあるのは「保険業法第五十三条の三十二において準用する第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項」と、同条第五項中「第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項」とあるのは「保険業法第五十三条の三十二において準用する第四百二十条第三項において準用する第三百四十九条第四項」と、同項第一号中「第八百四十七条第一項、第八百四十七条の二第一項若しくは第三項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)又は第八百四十七条の三第一項の規定による請求」とあるのは「保険業法第五十三条の三十七において準用する第八百四十七条第一項の規定による請求」と、同項第二号中「第八百四十九条第四項」とあるのは「保険業法第五十三条の三十七において準用する第八百四十九条第四項」と、「第八百五十条第二項」とあるのは「同法第五十三条の三十七において準用する第八百五十条第二項」と、同法第四百九条第二項中「第四百四条第三項」とあるのは「保険業法第五十三条の二十八第三項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
6 会社法第二編第四章第十節第三款(指名委員会等の運営)の規定は指名委員会等設置会社の指名委員会等の運営について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条第二項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定はこの項において準用する同法第四百十三条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による許可の申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、同条第三項(議事録)中「株主」とあるのは「社員(総代会を設けているときは、総代)」と、同条第四項中「委員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるとき」とあるのは「委員の責任を追及するため必要があるとき」と、同条第五項中「又はその親会社若しくは子会社」とあるのは「又はその保険業法第三十三条の二第一項に規定する実質子会社」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(指名委員会等設置会社の取締役の権限)
第五十三条の二十九 指名委員会等設置会社の取締役は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、指名委員会等設置会社の業務を執行することができない。
(指名委員会等設置会社の取締役会の権限)
第五十三条の三十 指名委員会等設置会社の取締役会は、第五十三条の十四の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。
一 次に掲げる事項その他指名委員会等設置会社の業務執行の決定
イ 経営の基本方針
ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして内閣府令で定める事項
ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項
ニ 第五項において準用する会社法第四百十七条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役
ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他相互会社の業務並びに当該相互会社及びその実質子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして内閣府令で定める体制の整備
二 執行役等の職務の執行の監督
2 指名委員会等設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。
3 指名委員会等設置会社の取締役会は、第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。
4 指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。
一 第四十一条第一項又は第四十九条第一項において準用する会社法第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定
二 社員総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定
三 第五十三条の十五において準用する会社法第三百五十六条第一項(第五十三条の三十二において準用する同法第四百十九条第二項前段において準用する場合を含む。)の承認
四 第五十三条の十六において準用する会社法第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定
五 第五十三条の二十四第二項の規定による委員の選定及び第五十三条の二十五第一項の規定による委員の解職
六 第五十三条の二十六第二項の規定による執行役の選任及び第五十三条の二十七第一項の規定による執行役の解任
七 第五十三条の二十八第五項において準用する会社法第四百八条第一項第一号の規定による指名委員会等設置会社を代表する者の決定
八 第五十三条の三十二において準用する会社法第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び第五十三条の三十二において準用する同法第四百二十条第二項の規定による代表執行役の解職
九 第五十三条の三十六において読み替えて準用する会社法第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第五十三条の三十三第一項の責任の免除
十 第五十四条の四第三項及び第五十四条の十第五項の承認
十一 第六十二条の二第一項各号に掲げる行為に係る契約の内容の決定
十二 組織変更計画の内容の決定
十三 合併契約の内容の決定
5 会社法第四百十七条(指名委員会等設置会社の取締役会の運営)の規定は、指名委員会等設置会社の取締役会の運営について準用する。この場合において、同条第二項中「前条第一項第一号ニ」とあるのは「保険業法第五十三条の三十第一項第一号ニ」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(執行役の権限)
第五十三条の三十一 執行役は、次に掲げる職務を行う。
一 前条第四項の規定による取締役会の決議によって委任を受けた指名委員会等設置会社の業務の執行の決定
二 指名委員会等設置会社の業務の執行
(会社法の準用)
第五十三条の三十二 会社法第四百十九条(第二項後段を除く。)(執行役の監査委員に対する報告義務等)、第四百二十一条(表見代表執行役)及び第四百二十二条第一項(株主による執行役の行為の差止め)の規定は指名委員会等設置会社の執行役について、同法第四百二十条(代表執行役)の規定は指名委員会等設置会社の代表執行役について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号及び第四号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は指名委員会等設置会社の執行役又は代表執行役について、同法第九百三十七条第一項(第二号イ及びハに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は指名委員会等設置会社の代表執行役について、それぞれ準用する。この場合において、同法第四百十九条第二項前段中「第三百五十五条、第三百五十六条及び第三百六十五条第二項」とあるのは「保険業法第五十三条の十五において準用する第三百五十五条、第三百五十六条及び第三百六十五条第二項」と、同条第三項中「第三百五十七条」とあるのは「保険業法第五十三条の十五において準用する第三百五十七条」と、同法第四百二十条第三項中「第三百四十九条第四項及び第五項」とあるのは「保険業法第五十三条の十五において準用する第三百四十九条第四項及び第五項」と、「第三百五十二条」とあるのは「同法第五十三条の十五において準用する第三百五十二条」と、「第四百一条第二項から第四項まで」とあるのは「保険業法第五十三条の二十五第二項において準用する第四百一条第二項から第四項まで」と、同法第四百二十二条第一項中「株式を有する株主」とあるのは「社員である者」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第十目 役員等の損害賠償責任
(役員等の相互会社に対する損害賠償責任)
第五十三条の三十三 取締役、執行役、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この目において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、相互会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
2 取締役又は執行役が第五十三条の十五において準用する会社法第三百五十六条第一項(前条において準用する同法第四百十九条第二項前段において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して同法第三百五十六条第一項第一号(競業及び利益相反取引の制限)の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。
3 第五十三条の十五において準用する会社法第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を前条において準用する同法第四百十九条第二項前段において準用する場合を含む。)の取引によって相互会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。
一 第五十三条の十五において準用する会社法第三百五十六条第一項(前条において準用する同法第四百十九条第二項前段において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役
二 相互会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役
三 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。)
4 前項の規定は、第五十三条の十五において準用する会社法第三百五十六条第一項第二号又は第三号に掲げる場合において、同項の取締役(監査等委員であるものを除く。)が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、適用しない。
(相互会社に対する損害賠償責任の免除)
第五十三条の三十四 前条第一項の責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。
(役員等の第三者に対する損害賠償責任)
第五十三条の三十五 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
一 取締役及び執行役 次に掲げる行為
イ 基金の募集若しくは社債(第六十一条に規定する社債をいう。)を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該相互会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録
ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
ハ 虚偽の登記
ニ 虚偽の公告(第五十四条の七第三項に規定する措置を含む。)
二 会計参与 計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
(会社法の準用)
第五十三条の三十六 会社法第四百二十五条(第一項第二号、第四項後段及び第五項を除く。)(責任の一部免除)、第四百二十六条(第四項から第六項までを除く。)(取締役等による免除に関する定款の定め)、第四百二十七条(責任限定契約)、第四百二十八条(取締役が自己のためにした取引に関する特則)及び第四百三十条(役員等の連帯責任)の規定は、相互会社の役員等の損害賠償責任について準用する。この場合において、これらの規定中「第四百二十三条第一項」とあるのは「保険業法第五十三条の三十三第一項」と、「第四百二十四条」とあるのは「保険業法第五十三条の三十四」と、同法第四百二十五条第一項中「(株式会社に最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、当該責任が特定責任(第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。以下この節において同じ。)であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会。以下この条において同じ。)の決議」とあるのは「の保険業法第六十二条第二項に規定する決議」と、同条第二項中「取締役(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、同項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは「取締役」と、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは「取締役」と、同法第四百二十六条第二項中「についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する」とあるのは「に関する」と、「準用する。この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする」とあるのは「準用する」と、同条第七項中「総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項」とあるのは「社員総数(第三項の責任を負う役員等である社員の数を除く。)の千分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員(特定相互会社にあっては、保険業法第三十八条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)が第三項」と、「とき(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定による定款の定めに基づき免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第三項又は第五項の期間内に当該各項の異議を述べたとき)は」とあるのは「ときは」と、同法第四百二十七条第三項中「準用する。この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする」とあるのは「準用する」と、同条第四項中「(当該株式会社に最終完全親会社等がある場合において、当該損害が特定責任に係るものであるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会)において」とあるのは「において」と、同条第五項中「第四百二十五条第四項及び第五項」とあるのは「第四百二十五条第四項前段」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(相互会社における責任追及等の訴え)
第五十三条の三十七 会社法第七編第二章第二節(第八百四十七条第二項、第八百四十七条の二、第八百四十七条の三、第八百四十九条第二項及び第六項から第十一項まで、第八百五十一条第一項第一号及び第二項並びに第八百五十三条第一項第二号及び第三号を除く。)(株式会社における責任追及等の訴え)の規定は相互会社における責任を追及する訴えについて、同章第三節(第八百五十四条第一項第一号イ及び第二号並びに第二項から第四項までを除く。)(株式会社の役員の解任の訴え)及び同法第九百三十七条第一項(第一号ヌに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は相互会社の役員の解任の訴えについて、それぞれ準用する。この場合において、これらの規定(同法第八百四十七条の四第二項、第八百四十八条及び第八百四十九条第三項を除く。)中「株主等」とあるのは「社員」と、「株式会社等」とあるのは「相互会社」と、同法第八百四十七条第一項(株主による責任追及等の訴え)中「株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)」とあるのは「社員である者」と、「第四百二十三条第一項」とあるのは「保険業法第五十三条の三十三第一項」と、同法第八百四十七条の四第二項(責任追及等の訴えに係る訴訟費用等)中「株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)」とあるのは「社員」と、「当該株主等」とあるのは「当該社員」と、同法第八百四十八条(訴えの管轄)中「株式会社又は株式交換等完全子会社(以下この節において「株式会社等」という。)」とあるのは「相互会社」と、同法第八百四十九条第一項(訴訟参加)中「(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)に係る」とあるのは「に係る」と、同条第三項中「株式会社等、株式交換等完全親会社又は最終完全親会社等が、当該株式会社等、当該株式交換等完全親会社の株式交換等完全子会社又は当該最終完全親会社等の完全子会社等である株式会社の」とあるのは「相互会社が、」と、同法第八百五十四条第一項第一号(株式会社の役員の解任の訴え)中「総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を」とあるのは「社員総数の千分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員又は三千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、保険業法第三十八条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で」と、「有する株主」とあるのは「社員である者(総代会を設けているときは、これらの者又は九名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の総代)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第五款 相互会社の計算等
第一目 会計の原則
第五十四条 相互会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。
第二目 計算書類等
(会計帳簿の作成及び保存等)
第五十四条の二 相互会社は、内閣府令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。
2 相互会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。
3 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。
(計算書類等の作成及び保存)
第五十四条の三 相互会社は、内閣府令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。
2 相互会社は、内閣府令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書、剰余金の処分又は損失の処理に関する議案その他相互会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるものをいう。以下この款において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
3 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。
4 相互会社は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。
(計算書類等の監査等)
第五十四条の四 相互会社(会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、内閣府令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。
2 会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、内閣府令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。
一 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人
二 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)
3 前二項の監査を受けた計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、取締役会の承認を受けなければならない。
(計算書類等の社員への提供)
第五十四条の五 取締役は、定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会。以下この款において同じ。)の招集の通知に際して、内閣府令で定めるところにより、社員(総代会を設けているときは、総代。以下この款において同じ。)に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。
(計算書類等の定時社員総会への提出等)
第五十四条の六 取締役は、第五十四条の四第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告を定時社員総会に提出し、又は提供しなければならない。
2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時社員総会の承認を受けなければならない。
3 取締役は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時社員総会に報告しなければならない。
4 会計監査人設置会社において、第五十四条の四第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い相互会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして内閣府令で定める要件に該当する場合における前二項の規定の適用については、第二項中「計算書類」とあるのは「剰余金の処分又は損失の処理に関する議案」と、前項中「事業報告」とあるのは「計算書類(剰余金の処分又は損失の処理に関する議案を除く。)及び事業報告」とする。
(計算書類の公告)
第五十四条の七 相互会社は、内閣府令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(第五十三条の十四第五項に規定する相互会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法である相互会社は、同項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。
3 前項の相互会社は、内閣府令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時社員総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。この場合においては、前二項の規定は、適用しない。
4 金融商品取引法第二十四条第一項(有価証券報告書の提出)の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない相互会社については、前三項の規定は、適用しない。
(計算書類等の備置き及び閲覧等)
第五十四条の八 相互会社は、各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(監査報告又は会計監査報告を含む。以下この条において「計算書類等」という。)を、定時社員総会の日の二週間前の日(第四十一条第一項において準用する会社法第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。
2 相互会社は、各事業年度に係る計算書類等の写しを、定時社員総会の日の二週間前の日(第四十一条第一項において準用する会社法第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間、その従たる事務所に備え置かなければならない。ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、従たる事務所における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として内閣府令で定めるものをとっているときは、この限りでない。
3 相互会社の保険契約者、保険金額を受け取るべき者その他の債権者及び被保険者は、相互会社の事業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該相互会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって相互会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(計算書類等の提出命令)
第五十四条の九 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。
(連結計算書類)
第五十四条の十 会計監査人設置会社は、内閣府令で定めるところにより、各事業年度に係る連結計算書類(当該会計監査人設置会社及びその実質子会社から成る企業集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)を作成することができる。
2 連結計算書類は、電磁的記録をもって作成することができる。
3 事業年度の末日において第五十三条の十四第五項に規定する相互会社であって金融商品取引法第二十四条第一項(有価証券報告書の提出)の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。
4 連結計算書類は、内閣府令で定めるところにより、監査役(監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)及び会計監査人の監査を受けなければならない。
5 前項の監査を受けた連結計算書類は、取締役会の承認を受けなければならない。
6 第五十四条の五並びに第五十四条の六第一項及び第三項の規定は、連結計算書類について準用する。この場合において、同項中「事業報告の内容」とあるのは「連結計算書類の内容及び第五十四条の十第四項の監査の結果」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第三目 基金利息の支払、基金の償却及び剰余金の分配
(基金利息の支払等の制限)
第五十五条 基金利息の支払は、貸借対照表上の純資産額から次に掲げる金額の合計額を控除した額(第五十五条の三第三項第一号において「利息支払限度額」という。)を限度として行うことができる。
一 基金の総額
二 損失てん補準備金及び第五十六条の基金償却積立金の額(第五十九条第二項の規定により取り崩した基金償却積立金の額があるときは、その合計額を含む。次項において同じ。)
三 その他内閣府令で定める額
2 基金の償却又は剰余金の分配は、貸借対照表上の純資産額から次に掲げる金額の合計額を控除した額(第五十五条の三第三項第二号において「償却等限度額」という。)を限度として行うことができる。ただし、第百十三条前段(第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)の規定により貸借対照表の資産の部に計上した額の全額を償却した後でなければ、これを行うことができない。
一 基金の総額
二 損失てん補準備金及び第五十六条の基金償却積立金の額
三 前項の基金利息の支払額
四 その決算期に積み立てることを要する損失てん補準備金の額
五 その他内閣府令で定める額
3 前二項の規定に違反して、基金利息の支払又は基金の償却若しくは剰余金の分配を行ったときは、当該相互会社の債権者は、これを返還させることができる。
(剰余金の分配)
第五十五条の二 剰余金の分配は、公正かつ衡平な分配をするための基準として内閣府令で定める基準に従い、行わなければならない。
2 相互会社は、その定款において第二十三条第一項第七号に掲げる事項として、毎決算期に剰余金の処分を行う場合には、その対象となる金額として内閣府令で定める金額のうち、当該金額に一定の比率を乗じた額以上の額を、社員に対する剰余金の分配をするための準備金として内閣府令で定めるものに積み立てるべき旨を定めなければならない。
3 前項に規定する一定の比率は、内閣府令で定める比率を下回ってはならない。
4 相互会社は、その決算の状況に照らしてやむを得ない事情がある場合には、前二項の規定にかかわらず、定款において、当該決算期における剰余金の処分に限り、第二項の内閣府令で定める金額に前項の内閣府令で定める比率を下回る比率を乗じた額を第二項の内閣府令で定める準備金に積み立てる旨を定めることができる。
5 前項の定款の定めは、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(基金利息の支払等に関する責任)
第五十五条の三 第五十五条第一項の規定に違反して相互会社が基金利息の支払をした場合又は同条第二項の規定に違反して相互会社が基金の償却若しくは剰余金の分配をした場合には、これらの行為(以下この条及び次条において「基金利息の支払等」という。)により金銭の交付を受けた者及び次に掲げる者は、当該相互会社に対し、連帯して、当該金銭の交付を受けた者が交付を受けた金銭の額に相当する金銭を支払う義務を負う。
一 基金利息の支払等に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として内閣府令で定めるものをいう。)
二 剰余金の処分又は損失の処理に関する議案に係る定時社員総会の決議があった場合(当該決議によって定められた議案の内容が第五十五条第一項又は第二項の規定に違反している場合に限る。)における当該定時社員総会に議案を提案した取締役として内閣府令で定めるもの
2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の義務を負わない。
3 第一項の規定により同項各号に掲げる者の負う義務は、免除することができない。ただし、次の各号に掲げる場合において、当該各号に定める額を限度として当該義務を免除することについて総社員の同意があるときは、この限りでない。
一 基金利息の支払をした場合 利息支払限度額
二 基金の償却又は剰余金の分配をした場合(第五十五条第二項ただし書に規定する場合を除く。) 償却等限度額
(社員に対する求償権の制限等)
第五十五条の四 第五十五条第一項又は第二項の規定に違反して相互会社が基金利息の支払等をした場合において、これらの違反があることにつき善意の社員は、当該社員が交付を受けた金銭について、前条第一項の金銭を支払った同項各号に掲げる者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。
第四目 基金償却積立金及び損失てん補準備金
(基金償却積立金の積立て)
第五十六条 基金を償却するときは、その償却する金額に相当する金額を、基金償却積立金として積み立てなければならない。
2 基金に係る債務の免除を受けたときは、その免除を受けた金額に相当する金額を、基金の総額から控除し、基金償却積立金として積み立てなければならない。
(基金償却積立金の取崩し)
第五十七条 相互会社は、社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の決議により、基金償却積立金を取り崩すことができる。
2 前項の場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。
3 第一項の規定による基金償却積立金の取崩しによる変更の登記の申請書には、第六十七条において準用する商業登記法第十八条、第十九条及び第四十六条に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 次項において読み替えて準用する第十七条第二項の規定による公告をしたことを証する書面
二 次項において読み替えて準用する第十七条第四項の異議を述べた保険契約者その他の債権者があるときは、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、相当の担保を供し、若しくは当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託したこと又は当該基金償却積立金の取崩しをしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないことを証する書面
三 次項において読み替えて準用する第十七条第六項の異議を述べた保険契約者の数が同項の保険契約者の総数の五分の一を超えなかったことを証する書面又はその者の同項の内閣府令で定める金額が同項の金額の総額の五分の一を超えなかったことを証する書面
4 第十六条第一項(ただし書を除く。)及び第二項、第十七条(第一項ただし書を除く。)、第十七条の二第四項並びに第十七条の四の規定は、第一項の基金償却積立金の取崩しについて準用する。この場合において、これらの規定中「資本金等の額の減少」とあるのは「基金償却積立金の取崩し」と、第十六条第一項中「株式会社は、資本金又は準備金(以下この節において「資本金等」という。)の額の減少(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)の決議に係る株主総会(会社法第四百四十七条第三項(資本金の額の減少)又は第四百四十八条第三項(準備金の額の減少)に規定する場合にあっては、取締役会)の会日の二週間前から資本金等の額の減少の効力を生じた日後六月を経過する日まで」とあるのは「第五十七条第一項の場合には、相互会社は、同項の決議に係る社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の会日の二週間前から基金償却積立金の取崩しをした日後六月を経過する日まで」と、第十七条第一項中「株式会社が資本金等の額を減少する場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)」とあるのは「第五十七条第一項の場合」と、同条第六項中「会社法第四百四十七条第一項(資本金の額の減少)又は第四百四十八条第一項(準備金の額の減少)」とあるのは「第五十七条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
5 第一項の規定による基金償却積立金の取崩しは、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
6 会社法第八百二十八条第一項(第五号に係る部分に限る。)及び第二項(第五号に係る部分に限る。)(会社の組織に関する行為の無効の訴え)、第八百三十四条(第五号に係る部分に限る。)(被告)、第八百三十五条第一項(訴えの管轄)、第八百三十六条から第八百三十九条まで(担保提供命令、弁論等の必要的併合、認容判決の効力が及ぶ者の範囲、無効又は取消しの判決の効力)、第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)並びに第九百三十七条第一項(第一号ニに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は、基金償却積立金の取崩しの無効の訴えについて準用する。この場合において、同法第八百二十八条第二項第五号中「株主等」とあるのは「社員、取締役、監査役若しくは清算人(監査等委員会設置会社にあっては社員、取締役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては社員、取締役、執行役又は清算人)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(損失てん補準備金)
第五十八条 相互会社は、基金(第五十六条の基金償却積立金を含む。)の総額(定款でこれを上回る額を定めたときは、その額)に達するまでは、毎決算期に剰余金の処分として支出する金額(第五十五条の二第二項の準備金のうち内閣府令で定めるものに積み立てる金額を含む。)の千分の三以上を、損失てん補準備金として積み立てなければならない。
(損失のてん補に充てるための損失てん補準備金等の取崩し)
第五十九条 損失てん補準備金は、損失のてん補に充てる場合を除くほか、取り崩すことができない。
2 損失てん補準備金を損失のてん補に充ててもなお不足するときは、第五十七条の規定によらないで、基金償却積立金を損失のてん補に充てるため取り崩すことができる。
第六款 基金の募集
(基金の募集)
第六十条 相互会社は、その成立後においても、社員総会(総代会を設けているときは、総代会。以下この項において同じ。)の決議により、新たに基金を募集することができる。この場合においては、相互会社は、社員総会の決議により、新たに募集をする基金の額を定めなければならない。
2 前項の場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。
(基金の拠出の申込み)
第六十条の二 相互会社は、前条第一項の募集に応じて基金の拠出の申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 第二十三条第一項第二号及び第四号から第六号までに掲げる事項
二 新たに募集をする基金の額、当該基金の拠出者が有する権利及びその償却の方法
三 払込みの期日
四 基金の拠出に係る銀行等の払込みの取扱いの場所
2 前条第一項の募集に応じて基金の拠出の申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を相互会社に交付しなければならない。
一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所
二 拠出しようとする基金の額
3 前条第一項の基金の募集による変更の登記の申請書には、第六十七条において準用する商業登記法第十八条及び第四十六条に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 基金の拠出の申込み又は次項において準用する第三十条の契約を証する書面
二 次項において準用する第三十条の三第一項の基金の払込みがあったことを証する書面
4 第二十八条第三項から第六項まで、第二十九条から第三十条の二まで、第三十条の三(第二項及び第三項を除く。)並びに第三十条の五第二項及び第三項並びに会社法第二百九条第一項(第二号を除く。)(株主となる時期等)の規定は、前条第一項の基金の募集について準用する。この場合において、これらの規定中「発起人」とあるのは「相互会社」と、第二十八条第三項中「前項」とあるのは「第六十条の二第二項」と、同条第四項中「第一項各号」とあるのは「第六十条の二第一項各号」と、「第二項」とあるのは「同条第二項」と、同条第五項中「第二項第一号」とあるのは「第六十条の二第二項第一号」と、第二十九条第一項中「前条第二項第二号」とあるのは「第六十条の二第二項第二号」と、第三十条中「前二条」とあるのは「第六十条の二第一項(第三号を除く。)及び第二項並びに同条第四項において準用する第二十八条第三項から第六項まで及び前条」と、第三十条の三第一項中「遅滞なく」とあるのは「第六十条の二第一項第三号の期日に」と、「第二十八条第一項第三号」とあるのは「同項第四号」と、同条第五項中「第二項の規定による通知を受けた設立時に募集をする基金の引受人は、同項に規定する」とあるのは「基金の引受人は、第一項の」と、第三十条の五第三項中「相互会社の成立後」とあるのは「第六十条第一項の基金の募集による変更の登記の日から一年を経過した後」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
5 会社法第八百二十八条第一項(第二号に係る部分に限る。)及び第二項(第二号に係る部分に限る。)(会社の組織に関する行為の無効の訴え)、第八百三十四条(第二号に係る部分に限る。)(被告)、第八百三十五条第一項(訴えの管轄)、第八百三十六条第一項及び第三項(担保提供命令)、第八百三十七条から第八百四十条まで(弁論等の必要的併合、認容判決の効力が及ぶ者の範囲、無効又は取消しの判決の効力、新株発行の無効判決の効力)、第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)並びに第九百三十七条第一項(第一号ロに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は前条第一項の基金の募集の無効の訴えについて、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第二号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条から第八百七十七条まで(非訟事件手続法の規定の適用除外、最高裁判所規則、審問等の必要的併合)及び第八百七十八条第一項(裁判の効力)の規定はこの項において準用する同法第八百四十条第二項の申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、同法第八百二十八条第二項第二号中「株主等」とあるのは「社員、取締役、監査役又は清算人(監査等委員会設置会社にあっては社員、取締役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては社員、取締役、執行役又は清算人)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第七款 相互会社の社債を引き受ける者の募集
(募集社債に関する事項の決定)
第六十一条 相互会社は、その発行する社債(この法律の規定により相互会社が行う割当てにより発生する当該相互会社を債務者とする金銭債権であって次に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。以下この款において同じ。)を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債(当該募集に応じて当該社債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社債をいう。以下この款において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。
一 募集社債の総額
二 各募集社債の金額
三 募集社債の利率
四 募集社債の償還の方法及び期限
五 利息支払の方法及び期限
六 社債券を発行するときは、その旨
七 社債権者が第六十一条の五において準用する会社法第六百九十八条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨
八 社債管理者が社債権者集会の決議によらずに第六十一条の七第四項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨
九 各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法
十 募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日
十一 一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときは、その旨及びその一定の日
十二 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
(募集社債の申込み)
第六十一条の二 相互会社は、前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 相互会社の名称
二 当該募集に係る前条各号に掲げる事項
三 前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
2 前条の募集に応じて募集社債の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を相互会社に交付しなければならない。
一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所
二 引き受けようとする募集社債の金額及び金額ごとの数
三 相互会社が前条第九号の最低金額を定めたときは、希望する払込金額
3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、相互会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
4 第一項の規定は、相互会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項(定義)に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集社債の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定める場合には、適用しない。
5 相互会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。
6 相互会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該相互会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
(募集社債の割当て)
第六十一条の三 相互会社は、申込者の中から募集社債の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を定めなければならない。この場合において、相互会社は、当該申込者に割り当てる募集社債の金額ごとの数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。
2 相互会社は、第六十一条第十号の期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集社債の金額及び金額ごとの数を通知しなければならない。
(募集社債の申込み及び割当てに関する特則)
第六十一条の四 前二条の規定は、募集社債を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
(会社法の準用)
第六十一条の五 会社法第六百八十条から第六百八十三条まで(募集社債の社債権者、社債原簿、社債原簿記載事項を記載した書面の交付等、社債原簿管理人)、第六百八十四条(第四項及び第五項を除く。)(社債原簿の備置き及び閲覧等)及び第六百八十五条から第七百一条まで(社債権者に対する通知等、共有者による権利の行使、社債券を発行する場合の社債の譲渡、社債の譲渡の対抗要件、権利の推定等、社債権者の請求によらない社債原簿記載事項の記載又は記録、社債権者の請求による社債原簿記載事項の記載又は記録、社債券を発行する場合の社債の質入れ、社債の質入れの対抗要件、質権に関する社債原簿の記載等、質権に関する社債原簿の記載事項を記載した書面の交付等、信託財産に属する社債についての対抗要件等、社債券の発行、社債券の記載事項、記名式と無記名式との間の転換、社債券の喪失、利札が欠けている場合における社債の償還、社債の償還請求権等の消滅時効)の規定は、相互会社が社債を発行する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「社債発行会社」とあるのは「社債を発行した相互会社」と、同法第六百八十条第二号中「前条」とあるのは「保険業法第六十一条の四」と、同法第六百八十一条第一号中「第六百七十六条第三号から第八号まで」とあるのは「保険業法第六十一条第三号から第八号まで」と、同法第六百八十五条第五項中「第七百二十条第一項」とあるのは「保険業法第六十一条の八第二項において準用する第七百二十条第一項」と、同法第六百九十八条中「第六百七十六条第七号」とあるのは「保険業法第六十一条第七号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(社債管理者の設置)
第六十一条の六 相互会社は、社債を発行する場合には、社債管理者を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければならない。ただし、各社債の金額が一億円以上である場合その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定める場合は、この限りでない。
(社債管理者の権限等)
第六十一条の七 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
2 社債管理者が前項の弁済を受けた場合には、社債権者は、その社債管理者に対し、社債の償還額及び利息の支払を請求することができる。この場合において、社債券を発行する旨の定めがあるときは、社債権者は、社債券と引換えに当該償還額の支払を、利札と引換えに当該利息の支払を請求しなければならない。
3 前項前段の規定による請求権は、十年間行使しないときは、時効によって消滅する。
4 社債管理者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第二号に掲げる行為については、第六十一条第八号に掲げる事項についての定めがあるときは、この限りでない。
一 当該社債の全部についてするその支払の猶予、その債務の不履行によって生じた責任の免除又は和解(次号に掲げる行為を除く。)
二 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(第一項の行為を除く。)
5 社債管理者は、前項ただし書の規定により社債権者集会の決議によらずに同項第二号に掲げる行為をしたときは、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。
6 前項の規定による公告は、社債を発行した相互会社における公告の方法によりしなければならない。ただし、その方法が電子公告であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。
7 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項の行為又は第四項各号に掲げる行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債を発行した相互会社の業務及び財産の状況を調査することができる。
8 会社法第七百三条(社債管理者の資格)、第七百四条(社債管理者の義務)、第七百七条から第七百十四条まで(特別代理人の選任、社債管理者等の行為の方式、二以上の社債管理者がある場合の特則、社債管理者の責任、社債管理者の辞任、社債管理者が辞任した場合の責任、社債管理者の解任、社債管理者の事務の承継)、第八百六十八条第四項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条第一項(第二号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号及び第四号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、社債管理者について準用する。この場合において、これらの規定中「社債発行会社」とあるのは「社債を発行した相互会社」と、同法第七百十条第一項中「この法律」とあるのは「保険業法」と、同法第七百十一条第二項中「第七百二条」とあるのは「保険業法第六十一条の六」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(社債権者集会)
第六十一条の八 社債権者は、社債の種類(第六十一条の五において準用する会社法第六百八十一条第一号に規定する種類をいう。)ごとに社債権者集会を組織する。
2 会社法第四編第三章(第七百十五条及び第七百四十条第三項を除く。)(社債権者集会)、第七編第二章第七節(社債発行会社の弁済等の取消しの訴え)、第八百六十八条第四項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条第一項(第七号から第九号までに係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十三条(原裁判の執行停止)、第八百七十四条(第四号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、相互会社が社債を発行する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「社債発行会社」とあるのは「社債を発行した相互会社」と、同法第七百三十七条第二項(社債権者集会の決議の執行)中「第七百五条第一項から第三項まで、第七百八条及び第七百九条」とあるのは「保険業法第六十一条の七第一項から第三項までの規定並びに同法第六十一条の七第八項において準用する第七百八条及び第七百九条」と、同法第七百四十条第一項(債権者の異議手続の特則)中「第四百四十九条、第六百二十七条、第六百三十五条、第六百七十条、第七百七十九条(第七百八十一条第二項において準用する場合を含む。)、第七百八十九条(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)、第七百九十九条(第八百二条第二項において準用する場合を含む。)又は第八百十条(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは「保険業法第五十七条第四項において準用する同法第十七条(第一項ただし書を除く。)の規定並びに同法第八十八条及び第百六十五条の十七(同法第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(担保付社債信託法等の適用関係)
第六十一条の九 社債は、担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)その他の政令で定める法令の適用については、政令で定めるところにより、会社法第二条第二十三号(定義)に規定する社債とみなす。
(短期社債に係る特例)
第六十一条の十 次に掲げる要件のすべてに該当する社債(次項において「短期社債」という。)については、社債原簿を作成することを要しない。
一 各社債の金額が一億円を下回らないこと。
二 元本の償還について、社債の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
三 利息の支払期限を、前号の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
四 担保付社債信託法の規定により担保が付されるものでないこと。
2 短期社債については、第六十一条の六から第六十一条の八までの規定は、適用しない。
第八款 定款の変更
第六十二条 定款を変更するには、社員総会(総代会を設けているときは、総代会。次条において同じ。)の決議を必要とする。
2 第三十七条の三第一項及び第四十四条第一項の規定にかかわらず、前項の決議は、総社員の半数以上が出席し、その議決権の四分の三以上の多数(総代会の場合は、総代の半数以上が出席し、その議決権の四分の三以上の多数)により行う。
第九款 事業の譲渡等
第六十二条の二 相互会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日の前日までに、社員総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。
一 事業の全部の譲渡
二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該相互会社の総資産額として内閣府令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。)
二の二 その実質子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。)
イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該相互会社の総資産額として内閣府令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。
ロ 当該相互会社が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該実質子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。
三 他の会社(相互会社、外国会社その他の法人を含む。)の事業の全部の譲受け
四 当該相互会社(第二款の規定により設立したものに限る。以下この号において同じ。)の成立後二年以内におけるその成立前から存在する財産であってその事業のために継続して使用するものの取得。ただし、イに掲げる額のロに掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を当該相互会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合を除く。
イ 当該財産の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額
ロ 当該相互会社の純資産額として内閣府令で定める方法により算定される額
2 前項の場合には、前条第二項に定める決議によらなければならない。
第十款 雑則
(非社員契約)
第六十三条 相互会社は、剰余金の分配のない保険契約その他の内閣府令で定める種類の保険契約について、当該保険契約に係る保険契約者を社員としない旨を定款で定めることができる。
2 前項の定款には、同項の定めをする保険契約の種類のほか、内閣府令で定める事項を定めなければならない。
3 相互会社が行う第一項の保険契約に係る保険の引受けは、内閣府令で定める限度を超えてはならない。
4 相互会社は、第一項の保険契約に係る保険の引受けをする場合には、内閣府令で定めるところにより、当該保険契約に係る経理を、社員である保険契約者の保険契約に係る経理と区分してしなければならない。
5 商法第三編第六章(海上保険)の規定は、第一項の保険契約(海上保険契約に該当するものに限る。)について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
6 前各項に定めるもののほか、第一項の保険契約に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(会社法の準用)
第六十三条の二 会社法第八百二十四条(会社の解散命令)、第八百二十六条(官庁等の法務大臣に対する通知義務)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第十号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)、第八百七十六条(最高裁判所規則)、第九百四条(法務大臣の関与)及び第九百三十七条第一項(第三号ロに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は相互会社の解散の命令について、同法第八百二十五条(会社の財産に関する保全処分)、第八百六十八条第一項、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)、第八百七十一条、第八百七十二条(第一号及び第四号に係る部分に限る。)、第八百七十三条、第八百七十四条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条、第八百七十六条並びに第九百五条及び第九百六条(会社の財産に関する保全処分についての特則)の規定はこの条において準用する同法第八百二十四条第一項の申立てがあった場合における相互会社の財産の保全について、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(設立の登記)
第六十四条 相互会社の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、創立総会終結の日(第三十条の十二第三項の規定により発起人がその職を辞した場合にあっては、その日)から二週間以内に行わなければならない。
2 前項の登記には、次に掲げる事項を登記しなければならない。
一 第二十三条第一項第一号、第二号及び第四号から第七号までに掲げる事項
二 事務所の所在場所
三 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の氏名
四 代表取締役の氏名及び住所(第十二号に規定する場合を除く。)
五 会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第五十三条の十七において準用する会社法第三百七十八条第一項の場所
六 監査役設置会社であるときは、その旨及び監査役の氏名
七 監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨
八 会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称
九 第五十三条の十二第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称
十 第五十三条の十六において準用する会社法第三百七十三条第一項の規定による特別取締役(同項に規定する特別取締役をいう。以下同じ。)による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項
イ 第五十三条の十六において準用する会社法第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨
ロ 特別取締役の氏名
ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
十一 監査等委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項
イ 監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役の氏名
ロ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
ハ 第五十三条の二十三の三第六項の規定による重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定款の定めがあるときは、その旨
十二 指名委員会等設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項
イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
ロ 各委員会の委員及び執行役の氏名
ハ 代表執行役の氏名及び住所
十三 第五十三条の三十六において準用する会社法第四百二十六条第一項の規定による取締役、執行役、会計参与、監査役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め
十四 第五十三条の三十六において準用する会社法第四百二十七条第一項の規定による取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め
十五 第五十四条の七第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって内閣府令で定めるもの
十六 第二十三条第一項第八号の規定による公告方法についての定款の定め
十七 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって会社法第九百十一条第三項第二十八号イ(株式会社の設立の登記)に規定するもの
ロ 第二十三条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め
十八 第百十三条後段(第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)の定款の定めがあるときは、その定め
3 会社法第九百十五条第一項(変更の登記)、第九百十六条(第一号に係る部分に限る。)(他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記)、第九百十八条(支配人の登記)及び第七編第四章第二節第二款(第九百三十二条を除く。)(支店の所在地における登記)の規定は相互会社について、同法第九百十七条(第一号に係る部分に限る。)(職務執行停止の仮処分等の登記)の規定は相互会社の取締役、執行役、会計参与、監査役、代表取締役、各委員会の委員又は代表執行役について、それぞれ準用する。この場合において、同法第九百十五条第一項中「第九百十一条第三項各号又は前三条各号」とあるのは「保険業法第六十四条第二項各号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(設立の登記の申請)
第六十五条 前条第一項の登記の申請書には、第六十七条において準用する商業登記法第十八条、第四十六条及び第四十七条第三項に規定する書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 定款
二 基金の拠出の申込み又は第三十条の契約を証する書面
三 社員になろうとする者の名簿
四 社員を募集したときは、各社員の入社の申込みを証する書面
五 定款に第二十四条第一項各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、次に掲げる書面
イ 検査役又は設立時取締役(設立しようとする相互会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役)の調査報告を記載した書面及びその附属書類
ロ 第二十四条第二項において準用する会社法第三十三条第十項第二号に掲げる場合には、同号に規定する有価証券の市場価格を証する書面
ハ 第二十四条第二項において準用する会社法第三十三条第十項第三号に掲げる場合には、同号に規定する証明を記載した書面及びその附属書類
六 検査役の報告に関する裁判があったときは、その謄本
七 第三十条の四第一項の金銭の保管に関する証明書
八 設立時取締役による設立時代表取締役の選定に関する書面
九 設立しようとする相互会社が指名委員会等設置会社であるときは、設立時執行役の選任並びに設立時委員及び設立時代表執行役の選定に関する書面
十 創立総会の議事録
十一 この法律の規定により選任され又は選定された設立時取締役、設立時監査役及び設立時代表取締役(設立しようとする相互会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては設立時監査等委員である設立時取締役及びそれ以外の設立時取締役並びに設立時代表取締役、設立しようとする相互会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては設立時取締役、設立時委員、設立時執行役及び設立時代表執行役)が就任を承諾したことを証する書面
十二 設立時会計参与又は設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面
イ 就任を承諾したことを証する書面
ロ これらの者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
ハ これらの者が法人でないときは、設立時会計参与にあっては第五十三条の四において準用する会社法第三百三十三条第一項に規定する者であること、設立時会計監査人にあっては第五十三条の七において準用する同法第三百三十七条第一項に規定する者であることを証する書面
十三 第五十三条の十六において準用する会社法第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、当該特別取締役の選定及びその選定された者が就任を承諾したことを証する書面
(登記簿)
第六十六条 登記所に、相互会社登記簿を備える。
(相互会社の登記についての会社法及び商業登記法の準用)
第六十七条 会社法第七編第四章第一節(第九百七条を除く。)(総則)の規定並びに商業登記法第一条の三から第五条まで(登記所、事務の委任、事務の停止、登記官、登記官の除斥)、第七条から第十五条まで(会社法人等番号、登記簿等の持出禁止、登記簿の滅失と回復、登記簿等の滅失防止、登記事項証明書の交付等、登記事項の概要を記載した書面の交付、附属書類の閲覧、印鑑証明、電磁的記録の作成者を示す措置の確認に必要な事項等の証明、手数料、当事者申請主義、嘱託による登記)、第十七条から第二十七条まで(登記申請の方式、申請書の添付書面、申請書に添付すべき電磁的記録、添付書面の特例、印鑑の提出、受付、受領証、登記の順序、登記官による本人確認、申請の却下、提訴期間経過後の登記、行政区画等の変更、同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止)、第三十一条(営業又は事業の譲渡の際の免責の登記)、第三十三条(商号の登記の抹消)、第四十四条から第四十六条まで(会社の支配人の登記、添付書面の通則)、第四十七条第一項及び第三項(設立の登記)、第四十八条から第五十五条まで(支店所在地における登記、本店移転の登記、取締役等の変更の登記、一時会計監査人の職務を行うべき者の変更の登記)並びに第百三十二条から第百四十八条まで(更正、抹消の申請、職権抹消、行政手続法の適用除外、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の適用除外、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の適用除外、審査請求、審査請求事件の処理、行政不服審査法の適用除外、省令への委任)の規定は、相互会社に関する登記について準用する。この場合において、同法第二十七条中「商号」とあるのは「商号又は名称」と、「営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)」とあるのは「主たる事務所」と、「係る営業所」とあるのは「係る主たる事務所」と、同法第四十六条第二項中「株主総会若しくは種類株主総会」とあるのは「社員総会(総代会を設けているときは、総代会)」と、同条第三項中「会社法第三百十九条第一項(同法第三百二十五条において準用する場合を含む。)又は第三百七十条(同法第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)」とあるのは「保険業法第四十一条第一項において準用する会社法第三百十九条第一項又は保険業法第五十三条の十六若しくは第百八十条の十五において準用する会社法第三百七十条」と、「株主総会若しくは種類株主総会」とあるのは「社員総会」と、同条第四項中「会社法第四百十六条第四項」とあるのは「保険業法第五十三条の三十第四項」と、同法第四十八条から第五十三条までの規定中「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「支店」とあるのは「従たる事務所」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(電子公告についての会社法の準用)
第六十七条の二 会社法第九百四十条第一項及び第三項(電子公告の公告期間等)、第九百四十一条(電子公告調査)、第九百四十六条(調査の義務等)、第九百四十七条(電子公告調査を行うことができない場合)、第九百五十一条第二項(財務諸表等の備置き及び閲覧等)、第九百五十三条(改善命令)並びに第九百五十五条(調査記録簿等の記載等)の規定は、相互会社が電子公告によりこの法律又は他の法律の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、同法第九百四十条第一項第二号中「第四百四十条第一項」とあるのは「保険業法第五十四条の七第一項」と、「定時株主総会」とあるのは「定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会)」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第一項」と、同法第九百四十一条中「この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項の規定による公告を除く」とあるのは「保険業法の規定による公告(同法第五十四条の七第一項の規定による公告を除く」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第三節 組織変更
第一款 株式会社から相互会社への組織変更
(組織変更)
第六十八条 保険会社である株式会社は、その組織を変更して保険会社である相互会社となることができる。
2 少額短期保険業者である株式会社は、その組織を変更して少額短期保険業者である相互会社となることができる。
3 前二項の組織変更(以下この款において「組織変更」という。)をする場合においては、組織変更後の相互会社の基金の総額を、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額以上の額とするため、基金を募集しなければならない。
一 第一項の組織変更 第六条第一項の政令で定める額
二 前項の組織変更 第二百七十二条の四第一項第二号の政令で定める額
4 前項に規定する基金の総額の全部又は一部は、組織変更時において準備金を積み立てることにより、これに代えることができる。この場合においては、当該積み立てる額については、同項の基金の募集は、することを要しない。
5 前項の準備金は、基金償却積立金とみなして、この法律(第五十六条を除く。)の規定を適用する。
6 組織変更をする場合においては、第四項の準備金のほか、損失てん補準備金を積み立てることができる。
(組織変更計画の承認)
第六十九条 株式会社は、組織変更をするには、組織変更計画を作成して、株主総会の決議により、その承認を受けなければならない。
2 前項の場合には、会社法第三百九条第二項(株主総会の決議)に定める決議によらなければならない。
3 株式会社は、第一項の決議を行う場合には、会社法第二百九十九条第一項(株主総会の招集の通知)の通知において、組織変更計画の要領を示さなければならない。
4 株式会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 組織変更後の相互会社(以下この款において「組織変更後相互会社」という。)の基金の総額
二 前条第四項の準備金及び同条第六項の損失てん補準備金の額
三 株主及び新株予約権者に対する補償に関する事項
四 組織変更後における保険契約者の権利に関する事項
五 組織変更がその効力を生ずる日(以下この款において「効力発生日」という。)その他内閣府令で定める事項
5 株式会社が第一項の決議をしたときは、当該決議の日から二週間以内に、登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対し、組織変更をする旨を各別に通知しなければならない。
6 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
7 会社法第二百十九条第一項(第五号に係る部分に限る。)、第二項(第三号に係る部分に限る。)及び第三項(株券の提出に関する公告等)、第二百二十条(株券の提出をすることができない場合)並びに第二百九十三条第一項(第二号に係る部分に限る。)(新株予約権証券の提出に関する公告等)の規定は、組織変更をする株式会社について準用する。この場合において、同法第二百十九条第二項第三号中「第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社」とあるのは「保険業法第六十九条第四項第一号に規定する組織変更後相互会社」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(組織変更計画に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第六十九条の二 組織変更をする株式会社は、組織変更計画備置開始日から効力発生日までの間、組織変更計画の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその各営業所に備え置かなければならない。
2 前項に規定する「組織変更計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。
一 前条第一項の株主総会の日の二週間前の日(会社法第三百十九条第一項(株主総会の決議の省略)の場合にあっては、同項の提案があった日)
二 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、第七十一条において準用する会社法第七百七十七条第三項の規定による通知の日又は第七十一条において準用する同法第七百七十七条第四項の公告の日のいずれか早い日
三 次条第二項の規定による公告の日
3 組織変更をする株式会社の株主及び保険契約者その他の債権者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 第一項の書面の閲覧の請求
二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 第一項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって組織変更をする株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
4 組織変更後相互会社は、効力発生日から六月間、組織変更計画の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各事務所に備え置かなければならない。
5 組織変更後相互会社の保険契約者その他の債権者は、組織変更後相互会社に対して、その事業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該組織変更後相互会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって組織変更後相互会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(債権者の異議)
第七十条 組織変更をする株式会社の保険契約者その他の債権者は、当該株式会社に対し、組織変更について異議を述べることができる。
2 組織変更をする株式会社は、次に掲げる事項を官報及び当該株式会社の定款で定めた公告方法により公告しなければならない。ただし、第四号の期間は、一月を下ることができない。
一 組織変更をする旨
二 組織変更後相互会社の名称及び住所
三 組織変更をする株式会社の計算書類に関する事項として内閣府令で定めるもの
四 組織変更をする株式会社の保険契約者その他の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
五 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
3 保険契約者その他の債権者が前項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該保険契約者その他の債権者は、当該組織変更について承認をしたものとみなす。
4 保険契約者その他の債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、組織変更をする株式会社は、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該組織変更をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
5 前項の規定は、保険契約者その他保険契約に係る権利を有する者の当該権利(保険金請求権等を除く。)については、適用しない。
6 第二項第四号の期間内に異議を述べた保険契約者(同項の規定による公告の時において既に保険金請求権等が生じている保険契約(当該保険金請求権等に係る支払により消滅することとなるものに限る。)に係る保険契約者を除く。以下この項及び次項において同じ。)の数が保険契約者の総数の五分の一を超え、かつ、当該異議を述べた保険契約者の保険契約に係る債権(保険金請求権等を除く。)の額に相当する金額として内閣府令で定める金額が保険契約者の当該金額の総額の五分の一を超えるときは、第六十九条第一項の承認の決議は、その効力を有しない。
7 前各項の規定によりされた組織変更は、前項の異議を述べた保険契約者及び保険契約者に係る保険契約に係る権利(保険金請求権等を除く。)を有する者についても、その効力を生ずる。
8 前各項に定めるもののほか、これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(新株予約権買取請求等)
第七十一条 会社法第七百七十七条(新株予約権買取請求)、第七百七十八条(新株予約権の価格の決定等)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第二項(第二号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、組織変更をする株式会社が新株予約権を発行している場合について準用する。この場合において、同法第七百七十八条第一項、第二項及び第四項中「組織変更後持分会社」とあるのは「組織変更後相互会社(保険業法第六十九条第四項第一号に規定する組織変更後相互会社をいう。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(組織変更手続中の契約)
第七十二条 組織変更をする株式会社が、第七十条第二項の規定による公告をした日の翌日以後保険契約を締結しようとするときは、保険契約者になろうとする者に対して、組織変更の手続中である旨を通知し、その承諾を得なければならない。
2 前項の承諾をした保険契約者は、次条から第七十七条までの規定の適用については、保険契約者でないものとみなす。
(保険契約者総会)
第七十三条 第七十条第二項第四号の期間内に異議を述べた保険契約者の数又はその者の同条第六項の内閣府令で定める金額が同項に定める割合を超えなかったときは、組織変更をする株式会社の取締役は、同条に定める手続が終了した後、遅滞なく、保険契約者総会を招集しなければならない。
(決議の方法等)
第七十四条 保険契約者は、保険契約者総会において、各々一個の議決権を有する。
2 保険契約者総会の決議は、保険契約者の半数以上が出席し、その議決権の四分の三以上の多数により行う。
3 会社法第六十七条第一項(創立総会の招集の決定)、第六十八条(第二項各号及び第五項から第七項までを除く。)(創立総会の招集の通知)、第七十条、第七十一条(創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等)、第七十四条から第七十六条まで(議決権の代理行使、書面による議決権の行使、電磁的方法による議決権の行使)、第七十八条から第八十条まで(発起人の説明義務、議長の権限、延期又は続行の決議)、第八十一条第一項から第三項まで(議事録)及び第三百十六条第一項(株主総会に提出された資料等の調査)の規定は保険契約者総会について、同法第八百三十条(株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え)、第八百三十一条(株主総会等の決議の取消しの訴え)、第八百三十四条(第十六号及び第十七号に係る部分に限る。)(被告)、第八百三十五条第一項(訴えの管轄)、第八百三十六条第一項及び第三項(担保提供命令)、第八百三十七条(弁論等の必要的併合)、第八百三十八条(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)、第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)並びに第九百三十七条第一項(第一号トに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は保険契約者総会の決議の不存在若しくは無効の確認又は取消しの訴えについて、それぞれ準用する。この場合において、これらの規定中「発起人」とあるのは「組織変更をする株式会社」と、「設立時株主」とあるのは「保険契約者」と、「株式会社」とあるのは「相互会社」と、同法第六十八条第二項中「次に掲げる場合には、前項」とあるのは「前項」と、同法第七十四条第六項中「本店」とあるのは「主たる事務所」と、同条第七項中「株主」とあるのは「社員」と、同法第八百三十一条第一項中「株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)」とあるのは「保険契約者、取締役、監査役又は清算人(監査等委員会設置会社にあっては保険契約者、取締役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては保険契約者、取締役、執行役又は清算人)」と、「株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)」とあるのは「取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、監査役又は清算人」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 組織変更をする株式会社が保険契約者に対してする通知又は催告は、当該保険契約者が当該株式会社に通知した通知又は催告を受ける場所又は連絡先にあてて発すれば足りる。
5 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
6 前二項の規定は、第三項において準用する会社法第六十八条第一項の通知に際して保険契約者に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(取締役の報告)
第七十五条 取締役は、組織変更に関する事項を保険契約者総会に報告しなければならない。
(保険契約者総会の決議)
第七十六条 保険契約者総会においては、その決議により、組織変更後相互会社の定款その他組織変更後相互会社の組織に必要な事項を定めるとともに、組織変更後相互会社の取締役となるべき者を選任しなければならない。
2 組織変更後相互会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による組織変更後相互会社の取締役となるべき者の選任は、組織変更後における監査等委員となる者である組織変更後相互会社の取締役となるべき者とそれ以外の組織変更後相互会社の取締役となるべき者とを区別してしなければならない。
3 次の各号に掲げる場合には、保険契約者総会においては、当該各号に定める者を選任しなければならない。
一 組織変更後相互会社が会計参与設置会社である場合 組織変更後相互会社の会計参与となるべき者
二 組織変更後相互会社が監査役設置会社である場合 組織変更後相互会社の監査役となるべき者
三 組織変更後相互会社が会計監査人設置会社である場合 組織変更後相互会社の会計監査人となるべき者
4 第六十九条第一項の決議は、第一項の決議により変更することができる。ただし、組織変更をする株式会社の債権者の利益を害することはできない。
5 前項の変更が株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、株主総会の同意を得なければならない。この場合においては、第六十九条第二項の規定を準用する。
6 前項の株主総会の同意が得られなかった場合は、第六十九条第一項の承認の決議は、その効力を失う。
7 保険契約者総会は、第七十四条第三項において準用する会社法第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、組織変更後相互会社の定款その他組織変更後相互会社の組織に必要な事項の決定並びに第一項及び第三項に規定する者の選任については、この限りでない。
(保険契約者総代会)
第七十七条 組織変更をする株式会社は、第六十九条第一項の決議により、保険契約者総会に代わるべき機関として、保険契約者のうちから選出された総代により構成される機関(以下「保険契約者総代会」という。)を置くことができる。
2 前項の決議においては、総代の定数、選出の方法その他の内閣府令で定める事項を定めなければならない。
3 組織変更をする株式会社の保険契約者(次項の規定による公告の時に保険金請求権等が生じている保険契約(当該保険金請求権等に係る支払により消滅することとなるものに限る。)に係る保険契約者を除く。同項及び第五項において同じ。)は、組織変更をする株式会社に対し、第一項の決議について異議を述べることができる。
4 組織変更をする株式会社は、第一項の決議の日から二週間以内に、次に掲げる事項を公告しなければならない。ただし、第二号の期間は、一月を下ることができない。
一 第一項の決議の内容
二 組織変更をする株式会社の保険契約者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
三 前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
5 前項第二号の期間内に異議を述べた保険契約者の数が保険契約者の総数の五分の一を超え、かつ、当該異議を述べた保険契約者の保険契約に係る債権(保険金請求権等を除く。)の額に相当する金額として内閣府令で定める金額が保険契約者の当該金額の総額の五分の一を超えるときは、第一項の決議は、その効力を有しない。
6 第四十四条の二(第三項後段を除く。)及び第七十三条から前条までの規定は、保険契約者総代会について準用する。この場合において、第四十四条の二第三項前段において準用する会社法第三百十条第二項中「前項」とあり、及び同条第三項中「第一項」とあるのは「保険業法第四十四条の二第一項」と、同条第四項中「第二百九十九条第三項」とあるのは「保険業法第七十四条第三項において準用する第六十八条第三項」と、同条第七項中「株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)」とあるのは「保険契約者又は社員」と、第七十四条第三項中「第七十四条から第七十六条まで」とあるのは「第七十五条及び第七十六条」と、同項及び同条第四項中「保険契約者」とあるのは「総代」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(組織変更における基金の募集)
第七十八条 組織変更をする株式会社は、組織変更後相互会社の基金について募集を要する場合には、その要する額について保険契約者総会又は保険契約者総代会が終結した後(第七十六条第五項の場合にあっては、同項の株主総会の同意が得られた後)、遅滞なく、その募集をしなければならない。
2 組織変更をする株式会社は、前項の募集に応じて基金の拠出の申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 第二十三条第一項第二号及び第四号から第六号までに掲げる事項
二 新たに募集をする基金の額、当該基金の拠出者が有する権利及びその償却の方法
三 払込みの期日
四 基金の拠出に係る銀行等の払込みの取扱いの場所
3 第二十八条第二項から第六項まで、第二十九条から第三十条の二まで、第三十条の三(第二項及び第三項を除く。)並びに第三十条の五第二項及び第三項の規定は、第一項の募集について準用する。この場合において、これらの規定中「発起人」とあるのは「組織変更をする株式会社」と、「設立時に募集をする基金」とあり、及び「相互会社の設立時の基金」とあるのは「第七十八条第一項の募集に係る基金」と、第二十八条第四項中「第一項各号」とあるのは「第七十八条第二項各号」と、第三十条中「前二条」とあるのは「第七十八条第二項(第三号を除く。)及び同条第三項において準用する第二十八条第二項から第六項まで」と、第三十条の三第四項中「成立後の相互会社」とあるのは「組織変更後相互会社」と、第三十条の五第三項中「相互会社の成立後」とあるのは「組織変更後」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(基金の募集後の保険契約者総会)
第七十九条 前条第一項の場合において、組織変更をする株式会社の取締役は、同項の募集に係る基金の総額の払込みがあった後、遅滞なく、第二回の保険契約者総会又は保険契約者総代会を招集しなければならない。
2 組織変更後相互会社の取締役(組織変更後相互会社が監査役設置会社である場合にあっては、取締役及び監査役。次項において同じ。)となるべき者は、前条第一項の募集に係る基金の総額についてその引受け及び払込みがあったかどうかを調査し、前項の保険契約者総会又は保険契約者総代会に報告しなければならない。
3 会社法第九十四条(設立時取締役等が発起人である場合の特則)の規定は、組織変更後相互会社の取締役となるべき者の全部又は一部が組織変更をする株式会社の取締役又は執行役である場合における第一項の保険契約者総会又は保険契約者総代会について準用する。この場合において、同条第一項中「前条第一項各号に掲げる事項」とあるのは「保険業法第七十八条第一項の募集に係る基金の総額についてのその引受け及び払込みがあったかどうか」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(組織変更の認可)
第八十条 組織変更は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 内閣総理大臣は、前項の認可の申請があった場合には、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 組織変更後相互会社が保険会社等の業務を健全かつ効率的に遂行するに足りる財産的基礎を有すること。
二 組織変更により、保険契約者の有する権利が害されるおそれがないこと。
三 前二号に掲げるもののほか、組織変更により、保険会社等の業務の健全な運営に支障を生ずるおそれがないこと。
(組織変更の効力の発生等)
第八十一条 組織変更をする株式会社は、効力発生日に、相互会社となる。
2 組織変更をする株式会社の株式及び新株予約権は、効力発生日に、消滅する。
3 組織変更をする株式会社の保険契約者は、効力発生日に、組織変更後相互会社に入社するものとする。
4 前三項の規定は、第七十条の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。
(組織変更の公告等)
第八十二条 組織変更後相互会社は、組織変更の後、遅滞なく、組織変更が行われたこと及び内閣府令で定める事項を公告しなければならない。第七十条第二項の規定による公告をした組織変更をする株式会社が組織変更を行わないこととなったときも、同様とする。
2 組織変更後相互会社は、効力発生日から六月間、第七十条に規定する手続の経過その他の組織変更に関する事項として内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各事務所に備え置かなければならない。
3 組織変更後相互会社の保険契約者その他の債権者は、組織変更後相互会社に対して、その事業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該組織変更後相互会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって組織変更後相互会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(旧株式に関する質権)
第八十三条 会社法第百五十一条第一項(各号を除く。)並びに第百五十四条第一項及び第二項(第二号に係る部分に限る。)(株式の質入れの効果)の規定は、株式会社が組織変更をした場合に当該組織変更によって株主が受けることのできる金銭について準用する。この場合において、同条第一項中「金銭等(金銭に限る。)又は同条第二項の金銭」とあるのは「金銭」と、同条第二項第二号中「第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社」とあるのは「保険業法第六十九条第四項第一号に規定する組織変更後相互会社」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(登記)
第八十四条 株式会社が組織変更をしたときは、組織変更の日から本店又は主たる事務所の所在地においては二週間以内に、支店又は従たる事務所の所在地においては三週間以内に、組織変更前の株式会社については解散の登記を、組織変更後の相互会社については設立の登記をしなければならない。
2 前項の規定による相互会社の設立の登記の申請書には、第六十七条において準用する商業登記法第十八条、第十九条及び第四十六条に規定する書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 組織変更計画書
二 定款
三 第七十条第二項の規定による公告をしたことを証する書面
四 株主総会及び保険契約者総会(保険契約者総代会を設けたときは、保険契約者総代会)の議事録
五 第七十条第四項の異議を述べた保険契約者その他の債権者があるときは、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、相当の担保を提供し、若しくは当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託したこと又は当該組織変更をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないことを証する書面
六 第七十条第六項の異議を述べた保険契約者の数が同項の保険契約者の総数の五分の一を超えなかったことを証する書面又はその者の同項の内閣府令で定める金額が同項の金額の総額の五分の一を超えなかったことを証する書面
七 組織変更をする株式会社が株券発行会社であるときは、第六十九条第七項において準用する会社法第二百十九条第一項本文の規定による公告をしたことを証する書面又は当該株式の全部について株券を発行していないことを証する書面
八 組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、第六十九条第七項において準用する会社法第二百九十三条第一項の規定による公告をしたことを証する書面又は同項に規定する新株予約権証券を発行していないことを証する書面
九 組織変更後相互会社の取締役(組織変更後相互会社が監査役設置会社である場合にあっては取締役及び監査役、組織変更後相互会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役)が就任を承諾したことを証する書面
十 組織変更後の会計参与又は会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面
イ 就任を承諾したことを証する書面
ロ これらの者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
ハ これらの者が法人でないときは、会計参与にあっては第五十三条の四において準用する会社法第三百三十三条第一項に規定する者であること、会計監査人にあっては第五十三条の七において準用する同法第三百三十七条第一項に規定する者であることを証する書面
十一 基金の募集をしたときは、基金の拠出の申込み又は第七十八条第三項において準用する第三十条の契約を証する書面
十二 基金の募集をしたときは、第七十八条第三項において準用する第三十条の三第一項の基金の払込みがあったことを証する書面
3 商業登記法第七十六条及び第七十八条(組織変更の登記)の規定は、第一項の場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(組織変更無効の訴え)
第八十四条の二 組織変更の無効は、効力発生日から六月以内に、訴えをもってのみ主張することができる。
2 組織変更の無効の訴えは、効力発生日において組織変更をする株式会社の株主等(株主、取締役、監査役又は清算人(監査等委員会設置会社にあっては株主、取締役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)であった者又は組織変更後相互会社の社員等(社員、取締役、監査役又は清算人(監査等委員会設置会社にあっては社員、取締役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては社員、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者に限り、提起することができる。
3 組織変更の無効の訴えは、組織変更後相互会社を被告とする。
4 会社法第八百三十五条第一項(訴えの管轄)、第八百三十六条から第八百三十九条まで(担保提供命令、弁論等の必要的併合、認容判決の効力が及ぶ者の範囲、無効又は取消しの判決の効力)、第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)及び第九百三十七条第三項(第一号に係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は組織変更の無効の訴えについて、同法第八百四十条(新株発行の無効判決の効力)の規定は第七十八条第一項の基金の募集を伴う組織変更の無効判決について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第二号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条から第八百七十七条まで(非訟事件手続法の規定の適用除外、最高裁判所規則、審問等の必要的併合)及び第八百七十八条第一項(裁判の効力)の規定はこの項において準用する同法第八百四十条第二項の申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、同条第一項中「株主」とあるのは「株主又は社員」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第二款 相互会社から株式会社への組織変更
(組織変更)
第八十五条 保険会社である相互会社は、その組織を変更して保険会社である株式会社となることができる。
2 少額短期保険業者である相互会社は、その組織を変更して少額短期保険業者である株式会社となることができる。
(組織変更計画の承認)
第八十六条 相互会社は、前条の組織変更(以下この款において「組織変更」という。)をするには、組織変更計画を作成して、社員総会(総代会を設けているときは、総代会。以下この款において同じ。)の決議により、その承認を受けなければならない。
2 前項の場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。
3 相互会社は、第一項の決議をする場合には、第四十一条第一項又は第四十九条第一項において準用する会社法第二百九十九条第一項の通知において、組織変更計画の要領を示さなければならない。
4 相互会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 組織変更後の株式会社(以下この款において「組織変更後株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数
二 前号に掲げるもののほか、組織変更後株式会社の定款で定める事項
三 組織変更後株式会社の取締役の氏名
四 次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める事項
イ 組織変更後株式会社が会計参与設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計参与の氏名又は名称
ロ 組織変更後株式会社が監査役設置会社である場合 組織変更後株式会社の監査役の氏名
ハ 組織変更後株式会社が会計監査人設置会社である場合 組織変更後株式会社の会計監査人の氏名又は名称
五 組織変更をする相互会社の社員が組織変更に際して取得する組織変更後株式会社の株式の数(組織変更後株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに組織変更後株式会社の資本金及び準備金に関する事項
六 組織変更をする相互会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項
七 組織変更をする相互会社の社員に対して金銭を交付するときは、その額又はその算定方法
八 組織変更をする相互会社の社員に対する前号の金銭の割当てに関する事項
九 組織変更をする相互会社の社員に対する株式の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し内閣府令で定める事項
十 前号の株式を買い受けるときは、買受けの方法その他当該買受けに関し内閣府令で定める事項
十一 組織変更後における保険契約者の権利に関する事項
十二 組織変更がその効力を生ずる日(以下この款において「効力発生日」という。)その他内閣府令で定める事項
5 相互会社は、前項第二号の定款で定める事項として、組織変更後株式会社における第百十四条第一項(第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)に規定する契約者配当に係る方針を定めなければならない。
6 組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、第四項第三号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。
(組織変更に関する書類等の備置き及び閲覧等)
第八十七条 組織変更をする相互会社は、組織変更計画備置開始日から効力発生日までの間、組織変更計画の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各事務所に備え置かなければならない。
2 前項に規定する「組織変更計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。
一 前条第一項の社員総会の日の二週間前の日(第四十一条第一項において準用する会社法第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)
二 次条第二項の規定による公告の日
3 組織変更をする相互会社の保険契約者その他の債権者は、当該相互会社に対して、その事業時間内は、いつでも、次の各号に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該相互会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 第一項の書面の閲覧の請求
二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 第一項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって組織変更をする相互会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
4 組織変更後株式会社は、効力発生日から六月間、組織変更計画の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各営業所に備え置かなければならない。
5 組織変更後株式会社の株主及び保険契約者その他の債権者は、組織変更後株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該組織変更後株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって組織変更後株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(債権者の異議)
第八十八条 組織変更をする相互会社の保険契約者その他の債権者は、当該相互会社に対し、組織変更について異議を述べることができる。
2 組織変更をする相互会社は、次に掲げる事項を官報及び当該相互会社の定款で定めた公告方法により公告しなければならない。ただし、第三号の期間は、一月を下ることができない。
一 組織変更をする旨
二 組織変更後株式会社の商号及び住所
三 組織変更をする相互会社の保険契約者その他の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
3 保険契約者その他の債権者が前項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該保険契約者その他の債権者は、当該組織変更について承認をしたものとみなす。
4 保険契約者その他の債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、組織変更をする相互会社は、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該組織変更をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
5 前項の規定は、保険契約者その他保険契約に係る権利を有する者の当該権利(保険金請求権等を除く。)については、適用しない。
6 第二項第三号の期間内に異議を述べた保険契約者(同項の規定による公告の時において既に保険金請求権等が生じている保険契約(当該保険金請求権等に係る支払により消滅することとなるものに限る。)に係る保険契約者を除く。以下この項及び次項において同じ。)の数が保険契約者の総数の五分の一を超え、かつ、当該異議を述べた保険契約者の保険契約に係る債権(保険金請求権等を除く。)の額に相当する金額として内閣府令で定める金額が保険契約者の当該金額の総額の五分の一を超えるときは、第八十六条第一項の承認の決議は、その効力を有しない。
7 前各項の規定によりされた組織変更は、前項の異議を述べた保険契約者及び保険契約者に係る保険契約に係る権利(保険金請求権等を除く。)を有する者についても、その効力を生ずる。
8 組織変更をする相互会社が、第二項の規定による公告をした日の翌日以後保険契約を締結しようとするときは、保険契約者になろうとする者に対し、組織変更の手続中である旨を通知しなければならない。
9 前各項に定めるもののほか、これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(基金の償却等)
第八十九条 組織変更をする相互会社は、償却を終わっていない基金があるときは、効力発生日までに、組織変更計画の定めるところに従い、基金の全額を償却しなければならない。ただし、第九十二条の規定による株式の発行に際して、基金に係る債権が現物出資の目的として給付された場合におけるその給付された額については、この限りでない。
2 第五十五条第二項及び第五十六条の規定は、相互会社から株式会社への組織変更をする場合には、適用しない。
(社員への株式又は金銭の割当て)
第九十条 組織変更をする相互会社の社員は、組織変更計画の定めるところにより、組織変更後株式会社の株式又は金銭の割当てを受けるものとする。
2 前項の株式又は金銭の割当ては、社員の寄与分(社員の支払った保険料及び当該保険料として収受した金銭を運用することによって得られた収益のうち、保険金、返戻金その他の給付金の支払、事業費の支出その他の支出に充てられていないものから当該社員に対する保険契約上の債務を履行するために確保すべき資産の額を控除した残額に相当するものとして内閣府令で定めるところにより計算した金額をいう。)に応じて、しなければならない。
3 会社法第二百三十四条第一項(各号を除く。)及び第二項から第五項まで(一に満たない端数の処理)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十四条(第四号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)並びに第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前二項の規定により組織変更をする相互会社の社員に株式を割り当てる場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 前三項に定めるもののほか、組織変更の場合における株式又は金銭の割当てに関し必要な事項は、政令で定める。
(組織変更剰余金額等)
第九十一条 組織変更をする相互会社は、第八十六条第四項第二号の定款で定める事項として、組織変更剰余金額を定めなければならない。
2 組織変更後株式会社は、貸借対照表上の純資産額から組織変更剰余金額を控除した金額を超えて、剰余金の配当を行うことができない。
3 組織変更剰余金額は、退社員の全体について、前条第二項の内閣府令に準じて内閣府令で定めるところにより計算した金額の総額とする。
4 第一項及び前項に定めるもののほか、組織変更に際して資本準備金として計上すべき額、組織変更剰余金額の減額その他組織変更に際しての計算に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(組織変更における株式の発行)
第九十二条 組織変更をする相互会社は、第九十条第一項の規定による株式の割当てを行うほか、組織変更に際して、組織変更後株式会社の株式を発行することができる。この場合においては、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 この条の規定により発行する組織変更後株式会社の株式(以下この款において「組織変更時発行株式」という。)の数(種類株式発行会社にあっては、組織変更時発行株式の種類及び数。以下この款において同じ。)
二 組織変更時発行株式の払込金額(組織変更時発行株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この款において同じ。)又はその算定方法
三 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額
四 組織変更時発行株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日
五 増加する資本金及び資本準備金に関する事項
(組織変更時発行株式の申込み等)
第九十三条 組織変更をする相互会社は、組織変更時発行株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 組織変更後株式会社の商号
二 前条各号に掲げる事項
三 金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所
四 前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
2 組織変更時発行株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を組織変更をする相互会社に交付しなければならない。
一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所
二 引き受けようとする組織変更時発行株式の数
3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、組織変更をする相互会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
4 組織変更をする相互会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。
5 組織変更をする相互会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該相互会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
6 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
7 第十条の規定は、組織変更をする相互会社が第一項の規定による通知をする場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(組織変更時発行株式の割当て)
第九十四条 組織変更をする相互会社は、申込者の中から組織変更時発行株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる組織変更時発行株式の数を定めなければならない。この場合において、当該相互会社は、当該申込者に割り当てる組織変更時発行株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。
2 組織変更をする相互会社は、第九十二条第四号の期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる組織変更時発行株式の数を通知しなければならない。
(組織変更時発行株式の引受け)
第九十五条 申込者は、組織変更をする相互会社の割り当てた組織変更時発行株式の数について組織変更時発行株式の引受人となる。
(出資の履行)
第九十六条 組織変更時発行株式の引受人(第九十二条第三号の財産(以下この款において「現物出資財産」という。)を給付する者を除く。)は、同条第四号の期日に、第九十三条第一項第三号の払込みの取扱いの場所において、それぞれの組織変更時発行株式の払込金額の全額を払い込まなければならない。
2 組織変更時発行株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。)は、第九十二条第四号の期日に、それぞれの組織変更時発行株式の払込金額の全額に相当する現物出資財産を給付しなければならない。
3 組織変更時発行株式の引受人は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付(以下この款において「出資の履行」という。)をする債務と組織変更をする相互会社に対する債権とを相殺することができない。
4 出資の履行をすることにより組織変更時発行株式の株主となる権利の譲渡は、組織変更後株式会社に対抗することができない。
5 組織変更時発行株式の引受人は、出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより組織変更時発行株式の株主となる権利を失う。
(株主となる時期等)
第九十六条の二 組織変更時発行株式の引受人は、効力発生日に、出資の履行を行った組織変更時発行株式の株主となる。
2 組織変更時発行株式の引受人は、第九十六条の四の二において準用する会社法第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第九十六条の四の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した組織変更時発行株式について、株主の権利を行使することができない。
3 前項の組織変更時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該組織変更時発行株式についての株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
(引受けの無効又は取消しの制限)
第九十六条の三 民法第九十三条ただし書(心裡り留保)及び第九十四条第一項(虚偽表示)の規定は、組織変更時発行株式の引受けの申込み及び割当てに係る意思表示については、適用しない。
2 組織変更時発行株式の引受人は、効力発生日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤を理由として組織変更時発行株式の引受けの無効を主張し、又は詐欺若しくは強迫を理由として組織変更時発行株式の引受けの取消しをすることができない。
(金銭以外の財産の出資)
第九十六条の四 会社法第二百七条(金銭以外の財産の出資)、第二百十二条(第一項第一号を除く。)(不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任)、第二百十三条(第一項第一号及び第三号を除く。)(出資された財産等の価額が不足する場合の取締役等の責任)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第一号及び第四号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は第九十二条第三号に掲げる事項を定めた場合について、同法第七編第二章第二節(第八百四十七条の二第九項、第八百四十七条の三、第八百四十九条第二項第二号、第七項及び第十項第二号、第八百五十条第四項並びに第八百五十三条第一項第三号を除く。)(株式会社における責任追及等の訴え)の規定はこの条において準用する同法第二百十二条(第一項第一号を除く。)の規定による支払を求める訴えについて、それぞれ準用する。この場合において、同法第二百七条第十項第一号中「取締役」とあるのは「保険業法第八十六条第一項に規定する組織変更をする相互会社の取締役」と、同法第二百十二条第一項第二号中「第二百九条第一項」とあるのは「保険業法第九十六条の二第一項」と、「第百九十九条第一項第三号」とあるのは「同法第九十二条第三号」と、同条第二項中「第百九十九条第一項第三号」とあるのは「保険業法第九十二条第三号」と、「申込み又は第二百五条第一項の契約」とあるのは「申込み」と、同法第八百四十七条第一項及び第二項(株主による責任追及等の訴え)中「株式を有する株主」とあるのは「株式を有する株主(組織変更の効力発生日から六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間。以下この項において同じ。)を経過していないときは、六箇月前から当該組織変更の効力発生日まで引き続いて社員であった者であって、当該組織変更の効力発生日から引き続いて株式を有する株主)」と、同法第八百四十七条の二第一項(旧株主による責任追及等の訴え)中「株式会社の株主であった者(」とあるのは「組織変更後株式会社の株主であった者(当該日が組織変更の効力発生日から六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間。以下この項において同じ。)を経過していないときは、当該日の六箇月前から当該組織変更の効力発生日まで引き続いて社員であった者であって、当該組織変更の効力発生日から引き続いて株式を有する株主とし、」と、同条第二項中「引き続き」とあるのは「引き続き組織変更後株式会社の株主であった者(当該日が組織変更の効力発生日から六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間。以下この項において同じ。)を経過していないときは、当該日の六箇月前から当該組織変更の効力発生日まで引き続いて社員であった者であって、当該組織変更の効力発生日から引き続いて株式を有する株主とし、」と、「効力が生じた日において」とあるのは「効力が生じた日において組織変更後株式会社の株主であった者(」と、同法第八百四十七条の四第二項(責任追及等の訴えに係る訴訟費用等)中「、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主」とあるのは「又は適格旧株主(保険業法第九十六条の四において準用する会社法第八百四十七条の二第一項本文又は第三項本文の規定によれば同条第六項に規定する提訴請求をすることができることとなる同条第一項に規定する旧株主をいう。以下この節において同じ。)」と、同法第八百四十九条第一項(訴訟参加)中「責任追及等の訴え(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)」とあるのは「保険業法第九十六条の四において準用する第二百十二条(第一項第一号を除く。)の規定による支払を求める訴え(適格旧株主にあっては、同法第九十六条の四において準用する第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(出資の履行を仮装した組織変更時発行株式の引受人の責任)
第九十六条の四の二 会社法第二百十三条の二(出資の履行を仮装した募集株式の引受人の責任)の規定は組織変更時発行株式の引受人について、同法第七編第二章第二節(第八百四十七条の三、第八百四十九条第二項第二号、第七項及び第十項第二号並びに第八百五十三条第一項第三号を除く。)(株式会社における責任追及等の訴え)の規定はこの条において準用する同法第二百十三条の二第一項の支払又は給付を求める訴えについて、それぞれ準用する。この場合において、同項中「株式会社」とあるのは「保険業法第八十六条第一項に規定する組織変更をする相互会社」と、同項第一号中「第二百八条第一項」とあるのは「保険業法第九十六条第一項」と、同項第二号中「第二百八条第二項」とあるのは「保険業法第九十六条第二項」と、同条第二項中「総株主」とあるのは「総社員(組織変更後にあっては、総株主)」と、同法第八百四十七条第一項及び第二項(株主による責任追及等の訴え)中「株式を有する株主」とあるのは「株式を有する株主(組織変更の効力発生日から六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間。以下この項において同じ。)を経過していないときは、六箇月前から当該組織変更の効力発生日まで引き続いて社員であった者であって、当該組織変更の効力発生日から引き続いて株式を有する株主)」と、同法第八百四十七条の二第一項(旧株主による責任追及等の訴え)中「株式会社の株主であった者(」とあるのは「組織変更後株式会社の株主であった者(当該日が組織変更の効力発生日から六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間。以下この項において同じ。)を経過していないときは、当該日の六箇月前から当該組織変更の効力発生日まで引き続いて社員であった者であって、当該組織変更の効力発生日から引き続いて株式を有する株主とし、」と、同条第二項中「引き続き」とあるのは「引き続き組織変更後株式会社の株主であった者(当該日が組織変更の効力発生日から六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間。以下この項において同じ。)を経過していないときは、当該日の六箇月前から当該組織変更の効力発生日まで引き続いて社員であった者であって、当該組織変更の効力発生日から引き続いて株式を有する株主とし、」と、「効力が生じた日において」とあるのは「効力が生じた日において組織変更後株式会社の株主であった者(」と、同条第九項中「第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項及び第四百六十五条第二項」とあるのは「第二百十三条の二第二項」と、「これらの規定」とあるのは「同項」と、「第八百四十七条の二第九項」とあるのは「保険業法第九十六条の四の二において準用する第八百四十七条の二第九項」と、同法第八百四十九条第一項(訴訟参加)中「責任追及等の訴え(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)」とあるのは「保険業法第九十六条の四の二において準用する第二百十三条の二第一項の支払又は給付を求める訴え(適格旧株主にあっては、同法第九十六条の四の二において準用する第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任又は義務に係るものに限る。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(出資の履行を仮装した場合の取締役等の責任)
第九十六条の四の三 前条において準用する会社法第二百十三条の二第一項各号に掲げる場合には、組織変更時発行株式の引受人が出資の履行を仮装することに関与した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。)として内閣府令で定める者は、組織変更をする相互会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
2 組織変更時発行株式の引受人が前条において準用する会社法第二百十三条の二第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
(組織変更株式交換)
第九十六条の五 組織変更をする相互会社は、組織変更に際して、組織変更株式交換(組織変更をする相互会社が組織変更をするのと同時に組織変更後株式会社の株式の全部を他の株式会社(以下この款において「組織変更株式交換完全親会社」という。)に取得させることをいう。以下この款において同じ。)をすることができる。
2 組織変更株式交換をする場合には、組織変更をする相互会社は、組織変更株式交換完全親会社との間で、組織変更株式交換契約を締結しなければならない。
3 会社法第七百九十一条(第一項第一号及び第三項を除く。)(吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等)の規定は組織変更株式交換を伴う組織変更をする相互会社について、同法第三百九条第二項(各号を除く。)(株主総会の決議)、第三百二十四条第二項(各号を除く。)(種類株主総会の決議)及び第五編第五章第二節第二款第一目(第七百九十五条第四項第一号及び第二号、第七百九十六条第二項第一号ロ、第七百九十九条第一項第一号及び第二号、第八百条並びに第八百一条第一項、第二項、第三項第一号及び第二号並びに第五項を除く。)(株式会社の手続)の規定は組織変更株式交換完全親会社について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第二項(第二号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定はこの項において準用する同法第七百九十八条第二項の規定による申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(社員への組織変更株式交換完全親会社の株式の割当て等)
第九十六条の六 組織変更株式交換を伴う組織変更をする相互会社の社員は、第九十条第一項の規定にかかわらず、組織変更計画の定めるところにより、組織変更株式交換完全親会社が組織変更株式交換に際して交付する株式又は金銭の割当てを受けるものとする。
2 第九十条第二項から第四項までの規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第九十六条の六第一項」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第九十六条の六第一項及び前項」と、同条第四項中「前三項」とあるのは「第九十六条の六第一項及び前二項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 第九十二条の規定により株式を発行する組織変更をする相互会社が組織変更株式交換をする場合には、当該株式について払込み又は現物出資の給付をした株式の引受人は、組織変更計画の定めるところにより、組織変更株式交換完全親会社が当該組織変更株式交換に際して交付する株式又は金銭の割当てを受けるものとする。
(組織変更株式交換に関し組織変更計画等に定めるべき事項)
第九十六条の七 組織変更株式交換をする場合には、組織変更計画及び組織変更株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 組織変更をする相互会社及び組織変更株式交換完全親会社の名称及び商号並びに住所
二 組織変更株式交換完全親会社が組織変更株式交換に際して組織変更をする相互会社の社員(第九十二条の規定により発行する株式の引受人を含む。以下この条において同じ。)に対して株式等(株式又は金銭をいう。以下この節において同じ。)を交付するときは、当該株式等についての次に掲げる事項
イ 当該株式等が組織変更株式交換完全親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該組織変更株式交換完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該株式等が金銭であるときは、その額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、組織変更をする相互会社の社員(組織変更株式交換完全親会社を除く。)に対する同号の株式等の割当てに関する事項
四 組織変更をする相互会社の社員に対する株式の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し内閣府令で定める事項
五 前号の株式を買い受けるときは、買受けの方法その他当該買受けに関し内閣府令で定める事項
六 組織変更及び組織変更株式交換がその効力を生ずる日
(組織変更株式移転)
第九十六条の八 組織変更をする相互会社は、組織変更に際して、組織変更株式移転(一又は二以上の組織変更をする相互会社が組織変更をするのと同時に組織変更後株式会社(次条第一項第九号に規定する場合にあっては、同号の株式会社を含む。)の発行する株式の全部を新たに設立する株式会社(以下この款において「組織変更株式移転設立完全親会社」という。)に取得させることをいう。)をすることができる。
2 第九十六条の六の規定は、組織変更株式移転の場合について準用する。この場合において、同条第一項中「組織変更株式交換完全親会社」とあるのは「組織変更株式移転設立完全親会社」と、同条第二項中「第九十六条の六第一項」とあるのは「第九十六条の八第二項において準用する第九十六条の六第一項」と、同条第三項中「組織変更株式交換完全親会社」とあるのは「組織変更株式移転設立完全親会社」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(組織変更株式移転に関し組織変更計画に定めるべき事項等)
第九十六条の九 組織変更株式移転をする場合には、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 組織変更株式移転設立完全親会社の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数
二 前号に掲げるもののほか、組織変更株式移転設立完全親会社の定款で定める事項
三 組織変更株式移転設立完全親会社の設立に際して取締役となる者の氏名
四 次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める事項
イ 組織変更株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社である場合 組織変更株式移転設立完全親会社の設立に際して会計参与となる者の氏名又は名称
ロ 組織変更株式移転設立完全親会社が監査役設置会社である場合 組織変更株式移転設立完全親会社の設立に際して監査役となる者の氏名
ハ 組織変更株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社である場合 組織変更株式移転設立完全親会社の設立に際して会計監査人となる者の氏名又は名称
五 組織変更株式移転設立完全親会社が組織変更株式移転に際して組織変更をする相互会社の社員(第九十二条の規定により発行する株式の引受人を含む。以下この条において同じ。)に対して交付する当該組織変更株式移転設立完全親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該組織変更株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項
六 組織変更をする相互会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項
七 組織変更株式移転設立完全親会社が組織変更株式移転に際して組織変更をする相互会社の社員に対して金銭を交付するときは、その額又はその算定方法
八 前号に規定する場合には、組織変更をする相互会社の社員に対する同号の金銭の割当てに関する事項
九 他の組織変更をする相互会社又は株式会社と共同して組織変更株式移転により組織変更株式移転設立完全親会社を設立するときは、その旨並びに当該株式会社の新株予約権についての会社法第七百七十三条第一項第九号及び第十号(株式移転計画)に掲げる事項
2 組織変更株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、組織変更株式移転設立完全親会社の設立に際して監査等委員となる者である組織変更株式移転設立完全親会社の設立に際して取締役となる者とそれ以外の組織変更株式移転設立完全親会社の設立に際して取締役となる者とを区別して定めなければならない。
3 会社法第二編第一章(第二十七条(第四号及び第五号を除く。)、第二十九条、第三十一条、第三十七条第三項、第三十九条、第六節及び第四十九条を除く。)(設立)の規定は、組織変更株式移転設立完全親会社の設立については、適用しない。
4 組織変更株式移転設立完全親会社の定款は、組織変更株式移転を伴う組織変更をする相互会社(第一項第九号に規定する場合にあっては、組織変更株式移転を伴う組織変更をする相互会社及び同号の株式会社)が作成する。
5 会社法第八百十一条(第一項第一号を除く。)(新設分割又は株式移転に関する書面等の備置き及び閲覧等)の規定は組織変更株式移転を伴う組織変更をする相互会社について、同法第二百十九条第一項(第八号に係る部分に限る。)、第二項(第六号に係る部分に限る。)及び第三項(株券の提出に関する公告等)、第二百二十条(株券の提出をすることができない場合)、第二百九十三条第一項(第七号に係る部分に限る。)、第二項(第八号に係る部分に限る。)、第三項及び第五項(新株予約権証券の提出に関する公告等)、第三百九条第二項(各号を除く。)及び第三項(第三号に係る部分に限る。)(株主総会の決議)、第三百二十四条第二項(各号を除く。)及び第三項(第二号に係る部分に限る。)(種類株主総会の決議)並びに第五編第五章第三節第一款第一目(第八百三条第一項第一号及び第二号、第八百五条、第八百八条第一項第一号及び第二号並びに第三項第一号及び第二号、第八百十条第一項第一号及び第二号、第八百十一条第一項第一号及び第三項並びに第八百十二条を除く。)(株式会社の手続)の規定は第一項第九号の株式会社について、同法第八百十五条第三項(第三号に係る部分に限る。)、第四項及び第六項(新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等)の規定は組織変更株式移転設立完全親会社について、それぞれ準用する。この場合において、同法第二百十九条第二項第六号及び第二百九十三条第二項第八号中「第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社」とあるのは「保険業法第九十六条の八第一項に規定する組織変更株式移転設立完全親会社」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(組織変更の認可)
第九十六条の十 組織変更は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 内閣総理大臣は、前項の認可の申請があった場合には、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 組織変更後株式会社がその業務を健全かつ効率的に遂行するに足りる財産的基礎を有すること。
二 組織変更により、保険契約者の有する権利が害されるおそれがないこと。
三 第九十条又は第九十六条の六(第九十六条の八第二項において準用する場合を含む。)の規定による株式又は金銭の割当てが適正に行われていること。
四 前三号に掲げるもののほか、組織変更により、その業務の健全な運営に支障を生ずるおそれがないこと。
(組織変更の効力の発生等)
第九十六条の十一 組織変更をする相互会社は、効力発生日(組織変更株式移転をする場合にあっては、組織変更株式移転設立完全親会社の成立の日)に、株式会社となる。
2 組織変更をする相互会社の社員は、効力発生日に、第八十六条第四項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。
3 前二項の規定は、第八十八条の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。
第九十六条の十二 前条第二項及び第九十六条の二第一項の規定にかかわらず、組織変更をする相互会社が組織変更株式交換をする場合には、組織変更株式交換完全親会社は、効力発生日に、組織変更後株式会社の発行済株式(組織変更株式交換完全親会社の有する組織変更後株式会社の株式を除く。)の全部を取得する。
2 前条第二項及び第九十六条の二第一項の規定にかかわらず、組織変更をする相互会社が組織変更株式交換をする場合には、組織変更をする相互会社の社員(第九十二条の規定により発行する株式の引受人を含む。)は、効力発生日に、第九十六条の七第三号に掲げる事項についての定めに従い、同条第二号イの株式の株主となる。
3 前二項の規定は、第八十八条の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。
第九十六条の十三 第九十六条の十一第二項及び第九十六条の二第一項の規定にかかわらず、組織変更をする相互会社が組織変更株式移転をする場合には、組織変更株式移転設立完全親会社は、その成立の日に、第九十条第一項の規定により社員に割り当てるべき株式(第九十二条の規定により発行する株式及び第九十六条の九第一項第九号の株式会社の発行する株式を含む。)の全部を取得する。
2 第九十六条の十一第二項及び第九十六条の二第一項の規定にかかわらず、組織変更をする相互会社が組織変更株式移転をする場合には、組織変更をする相互会社の社員(第九十二条の規定により発行する株式の引受人及び第九十六条の九第一項第九号の株式会社の株主を含む。)は、組織変更株式移転設立完全親会社の成立の日に、第九十六条の九第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号の株式の株主となる。
3 会社法第七百七十四条第四項及び第五項(株式移転の効力の発生等)の規定は、第九十六条の九第一項第九号に規定する場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(登記)
第九十六条の十四 相互会社が組織変更をしたときは、組織変更の日から主たる事務所及び本店の所在地においては二週間以内に、従たる事務所及び支店の所在地においては三週間以内に、組織変更をする相互会社については解散の登記を、組織変更後株式会社については設立の登記をしなければならない。
2 商業登記法第八十九条(第一号から第四号までに係る部分に限る。)(株式交換の登記)の規定は組織変更をする相互会社が組織変更株式交換をする場合について、会社法第九百二十五条(第二号及び第四号を除く。)(株式移転の登記)及び第九百三十条第一項(第四号に係る部分に限る。)(支店の所在地における登記)の規定並びに商業登記法第九十条(株式移転の登記)の規定は組織変更をする相互会社が組織変更株式移転をする場合について、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 第一項の規定による設立の登記の申請書には、第六十七条において準用する商業登記法第十八条、第十九条及び第四十六条に規定する書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 組織変更計画書
二 定款
三 相互会社の社員総会の議事録
四 組織変更後株式会社の取締役(組織変更後株式会社が監査役設置会社である場合にあっては取締役及び監査役、組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役)が就任を承諾したことを証する書面
五 組織変更後株式会社の会計参与又は会計監査人を定めたときは、次に掲げる書面
イ 就任を承諾したことを証する書面
ロ これらの者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
ハ これらの者が法人でないときは、会計参与にあっては第五十三条の四において準用する会社法第三百三十三条第一項に規定する者であること、会計監査人にあっては第五十三条の七において準用する同法第三百三十七条第一項に規定する者であることを証する書面
六 株主名簿管理人を置いたときは、その者との契約を証する書面
七 第八十八条第二項の規定による公告をしたことを証する書面
八 第八十八条第四項の異議を述べた保険契約者その他の債権者があるときは、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、相当の担保を提供し、若しくは当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託したこと又は当該組織変更をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないことを証する書面
九 第八十八条第六項の異議を述べた保険契約者の数が同項の保険契約者の総数の五分の一を超えなかったことを証する書面又はその者の同項の内閣府令で定める金額が同項の金額の総額の五分の一を超えなかったことを証する書面
十 第九十二条の規定により組織変更に際して株式を発行したときは、次に掲げる書面
イ 株式の引受けの申込みを証する書面
ロ 金銭を出資の目的とするときは、第九十六条第一項の規定による払込みがあったことを証する書面
ハ 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、次に掲げる書面
(1) 検査役が選任されたときは、検査役の調査報告を記載した書面及びその附属書類
(2) 第九十六条の四において準用する会社法第二百七条第九項第三号に掲げる場合には、有価証券の市場価格を証する書面
(3) 第九十六条の四において準用する会社法第二百七条第九項第四号に掲げる場合には、同号に規定する証明を記載した書面及びその附属書類
(4) 第九十六条の四において準用する会社法第二百七条第九項第五号に掲げる場合には、同号の金銭債権について記載された会計帳簿
ニ 検査役の報告に関する裁判があったときは、その謄本
4 組織変更株式交換完全親会社がする組織変更株式交換による変更の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条(申請書の添付書類)及び第四十六条(添付書類の通則)並びに第二項において準用する同法第八十九条(第一号から第四号までに係る部分に限る。)に定める書類並びに前項各号に掲げる書類のほか、相互会社の登記事項証明書(当該登記所の管轄区域内に相互会社の主たる事務所がある場合を除く。)を添付しなければならない。
5 組織変更株式移転による設立の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条及び第四十六条並びに第二項において準用する同法第九十条に定める書類並びに第三項各号に掲げる書類のほか、相互会社の登記事項証明書(当該登記所の管轄区域内に相互会社の主たる事務所がある場合を除く。)を添付しなければならない。
6 商業登記法第七十六条及び第七十八条(組織変更の登記)の規定は第一項の場合について、第六十七条において準用する同法第四十六条第三項の規定は第三項第三号、第四項及び前項(第三項第三号に掲げる書面に関する部分に限る。)の場合について、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(株式会社から相互会社への組織変更の規定の準用)
第九十六条の十五 第八十二条の規定は、相互会社から株式会社への組織変更について準用する。この場合において、同条第一項中「第七十条第二項」とあるのは「第八十八条第二項」と、同条第二項中「第七十条」とあるのは「第八十八条」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(組織変更の無効の訴え)
第九十六条の十六 組織変更の無効は、効力発生日(組織変更株式移転をした場合にあっては、組織変更株式移転設立完全親会社の成立の日。次項において同じ。)から六月以内に、訴えをもってのみ主張することができる。
2 組織変更の無効の訴えは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者に限り、提起することができる。
一 組織変更株式交換を伴う組織変更の場合 効力発生日において組織変更をする相互会社の社員等であった者若しくは組織変更株式交換完全親会社の株主等であった者又は組織変更後株式会社の株主等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者若しくは組織変更株式交換完全親会社の株主等若しくは破産管財人
二 組織変更株式移転を伴う組織変更の場合 効力発生日において組織変更をする相互会社の社員等であった者又は組織変更後株式会社若しくは第九十六条の九第一項第九号の株式会社の株主等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者若しくは組織変更株式移転設立完全親会社の株主等若しくは破産管財人
三 前二号に掲げる場合以外の場合 効力発生日において組織変更をする相互会社の社員等であった者又は組織変更後株式会社の株主等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者
3 組織変更の無効の訴えは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者を被告とする。
一 前項第一号に掲げる場合 組織変更後株式会社及び組織変更株式交換完全親会社
二 前項第二号に掲げる場合 組織変更後株式会社及び組織変更株式移転設立完全親会社
三 前項第三号に掲げる場合 組織変更後株式会社
4 会社法第八百三十五条第一項(訴えの管轄)、第八百三十六条から第八百三十九条まで(担保提供命令、弁論等の必要的併合、認容判決の効力が及ぶ者の範囲、無効又は取消しの判決の効力)、第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)並びに第九百三十七条第三項(第一号に係る部分に限る。)及び第四項(裁判による登記の嘱託)の規定は組織変更の無効の訴えについて、同法第八百四十条(新株発行の無効判決の効力)の規定は第九十二条の規定による組織変更時発行株式の発行を伴う組織変更の無効判決について、同法第八百四十四条(株式交換又は株式移転の無効判決の効力)の規定は組織変更株式交換又は組織変更株式移転を伴う組織変更の無効判決について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第二号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条から第八百七十七条まで(非訟事件手続法の規定の適用除外、最高裁判所規則、審問等の必要的併合)及び第八百七十八条第一項(裁判の効力)の規定はこの項において準用する同法第八百四十条第二項の申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、同条第一項中「株主」とあるのは「株主又は社員」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
5 組織変更株式移転設立完全親会社についての会社法第四百七十五条(清算の開始原因)の規定の適用については、同条中「次に掲げる場合」とあるのは、「次に掲げる場合又は保険業法第九十六条の八第一項に規定する組織変更株式移転を伴う組織変更の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合」とする。
第三章 業務
(業務の範囲等)
第九十七条 保険会社は、第三条第二項の免許の種類に従い、保険の引受けを行うことができる。
2 保険会社は、保険料として収受した金銭その他の資産の運用を行うには、有価証券の取得その他の内閣府令で定める方法によらなければならない。
第九十七条の二 保険会社は、内閣府令で定める資産については、内閣府令で定めるところにより計算した額を超えて運用してはならない。
2 前項に定めるところによるほか、保険会社の同一人(当該同一人と内閣府令で定める特殊の関係のある者を含む。次項において同じ。)に対する内閣府令で定める資産の運用の額は、内閣府令で定めるところにより計算した額を超えてはならない。
3 保険会社が子会社その他の内閣府令で定める特殊の関係のある者(以下この条において「子会社等」という。)を有する場合には、当該保険会社及び当該子会社等又は当該子会社等の同一人に対する内閣府令で定める資産の運用の額は、合算して内閣府令で定めるところにより計算した額を超えてはならない。
第九十八条 保険会社は、第九十七条の規定により行う業務のほか、当該業務に付随する次に掲げる業務その他の業務を行うことができる。
一 他の保険会社(外国保険業者を含む。)、少額短期保険業者、船主相互保険組合(船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)第二条第一項(定義)に規定する船主相互保険組合をいう。)その他金融業を行う者の業務の代理又は事務の代行(内閣府令で定めるものに限る。)
二 債務の保証
三 国債、地方債若しくは政府保証債(以下この号において「国債等」という。)の引受け(売出しの目的をもってするものを除く。)又は当該引受けに係る国債等の募集の取扱い
四 金銭債権(譲渡性預金証書その他の内閣府令で定める証書をもって表示されるものを含む。)の取得又は譲渡(資産の運用のために行うものを除く。)
四の二 特定目的会社が発行する特定社債(特定短期社債を除き、資産流動化計画において当該特定社債の発行により得られる金銭をもって指名金銭債権又は指名金銭債権を信託する信託の受益権のみを取得するものに限る。)その他これに準ずる有価証券として内閣府令で定めるもの(以下この号において「特定社債等」という。)の引受け(売出しの目的をもってするものを除く。)又は当該引受けに係る特定社債等の募集の取扱い
四の三 短期社債等の取得又は譲渡(資産の運用のために行うものを除く。)
五 有価証券(第四号に規定する証書をもって表示される金銭債権に該当するもの及び短期社債等を除く。)の私募の取扱い
六 デリバティブ取引(資産の運用のために行うもの及び有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。次号において同じ。)であって内閣府令で定めるもの(第四号に掲げる業務に該当するものを除く。)
七 デリバティブ取引(内閣府令で定めるものに限る。)の媒介、取次ぎ又は代理
八 金利、通貨の価格、商品の価格、算定割当量(地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第百十七号)第二条第六項(定義)に規定する算定割当量その他これに類似するものをいう。次条第二項第四号において同じ。)の価格その他の指標の数値としてあらかじめ当事者間で約定された数値と将来の一定の時期における現実の当該指標の数値の差に基づいて算出される金銭の授受を約する取引又はこれに類似する取引であって内閣府令で定めるもの(次号において「金融等デリバティブ取引」という。)のうち保険会社の経営の健全性を損なうおそれがないと認められる取引として内閣府令で定めるもの(資産の運用のために行うもの並びに第四号及び第六号に掲げる業務に該当するものを除く。)
九 金融等デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理(第七号に掲げる業務に該当するもの及び内閣府令で定めるものを除く。)
十 有価証券関連店頭デリバティブ取引(当該有価証券関連店頭デリバティブ取引に係る有価証券が第四号に規定する証書をもって表示される金銭債権に該当するもの及び短期社債等以外のものである場合には、差金の授受によって決済されるものに限る。次号において同じ。)(資産の運用のために行うものを除く。)
十一 有価証券関連店頭デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理
十二 機械類その他の物件を使用させる契約であって次に掲げる要件の全てを満たすものに基づき、当該物件を使用させる業務
イ 契約の対象とする物件(以下この号において「リース物件」という。)を使用させる期間(以下この号において「使用期間」という。)の中途において契約の解除をすることができないものであること又はこれに準ずるものとして内閣府令で定めるものであること。
ロ 使用期間において、リース物件の取得価額から当該リース物件の使用期間の満了の時において譲渡するとした場合に見込まれるその譲渡対価の額に相当する金額を控除した額及び固定資産税に相当する額、保険料その他当該リース物件を使用させるために必要となる付随費用として内閣府令で定める費用の合計額を対価として受領することを内容とするものであること。
ハ 使用期間が満了した後、リース物件の所有権又はリース物件の使用及び収益を目的とする権利が相手方に移転する旨の定めがないこと。
十三 前号に掲げる業務の代理又は媒介
2 保険会社は、前項第一号に掲げる業務を行おうとするときは、第二百七十五条第三項の規定により同項に規定する保険募集再委託者が保険募集の委託に係る契約の締結について認可を受ける場合を除き、その内容を定めて、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。ただし、当該保険会社の子会社その他当該保険会社と内閣府令で定める密接な関係を有する者に係る当該業務を行おうとするときは、あらかじめ、その旨及びその内容を内閣総理大臣に届け出ることをもって足りる。
3 第一項第三号の「政府保証債」とは、政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券をいう。
4 第一項第四号に掲げる業務には同号に規定する証書をもって表示される金銭債権のうち有価証券に該当するものについて、同項第四号の三に掲げる業務には短期社債等について、金融商品取引法第二条第八項第一号から第六号まで及び第八号から第十号まで(定義)に掲げる行為を行う業務を含むものとする。
5 第一項第四号の二の「特定目的会社」、「資産流動化計画」又は「特定社債」とはそれぞれ資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第三項、第四項又は第七項(定義)に規定する特定目的会社、資産流動化計画又は特定社債をいい、「特定短期社債」とは同法第二条第八項に規定する特定短期社債をいう。
6 第一項第四号の三、第五号及び第十号並びに第四項の「短期社債等」とは、次に掲げるものをいう。
一 社債、株式等の振替に関する法律第六十六条第一号(権利の帰属)に規定する短期社債
二 削除
三 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の十二第一項(短期投資法人債に係る特例)に規定する短期投資法人債
四 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第五十四条の四第一項(短期債の発行)に規定する短期債
五 第六十一条の十第一項に規定する短期社債
六 前項に規定する特定短期社債
七 農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第六十二条の二第一項(短期農林債の発行)に規定する短期農林債
八 その権利の帰属が社債、株式等の振替に関する法律の規定により振替口座簿の記載又は記録により定まるものとされる外国法人の発行する債券(新株予約権付社債券の性質を有するものを除く。)に表示されるべき権利のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの
イ 各権利の金額が一億円を下回らないこと。
ロ 元本の償還について、権利の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
ハ 利息の支払期限を、ロの元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
7 第一項第五号の「有価証券の私募の取扱い」とは、有価証券の私募(金融商品取引法第二条第三項(定義)に規定する有価証券の私募をいう。)の取扱いをいう。
8 第一項第六号又は第七号の「デリバティブ取引」又は「有価証券関連デリバティブ取引」とは、それぞれ金融商品取引法第二条第二十項(定義)に規定するデリバティブ取引又は同法第二十八条第八項第六号(定義)に規定する有価証券関連デリバティブ取引をいう。
9 第一項第十号又は第十一号の「有価証券関連店頭デリバティブ取引」とは、金融商品取引法第二十八条第八項第四号(定義)に掲げる行為をいう。
第九十九条 保険会社は、第九十七条及び前条の規定により行う業務のほか、第九十七条の業務の遂行を妨げない限度において、金融商品取引法第三十三条第二項各号(金融機関の有価証券関連業の禁止等)に掲げる有価証券又は取引について、同項各号に定める行為を行う業務(前条第一項の規定により行う業務を除く。)及び当該業務に付随する業務として内閣府令で定めるものを行うことができる。
2 保険会社は、第九十七条及び前条の規定により行う業務のほか、第九十七条の業務の遂行を妨げない限度において、次に掲げる業務を行うことができる。
一 地方債又は社債その他の債券の募集又は管理の受託
二 担保付社債信託法により行う担保付社債に関する信託業務
三 金融商品取引法第二十八条第六項(通則)に規定する投資助言業務
四 算定割当量を取得し、若しくは譲渡することを内容とする契約の締結又はその媒介、取次ぎ若しくは代理を行う業務(前条第一項の規定により行う業務を除く。)であって、内閣府令で定めるもの
五 資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二条第二項(定義)に規定する資金移動業
3 生命保険会社は、第九十七条及び前条の規定により行う業務のほか、第九十七条の業務の遂行を妨げない限度において、信託業法の規定にかかわらず、その支払う保険金について、信託の引受けを行う業務(以下「保険金信託業務」という。)を行うことができる。
4 保険会社が第一項の規定により同項に規定する業務を行おうとする場合には、当該保険会社は、不特定かつ多数の者を相手方とする当該業務については、その内容及び方法を定めて、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。当該認可を受けた業務の内容及び方法を変更しようとするときも、同様とする。
5 保険会社は、第二項の規定により同項各号に掲げる業務を行おうとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
6 保険会社は、第二項第一号、第二号及び第五号に掲げる業務に関しては、担保付社債信託法その他の政令で定める法令の適用については、政令で定めるところにより、銀行(相互会社にあっては、これらの法令に規定する株式会社その他の会社又は銀行)とみなす。この場合においては、信託業法第十四条第二項ただし書(商号)の規定は、適用しない。
7 生命保険会社が保険金信託業務を行おうとする場合には、当該生命保険会社は、その方法を定めて、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。当該認可を受けた業務の方法を変更しようとするときも、同様とする。
8 信託業法第十一条(営業保証金)、第二十二条(信託業務の委託)、第二十三条(信託業務の委託に係る信託会社の責任)、第二十四条から第三十一条まで(信託の引受けに係る行為準則、金融商品取引法の準用、信託契約の内容の説明、信託契約締結時の書面交付、信託財産状況報告書の交付、信託会社の忠実義務等、信託財産に係る行為準則、重要な信託の変更等、費用等の償還又は前払の範囲等の説明、信託の公示の特例、信託財産に係る債務の相殺)、第四十二条(立入検査等)及び第四十九条(免許等の取消し等の場合の解任手続)並びに金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第六条(損失の補てん等を行う旨の信託契約の締結)の規定は、生命保険会社が第三項の規定により保険金信託業務を行う場合について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる信託業法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとする。
第十一条第十項
第七条第三項の登録の更新がされなかった場合、第四十四条第一項の規定により第三条の免許が取り消された場合、第四十五条第一項の規定により第七条第一項の登録が取り消された場合若しくは第四十六条第一項の規定により第三条の免許若しくは第七条第一項の登録
保険業法第百三十三条若しくは第百三十四条の規定により同法第三条第一項の免許が取り消された場合若しくは同法第二百七十三条の規定により同法第三条第一項の免許
第四十二条第二項
第十七条から第十九条までの届出若しくは措置若しくは当該
当該
第四十九条第一項
第七条第三項の登録の更新をしなかった場合、第四十四条第一項の規定により第三条の免許を取り消した場合又は第四十五条第一項の規定により第七条第一項の登録
保険業法第百三十三条又は第百三十四条の規定により同法第三条第一項の免許
9 生命保険会社が第三項の規定により引き受ける信託契約の締結の代理又は媒介を第三者に委託する場合には、生命保険会社を信託会社とみなして信託業法第二条第八項(定義)及び第五章の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、同章中「所属信託会社」とあるのは「所属生命保険会社」と、同法第七十八条第一項中「第三十四条第一項」とあるのは「保険業法第百十一条第一項及び第二項」とする。
10 第三項の規定により保険金信託業務を行う生命保険会社は、当該保険金信託業務については、租税に関する法令で政令で定めるものの適用については、政令で定めるところにより、信託会社とみなす。
(他業の制限)
第百条 保険会社は、第九十七条及び前二条の規定により行う業務及び他の法律により行う業務のほか、他の業務を行うことができない。
(業務運営に関する措置)
第百条の二 保険会社は、その業務に関し、この法律又は他の法律に別段の定めがあるものを除くほか、内閣府令で定めるところにより、その業務に係る重要な事項の顧客への説明、その業務に関して取得した顧客に関する情報の適正な取扱い、その業務を第三者に委託する場合(当該業務が第二百七十五条第三項の規定により第三者に再委託される場合を含む。)における当該業務の的確な遂行その他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない。
(顧客の利益の保護のための体制整備)
第百条の二の二 保険会社は、当該保険会社又はその親金融機関等若しくは子金融機関等が行う取引に伴い、当該保険会社又はその子金融機関等が行う業務(保険業その他の内閣府令で定める業務に限る。)に係る顧客の利益が不当に害されることのないよう、内閣府令で定めるところにより、当該業務に関する情報を適正に管理し、かつ、当該業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない。
2 前項の「親金融機関等」とは、保険会社の総株主の議決権の過半数を保有している者その他の当該保険会社と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち、保険会社、銀行、金融商品取引業者(金融商品取引法第二条第九項(定義)に規定する金融商品取引業者をいう。以下同じ。)その他政令で定める金融業を行う者をいう。
3 第一項の「子金融機関等」とは、保険会社が総株主等の議決権の過半数を保有している者その他の当該保険会社と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち、保険会社、銀行、金融商品取引業者その他政令で定める金融業を行う者をいう。
(特定関係者との間の取引等)
第百条の三 保険会社は、その特定関係者(当該保険会社の子会社、当該保険会社の保険主要株主、当該保険会社を子会社とする保険持株会社、当該保険持株会社の子会社(当該保険会社を除く。)その他の当該保険会社と政令で定める特殊の関係のある者をいう。以下この条において同じ。)又はその特定関係者の顧客との間で、次に掲げる取引又は行為をしてはならない。ただし、当該取引又は行為をすることにつき内閣府令で定めるやむを得ない理由がある場合において、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
一 当該特定関係者との間で行う取引で、当該保険会社の取引の通常の条件と著しく異なる条件で行う資産の売買その他の取引
二 当該特定関係者との間又は当該特定関係者の顧客との間で行う取引又は行為のうち前号に掲げるものに準ずる取引又は行為で、当該保険会社の業務の健全かつ適切な運営に支障を及ぼすおそれのあるものとして内閣府令で定める取引又は行為
(無限責任社員等となることの禁止)
第百条の四 保険会社は、持分会社の無限責任社員又は業務を執行する社員となることができない。
(運用報告書の交付)
第百条の五 保険会社は、運用実績連動型保険契約(その保険料として収受した金銭を運用した結果に基づいて保険金、返戻金その他の給付金を支払うことを保険契約者に約した保険契約をいう。以下この条、第百十八条第一項、第三百十五条第八号及び第三百十七条の二第七号において同じ。)に基づいて運用する財産について、内閣府令で定めるところにより、当該財産の運用状況その他の内閣府令で定める事項を記載した運用報告書を作成し、当該運用実績連動型保険契約の保険契約者に交付しなければならない。ただし、運用報告書を保険契約者に交付しなくても保険契約者の保護に支障を生ずることがない場合として内閣府令で定める場合は、この限りでない。
2 保険会社は、前項の規定による運用報告書の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該保険契約者の承諾を得て、当該運用報告書に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該保険会社は、当該運用報告書を交付したものとみなす。
3 前二項の規定は、保険会社が締結した運用実績連動型保険契約の保険契約者が金融商品取引法第二条第三十一項(定義)に規定する特定投資家である場合には、適用しない。ただし、保険契約者等の保護のため支障を生ずるおそれがあるものとして内閣府令で定める場合は、この限りでない。
(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外)
第百一条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、次条第一項の認可を受けて行う次に掲げる行為には、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いるとき、一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより保険契約者若しくは被保険者の利益を不当に害することとなるとき、又は第百五条第四項の規定による公示があった後一月を経過したとき(同条第三項の請求に応じ、内閣総理大臣が第百三条の規定による処分をした場合を除く。)は、この限りでない。
一 航空保険事業(航空機(ロケットを含む。以下この号において同じ。)若しくは航空機により運送される貨物を保険の目的とする保険又は航空機の事故により生じた損害を賠償する責任に関する保険の引受けを行う事業をいい、航空機搭乗中の者の傷害に関する保険の引受けに係る事業を含む。)、原子力保険事業(原子力施設を保険の目的とする保険又は原子力施設の事故により生じた損害を賠償する責任に関する保険の引受けを行う事業をいう。)、自動車損害賠償保障法の規定に基づく自動車損害賠償責任保険事業又は地震保険に関する法律(昭和四十一年法律第七十三号)に規定する地震保険契約に関する事業の固有の業務につき損害保険会社が他の損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。)と行う共同行為
二 前号以外の保険の引受けに係る事業において、危険の分散又は平準化を図るためにあらかじめ損害保険会社と他の損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。)との間で、共同して再保険することを定めておかなければ、保険契約者又は被保険者に著しく不利益を及ぼすおそれがあると認められる場合に、当該再保険契約又は当該再保険に係る保険契約につき次に掲げる行為の全部又は一部に関し損害保険会社が他の損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。)と行う共同行為
イ 保険約款の内容(保険料率に係るものを除く。)の決定
ロ 損害査定の方法の決定
ハ 再保険の取引に関する相手方又は数量の決定
ニ 再保険料率及び再保険に関する手数料の決定
2 第百五条第三項の規定による請求が共同行為の内容の一部について行われたときは、その共同行為の内容のうちその請求に係る部分以外の部分については、前項ただし書(同条第四項の規定による公示に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、前項本文の規定の適用があるものとする。
(共同行為の認可)
第百二条 損害保険会社は、前条第一項各号の共同行為を行い、又はその内容を変更しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の認可の申請に係る共同行為の内容が次の各号に適合すると認めるときでなければ、同項の認可をしてはならない。
一 保険契約者又は被保険者の利益を不当に害さないこと。
二 不当に差別的でないこと。
三 加入及び脱退を不当に制限しないこと。
四 危険の分散又は平準化その他共同行為を行う目的に照らして必要最小限度であること。
(共同行為の変更命令及び認可の取消し)
第百三条 内閣総理大臣は、前条第一項の認可に係る共同行為の内容が同条第二項各号に適合するものでなくなったと認めるときは、その損害保険会社に対し、その共同行為の内容を変更すべきことを命じ、又はその認可を取り消さなければならない。
(共同行為の廃止の届出)
第百四条 損害保険会社は、共同行為を廃止したときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
(公正取引委員会との関係)
第百五条 内閣総理大臣は、第百二条第一項の認可をしようとするときは、あらかじめ、公正取引委員会の同意を得なければならない。
2 内閣総理大臣は、第百三条の規定による処分をしたとき、又は前条の規定による届出を受理したときは、遅滞なく、その旨を公正取引委員会に通知しなければならない。
3 公正取引委員会は、第百二条第一項の認可を受けた共同行為の内容が同条第二項各号に適合するものでなくなったと認めるときは、内閣総理大臣に対し、第百三条の規定による処分をすべきことを請求することができる。
4 公正取引委員会は、前項の規定による請求をしたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
(指定生命保険業務紛争解決機関との契約締結義務等)
第百五条の二 生命保険会社は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。
一 指定生命保険業務紛争解決機関(指定紛争解決機関であってその紛争解決等業務の種別が生命保険業務であるものをいう。以下この条において同じ。)が存在する場合 一の指定生命保険業務紛争解決機関との間で生命保険業務に係る手続実施基本契約を締結する措置
二 指定生命保険業務紛争解決機関が存在しない場合 生命保険業務に関する苦情処理措置(顧客(顧客以外の保険契約者等を含む。以下この号において同じ。)からの苦情の処理の業務に従事する使用人その他の従業者に対する助言若しくは指導を第三百八条の十三第三項第三号に掲げる者に行わせること又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める措置をいう。次条、第二百七十二条の十三の二及び第二百九十九条の二において同じ。)及び紛争解決措置(顧客との紛争の解決を認証紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成十六年法律第百五十一号)第二条第三号(定義)に規定する認証紛争解決手続をいう。)により図ること又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める措置をいう。次条、第二百七十二条の十三の二及び第二百九十九条の二において同じ。)
2 生命保険会社は、前項の規定により手続実施基本契約を締結する措置を講じた場合には、当該手続実施基本契約の相手方である指定生命保険業務紛争解決機関の商号又は名称を公表しなければならない。
3 第一項の規定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間においては、適用しない。
一 第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第二号に掲げる場合に該当することとなったとき 第三百八条の二十三第一項の規定による紛争解決等業務の廃止の認可又は第三百八条の二十四第一項の規定による指定の取消しの時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
二 第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同号の一の指定生命保険業務紛争解決機関の紛争解決等業務の廃止が第三百八条の二十三第一項の規定により認可されたとき、又は同号の一の指定生命保険業務紛争解決機関の第三百八条の二第一項の規定による指定が第三百八条の二十四第一項の規定により取り消されたとき(前号に掲げる場合を除く。) その認可又は取消しの時に、第一項第一号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
三 第一項第二号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第一号に掲げる場合に該当することとなったとき 第三百八条の二第一項の規定による指定の時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
(指定損害保険業務紛争解決機関との契約締結義務等)
第百五条の三 損害保険会社は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。
一 指定損害保険業務紛争解決機関(指定紛争解決機関であってその紛争解決等業務の種別が損害保険業務であるものをいう。以下この条において同じ。)が存在する場合 一の指定損害保険業務紛争解決機関との間で損害保険業務に係る手続実施基本契約を締結する措置
二 指定損害保険業務紛争解決機関が存在しない場合 損害保険業務に関する苦情処理措置及び紛争解決措置
2 損害保険会社は、前項の規定により手続実施基本契約を締結する措置を講じた場合には、当該手続実施基本契約の相手方である指定損害保険業務紛争解決機関の商号又は名称を公表しなければならない。
3 第一項の規定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間においては、適用しない。
一 第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第二号に掲げる場合に該当することとなったとき 第三百八条の二十三第一項の規定による紛争解決等業務の廃止の認可又は第三百八条の二十四第一項の規定による指定の取消しの時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
二 第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同号の一の指定損害保険業務紛争解決機関の紛争解決等業務の廃止が第三百八条の二十三第一項の規定により認可されたとき、又は同号の一の指定損害保険業務紛争解決機関の第三百八条の二第一項の規定による指定が第三百八条の二十四第一項の規定により取り消されたとき(前号に掲げる場合を除く。) その認可又は取消しの時に、第一項第一号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
三 第一項第二号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第一号に掲げる場合に該当することとなったとき 第三百八条の二第一項の規定による指定の時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
第四章 子会社等
(保険会社の子会社の範囲等)
第百六条 保険会社は、次に掲げる会社(以下この条において「子会社対象会社」という。)以外の会社を子会社としてはならない。
一 生命保険会社
二 損害保険会社
二の二 少額短期保険業者
三 銀行
四 長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)第二条(定義)に規定する長期信用銀行(以下「長期信用銀行」という。)
四の二 資金決済に関する法律第二条第三項(定義)に規定する資金移動業者(第九号に掲げる会社に該当するものを除く。)のうち、資金移動業(同条第二項に規定する資金移動業をいう。)その他内閣府令で定める業務を専ら営むもの(第二百七十一条の二十二第一項第四号の二において「資金移動専門会社」という。)
五 金融商品取引業者のうち、有価証券関連業(金融商品取引法第二十八条第八項(通則)に規定する有価証券関連業をいう。以下同じ。)のほか、同法第三十五条第一項第一号から第八号まで(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者の業務の範囲)に掲げる行為を行う業務その他の内閣府令で定める業務を専ら行うもの(以下「証券専門会社」という。)
六 金融商品取引法第二条第十二項(定義)に規定する金融商品仲介業者のうち、金融商品仲介業(同条第十一項(定義)に規定する金融商品仲介業をいい、次に掲げる行為のいずれかを業として行うものに限る。以下この号において同じ。)のほか、金融商品仲介業に付随する業務その他の内閣府令で定める業務を専ら行うもの(以下「証券仲介専門会社」という。)
イ 金融商品取引法第二条第十一項第一号(定義)に掲げる行為
ロ 金融商品取引法第二条第十七項(定義)に規定する取引所金融商品市場又は同条第八項第三号ロ(定義)に規定する外国金融商品市場における有価証券の売買の委託の媒介(ハに掲げる行為に該当するものを除く。)
ハ 金融商品取引法第二十八条第八項第三号又は第五号(通則)に掲げる行為の委託の媒介
ニ 金融商品取引法第二条第十一項第三号(定義)に掲げる行為
七 信託会社のうち、信託業務(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項(兼営の認可)に規定する信託業務をいう。次項第八号イにおいて同じ。)を専ら営む会社(以下「信託専門会社」という。)
八 保険業を行う外国の会社
九 銀行業(銀行法第二条第二項(定義等)に規定する銀行業をいう。以下同じ。)を営む外国の会社(前号に掲げる会社に該当するものを除く。)
十 有価証券関連業を行う外国の会社(第八号に掲げる会社に該当するものを除く。)
十一 信託業(信託業法第二条第一項(定義)に規定する信託業をいう。以下同じ。)を営む外国の会社(第八号に掲げる会社に該当するものを除く。)
十二 従属業務又は金融関連業務を専ら営む会社(従属業務を営む会社にあっては主として当該保険会社、その子会社(第一号、第二号及び第八号に掲げる者に限る。第十項において同じ。)その他これらに類する者として内閣府令で定めるものの営む業務のためにその業務を営んでいるものに限るものとし、金融関連業務を営む会社であって次に掲げる業務の区分に該当する場合には、当該区分に定めるものに、それぞれ限るものとする。)
イ 銀行専門関連業務、証券専門関連業務及び信託専門関連業務のいずれも営むもの 当該会社の議決権について、当該保険会社の銀行子会社等が合算して、当該保険会社又はその子会社(銀行子会社等、証券子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有し、かつ、当該保険会社の証券子会社等が合算して、当該保険会社又はその子会社(銀行子会社等、証券子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有し、かつ、当該保険会社の信託子会社等が合算して、当該保険会社又はその子会社(銀行子会社等、証券子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
ロ 銀行専門関連業務及び証券専門関連業務のいずれも営むもの(イに掲げるものを除く。) 当該会社の議決権について、当該保険会社の銀行子会社等が合算して、当該保険会社又はその子会社(銀行子会社等及び証券子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有し、かつ、当該保険会社の証券子会社等が合算して、当該保険会社又はその子会社(銀行子会社等及び証券子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
ハ 銀行専門関連業務及び信託専門関連業務のいずれも営むもの(イに掲げるものを除く。) 当該会社の議決権について、当該保険会社の銀行子会社等が合算して、当該保険会社又はその子会社(銀行子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有し、かつ、当該保険会社の信託子会社等が合算して、当該保険会社又はその子会社(銀行子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
ニ 証券専門関連業務及び信託専門関連業務のいずれも営むもの(イに掲げるものを除く。) 当該会社の議決権について、当該保険会社の証券子会社等が合算して、当該保険会社又はその子会社(証券子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有し、かつ、当該保険会社の信託子会社等が合算して、当該保険会社又はその子会社(証券子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
ホ 銀行専門関連業務を営むもの(イ、ロ及びハに掲げるものを除く。) 当該会社の議決権について、当該保険会社の銀行子会社等が合算して、当該保険会社又はその子会社(銀行子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
ヘ 証券専門関連業務を営むもの(イ、ロ及びニに掲げるものを除く。) 当該会社の議決権について、当該保険会社の証券子会社等が合算して、当該保険会社又はその子会社(証券子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
ト 信託専門関連業務を営むもの(イ、ハ及びニに掲げるものを除く。) 当該会社の議決権について、当該保険会社の信託子会社等が合算して、当該保険会社又はその子会社(信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
十三 新たな事業分野を開拓する会社又は経営の向上に相当程度寄与すると認められる新たな事業活動を行う会社として内閣府令で定める会社(当該会社の議決権を、当該保険会社又はその子会社のうち前号に掲げる会社で内閣府令で定めるもの(次条第七項において「特定子会社」という。)以外の子会社が、合算して、同条第一項に規定する基準議決権数を超えて保有していないものに限る。)
十四 前各号及び次号に掲げる会社のみを子会社とする持株会社で内閣府令で定めるもの(当該持株会社になることを予定している会社を含む。)
十五 前各号に掲げる会社のみを子会社とする外国の会社であって、持株会社と同種のもの又は持株会社に類似するもの(当該会社になることを予定している会社を含み、前号に掲げる会社に該当するものを除く。)
2 前項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 従属業務 保険会社又は前項第二号の二から第十一号までに掲げる会社の行う業務に従属する業務として内閣府令で定めるもの
二 金融関連業務 保険業、銀行業、有価証券関連業又は信託業に付随し、又は関連する業務として内閣府令で定めるもの
三 銀行専門関連業務 専ら銀行業に付随し、又は関連する業務として内閣府令で定めるもの
四 証券専門関連業務 専ら有価証券関連業に付随し、又は関連する業務として内閣府令で定めるもの
五 信託専門関連業務 専ら信託業に付随し、又は関連する業務として内閣府令で定めるもの
六 銀行子会社等 保険会社の子会社である次に掲げる会社
イ 銀行(長期信用銀行を含む。以下この号において同じ。)又は銀行業を営む外国の会社
ロ イに掲げる会社を子会社とする前項第十四号又は第十五号に掲げる会社
ハ その他の会社であって、当該保険会社の子会社である銀行の子会社のうち内閣府令で定めるもの
七 証券子会社等 保険会社の子会社である次に掲げる会社
イ 証券専門会社、証券仲介専門会社又は有価証券関連業を行う外国の会社
ロ イに掲げる会社を子会社とする前項第十四号又は第十五号に掲げる会社
ハ その他の会社であって、当該保険会社の子会社である証券専門会社又は証券仲介専門会社の子会社のうち内閣府令で定めるもの
八 信託子会社等 保険会社の子会社である次に掲げる会社
イ 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項(兼営の認可)の認可を受けて信託業務を営む銀行(以下この号において「信託兼営銀行」という。)
ロ 信託専門会社又は信託業を営む外国の会社
ハ イ又はロに掲げる会社を子会社とする前項第十四号又は第十五号に掲げる会社
ニ その他の会社であって、当該保険会社の子会社である信託兼営銀行又は信託専門会社の子会社のうち内閣府令で定めるもの
3 第一項の規定は、子会社対象会社以外の会社が、保険会社又はその子会社の担保権の実行による株式又は持分の取得、保険会社又はその子会社による同項第十三号に掲げる会社の株式又は持分の取得その他内閣府令で定める事由により当該保険会社の子会社となる場合には、適用しない。ただし、当該保険会社は、その子会社となった会社が当該事由(当該保険会社又はその子会社による同号に掲げる会社の株式又は持分の取得その他内閣府令で定める事由を除く。)の生じた日から一年を経過する日までに子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
4 第一項の規定は、保険会社が、現に子会社対象会社以外の外国の会社を子会社としている同項第八号から第十二号までに掲げる会社(同号に掲げる会社にあっては、外国の会社に限る。第六項において同じ。)又は特例対象持株会社(持株会社(子会社対象会社を子会社としている会社に限る。)又は外国の会社であって持株会社と同種のもの若しくは持株会社に類似するもの(子会社対象会社を子会社としているものに限り、持株会社を除く。)をいう。第六項において同じ。)を子会社とすることにより子会社対象会社以外の外国の会社を子会社とする場合には、適用しない。ただし、当該保険会社は、当該子会社対象会社以外の外国の会社が子会社となった日から五年を経過する日までに当該子会社対象会社以外の外国の会社が子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
5 保険会社は、前項ただし書の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合には、その子会社となった子会社対象会社以外の外国の会社を引き続き子会社とすることについて内閣総理大臣の承認を受けて、一年を限り、これらの期限を延長することができる。
6 内閣総理大臣は、保険会社につき次の各号のいずれかに該当する場合に限り、前項の承認をするものとする。
一 当該保険会社が、その子会社となった子会社対象会社以外の外国の会社又は当該会社を子会社としている第一項第八号から第十二号までに掲げる会社若しくは特例対象持株会社の本店又は主たる事務所の所在する国の金融市場又は資本市場の状況その他の事情に照らして、前項の期限までにその子会社となった子会社対象会社以外の外国の会社が子会社でなくなるよう、所要の措置を講ずることができないことについてやむを得ない事情があると認められること。
二 当該保険会社が子会社とした第一項第八号から第十二号までに掲げる会社又は特例対象持株会社の事業の遂行のため、当該保険会社がその子会社となった子会社対象会社以外の外国の会社を引き続き子会社とすることについてやむを得ない事情があると認められること。
7 保険会社は、子会社対象会社のうち、第一項第一号から第十二号まで、第十四号又は第十五号に掲げる会社(従属業務(第二項第一号に掲げる従属業務をいう。以下この項及び第十項において同じ。)又は保険業に付随し、若しくは関連する業務として内閣府令で定めるものを専ら営む会社(従属業務を営む会社にあっては、主として当該保険会社の営む業務のためにその業務を営んでいる会社に限る。)を除く。以下この条及び次条第四項第一号において「子会社対象保険会社等」という。)を子会社としようとするときは、第百四十二条、第百六十七条第一項又は第百七十三条の六第一項の規定により事業の譲受け、合併又は会社分割の認可を受ける場合を除き、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
8 前項の規定は、子会社対象保険会社等が、保険会社又はその子会社の担保権の実行による株式又は持分の取得その他の内閣府令で定める事由により当該保険会社の子会社となる場合には、適用しない。ただし、当該保険会社は、その子会社となった子会社対象保険会社等を引き続き子会社とすることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合を除き、当該子会社対象保険会社等が当該事由の生じた日から一年を経過する日までに子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
9 第七項の規定は、保険会社が、その子会社としている第一項各号に掲げる会社を当該各号のうち他の号に掲げる会社(子会社対象保険会社等に限る。)に該当する子会社としようとするときについて準用する。
10 第一項第十二号又は第七項の場合において、会社が主として保険会社、その子会社その他これらに類する者として内閣府令で定めるもの又は保険会社の行う業務のために従属業務を営んでいるかどうかの基準は、内閣総理大臣が定める。
(保険会社等による議決権の取得等の制限)
第百七条 保険会社又はその子会社は、国内の会社(前条第一項第一号から第七号まで、第十二号及び第十四号に掲げる会社並びに特例対象会社を除く。以下この条において同じ。)の議決権については、合算して、その基準議決権数(当該国内の会社の総株主等の議決権に百分の十を乗じて得た議決権の数をいう。以下この条において同じ。)を超える議決権を取得し、又は保有してはならない。
2 前項の規定は、保険会社又はその子会社が、担保権の実行による株式又は持分の取得その他の内閣府令で定める事由により、国内の会社の議決権をその基準議決権数を超えて取得し、又は保有することとなる場合には、適用しない。ただし、当該保険会社又はその子会社は、合算してその基準議決権数を超えて取得し、又は保有することとなった部分の議決権については、当該保険会社があらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた場合を除き、その取得し、又は保有することとなった日から一年を超えてこれを保有してはならない。
3 前項ただし書の場合において、内閣総理大臣がする同項の承認の対象には、保険会社又はその子会社が国内の会社の議決権を合算してその総株主等の議決権の百分の五十を超えて取得し、又は保有することとなった議決権のうち当該百分の五十を超える部分の議決権は含まれないものとし、内閣総理大臣が当該承認をするときは、保険会社又はその子会社が合算してその基準議決権数を超えて取得し、又は保有することとなった議決権のうちその基準議決権数を超える部分の議決権を速やかに処分することを条件としなければならない。
4 保険会社又はその子会社は、次の各号に掲げる場合には、第一項の規定にかかわらず、当該各号に定める日に保有することとなる国内の会社の議決権がその基準議決権数を超える場合であっても、同日以後、当該議決権をその基準議決権数を超えて保有することができる。ただし、内閣総理大臣は、保険会社又はその子会社が、次の各号に掲げる場合に国内の会社の議決権を合算してその総株主等の議決権の百分の五十を超えて保有することとなるときは、当該各号に規定する認可(第三号に該当する場合には、免許。次項において同じ。)をしてはならない。
一 前条第七項の認可を受けて当該保険会社が子会社対象保険会社等を子会社としたとき(内閣府令で定める場合に限る。)。 その子会社とした日
二 当該保険会社が第百四十二条の認可を受けて事業の譲受けをしたとき(内閣府令で定める場合に限る。)。 その事業の譲受けをした日
三 第百七十三条の六第一項の認可を受けて共同新設分割(法人が他の法人と共同してする新設分割をいう。)により設立された会社が第三条第一項の免許を受けて当該保険会社になったとき。 その免許を受けた日
四 当該保険会社が第百七十三条の六第一項の認可を受けて吸収分割により事業を承継したとき(内閣府令で定める場合に限る。)。 その吸収分割をした日
五 第百六十七条第一項の認可を受けて当該保険会社が合併により設立されたとき。 その設立された日
六 当該保険会社が第百六十七条第一項の認可を受けて合併をしたとき(当該保険会社が存続する場合に限る。)。 その合併をした日
5 内閣総理大臣は、前項各号に規定する認可をするときは、当該各号に定める日に保険会社又はその子会社が合算してその基準議決権数を超えて保有することとなる国内の会社の議決権のうちその基準議決権数を超える部分の議決権を、同日から五年を経過する日までに内閣総理大臣が定める基準に従って処分することを条件としなければならない。
6 保険会社又はその子会社が、国内の会社の議決権を合算してその基準議決権数を超えて保有することとなった場合には、その超える部分の議決権は、当該保険会社が取得し、又は保有するものとみなす。
7 前各項の場合において、新たな事業分野を開拓する会社又は経営の向上に相当程度寄与すると認められる新たな事業活動を行う会社として内閣府令で定める会社の議決権の取得又は保有については、特定子会社は、保険会社の子会社に該当しないものとみなす。
8 第一項の「特例対象会社」とは、前条第一項第十三号に掲げる会社(保険会社の子会社であるものに限る。)と内閣府令で定める特殊の関係のある会社をいう。
9 第二条第十五項の規定は、第一項から第七項までの場合において保険会社又はその子会社が取得し、又は保有する議決権について準用する。
第百八条 削除
第五章 経理
(事業年度)
第百九条 保険会社の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。
(業務報告書等)
第百十条 保険会社は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した中間業務報告書及び業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 保険会社が子会社その他の当該保険会社と内閣府令で定める特殊の関係のある会社(以下この章及び次章において「子会社等」という。)を有する場合には、当該保険会社は、事業年度ごとに、前項の報告書のほか、当該保険会社及び当該子会社等の業務及び財産の状況を連結して記載した中間業務報告書及び業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
3 前二項の報告書の記載事項、提出期日その他これらの報告書に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等)
第百十一条 保険会社は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した説明書類を作成し、本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所その他これらに準ずる場所として内閣府令で定める場所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
2 保険会社が子会社等を有する場合には、当該保険会社は、事業年度ごとに、前項の説明書類のほか、当該保険会社及び当該子会社等の業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを当該保険会社及び当該子会社等につき連結して記載した説明書類を作成し、当該保険会社の本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所その他これらに準ずる場所として内閣府令で定める場所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
3 前二項に規定する説明書類は、電磁的記録をもって作成することができる。
4 第一項又は第二項に規定する説明書類が電磁的記録をもって作成されているときは、保険会社の本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所その他これらに準ずる場所として内閣府令で定める場所において当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、第一項又は第二項に規定する説明書類を、第一項又は第二項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
5 前各項に定めるもののほか、第一項又は第二項に規定する書類を公衆の縦覧に供する期間その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
6 保険会社は、第一項又は第二項に規定する事項のほか、保険契約者その他の顧客が当該保険会社及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めなければならない。
(株式の評価の特例)
第百十二条 保険会社は、その所有する株式のうち市場価格のあるもの(第百十八条第一項に規定する特別勘定に属するものとして経理されたものを除く。以下この項において同じ。)の時価が当該株式の取得価額を超えるときは、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の認可を受けて、当該株式について取得価額を超え時価を超えない価額を付すことができる。
2 前項の規定による評価換えにより計上した利益は、内閣府令で定める準備金に積み立てなければならない。
(事業費等の償却)
第百十三条 保険会社は、当該保険会社の成立後の最初の五事業年度の事業費に係る金額その他内閣府令で定める金額を、貸借対照表の資産の部に計上することができる。この場合において、当該保険会社は、定款で定めるところにより、当該計上した金額を当該保険会社の成立後十年以内に償却しなければならない。
(契約者配当)
第百十四条 保険会社である株式会社は、契約者配当(保険契約者に対し、保険料及び保険料として収受する金銭を運用することによって得られる収益のうち、保険金、返戻金その他の給付金の支払、事業費の支出その他の費用に充てられないものの全部又は一部を分配することを保険約款で定めている場合において、その分配をいう。以下同じ。)を行う場合は、公正かつ衡平な分配をするための基準として内閣府令で定める基準に従い、行わなければならない。
2 契約者配当に充てるための準備金の積立てその他契約者配当に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(価格変動準備金)
第百十五条 保険会社は、その所有する株式その他の価格変動による損失が生じ得るものとして内閣府令で定める資産(次項において「株式等」という。)について、内閣府令で定めるところにより計算した金額を価格変動準備金として積み立てなければならない。ただし、その全部又は一部の金額について積立てをしないことについて内閣総理大臣の認可を受けた場合における当該認可を受けた金額については、この限りでない。
2 前項の準備金は、株式等の売買等による損失(売買、評価換え及び外国為替相場の変動による損失並びに償還損をいう。)の額が株式等の売買等による利益(売買、評価換え及び外国為替相場の変動による利益(第百十二条第一項の規定による評価換えにより計上した利益を除く。)並びに償還益をいう。)の額を超える場合においてその差額のてん補に充てる場合を除くほか、取り崩してはならない。ただし、内閣総理大臣の認可を受けたときは、この限りでない。
(責任準備金)
第百十六条 保険会社は、毎決算期において、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てなければならない。
2 長期の保険契約で内閣府令で定めるものに係る責任準備金の積立方式及び予定死亡率その他の責任準備金の計算の基礎となるべき係数の水準については、内閣総理大臣が必要な定めをすることができる。
3 前二項に定めるもののほか、保険契約を再保険に付した場合における当該保険契約に係る責任準備金の積立方法その他責任準備金の積立てに関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(支払備金)
第百十七条 保険会社は、毎決算期において、保険金、返戻金その他の給付金(以下「保険金等」という。)で、保険契約に基づいて支払義務が発生したものその他これに準ずるものとして内閣府令で定めるものがある場合において、保険金等の支出として計上していないものがあるときは、支払備金を積み立てなければならない。
2 前項の支払備金の積立てに関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(生命保険会社における保険契約者等の先取特権)
第百十七条の二 生命保険会社にあっては、保険契約者(再保険に係る保険契約者を除く。)は被保険者のために積み立てた金額につき、次に掲げる権利(再保険に係る権利を除く。)を有する者はその権利の額につき、それぞれ当該生命保険会社の総財産の上に先取特権を有する。
一 保険金請求権
二 損害をてん補することを請求する権利(前号に掲げるものを除く。)
三 返戻金、剰余金、契約者配当に係る配当金その他の給付金(保険金を除く。)を請求する権利
2 前項の先取特権の順位は、民法第三百六条第一号(共益費用の先取特権)に掲げる先取特権に次ぐ。
(特別勘定)
第百十八条 保険会社は、運用実績連動型保険契約その他の内閣府令で定める保険契約について、当該保険契約に基づいて運用する財産をその他の財産と区別して経理するための特別の勘定(以下この条において「特別勘定」という。)を設けなければならない。
2 保険会社は、内閣府令で定める場合を除き、次に掲げる行為をしてはならない。
一 特別勘定に属するものとして経理された財産を特別勘定以外の勘定又は他の特別勘定に振り替えること。
二 特別勘定に属するものとして経理された財産以外の財産を当該特別勘定に振り替えること。
3 特別勘定に属する財産の管理の方法その他特別勘定に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
第百十九条 削除
(保険計理人の選任等)
第百二十条 保険会社(生命保険会社及び内閣府令で定める要件に該当する損害保険会社に限る。第三項及び第百二十二条において同じ。)は、取締役会において保険計理人を選任し、保険料の算出方法その他の事項に係る保険数理に関する事項として内閣府令で定めるものに関与させなければならない。
2 保険計理人は、保険数理に関して必要な知識及び経験を有する者として内閣府令で定める要件に該当する者でなければならない。
3 保険会社は、保険計理人を選任したとき、又は保険計理人が退任したときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
(保険計理人の職務)
第百二十一条 保険計理人は、毎決算期において、次に掲げる事項について、内閣府令で定めるところにより確認し、その結果を記載した意見書を取締役会に提出しなければならない。
一 内閣府令で定める保険契約に係る責任準備金が健全な保険数理に基づいて積み立てられているかどうか。
二 契約者配当又は社員に対する剰余金の分配が公正かつ衡平に行われているかどうか。
三 その他内閣府令で定める事項
2 保険計理人は、前項の意見書を取締役会に提出した後、遅滞なく、その写しを内閣総理大臣に提出しなければならない。
3 内閣総理大臣は、保険計理人に対し、前項の意見書の写しについてその説明を求め、その他その職務に属する事項について意見を求めることができる。
4 前三項に定めるもののほか、第一項の意見書に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(保険計理人の解任)
第百二十二条 内閣総理大臣は、保険計理人が、この法律又はこの法律に基づく内閣総理大臣の処分に違反したときは、当該保険会社に対し、その解任を命ずることができる。
(指定等)
第百二十二条の二 内閣総理大臣は、一般社団法人であって、次項に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、同項に規定する業務を行う者として指定することができる。
一 業務を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。
二 前号に定めるもののほか、業務を公正かつ適確に実施することができるものであること。
2 前項の規定により指定された法人(以下この条において「指定法人」という。)は、次に掲げる業務を行うものとする。
一 保険数理の専門的知識及び技能を有する者の養成及び研修を行うこと。
二 保険数理に関し、必要な調査研究を行い、統計を作成し、資料を収集し、又は情報の提供を行うこと。
三 第百十六条第二項に規定する責任準備金の計算の基礎となるべき係数の水準その他の保険数理に関する事項に係る業務であって、内閣総理大臣から委託を受けたものを行うこと。
四 前三号に掲げる業務に附帯する業務
3 内閣総理大臣は、前項に規定する業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、指定法人に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
4 内閣総理大臣は、第二項に規定する業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定法人に対し同項に規定する業務若しくは財産に関し必要な報告を求め、又はその職員に、指定法人の事務所に立ち入らせ、同項に規定する業務若しくは財産の状況に関し質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
5 内閣総理大臣は、指定法人が次の各号のいずれかに該当するときは、第一項の指定(第二号及び次項において「指定」という。)を取り消すことができる。
一 第二項に規定する業務を公正かつ適確に実施することができないと認められるとき。
二 指定に関し不正の行為があったとき。
三 第三項の規定による命令に違反したとき。
6 前各項に定めるもののほか、指定の手続その他指定法人に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
第六章 監督
(事業方法書等に定めた事項の変更)
第百二十三条 保険会社は、第四条第二項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項(保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ないものとして内閣府令で定める事項を除く。)を変更しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
2 保険会社は、前項に規定する書類に定めた事項を変更しようとする場合で、同項の内閣府令で定める事項を変更しようとするときは、あらかじめ当該変更しようとする旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
(事業方法書等に定めた事項の変更の認可)
第百二十四条 内閣総理大臣は、前条第一項の認可の申請があったときは、次の各号に掲げる事項について、当該各号に定める基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 第四条第二項第二号及び第三号に掲げる書類に定めた事項 第五条第一項第三号イからホまでに掲げる基準
二 第四条第二項第四号に掲げる書類に定めた事項 第五条第一項第四号イからハまでに掲げる基準
(事業方法書等に定めた事項の変更の届出等)
第百二十五条 第百二十三条第二項の規定による届出があった場合には、内閣総理大臣が当該届出を受理した日の翌日から起算して九十日を経過した日に、当該届出に係る変更があったものとする。
2 内閣総理大臣は、第百二十三条第二項の規定による届出に係る事項が第五条第一項第三号イからホまで又は第四号イからハまでに掲げる基準に適合していると認めるときは、前項に規定する期間を相当と認める期間に短縮することができる。この場合において、内閣総理大臣は、当該届出をした者に対し、遅滞なく、当該短縮後の期間を通知しなければならない。
3 内閣総理大臣は、第百二十三条第二項の規定による届出に係る事項が第五条第一項第三号イからホまで又は第四号イからハまでに掲げる基準に適合するかどうかについて審査するため相当の期間を要し、当該審査が第一項に規定する期間内に終了しないと認める相当の理由があるときは、当該期間を相当と認める期間に延長することができる。この場合において、内閣総理大臣は、当該届出をした者に対し、遅滞なく、当該延長後の期間及び当該延長の理由を通知しなければならない。
4 内閣総理大臣は、第百二十三条第二項の規定による届出に係る事項が第五条第一項第三号イからホまで又は第四号イからハまでに掲げる基準に適合しないと認めるときは、当該届出を受理した日の翌日から起算して九十日を経過する日までの期間(前項の規定により当該期間が延長された場合にあっては、当該延長後の期間)内に限り、当該届出をした者に対し、期限を付して当該届出に係る事項について変更を命じ、又は当該届出の撤回を命ずることができる。
(定款の変更の認可)
第百二十六条 保険会社の次に掲げる事項に係る定款の変更についての株主総会又は社員総会若しくは総代会の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
一 商号又は名称
二 基金の償却に関する事項
三 社員の退社事由
四 総代の定数及び選出方法に関する事項
五 第六十三条第一項の契約に関する事項
六 第八十六条第五項の組織変更後株式会社における契約者配当に係る方針に関する事項
七 第百八十二条の残余財産の処分に関する事項
八 第二百四十条の五第五項の方針に関する事項
(届出事項)
第百二十七条 保険会社は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 保険業を開始したとき。
二 第百六条第一項第十二号又は第十三号に掲げる会社(同条第七項の規定により子会社とすることについて認可を受けなければならないとされるものを除く。)を子会社としようとするとき(第百四十二条、第百六十七条第一項又は第百七十三条の六第一項の規定による認可を受けて事業の譲受け、合併又は会社分割をしようとする場合を除く。)。
三 その子会社が子会社でなくなったとき(第百四十二条又は第百七十三条の六第一項の規定による認可を受けて事業の譲渡又は会社分割をした場合を除く。)、又は第百六条第七項に規定する子会社対象保険会社等に該当する子会社が当該子会社対象保険会社等に該当しない子会社になったとき。
四 資本金の額又は基金の総額を増額しようとするとき。
五 他に特段の定めのある事項以外の事項に係る定款の変更をしたとき。
六 外国において支店若しくは従たる事務所又は駐在員事務所を設置しようとするとき。
七 その総株主の議決権の百分の五を超える議決権が一の株主により取得又は保有されることとなったとき。
八 その他内閣府令(金融破綻処理制度及び金融危機管理に係るものについては、内閣府令・財務省令)で定める場合に該当するとき。
2 第二条第十五項の規定は、前項第七号に規定する一の株主が取得し、又は保有することとなった保険会社の議決権について準用する。
(報告又は資料の提出)
第百二十八条 内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、保険会社に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
2 内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該保険会社の子法人等(子会社その他保険会社がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものをいう。次項並びに次条第二項及び第三項において同じ。)又は当該保険会社から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。次項並びに同条第二項及び第三項において同じ。)に対し、当該保険会社の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
3 保険会社の子法人等又は当該保険会社から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。
(立入検査)
第百二十九条 内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該職員に、保険会社の営業所、事務所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に、保険会社の子法人等若しくは当該保険会社から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該保険会社に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 保険会社の子法人等又は当該保険会社から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による質問及び検査を拒むことができる。
(健全性の基準)
第百三十条 内閣総理大臣は、保険会社又は保険会社及びその子会社等に係る次に掲げる額を用いて、保険会社の経営の健全性を判断するための基準として保険金等の支払能力の充実の状況が適当であるかどうかの基準を定めることができる。
一 資本金、基金、準備金その他の内閣府令で定めるものの額の合計額
二 引き受けている保険に係る保険事故の発生その他の理由により発生し得る危険であって通常の予測を超えるものに対応する額として内閣府令で定めるところにより計算した額
(事業方法書等に定めた事項の変更命令)
第百三十一条 内閣総理大臣は、保険会社の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該保険会社に対し、その必要の限度において、第四条第二項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項の変更を命ずることができる。
(業務の停止等)
第百三十二条 内閣総理大臣は、保険会社の業務若しくは財産又は保険会社及びその子会社等の財産の状況に照らして、当該保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該保険会社に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において、期限を付して当該保険会社の業務の全部若しくは一部の停止を命じ、若しくは当該保険会社の財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができる。
2 前項の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。)であって、保険会社の保険金等の支払能力の充実の状況によって必要があると認めるときにするものは、保険会社の保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分に応じ内閣府令・財務省令で定めるものでなければならない。
(免許の取消し等)
第百三十三条 内閣総理大臣は、保険会社が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該保険会社の業務の全部若しくは一部の停止若しくは取締役、執行役、会計参与、監査役若しくは会計監査人の解任を命じ、又は第三条第一項の免許を取り消すことができる。
一 法令、法令に基づく内閣総理大臣の処分又は第四条第二項各号に掲げる書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反したとき。
二 当該免許に付された条件に違反したとき。
三 公益を害する行為をしたとき。
第百三十四条 内閣総理大臣は、保険会社の財産の状況が著しく悪化し、保険業を継続することが保険契約者等の保護の見地から適当でないと認めるときは、当該保険会社の第三条第一項の免許を取り消すことができる。
第七章 保険契約の移転、事業の譲渡又は譲受け並びに業務及び財産の管理の委託
第一節 保険契約の移転
(保険契約の移転)
第百三十五条 保険会社は、この法律の定めるところに従い、他の保険会社(外国保険会社等を含む。以下この項において同じ。)との契約により保険契約を当該他の保険会社(以下この節において「移転先会社」という。)に移転することができる。
2 前項の保険契約には、第百三十七条第一項の規定による公告の時において既に保険事故が発生している保険契約(当該保険事故に係る保険金の支払により消滅することとなるものに限る。)その他の政令で定める保険契約を含まないものとする。
3 第一項の契約には、保険契約の移転とともにする保険会社の財産の移転に関する事項を定めなければならない。この場合においては、保険契約の移転をしようとする保険会社(以下この節において「移転会社」という。)は、同項の契約により移転するものとされる保険契約(第百三十八条第一項において「移転対象契約」という。)に係る保険契約者(以下この節において「移転対象契約者」という。)以外の当該移転会社の債権者の利益を保護するために必要と認められる財産を留保しなければならない。
4 移転会社は、第一項の契約において、当該契約により移転するものとされる保険契約について、契約条項の軽微な変更で保険契約者の不利益とならないものを定めることができる。
(保険契約の移転の決議)
第百三十六条 前条第一項の保険契約の移転をするには、移転会社及び移転先会社(外国保険会社等を除く。)において株主総会又は社員総会(総代会を設けているときは、総代会)(以下この章、次章及び第十章において「株主総会等」という。)の決議を必要とする。
2 前項の場合には、会社法第三百九条第二項(株主総会の決議)に定める決議又は第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。
3 移転会社及び移転先会社は、第一項の決議をする場合には、会社法第二百九十九条第一項(株主総会の招集の通知)(第四十一条第一項及び第四十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定による通知において、前条第一項の契約の要旨を示さなければならない。
(保険契約の移転に係る書類の備置き等)
第百三十六条の二 移転会社の取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)は、前条第一項の株主総会等の会日の二週間前から次条第一項の規定により公告された異議を述べるべき期間の最終日まで、第百三十五条第一項の契約に係る契約書その他の内閣府令で定める書類を各営業所又は各事務所に備え置かなければならない。
2 移転会社の株主又は保険契約者は、その営業時間又は事業時間内に限り、前項の書類の閲覧を求め、又は移転会社の定める費用を支払ってその謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。
(保険契約の移転の公告等及び異議申立て)
第百三十七条 移転会社は、第百三十六条第一項の決議をした日から二週間以内に、第百三十五条第一項の契約の要旨、移転会社及び移転先会社の貸借対照表(外国保険会社等の場合にあっては、日本における保険業の貸借対照表)並びに移転対象契約者で異議がある者は一定の期間内に異議を述べるべき旨その他内閣府令で定める事項を公告するとともに、移転対象契約者にこれらの事項を通知しなければならない。ただし、当該移転対象契約者の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定める場合は、当該通知をすることを要しない。
2 前項の期間は、一月を下ってはならない。
3 第一項の異議を述べるべき期間内に異議を述べた移転対象契約者の数が移転対象契約者の総数の十分の一(保険契約の全部に係る保険契約の移転である場合にあっては、五分の一)を超え、かつ、当該異議を述べた移転対象契約者の保険契約に係る債権(当該保険契約について、第一項の規定による公告の時において既に生じている保険金請求権等(第十七条第五項に規定する保険金請求権等をいう。)がある場合には、当該保険金請求権等を除く。)の額に相当する金額として内閣府令で定める金額が移転対象契約者の当該金額の総額の十分の一(保険契約の全部に係る保険契約の移転である場合にあっては、五分の一)を超えるときは、保険契約の移転をしてはならない。
4 第一項の異議を述べるべき期間内に異議を述べた移転対象契約者の数又はその者の前項の内閣府令で定める金額が、同項に定める割合を超えないときは、当該移転対象契約者全員が当該保険契約の移転を承認したものとみなす。
5 移転会社(保険契約の全部に係る保険契約の移転をしようとするものを除く。)は、第百三十九条第一項の規定による認可を受けた場合において、第一項の異議を述べ、かつ、保険契約が移転することとなる場合には解約する旨を申し入れた移転対象契約者がいるときは、保険契約の移転の前日までに、当該移転対象契約者に対し、被保険者のために積み立てた金額、未経過期間(当該保険契約に定めた保険期間のうち、当該保険契約が解約された時において、まだ経過していない期間をいう。)に対応する保険料その他内閣府令で定める金額を払い戻さなければならない。
(保険契約移転手続中の契約)
第百三十八条 移転会社は、第百三十六条第一項の決議後に移転対象契約を締結するときは、保険契約の移転をし、又はしないこととなった時までの間は、当該移転対象契約を締結する者に対し、次に掲げる事項を通知し、当該移転対象契約が移転する場合には移転先会社の保険契約者となることについてその承諾を得なければならない。
一 第百三十五条第一項の契約の要旨
二 移転会社及び移転先会社の貸借対照表(外国保険会社等の場合にあっては、日本における保険業の貸借対照表)
三 前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
2 前項の承諾をした者は、前条の規定の適用については、移転対象契約者でないものとみなす。
(保険契約の移転の認可)
第百三十九条 保険契約の移転は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 内閣総理大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該保険契約の移転が、保険契約者等の保護に照らして、適当なものであること。
二 移転先会社が、当該保険契約の移転を受けた後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。
三 移転対象契約者以外の移転会社の債権者の利益を不当に害するおそれがないものであること。
(保険契約の移転の公告等)
第百四十条 移転会社は、保険契約の移転後、遅滞なく、保険契約の移転をしたこと及び内閣府令で定める事項を公告しなければならない。保険契約の移転をしないこととなったときも、同様とする。
2 移転先会社は、保険契約の移転を受けたときは、当該保険契約の移転後三月以内に、当該保険契約の移転に係る保険契約者に対し、その旨(第百三十五条第一項の契約において、当該保険契約の移転に係る保険契約について同条第四項に規定する軽微な変更を定めたときは、保険契約の移転を受けたこと及び当該軽微な変更の内容)を通知しなければならない。ただし、当該保険契約の移転に係る保険契約者の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定める場合は、この限りでない。
3 移転会社が保険契約者に対して貸付金その他の債権を有しており、かつ、当該債権が第百三十五条第一項の契約により保険契約とともに移転先会社に移転することとされている場合において、第一項前段の規定による公告が当該会社の公告方法として定める時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法によりされたときは、当該保険契約者に対して民法第四百六十七条(指名債権の譲渡の対抗要件)の規定による確定日付のある証書による通知があったものとみなす。この場合においては、当該公告の日付をもって確定日付とする。
(保険契約の移転による入社)
第百四十一条 保険契約の移転がされた場合において、移転先会社が相互会社であるときは、当該保険契約の移転に係る移転対象契約者は、当該相互会社に入社する。ただし、移転先会社の定款において当該保険契約の移転に係る保険契約と同種の保険契約に係る保険契約者が社員とされていない場合は、この限りでない。
第二節 事業の譲渡又は譲受け
(事業の譲渡又は譲受けの認可)
第百四十二条 保険会社を全部又は一部の当事者とする事業の譲渡又は譲受けは、内閣府令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(保険金信託業務を行う保険会社の特例)
第百四十三条 保険金信託業務を行う相互会社が保険契約の全部に係る保険契約の移転の決議をした場合で、当該保険金信託業務に係る事業の譲渡について社員総会(総代会を設けているときは、総代会)又は取締役会の決議をしたときは、当該相互会社は、当該決議をした日から二週間以内に、当該決議の要旨及び当該事業の譲渡に異議のある金銭信託の受益者(以下この条において「受益者」という。)は一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告しなければならない。
2 前項の期間は、一月を下ってはならない。
3 受益者が第一項の期間内に異議を述べなかったときは、当該受益者は、当該事業の譲渡を承認したものとみなす。
第三節 業務及び財産の管理の委託
(業務及び財産の管理の委託)
第百四十四条 保険会社は、この法律の定めるところに従い、他の保険会社(外国保険会社等(内閣府令で定めるものを除く。)を含む。以下この項において同じ。)との契約により当該他の保険会社(以下この節において「受託会社」という。)にその業務及び財産の管理の委託をすることができる。
2 前項の管理の委託をするには、当該管理の委託をする保険会社(以下この節において「委託会社」という。)及び受託会社(外国保険会社等を除く。)において株主総会等の決議を必要とする。
3 前項の場合には、会社法第三百九条第二項(株主総会の決議)に定める決議又は第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。
4 第百三十六条第三項の規定は、第二項の決議をする場合について準用する。
(業務及び財産の管理の委託の認可)
第百四十五条 前条第一項の管理の委託は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 内閣総理大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該管理の委託が、保険契約者等の保護に照らして、必要かつ適当なものであること。
二 受託会社が、当該管理の委託に係る業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。
(公告及び登記)
第百四十六条 委託会社は、前条第一項の認可を受けたときは、遅滞なく、第百四十四条第一項の契約(以下この節において「管理委託契約」という。)の要旨を公告し、かつ、当該管理の委託をした旨並びに受託会社の商号、名称又は氏名及びその本店若しくは主たる事務所又は日本における主たる店舗(第百八十七条第一項第四号に規定する日本における主たる店舗をいう。)を登記しなければならない。
2 前項の登記は、委託会社の本店又は主たる事務所の所在地において行わなければならない。
3 第一項の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条(申請書の添付書面)及び第四十六条(添付書面の通則)(これらの規定を第六十七条において準用する場合を含む。)に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 管理委託契約に係る契約書
二 受託会社(外国保険会社等を除く。)の株主総会等の議事録
(内部関係)
第百四十七条 この法律に別段の定めがある場合を除くほか、委託会社と受託会社との間の関係は、委任に関する規定に従う。
(外部関係)
第百四十八条 受託会社が委託会社のために保険契約の締結その他の行為をするときは、委託会社のためにすることを表示しなければならない。
2 前項の表示をしないでした行為は、受託会社が自己のためにしたものとみなす。
3 会社法第十一条第一項及び第三項(支配人の代理権)の規定は、受託会社について準用する。この場合において、同条第一項中「会社」とあるのは「保険業法第百四十四条第二項に規定する委託会社」と、「事業」とあるのは「業務及び財産」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第七十八条(代表者の行為についての損害賠償責任)の規定は、委託会社について準用する。この場合において、同条中「代表理事その他の代表者」とあるのは、「保険業法第百四十四条第一項に規定する受託会社」と読み替えるものとする。
(管理委託契約の変更又は解除)
第百四十九条 管理委託契約に定めた事項の変更又は管理委託契約の解除をするには、委託会社及び受託会社(外国保険会社等を除く。)において株主総会等の決議を必要とする。
2 前項の変更又は解除は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 第百四十四条第三項及び第四項の規定は、第一項の決議をする場合について準用する。
(管理委託契約の変更又は終了の公告等)
第百五十条 委託会社は、前条第二項の認可を受けたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。管理委託契約が同条第一項の解除以外の原因によって終了したときも、同様とする。
2 第百四十六条第三項の規定は、管理委託契約に定める事項の変更又は管理委託契約の終了の登記をする場合について準用する。この場合において、同項中「次に掲げる書類」とあるのは「次に掲げる書類(解除以外の原因による終了の場合にあっては、第一号に掲げる書類及びその終了の事由の発生を証する書面)」と、同項第一号中「管理委託契約」とあるのは「管理委託契約(変更の場合にあっては、変更後の管理委託契約)」と読み替えるものとする。
第百五十一条 削除
第八章 解散、合併、会社分割及び清算
第一節 解散
(解散の原因)
第百五十二条 保険業を営む株式会社に対する会社法第四百七十一条(解散の事由)の規定の適用については、同条中「次に」とあるのは、「第三号から第六号までに」とする。
2 前項の規定により読み替えて適用する会社法第四百七十一条の規定は、相互会社について準用する。この場合において、同条第三号中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会を設けているときは、総代会)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 保険会社等は、第一項の規定により読み替えて適用する会社法第四百七十一条第三号から第六号まで(前項において準用する場合を含む。)に掲げる事由のほか、次に掲げる事由(保険業を営む株式会社にあっては、第二号に掲げる事由)により解散する。
一 保険契約の全部に係る保険契約の移転
二 第三条第一項の免許又は第二百七十二条第一項の登録の取消し
(解散等の認可)
第百五十三条 次に掲げる事項は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
一 保険会社等の解散についての株主総会等の決議
二 保険業の廃止についての株主総会の決議
三 保険業を営む株式会社を全部又は一部の当事者とする合併(第百六十七条第一項の合併を除く。次項において同じ。)
2 内閣総理大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 保険会社による認可の申請にあっては、当該決議に係る解散若しくは保険業の廃止又は当該合併が、当該保険会社の業務及び財産の状況に照らして、やむを得ないものであること。
二 当該決議に係る解散若しくは保険業の廃止又は当該合併が、保険契約者等の保護に欠けるおそれのないものであること。
3 内閣総理大臣は、第一項の認可の申請をした保険会社等(株式会社及び第六十三条第一項の定款の定めをしている相互会社に限る。)を保険者とする保険契約(当該申請の日において既に保険事故が発生している保険契約(当該保険事故に係る保険金の支払により消滅することとなるものに限る。)その他の政令で定める保険契約を除く。)がある場合には、第一項の認可をしないものとする。
(解散等の公告)
第百五十四条 保険会社等は、前条第一項の認可を受けたときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨及び当該認可を受けた事項の内容を公告しなければならない。
(保険契約の移転による解散の登記)
第百五十五条 第百五十二条第三項第一号に掲げる事由による解散の登記の申請書には、第六十七条において準用する商業登記法第十八条、第十九条及び第四十六条並びに第百五十八条において準用する同法第七十一条第三項に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 第百三十五条第一項(第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。)に規定する移転先会社(外国保険会社等を除く。)の株主総会等の議事録
二 第百三十七条第一項(第二百五十一条第二項及び第三項の規定により読み替えて適用する場合並びに第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定による公告をしたことを証する書面
三 第百三十七条第一項の異議を述べるべき期間内に異議を述べた同項に規定する移転対象契約者の数又はその者の同条第三項(第二百五十一条第二項及び第三項の規定により読み替えて適用する場合並びに第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の内閣府令で定める金額が、第百三十七条第三項に定める割合を超えなかったことを証する書面
四 第二百五十条第四項の公告をしたときは、これを証する書面
(相互会社の解散の手続等)
第百五十六条 相互会社が解散の決議をする場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。
(解散に係る書面の備置き等)
第百五十六条の二 相互会社は、解散の決議に係る社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の会日の二週間前から当該決議の日(総代会において解散の決議をしたときは、次条第一項の規定による公告の日後一月を経過する日)まで、解散に関する議案その他の内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各事務所に備え置かなければならない。
2 相互会社の社員は、相互会社の事業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該相互会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって相互会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
第百五十七条 相互会社は、総代会において解散の決議をしたときは、当該決議の日から二週間以内に、当該決議の要旨及び貸借対照表その他内閣府令で定める事項を公告しなければならない。
2 前項の場合には、社員総数の千分の五以上に相当する数の社員(特定相互会社にあっては、第五十条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で六月前から引き続き社員である者は、取締役に対し、当該決議に係る事項を会議の目的として、当該会議の目的たる事項及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。この場合において、当該請求は、同項の規定による公告の日から、一月以内にしなければならない。
3 前項の場合において、同項の規定による請求があった日から六週間を経過する日までに総代会がした解散の決議を承認する旨の社員総会の決議がない場合には、当該総代会の決議は、その効力を失う。
4 第百五十六条の規定は、前項の社員総会の決議について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第百五十八条 会社法第九百二十六条(解散の登記)並びに商業登記法第七十一条第一項及び第三項(解散の登記)の規定は、相互会社について準用する。この場合において、同項中「会社法第四百七十八条第一項第一号」とあるのは「保険業法第百八十条の四第一項第一号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第二節 合併
第一款 通則
第百五十九条 相互会社は、他の相互会社又は保険業を営む株式会社と合併をすることができる。この場合においては、合併をする相互会社又は株式会社は、合併契約を締結しなければならない。
2 前項の場合において、合併後存続する会社又は合併により設立する会社は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める会社でなければならない。
一 相互会社と相互会社とが合併をする場合 相互会社
二 相互会社と保険業を営む株式会社とが合併をする場合 相互会社又は保険業を営む株式会社
第二款 合併契約
(相互会社と相互会社との吸収合併契約)
第百六十条 相互会社と相互会社とが吸収合併(相互会社が他の相互会社又は株式会社とする合併であって、合併により消滅する相互会社又は株式会社の権利義務の全部を合併後存続する相互会社又は株式会社に承継させるものをいう。以下同じ。)をする場合には、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 吸収合併後存続する相互会社(以下この節において「吸収合併存続相互会社」という。)及び吸収合併により消滅する相互会社(以下この節において「吸収合併消滅相互会社」という。)の名称及び住所
二 吸収合併消滅相互会社の社員に対して交付すべき金銭の額を定めたときは、その定め
三 吸収合併消滅相互会社の保険契約者の吸収合併後における権利に関する事項
四 吸収合併がその効力を生ずる日
五 その他内閣府令で定める事項
(相互会社と相互会社との新設合併契約)
第百六十一条 相互会社と相互会社とが新設合併(二以上の相互会社又は二以上の相互会社及び株式会社がする合併であって、合併により消滅する相互会社又は株式会社の権利義務の全部を合併により設立する相互会社又は株式会社に承継させるものをいう。以下同じ。)をする場合には、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 新設合併により消滅する相互会社(以下この節において「新設合併消滅相互会社」という。)の名称及び住所
二 新設合併により設立する相互会社(以下この節において「新設合併設立相互会社」という。)の目的、名称及び主たる事務所の所在地
三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立相互会社の定款で定める事項
四 新設合併設立相互会社の設立時取締役の氏名
五 次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める事項
イ 新設合併設立相互会社が会計参与設置会社である場合 新設合併設立相互会社の設立時会計参与の氏名又は名称
ロ 新設合併設立相互会社が監査役設置会社である場合 新設合併設立相互会社の設立時監査役の氏名
ハ 新設合併設立相互会社が会計監査人設置会社である場合 新設合併設立相互会社の設立時会計監査人の氏名又は名称
六 新設合併消滅相互会社の社員に対して交付すべき金銭の額を定めたときは、その定め
七 新設合併後における保険契約者の権利に関する事項
八 その他内閣府令で定める事項
2 新設合併設立相互会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第四号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。
(相互会社が存続するときの株式会社と相互会社との吸収合併契約)
第百六十二条 株式会社と相互会社とが吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する保険会社等が相互会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 吸収合併により消滅する株式会社(以下この節において「吸収合併消滅株式会社」という。)及び吸収合併存続相互会社の商号及び名称並びに住所
二 吸収合併消滅株式会社の株主及び新株予約権者に対する補償の方法
三 吸収合併存続相互会社の準備金に関する事項
四 吸収合併消滅株式会社の保険契約者の吸収合併後における権利に関する事項
五 吸収合併がその効力を生ずる日
六 その他内閣府令で定める事項
2 第六十八条第六項の規定は、前項の吸収合併の場合について準用する。この場合において、同条第六項中「第四項の準備金のほか、損失てん補準備金」とあるのは「損失てん補準備金」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 第七十二条第一項の規定は、第一項第一号の吸収合併消滅株式会社について準用する。この場合において、同条第一項中「第七十条第二項」とあるのは「第百六十五条の七第二項」と、「組織変更」とあるのは「吸収合併」と、「通知し、その承諾を得なければならない」とあるのは「通知しなければならない」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 第八十三条の規定は、第一項の吸収合併について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(相互会社を設立するときの株式会社と相互会社との新設合併契約)
第百六十三条 株式会社と相互会社とが新設合併をする場合において、新設合併により設立する保険会社等が相互会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 新設合併により消滅する株式会社(以下この節において「新設合併消滅株式会社」という。)及び新設合併消滅相互会社の商号及び名称並びに住所
二 新設合併設立相互会社の目的、名称及び主たる事務所の所在地
三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立相互会社の定款で定める事項
四 新設合併設立相互会社の設立時取締役の氏名
五 次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める事項
イ 新設合併設立相互会社が会計参与設置会社である場合 新設合併設立相互会社の設立時会計参与の氏名又は名称
ロ 新設合併設立相互会社が監査役設置会社である場合 新設合併設立相互会社の設立時監査役の氏名
ハ 新設合併設立相互会社が会計監査人設置会社である場合 新設合併設立相互会社の設立時会計監査人の氏名又は名称
六 新設合併消滅株式会社の株主及び新株予約権者に対する補償の方法
七 新設合併消滅相互会社の社員に対して交付すべき金銭の額を定めたときは、その定め
八 新設合併設立相互会社の準備金に関する事項
九 新設合併後における保険契約者の権利に関する事項
十 その他内閣府令で定める事項
2 新設合併設立相互会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第四号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。
3 前条第二項の規定は第一項の新設合併の場合について、同条第三項の規定は新設合併消滅株式会社について、それぞれ準用する。この場合において、同項中「吸収合併」とあるのは「新設合併」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 第八十三条の規定は、第一項の新設合併について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(株式会社が存続するときの株式会社と相互会社との吸収合併契約)
第百六十四条 株式会社と相互会社とが吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する保険会社等が株式会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 吸収合併後存続する株式会社(以下この節において「吸収合併存続株式会社」という。)及び吸収合併消滅相互会社の商号及び名称並びに住所
二 吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して吸収合併消滅相互会社の社員に対して株式等(株式又は金銭をいう。以下この節において同じ。)を交付するときは、当該株式等についての次に掲げる事項
イ 当該株式等が吸収合併存続株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該株式等が金銭であるときは、当該金銭の額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、吸収合併消滅相互会社の社員(吸収合併存続株式会社を除く。)に対する同号の株式等の割当てに関する事項
四 吸収合併消滅相互会社の社員に対する株式の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し内閣府令で定める事項
五 前号の株式を買い受けるときは、買受けの方法その他当該買受けに関し内閣府令で定める事項
六 吸収合併消滅相互会社の基金の拠出者に対して交付すべき金銭の額を定めたときは、その定め
七 吸収合併消滅相互会社の保険契約者の吸収合併後における権利に関する事項
八 合併剰余金額に関する事項
九 吸収合併がその効力を生ずる日
十 その他内閣府令で定める事項
2 第八十九条第一項本文及び第二項の規定は、前項の吸収合併の場合について準用する。この場合において、同条第一項中「組織変更をする相互会社」とあるのは「吸収合併消滅相互会社」と、「効力発生日」とあるのは「第百六十四条第一項第九号の日」と、「組織変更計画」とあるのは「同項の吸収合併契約」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 第九十条の規定は第一項の吸収合併について、第百六十二条第三項の規定は吸収合併消滅相互会社について、それぞれ準用する。この場合において、第九十条第一項中「組織変更をする相互会社の社員は、組織変更計画」とあるのは「吸収合併消滅相互会社の社員は、第百六十四条第一項の吸収合併契約」と、「組織変更後株式会社」とあるのは「吸収合併存続株式会社」と、第百六十二条第三項中「第百六十五条の七第二項」とあるのは「第百六十五条の十七第二項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 第九十一条の規定は、吸収合併存続株式会社について準用する。この場合において、同条中「組織変更剰余金額」とあるのは「合併剰余金額」と、同条第一項中「第八十六条第四項第二号の定款で定める事項として、」とあるのは「定款で」と、同条第三項中「前条第二項」とあるのは「第百六十四条第三項において準用する前条第二項」と、同条第四項中「、組織変更」とあるのは「、第百六十四条第一項の吸収合併」と、「その他組織変更」とあるのは「その他当該吸収合併」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(株式会社を設立するときの株式会社と相互会社との新設合併契約)
第百六十五条 株式会社と相互会社とが新設合併をする場合において、新設合併により設立する保険会社等が株式会社であるときは、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 新設合併消滅会社(新設合併消滅株式会社及び新設合併消滅相互会社をいう。以下この節において同じ。)の商号及び名称並びに住所
二 新設合併により設立する株式会社(以下この節において「新設合併設立株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数
三 前号に掲げるもののほか、新設合併設立株式会社の定款で定める事項
四 新設合併設立株式会社の設立に際して取締役となる者の氏名
五 次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める事項
イ 新設合併設立株式会社が会計参与設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立に際して会計参与となる者の氏名又は名称
ロ 新設合併設立株式会社が監査役設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立に際して監査役となる者の氏名
ハ 新設合併設立株式会社が会計監査人設置会社である場合 新設合併設立株式会社の設立に際して会計監査人となる者の氏名又は名称
六 新設合併設立株式会社が新設合併に際して新設合併消滅株式会社の株主に対して交付するその株式に代わる当該新設合併設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法
七 新設合併設立株式会社が新設合併に際して新設合併消滅相互会社の社員に対して交付する当該新設合併設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法
八 新設合併設立株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項
九 新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社及び新設合併消滅相互会社を除く。)又は新設合併消滅相互会社の社員(新設合併消滅株式会社及び新設合併消滅相互会社を除く。)に対する第六号又は第七号の株式の割当てに関する事項
十 新設合併消滅相互会社の社員に対する株式の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し内閣府令で定める事項
十一 前号の株式を買い受けるときは、買受けの方法その他当該買受けに関し内閣府令で定める事項
十二 新設合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、新設合併設立株式会社が新設合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項
イ 当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して新設合併設立株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ロ イに規定する場合において、イの新設合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、新設合併設立株式会社が当該新株予約権付社債についての社債(会社法第二条第二十三号(定義)に規定する社債をいう。ロにおいて同じ。)に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ハ イの新設合併消滅株式会社の新株予約権以外の当該新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法
十三 前号に規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の新設合併設立株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項
十四 新設合併消滅株式会社の株主又は新設合併消滅相互会社の基金の拠出者若しくは社員に対して交付すべき金額を定めたときは、その定め
十五 新設合併後における保険契約者の権利に関する事項
十六 合併剰余金額に関する事項
十七 その他内閣府令で定める事項
2 新設合併設立株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第四号に掲げる事項は、新設合併設立株式会社の設立に際して監査等委員となる者である新設合併設立株式会社の設立に際して取締役となる者とそれ以外の新設合併設立株式会社の設立に際して取締役となる者とを区別して定めなければならない。
3 第一項に規定する場合において、新設合併消滅株式会社の全部又は一部が種類株式発行会社であるときは、新設合併消滅会社は、新設合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第六号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。
一 ある種類の株式の株主に対して新設合併設立株式会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類
二 前号に掲げる事項のほか、新設合併設立株式会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容
4 第一項に規定する場合には、同項第六号に掲げる事項についての定めは、新設合併消滅株式会社の株主(新設合併消滅株式会社、新設合併消滅相互会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて新設合併設立株式会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。
5 第八十九条第一項本文及び第二項の規定は、第一項の新設合併の場合について準用する。この場合において、同条第一項中「組織変更をする相互会社」とあるのは「新設合併消滅相互会社」と、「効力発生日」とあるのは「新設合併設立株式会社の成立の日」と、「組織変更計画」とあるのは「第百六十五条第一項の新設合併契約」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
6 第九十条の規定は第一項の新設合併について、第百六十二条第三項の規定は新設合併消滅相互会社について、それぞれ準用する。この場合において、第九十条第一項中「組織変更をする相互会社の社員は、組織変更計画」とあるのは「新設合併消滅相互会社の社員は、第百六十五条第一項の新設合併契約」と、「組織変更後株式会社」とあるのは「新設合併設立株式会社」と、第百六十二条第三項中「第百六十五条の七第二項」とあるのは「第百六十五条の十七第二項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
7 第九十一条の規定は、新設合併設立株式会社について準用する。この場合において、同条中「組織変更剰余金額」とあるのは「合併剰余金額」と、同条第一項中「第八十六条第四項第二号」とあるのは「第百六十五条第一項第三号」と、同条第三項中「前条第二項」とあるのは「第百六十五条第六項において準用する前条第二項」と、同条第四項中「、組織変更」とあるのは「、第百六十五条第一項の新設合併」と、「その他組織変更」とあるのは「その他当該新設合併」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第三款 合併の手続
第一目 消滅株式会社の手続
(合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第百六十五条の二 消滅株式会社(吸収合併消滅株式会社及び新設合併消滅株式会社をいう。以下この節において同じ。)は、次に掲げる日のいずれか早い日から合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)までの間、合併契約の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各営業所に備え置かなければならない。
一 次条第一項の株主総会又は同条第五項の種類株主総会の日の二週間前の日
二 第百六十五条の四第一項の規定による通知の日又は同条第二項の公告の日のいずれか早い日
三 第百六十五条の七第二項の規定による公告の日
2 消滅株式会社の株主及び保険契約者その他の債権者は、消滅株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(合併契約の承認)
第百六十五条の三 消滅株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、合併契約の承認を受けなければならない。
2 消滅株式会社が前項の規定による決議をする場合には、会社法第三百九条第二項(株主総会の決議)の規定による決議によらなければならない。
3 消滅株式会社は、第一項の規定による決議をする場合には、会社法第二百九十九条第一項(株主総会の招集の通知)の通知において、合併契約の要領を示さなければならない。
4 第二項の規定にかかわらず、消滅株式会社が公開会社(会社法第二条第五号(定義)に規定する公開会社をいう。以下この節において同じ。)である場合において、消滅株式会社の株主に対して交付する株式等の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、第一項の決議は、同法第三百九条第三項に定める決議によらなければならない。ただし、当該消滅株式会社が種類株式発行会社である場合は、この限りでない。
5 新設合併消滅株式会社が種類株式発行会社である場合において、新設合併消滅株式会社の株主に対して交付する新設合併設立株式会社の株式の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該新設合併は、当該譲渡制限株式の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。
6 新設合併消滅株式会社が前項の規定による決議をする場合には、会社法第三百二十四条第三項(種類株主総会の決議)の規定による決議によらなければならない。
(吸収合併又は新設合併をやめることの請求)
第百六十五条の三の二 吸収合併又は新設合併が法令又は定款に違反する場合において、消滅株式会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社の株主は、消滅株式会社に対し、当該吸収合併又は新設合併をやめることを請求することができる。
(株主等に対する通知等)
第百六十五条の四 消滅株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主及び登録株式質権者並びにその新株予約権者及び登録新株予約権質権者に対し、合併をする旨並びに吸収合併存続相互会社又は合併により設立する保険業を営む株式会社若しくは相互会社(以下この節において「新設合併設立会社」という。)の商号又は名称及び住所を通知しなければならない。
2 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
3 会社法第二百十九条第一項(第六号に係る部分に限る。)、第二項(第四号に係る部分に限る。)及び第三項(株券の提出に関する公告等)、第二百二十条(株券の提出をすることができない場合)並びに第二百九十三条第一項(第三号に係る部分に限る。)(新株予約権証券の提出に関する公告等)の規定は、消滅株式会社について準用する。この場合において、同法第二百十九条第二項第四号中「第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社」とあるのは「保険業法第百六十条第一号に規定する吸収合併存続相互会社又は同法第百六十五条の四第一項に規定する新設合併設立会社」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(株式買取請求権)
第百六十五条の五 次に掲げる株主は、消滅株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
一 合併契約を承認するための株主総会(種類株主総会を含む。以下この号において同じ。)に先立って当該合併に反対する旨を当該消滅株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該合併に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)
二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主
2 会社法第七百八十五条第五項から第九項まで(反対株主の株式買取請求)、第七百八十六条(株式の価格の決定等)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第二項(第二号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前項の規定による請求について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(新株予約権買取請求)
第百六十五条の六 消滅株式会社の新株予約権者は、消滅株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
2 会社法第七百八十七条第五項から第十項まで(新株予約権買取請求)、第七百八十八条(新株予約権の価格の決定等)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第二項(第二号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前項の規定による請求について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(債権者の異議)
第百六十五条の七 消滅株式会社の保険契約者その他の債権者は、消滅株式会社に対し、合併について異議を述べることができる。
2 消滅株式会社は、次に掲げる事項を官報及び当該消滅株式会社の定款で定めた公告方法により公告しなければならない。ただし、第四号の期間は、一月を下ることができない。
一 合併をする旨
二 吸収合併存続相互会社又は他の新設合併消滅会社(新設合併消滅株式会社及び新設合併消滅相互会社をいう。第百六十五条の十七第二項において同じ。)及び新設合併設立会社の商号又は名称及び住所
三 消滅株式会社の計算書類に関する事項として内閣府令で定めるもの
四 消滅株式会社の保険契約者その他の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
五 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
3 保険契約者その他の債権者が前項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該保険契約者その他の債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。
4 第七十条第四項から第八項までの規定は、第一項の規定による債権者の異議について準用する。この場合において、同条第四項及び第六項中「第二項第四号」とあるのは「第百六十五条の七第二項第四号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(吸収合併の効力発生日の変更)
第百六十五条の八 吸収合併消滅株式会社は、吸収合併存続相互会社との合意により、効力発生日を変更することができる。
2 前項の場合には、吸収合併消滅株式会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。
3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節の規定を適用する。
第二目 吸収合併存続株式会社の手続
(吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第百六十五条の九 吸収合併存続株式会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六月を経過する日までの間、吸収合併契約の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各営業所に備え置かなければならない。
一 吸収合併契約について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日
二 第百六十五条の十二において準用する第百六十五条の四第一項の規定による通知の日又は第百六十五条の十二において準用する第百六十五条の四第二項の公告の日のいずれか早い日
三 第百六十五条の十二において準用する第百六十五条の七第二項の規定による公告の日
2 吸収合併存続株式会社の株主及び保険契約者その他の債権者は、吸収合併存続株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(吸収合併契約の承認等)
第百六十五条の十 吸収合併存続株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。
2 吸収合併存続株式会社が前項の規定による決議をする場合には、会社法第三百九条第二項(株主総会の決議)の規定による決議によらなければならない。
3 吸収合併存続株式会社は、第一項の規定による決議をする場合には、会社法第二百九十九条第一項(株主総会の招集の通知)の通知において、吸収合併契約の要領を示さなければならない。
4 承継する吸収合併消滅相互会社の資産に吸収合併存続株式会社の株式が含まれる場合には、取締役は、第一項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。
5 吸収合併存続会社が種類株式発行会社である場合において、吸収合併消滅相互会社の社員に交付する株式等が吸収合併存続株式会社の株式である場合には、吸収合併は、第百六十四条第一項第二号イの種類の株式(譲渡制限株式であって、会社法第百九十九条第四項(募集事項の決定)の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。
6 吸収合併存続株式会社が前項の規定による決議をする場合には、会社法第三百二十四条第三項(種類株主総会の決議)の規定による決議によらなければならない。
(吸収合併契約の承認を要しない場合等)
第百六十五条の十一 前条第一項から第四項までの規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を吸収合併存続株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。ただし、吸収合併消滅相互会社の社員に対して交付する株式等の全部又は一部が吸収合併存続株式会社の譲渡制限株式である場合であって、吸収合併存続株式会社が公開会社でないときは、この限りでない。
一 次に掲げる額の合計額
イ 吸収合併消滅相互会社の社員に対して交付する吸収合併存続株式会社の株式の数に一株当たり純資産額(会社法第百四十一条第二項(株式会社による買取りの通知)に規定する一株当たり純資産額をいう。)を乗じて得た額
ロ 吸収合併消滅相互会社の社員に対して交付する金銭の額
二 吸収合併存続株式会社の純資産額として内閣府令で定める方法により算定される額
2 前項本文に規定する場合において、内閣府令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第百六十五条の十二において準用する第百六十五条の四第一項の規定による通知又は第百六十五条の十二において準用する第百六十五条の四第二項の公告の日から二週間以内に吸収合併に反対する旨を吸収合併存続株式会社に対し通知したときは、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。
(吸収合併をやめることの請求)
第百六十五条の十一の二 吸収合併が法令又は定款に違反する場合において、吸収合併存続株式会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、吸収合併存続株式会社の株主は、吸収合併存続株式会社に対し、当該吸収合併をやめることを請求することができる。ただし、前条第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。
(準用規定)
第百六十五条の十二 第百六十五条の四、第百六十五条の五第二項及び第百六十五条の七並びに会社法第七百九十七条第一項及び第二項(反対株主の株式買取請求)の規定は、吸収合併存続株式会社について準用する。この場合において、第百六十五条の四第一項中「及び住所」とあるのは「、住所及び第百六十五条の十第四項に規定する場合にあっては同項の株式に関する事項」と、同法第七百九十七条第一項ただし書中「第七百九十六条第二項本文」とあるのは「保険業法第百六十五条の十一第一項本文」と、「第七百九十五条第二項各号に掲げる場合及び第七百九十六条第一項ただし書又は第三項」とあるのは「同項ただし書又は同条第二項」と、同条第二項第二号中「全ての株主(第七百九十六条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)」とあるのは「全ての株主」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(吸収合併に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第百六十五条の十三 吸収合併存続株式会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続株式会社が承継した吸収合併消滅相互会社の権利義務その他の吸収合併に関する事項として内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。
2 吸収合併存続株式会社は、効力発生日から六月間、前項の書面又は電磁的記録を各営業所に備え置かなければならない。
3 吸収合併存続株式会社の株主及び保険契約者その他の債権者は、吸収合併存続株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
第三目 新設合併設立株式会社の手続
第百六十五条の十四 会社法第二編第一章(第二十七条(第四号及び第五号を除く。)、第二十九条、第三十一条、第三十七条第三項、第三十九条、第六節及び第四十九条を除く。)(設立)の規定は、新設合併設立株式会社の設立については、適用しない。
2 新設合併設立株式会社の定款は、新設合併消滅会社が作成する。
3 前条の規定は、新設合併設立株式会社について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第四目 消滅相互会社の手続
(合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第百六十五条の十五 消滅相互会社(吸収合併消滅相互会社及び新設合併消滅相互会社をいう。以下この節において同じ。)は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日までの間、合併契約の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各事務所に備え置かなければならない。
一 次条第一項の社員総会(総代会を設けているときは、総代会。以下この款において同じ。)の日の二週間前の日
二 第百六十五条の十七第二項の規定による公告の日
2 消滅相互会社の保険契約者その他の債権者は、消滅相互会社に対して、その事業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅相互会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅相互会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(合併契約の承認)
第百六十五条の十六 消滅相互会社は、効力発生日の前日までに、社員総会の決議によって、合併契約の承認を受けなければならない。
2 消滅相互会社が前項の規定による決議をする場合には、第六十二条第二項の規定による決議によらなければならない。
(吸収合併又は新設合併をやめることの請求)
第百六十五条の十六の二 吸収合併又は新設合併が法令又は定款に違反する場合において、消滅相互会社の社員が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅相互会社の社員は、消滅相互会社に対し、当該吸収合併又は新設合併をやめることを請求することができる。
(債権者の異議)
第百六十五条の十七 消滅相互会社の保険契約者その他の債権者は、消滅相互会社に対し、合併について異議を述べることができる。
2 消滅相互会社は、次に掲げる事項を官報及び当該消滅相互会社の定款で定めた公告方法により公告しなければならない。ただし、第三号の期間は、一月を下ることができない。
一 合併をする旨
二 吸収合併存続会社(吸収合併存続相互会社及び吸収合併存続株式会社をいう。以下この節において同じ。)又は他の新設合併消滅会社及び新設合併設立会社の商号又は名称及び住所
三 消滅相互会社の保険契約者その他の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
四 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
3 保険契約者その他の債権者が前項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該保険契約者その他の債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。
4 第八十八条第四項から第七項まで及び第九項の規定は、第一項の規定による債権者の異議について準用する。この場合において、同条第四項及び第六項中「第二項第三号」とあるのは「第百六十五条の十七第二項第三号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(吸収合併の効力発生日の変更)
第百六十五条の十八 吸収合併消滅相互会社は、吸収合併存続会社との合意により、効力発生日を変更することができる。
2 前項の場合には、吸収合併消滅相互会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。
3 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節の規定を適用する。
第五目 吸収合併存続相互会社の手続
(吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第百六十五条の十九 吸収合併存続相互会社は、次に掲げる日のいずれか早い日から効力発生日後六月を経過する日までの間、吸収合併契約の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各事務所に備え置かなければならない。
一 次条において準用する第百六十五条の十六第一項の社員総会の日の二週間前の日
二 次条において準用する第百六十五条の十七第二項の規定による公告の日
2 吸収合併存続相互会社の保険契約者その他の債権者は、吸収合併存続相互会社に対して、その事業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続相互会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続相互会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(準用規定)
第百六十五条の二十 第百六十五条の十六から第百六十五条の十七までの規定は、吸収合併存続相互会社について準用する。この場合において、第百六十五条の十六の二中「吸収合併又は新設合併」とあるのは「吸収合併」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(吸収合併に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第百六十五条の二十一 吸収合併存続相互会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続相互会社が承継した吸収合併消滅相互会社又は吸収合併消滅株式会社の権利義務その他の吸収合併に関する事項として内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。
2 吸収合併存続相互会社は、効力発生日から六月間、前項の書面又は電磁的記録を各事務所に備え置かなければならない。
3 吸収合併存続相互会社の保険契約者その他の債権者は、吸収合併存続相互会社に対して、その事業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続相互会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続相互会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
第六目 新設合併設立相互会社の手続
第百六十五条の二十二 第二章第二節第二款(第二十三条(第一項第九号及び第四項を除く。)、第二十五条、第二十六条、第三十条の十第三項から第六項まで及び第八項並びに第三十条の十三第一項を除く。)の規定は、新設合併設立相互会社の設立については、適用しない。
2 新設合併設立相互会社の定款は、新設合併消滅会社が作成する。
3 前条の規定は、新設合併設立相互会社について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第七目 株式会社の合併に関する特則
(合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等に関する特則)
第百六十五条の二十三 保険業を営む株式会社が会社法第七百四十八条(合併契約の締結)の合併をする場合(合併後存続する会社又は合併により設立する会社が保険業を営む株式会社である場合に限る。)における同法第七百八十二条第一項、第七百九十四条第一項(吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等)及び第八百三条第一項(新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等)の規定の適用については、これらの規定中「事項」とあるのは「事項及び内閣府令で定める事項」と、「その本店」とあるのは「各営業所」とする。
(債権者の異議に関する特則)
第百六十五条の二十四 会社法第七百四十八条(合併契約の締結)の合併(合併後存続する会社又は合併により設立する会社が保険業を営む株式会社である場合に限る。)をする保険業を営む株式会社(以下この節において「会社法合併会社」という。)の保険契約者その他の債権者は、会社法合併会社に対し、合併について異議を述べることができる。
2 前項の場合には、会社法合併会社は、次に掲げる事項を官報及び当該会社法合併会社の定款で定めた公告方法により公告しなければならない。ただし、第四号の期間は、一月を下ることができない。
一 合併をする旨
二 合併をする会社及び合併後存続する会社又は合併により設立する会社の商号及び住所
三 前号に規定する会社の計算書類に関する事項として内閣府令で定めるもの
四 会社法合併会社の保険契約者その他の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
五 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
3 保険契約者その他の債権者が前項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該保険契約者その他の債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。
4 保険契約者その他の債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、会社法合併会社は、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該合併をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
5 前項の規定は、保険契約者その他保険契約に係る権利を有する者の当該権利(保険金請求権等を除く。)については、適用しない。
6 第二項第四号の期間内に異議を述べた保険契約者(同項の規定による公告の時において既に保険金請求権等が生じている保険契約(当該保険金請求権等に係る支払により消滅することとなるものに限る。)に係る保険契約者を除く。以下この項及び次項において同じ。)の数が保険契約者の総数の五分の一を超え、かつ、当該異議を述べた保険契約者の保険契約に係る債権(保険金請求権等を除く。)の額に相当する金額として内閣府令で定める金額が保険契約者の当該金額の総額の五分の一を超えるときは、合併の承認の決議は、効力を有しない。
7 前各項の規定によりされた合併は、前項の異議を述べた保険契約者及び保険契約者に係る保険契約に係る権利(保険金請求権等を除く。)を有する者についても、その効力を生ずる。
8 前各項に定めるもののほか、これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
9 会社法第七百八十九条、第七百九十九条及び第八百十条(債権者の異議)の規定は、会社法合併会社については、適用しない。
第八目 合併後の公告等
第百六十六条 合併後存続する保険会社等又は合併により設立する保険会社等は、合併後、遅滞なく、合併がされたこと及び内閣府令で定める事項を公告しなければならない。第百六十五条の七第二項(第百六十五条の十二において準用する場合を含む。)、第百六十五条の十七第二項(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)又は前条第二項の規定による公告をした保険会社等が合併をしないこととなったときも、同様とする。
2 合併後存続する保険会社等又は合併により設立する保険会社等は、合併の日から六月間、第百六十五条の七(第百六十五条の十二において準用する場合を含む。)、第百六十五条の十七(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)又は前条に規定する手続の経過その他の合併に関する事項として内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各営業所又は各事務所に備え置かなければならない。
3 合併後存続する保険会社等又は合併により設立する保険会社等の株主及び保険契約者その他の債権者は、その営業時間内又は事業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該合併後存続する保険会社等又は合併により設立する保険会社等の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって合併後存続する保険会社等又は合併により設立する保険会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
第四款 合併の効力の発生等
(合併の認可)
第百六十七条 保険会社等の合併(保険会社等が合併後存続する場合又は保険会社等を合併により設立する場合に限る。)は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 内閣総理大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該合併が、保険契約者等の保護に照らして、適当なものであること。
二 保険会社による認可の申請にあっては、当該合併が、保険会社相互の適正な競争関係を阻害するおそれのないものであること。
三 当該合併後存続する保険会社等又は当該合併により設立する保険会社等が、合併後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。
3 内閣総理大臣は、第一項の認可の申請が保険会社と少額短期保険業者との合併に係るものであるときは、合併後存続する会社又は合併により設立される会社が保険会社でなければ、同項の認可をしてはならない。
(みなし免許等)
第百六十八条 前条第一項の認可を受けて合併により設立される株式会社又は相互会社は、当該設立の時に、保険会社を当事者とする合併にあっては第三条第一項の内閣総理大臣の免許を受けたものとみなし、保険会社を当事者としない合併にあっては第二百七十二条第一項の登録を受けたものとみなす。
2 前項の免許は、合併により消滅する保険会社が受けていた第三条第一項の免許に係る同条第二項の免許の種類と同一の種類の免許とする。
(合併の効力の発生等)
第百六十九条 吸収合併存続相互会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社(吸収合併消滅相互会社又は吸収合併消滅株式会社をいう。以下この節において同じ。)の権利義務を承継する。
2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
3 吸収合併消滅株式会社の株式及び新株予約権は、効力発生日に、消滅する。
4 吸収合併消滅会社の保険契約者は、効力発生日に、吸収合併存続相互会社に入社する。ただし、吸収合併存続相互会社の定款で当該保険契約者の保険契約と同種の保険契約に係る保険契約者が社員とされていない場合は、この限りでない。
5 前各項の規定は、第百六十五条の七若しくは第百六十五条の十七(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。
第百六十九条の二 新設合併設立相互会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。
2 新設合併消滅会社の保険契約者は、新設合併設立相互会社の成立の日に、新設合併設立相互会社に入社する。ただし、新設合併設立相互会社の定款で当該保険契約者の保険契約と同種の保険契約に係る保険契約者が社員とされていない場合は、この限りでない。
3 新設合併消滅株式会社の株式及び新株予約権は、新設合併設立相互会社の成立の日に、消滅する。
第百六十九条の三 吸収合併存続株式会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継する。
2 吸収合併消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
3 第百六十四条第一項第二号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収合併消滅相互会社の社員は、効力発生日に、同項第三号に掲げる事項についての定めに従い、同項第二号イの株式の株主となる。
4 前三項の規定は、第百六十五条の十二において準用する第百六十五条の七若しくは第百六十五条の十七の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。
第百六十九条の四 新設合併設立株式会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継する。
2 新設合併消滅会社の株主又は社員は、新設合併設立株式会社の成立の日に、第百六十五条第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、同項第六号又は第七号の株式の株主となる。
3 新設合併消滅株式会社の新株予約権は、新設合併設立株式会社の成立の日に、消滅する。
4 第百六十五条第一項第十二号イに規定する場合には、新設合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者は、新設合併設立株式会社の成立の日に、同項第十三号に掲げる事項についての定めに従い、同項第十二号イの新設合併設立株式会社の新株予約権の新株予約権者となる。
(合併の登記)
第百六十九条の五 相互会社又は株式会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その主たる事務所又は本店の所在地において、吸収合併消滅会社については解散の登記をし、吸収合併存続会社については変更の登記をしなければならない。
2 二以上の相互会社又は株式会社が新設合併をする場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その主たる事務所又は本店の所在地において、新設合併消滅会社については解散の登記をし、新設合併設立会社については設立の登記をしなければならない。
一 新設合併消滅会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日
イ 第百六十五条の三第一項の株主総会の決議の日
ロ 新設合併をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日
ハ 第百六十五条の四第一項の規定による通知又は同条第二項の公告をした日から二十日を経過した日
ニ 第百六十五条の七の規定による手続が終了した日
ホ 新設合併消滅会社が合意により定めた日
二 新設合併消滅会社が相互会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日
イ 第百六十五条の十六第一項の社員総会の決議の日
ロ 第百六十五条の十七の規定による手続が終了した日
ハ 新設合併消滅会社が合意により定めた日
三 新設合併消滅会社が株式会社及び相互会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日
3 前二項に規定する場合には、当該相互会社又は株式会社は、これらの規定に規定する日から三週間以内に、支店又は従たる事務所の所在地においても、これらの規定に規定する登記をしなければならない。ただし、第一項に規定する変更の登記は、会社法第九百三十条第二項各号(支店の所在地における登記)(第六十四条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる事項に変更が生じた場合に限り、するものとする。
(合併の登記の申請等)
第百七十条 第百五十九条第一項及び第百六十五条の二十三の合併による変更の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条(申請書の添付書面)及び第四十六条(添付書面の通則)(これらの規定を第六十七条において準用する場合を含む。)並びに同法第八十条(吸収合併の登記)(第三項において準用する場合を含む。)に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 第百六十五条の七第二項(第百六十五条の十二において準用する場合を含む。)、第百六十五条の十七第二項(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)又は第百六十五条の二十四第二項の規定による公告をしたことを証する書面
二 消滅株式会社又は吸収合併存続株式会社にあっては、第百六十五条の七第二項第四号(第百六十五条の十二において準用する場合を含む。)の期間内に異議を述べた保険契約者の数が第百六十五条の七第四項(第百六十五条の十二において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)において準用する第七十条第六項(第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合(以下この号において単に「第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合」という。)を含む。以下この号において同じ。)の保険契約者の総数の五分の一(第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合にあっては、十分の一)を超えなかったことを証する書面又はその者の第百六十五条の七第四項において準用する第七十条第六項の内閣府令で定める金額が第百六十五条の七第四項において準用する第七十条第六項の金額の総額の五分の一(第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合にあっては、十分の一)を超えなかったことを証する書面
三 消滅相互会社又は吸収合併存続相互会社にあっては、第百六十五条の十七第二項第三号(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)の期間内に異議を述べた保険契約者の数が第百六十五条の十七第四項(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)において準用する第八十八条第六項(第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合(以下この号において単に「第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合」という。)を含む。以下この号において同じ。)の保険契約者の総数の五分の一(第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合にあっては、十分の一)を超えなかったことを証する書面又はその者の第百六十五条の十七第四項において準用する第八十八条第六項の内閣府令で定める金額が第百六十五条の十七第四項において準用する第八十八条第六項の金額の総額の五分の一(第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合にあっては、十分の一)を超えなかったことを証する書面
四 会社法合併会社にあっては、第百六十五条の二十四第二項第四号の期間内に異議を述べた保険契約者の数が同条第六項(第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合(以下この号において単に「第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合」という。)を含む。以下この号において同じ。)の保険契約者の総数の五分の一(第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合にあっては、十分の一)を超えなかったことを証する書面又はその者の第百六十五条の二十四第六項の内閣府令で定める金額が同項の金額の総額の五分の一(第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合にあっては、十分の一)を超えなかったことを証する書面
五 第二百五十四条第三項の規定による公告をしたときは、これを証する書面
2 第百五十九条第一項及び第百六十五条の二十三の合併による設立の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条及び第四十六条(これらの規定を第六十七条において準用する場合を含む。)並びに同法第八十一条(新設合併の登記)(次項において準用する場合を含む。)に定める書類のほか、前項各号に掲げる書類を添付しなければならない。
3 商業登記法第七十九条から第八十三条まで(合併の登記)の規定は、相互会社に関する登記について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(合併の無効の訴え)
第百七十一条 会社法第八百二十八条第一項(第七号及び第八号に係る部分に限る。)及び第二項(第七号及び第八号に係る部分に限る。)(会社の組織に関する行為の無効の訴え)、第八百三十四条(第七号及び第八号に係る部分に限る。)(被告)、第八百三十五条第一項(訴えの管轄)、第八百三十六条から第八百三十九条まで(担保提供命令、弁論等の必要的併合、認容判決の効力が及ぶ者の範囲、無効又は取消しの判決の効力)、第八百四十三条(第一項第三号及び第四号並びに第二項ただし書を除く。)(合併の無効判決の効力)、第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)並びに第九百三十七条第三項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)及び第四項(裁判による登記の嘱託)の規定は第百五十九条第一項の合併の無効の訴えについて、同法第八百六十八条第六項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第二項(第六号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定はこの条において準用する同法第八百四十三条第四項の申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、同法第八百二十八条第二項第七号及び第八号中「社員等」とあるのは「相互会社の社員、取締役、監査役若しくは清算人(監査等委員会設置会社にあっては社員、取締役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては社員、取締役、執行役又は清算人)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第百七十二条及び第百七十三条 削除
第三節 会社分割
(保険業を営む株式会社の分割)
第百七十三条の二 保険業を営む株式会社(以下この節において「保険株式会社」という。)は、その会社分割(以下この節において「分割」という。)によりその保険契約を承継させる場合には、新設分割計画又は吸収分割契約(以下「分割計画等」という。)において、当該分割により承継させるものとする保険契約(第百七十三条の五第一項において「分割対象契約」という。)について、契約条項の軽微な変更で保険契約者の不利益とならないものを定めることができる。
(分割に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第百七十三条の三 分割の当事者である保険株式会社についての会社法第七百八十二条第一項(吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等)、第七百九十四条第一項(吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等)及び第八百三条第一項(新設合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等)の規定の適用については、これらの規定中「事項」とあるのは「事項及び内閣府令で定める事項」と、「その本店」とあるのは「各営業所」とする。
(債権者の異議)
第百七十三条の四 保険株式会社が分割の当事者となる場合には、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める保険株式会社に対し、分割について異議を述べることができる。
一 保険株式会社である吸収分割会社(吸収分割をする株式会社又は合同会社をいう。以下この条において同じ。)の保険契約者その他の債権者(会社法第七百八十九条第一項第二号(債権者の異議)に定める債権者であるものに限る。) 当該吸収分割会社
二 保険株式会社である吸収分割承継会社(吸収分割会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該吸収分割会社から承継する株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。以下同じ。)の保険契約者その他の債権者 当該吸収分割承継会社
三 保険株式会社である新設分割会社(新設分割をする株式会社又は合同会社をいう。以下この条において同じ。)の保険契約者その他の債権者(会社法第八百十条第一項第二号(債権者の異議)に定める債権者であるものに限る。) 当該新設分割会社
2 前項の場合には、同項各号に定める保険株式会社(以下この条において「分割当事会社」という。)は、次に掲げる事項を官報及び当該分割当事会社が定款で定めた公告方法により公告し、かつ、知れている債権者(会社法第七百八十九条第三項又は第八百十条第三項に規定する債権者に限る。)(保険契約を承継させる分割である場合にあっては、前項第一号又は第三号に掲げる者のうち分割により承継させる保険契約に係る保険契約者及び当該知れている債権者)には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第四号の期間は、一月を下ることができない。
一 分割をする旨
二 次のイ又はロに掲げる分割の区分に応じ、当該イ又はロに定める会社の商号及び住所
イ 吸収分割 吸収分割会社及び吸収分割承継会社
ロ 新設分割 新設分割会社及び新設分割設立会社(新設分割により設立する株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。次条第一項において同じ。)
三 前号イ又はロに定める株式会社の計算書類に関する事項として内閣府令で定めるもの
四 分割当事会社の保険契約者その他の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
五 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
3 保険契約者その他の債権者が前項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該保険契約者その他の債権者は、当該分割について承認をしたものとみなす。
4 保険契約者その他の債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、分割当事会社は、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該分割をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
5 前項の規定は、保険契約者その他保険契約に係る権利を有する者の当該権利(保険金請求権等を除く。)については、適用しない。
6 第二項第四号の期間内に異議を述べた保険契約者(同項の規定による公告の時において既に保険金請求権等が生じている保険契約(当該保険金請求権等に係る支払により消滅することとなるものに限る。)に係る保険契約者を除く。以下この項及び次項において同じ。)の数が保険契約者(第一項の規定により異議を述べることができるものに限る。)の総数の十分の一(保険契約の全部を承継させる分割である場合にあっては、五分の一)を超え、かつ、当該異議を述べた保険契約者の保険契約に係る債権(保険金請求権等を除く。)の額に相当する金額として内閣府令で定める金額が保険契約者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)の当該金額の総額の十分の一(保険契約の全部を承継させる分割である場合にあっては、五分の一)を超えるときは、分割は、その効力を有しない。
7 前各項の規定によりされた分割は、前項の異議を述べた保険契約者及び保険契約者に係る保険契約に係る権利(保険金請求権等を除く。)を有する者についても、その効力を生ずる。
8 第四項の規定にかかわらず、吸収分割会社又は新設分割会社(保険契約の全部を承継させる分割を行うものを除く。)は、第百七十三条の六第一項の規定による認可を受けた場合において、第二項の各別の催告をしなければならない保険契約者のうち、第一項の異議を述べ、かつ、保険契約が承継されることとなる場合には解約する旨を申し入れた保険契約者がいるときは、分割の前日までに、当該保険契約者に対し、被保険者のために積み立てた金額、未経過期間(当該保険契約に定めた保険期間のうち、当該保険契約が解約された時において、まだ経過していない期間をいう。)に対応する保険料その他内閣府令で定める金額を払い戻さなければならない。
9 前各項に定めるもののほか、これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
10 会社法第七百八十九条、第七百九十九条(債権者の異議)及び第八百十条の規定は、第一項各号に定める保険株式会社については、適用しない。
11 第一項に規定する場合における会社法第七百五十九条第二項及び第三項(株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等)、第七百六十一条第二項及び第三項(持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等)、第七百六十四条第二項及び第三項(株式会社を設立する新設分割の効力の発生等)、第七百六十六条第二項及び第三項(持分会社を設立する新設分割の効力の発生等)、第七百九十一条第一項第一号(吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等)、第八百一条第二項(吸収合併等に関する書面等の備置き及び閲覧等)並びに第八百十一条第一項第一号(新設分割又は株式移転に関する書面等の備置き及び閲覧等)の規定の適用については、同法第七百五十九条第二項、第七百六十一条第二項、第七百六十四条第二項及び第七百六十六条第二項中「の規定により異議」とあるのは「又は保険業法第百七十三条の四第一項の規定により異議」と、「)の各別の催告をしなければならないもの」とあるのは「)の各別の催告をしなければならないもの又は同法第百七十三条の四第二項の各別の催告をしなければならないもの(同項に規定する保険契約者を除く。)」と、同法第七百五十九条第二項及び第七百六十一条第二項中「第七百八十九条第二項の各別の催告」とあるのは「第七百八十九条第二項又は同法第百七十三条の四第二項の各別の催告」と、同法第七百六十四条第二項及び第七百六十六条第二項中「第八百十条第二項の各別の催告」とあるのは「第八百十条第二項又は同法第百七十三条の四第二項の各別の催告」と、同法第七百五十九条第三項及び第七百六十一条第三項中「第七百八十九条第一項第二号」とあるのは「第七百八十九条第一項第二号又は保険業法第百七十三条の四第一項」と、「同条第二項」とあるのは「第七百八十九条第二項又は同法第百七十三条の四第二項」と、同法第七百六十四条第三項及び第七百六十六条第三項中「第八百十条第一項第二号」とあるのは「第八百十条第一項第二号又は保険業法第百七十三条の四第一項」と、「同条第二項」とあるのは「第八百十条第二項又は同法第百七十三条の四第二項」と、同法第七百九十一条第一項第一号、第八百一条第二項及び第八百十一条第一項第一号中「法務省令」とあるのは「内閣府令」とする。
12 会社法第七百五十九条第二項及び第三項、第七百六十一条第二項及び第三項、第七百六十四条第二項及び第三項並びに第七百六十六条第二項及び第三項の規定は、保険契約に係る権利を有する者、第九十九条第三項に規定する保険金信託業務に係る金銭信託の受益者その他の政令で定める債権者については、適用しない。
(分割手続中の契約)
第百七十三条の五 分割により保険契約を承継させる保険株式会社は、分割の決議後に分割対象契約を締結するときは、分割をし、又はしないこととなった時までの間は、当該分割対象契約を締結する者に対し、前条第二項第一号から第三号までに掲げる事項その他内閣府令で定める事項を通知し、当該分割対象契約が承継される場合には吸収分割承継会社又は新設分割設立会社の保険契約者となることについてその承諾を得なければならない。
2 前項の承諾をした者は、前条の規定の適用については、保険契約者でないものとみなす。
(保険株式会社の分割の認可)
第百七十三条の六 保険株式会社の分割は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 内閣総理大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該分割が、保険契約者等の保護に照らして、適当なものであること。
二 保険会社による認可の申請にあっては、当該分割が、保険会社相互の適正な競争関係を阻害するおそれのないものであること。
三 当該認可の申請をした保険株式会社が、分割後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。
3 内閣総理大臣は、第一項の認可の申請が保険会社の保険契約を承継させる分割に係るものであるときは、当該保険契約を承継する会社が保険会社でなければ、同項の認可をしてはならない。
(分割の公告等)
第百七十三条の七 分割により保険契約を承継させる保険株式会社は、当該分割後、遅滞なく、当該分割により保険契約を承継させたこと及び内閣府令で定める事項を公告しなければならない。分割をしないこととなったときも、同様とする。
2 分割により保険契約を承継した保険株式会社は、当該分割の日後三月以内に、当該分割による承継に係る保険契約者に対し、その旨(分割計画等において、当該分割による承継に係る保険契約について第百七十三条の二に規定する軽微な変更を定めたときは、当該分割により保険契約を承継したこと及び当該軽微な変更の内容)を通知しなければならない。
3 分割により保険契約を承継させる保険株式会社が保険契約者に対して貸付金その他の債権を有しており、かつ、当該債権が分割計画等により保険契約を承継する保険株式会社に承継されることとされている場合において、第一項前段の規定による公告が時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法によりされたときは、当該保険契約者に対して民法第四百六十七条(指名債権の譲渡の対抗要件)の規定による確定日付のある証書による通知があったものとみなす。この場合においては、当該公告の日付をもって確定日付とする。
(分割の登記)
第百七十三条の八 新設分割による設立の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条(申請書の添付書面)、第四十六条(添付書面の通則)、第八十六条(第八号を除く。)(会社分割の登記)及び第百九条第二項(第三号中同法第八十六条第八号に掲げる書面に係る部分を除き、同法第百十六条第一項及び第百二十五条において準用する場合を含む。)(会社分割の登記)に規定する書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 第百七十三条の四第二項の規定による公告をしたことを証する書面
二 第百七十三条の四第四項の異議を述べた保険契約者その他の債権者があるときは、当該保険契約者その他の債権者に対し、弁済し、相当の担保を提供し、若しくは当該保険契約者その他の債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託したこと又は当該分割をしても当該保険契約者その他の債権者を害するおそれがないことを証する書面
三 第百七十三条の四第六項の異議を述べた保険契約者の数が同項の保険契約者の総数の十分の一(保険契約の全部を承継させる分割である場合にあっては、五分の一)を超えなかったことを証する書面又はその者の同項の内閣府令で定める金額が同項の金額の総額の十分の一(保険契約の全部を承継させる分割である場合にあっては、五分の一)を超えなかったことを証する書面
2 吸収分割承継会社である株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社がする吸収分割による変更の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条、第四十六条、第八十五条(保険株式会社に係る同条第三号又は第八号に掲げる書面に係る部分を除く。)(会社分割の登記)、第九十三条(添付書面の通則)(同法第百十一条及び第百十八条において準用する場合を含む。)及び第百九条第一項(第二号中同法第八十五条第八号に掲げる書面に係る部分を除き、同法第百十六条第一項及び第百二十五条において準用する場合を含む。)に規定する書類のほか、前項各号に掲げる書類を添付しなければならない。
第四節 清算
(内閣総理大臣による清算人の選任及び解任)
第百七十四条 内閣総理大臣は、保険会社等が第百五十二条第一項の規定により読み替えて適用する会社法第四百七十一条第六号(解散の事由)(第百五十二条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事由によって解散したものであるときは利害関係人若しくは法務大臣の請求により又は職権で、第百八十条の四第一項又は同法第四百七十八条第一項(清算人の就任)の規定により清算人となる者がないとき、及び保険会社等が第百八十条第二号又は同法第四百七十五条第二号(清算の開始原因)に掲げる場合に該当することとなったものであるときは利害関係人の請求により又は職権で、清算人を選任する。
2 保険業を営む株式会社に対する会社法第四百七十七条第四項(株主総会以外の機関の設置)の規定の適用については、同項中「大会社」とあるのは、「保険会社若しくは保険業法第二百七十二条の四第一項第一号ロに掲げる株式会社」とする。
3 会社法第四百七十八条第二項から第四項までの規定は、保険業を営む株式会社については、適用しない。
4 保険会社等が第三条第一項の免許又は第二百七十二条第一項の登録の取消しによって解散したときは、第百八十条の四第一項又は会社法第四百七十八条第一項の規定にかかわらず、内閣総理大臣が清算人を選任する。
5 第八条の二第二項の規定は、保険業を営む株式会社の清算人について準用する。
6 保険業を営む株式会社に対する会社法第四百七十八条第八項において準用する同法第三百三十一条第一項第三号(取締役の資格等)の規定の適用については、同号中「この法律」とあるのは、「保険業法、この法律」とする。
7 内閣総理大臣は、第一項、第四項又は第九項の規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から清算に係る株式会社又は相互会社(以下この節において「清算保険会社等」という。)を代表する清算人(以下この節において「代表清算人」という。)を定めることができる。
8 清算人(内閣総理大臣が選任した者及び特別清算の場合の清算人を除く。)は、その就職の日から二週間以内に次に掲げる事項を内閣総理大臣に届け出なければならない。ただし、その間に特別清算が開始した場合は、この限りでない。
一 解散の事由(第百八十条第二号又は会社法第四百七十五条第二号に掲げる場合に該当することとなった清算保険会社等にあっては、その旨)及びその年月日
二 清算人の氏名及び住所
9 内閣総理大臣は、保険会社等の清算(特別清算を除く。)の場合において、重要な事由があると認めるときは、清算人を解任することができる。この場合において、内閣総理大臣は、清算人を選任することができる。
10 保険業を営む株式会社の清算の場合における会社法第四百七十九条(清算人の解任)の規定の適用については、同条第一項中「前条第二項から第四項までの規定により裁判所」とあるのは「内閣総理大臣」と、同条第二項中「清算人」とあるのは「清算人(内閣総理大臣が選任した者を除く。)」とする。
11 商業登記法第七十三条第一項及び第三項(清算人の登記)並びに第七十四条第一項(清算人に関する変更の登記)(第百八十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、内閣総理大臣が選任した清算人について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
12 第九項の規定により内閣総理大臣が清算人を解任する場合においては、内閣総理大臣は、清算保険会社等の本店又は主たる事務所の所在地の登記所にその旨の登記を嘱託しなければならない。
(内閣総理大臣の選任する清算人の報酬)
第百七十五条 前条第一項、第四項又は第九項の規定により選任された清算人は、清算保険会社等から報酬を受けることができる。
2 前項の報酬の額は、内閣総理大臣が定める。
(決算書類等の提出)
第百七十六条 清算保険会社等の清算人(特別清算の場合の清算人を除く。)は、会社法第四百九十二条第三項(財産目録等の作成等)若しくは第四百九十七条第二項(貸借対照表等の定時株主総会への提出等)(これらの規定を第百八十条の十七において準用する場合を含む。)又は第五百七条第三項(清算事務の終了等)(第百八十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定により株主総会等においてこれらの規定に規定するものについて承認を得たときは、遅滞なく、これらの規定に規定するもの(電磁的記録で作成され、又はその作成に代えて電磁的記録の作成がされているときは、内閣府令で定める電磁的記録又は当該電磁的記録に記録された情報の内容を記載した書面)を内閣総理大臣に提出しなければならない。
(解散後の保険契約の解除)
第百七十七条 保険会社等が、第百五十二条第一項の規定により読み替えて適用する会社法第四百七十一条第三号若しくは第六号(解散の事由)(第百五十二条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事由又は第百五十二条第三項第二号に掲げる事由によって解散したときは、保険契約者は、将来に向かって保険契約の解除をすることができる。
2 前項の場合において、保険契約者が同項の規定による保険契約の解除をしなかったときは、当該保険契約は、解散の日から三月を経過した日にその効力を失う。
3 前二項の場合においては、清算保険会社等は、被保険者のために積み立てた金額、未経過期間(保険契約に定めた保険期間のうち、当該保険契約が解除され、又は効力を失った時において、まだ経過していない期間をいう。)に対応する保険料その他内閣府令で定める金額を保険契約者に払い戻さなければならない。
(債権申出期間中の弁済の許可)
第百七十八条 保険業を営む株式会社の清算の場合における会社法第五百条(債務の弁済の制限)の規定の適用については、同条第二項中「裁判所」とあるのは、「内閣総理大臣」とする。
(清算の監督命令)
第百七十九条 内閣総理大臣は、保険会社等の清算(特別清算を除く。)の場合において、必要があると認めるときは、当該清算保険会社等に対し、財産の供託その他清算の監督上必要な措置を命ずることができる。
2 第百二十八条第一項、第百二十九条第一項、第二百七十二条の二十二第一項及び第二百七十二条の二十三第一項の規定は、前項の場合において、内閣総理大臣が清算保険会社等の清算の監督上必要があると認めるときについて準用する。
(相互会社の清算の開始原因)
第百八十条 相互会社は、次に掲げる場合には、この節の定めるところにより、清算をしなければならない。
一 解散した場合(第百五十二条第二項において準用する会社法第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)
二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
(清算相互会社の能力)
第百八十条の二 前条の規定により清算をする相互会社(以下この節において「清算相互会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。
(清算相互会社の社員総会及び総代会以外の機関)
第百八十条の三 清算相互会社は、一人又は二人以上の清算人及び監査役を置かなければならない。
2 清算相互会社は、定款の定めによって、清算人会又は監査役会を置くことができる。
3 監査役会を置く旨の定款の定めがある清算相互会社は、清算人会を置かなければならない。
4 第百八十条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算相互会社においては、監査等委員である取締役が監査役となる。
5 第百八十条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算相互会社においては、監査委員が監査役となる。
6 第五十一条の規定は、清算相互会社については、適用しない。
(清算人の就任)
第百八十条の四 次に掲げる者は、清算相互会社の清算人となる。
一 取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。)
二 定款で定める者
三 社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の決議によって選任された者
2 第百八十条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社であった清算相互会社における前項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査等委員である取締役以外の取締役」とする。
3 第百八十条各号に掲げる場合に該当することとなった時において指名委員会等設置会社であった清算相互会社における第一項第一号の規定の適用については、同号中「取締役」とあるのは、「監査委員以外の取締役」とする。
4 第五十三条の五第三項の規定にかかわらず、第百八十条各号に掲げる場合に該当することとなった時において監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社であった清算相互会社である監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、次に掲げる要件のいずれにも該当するものでなければならない。
一 その就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその実質子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。次号において同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。
二 その就任の前十年内のいずれかの時において当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその実質子会社の社外取締役又は監査役であったことがある者にあっては、当該社外取締役又は監査役への就任の前十年間当該監査等委員会設置会社若しくは指名委員会等設置会社又はその実質子会社の取締役(社外取締役を除く。)、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。
三 第五十三条の五第三項第三号に掲げる要件
5 第八条の二第二項、第五十三条及び第五十三条の二第一項の規定は清算相互会社の清算人について、同条第四項の規定は清算人会設置相互会社(清算人会を置く清算相互会社をいう。以下この節において同じ。)における清算人について、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(清算人の解任)
第百八十条の五 清算相互会社の清算人(第百七十四条第一項、第四項及び第九項の規定により内閣総理大臣が選任した者を除く。)は、いつでも、社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の決議によって解任することができる。
2 重要な事由があるときは、裁判所は、社員総数の千分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上又は三千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、第三十八条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)であって六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き社員である者(総代会を設けているときは、これらの者又は九名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の総代)の申立てにより、前項の清算人を解任することができる。
3 会社法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第二号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は前項の規定による申立てについて、同法第九百三十七条第一項(第二号ホ及び第三号イに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は前項の規定による第一項の清算人の解任の裁判について、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 第五十三条の十二第一項から第三項までの規定並びに会社法第八百六十八条第一項、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)、第八百七十一条、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)、第八百七十四条(第一号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条、第八百七十六条及び第九百三十七条第一項(第二号ロ及びハに係る部分に限る。)の規定は、第一項の清算人について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(監査役の任期)
第百八十条の六 第五十三条の六の規定は、清算相互会社の監査役については、適用しない。
(清算人の職務)
第百八十条の七 清算相互会社の清算人は、次に掲げる職務を行う。
一 現務の結了
二 債権の取立て及び債務の弁済
三 残余財産の分配
(業務の執行)
第百八十条の八 清算人は、清算相互会社(清算人会設置相互会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。
2 清算人が二人以上ある場合には、清算相互会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。
3 前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。
一 支配人の選任及び解任
二 従たる事務所の設置、移転及び廃止
三 第四十一条第一項又は第四十九条第一項において準用する会社法第二百九十八条第一項各号に掲げる事項
四 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算相互会社の業務の適正を確保するために必要なものとして内閣府令で定める体制の整備
4 会社法第三百五十三条から第三百五十六条まで(株式会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表、表見代表取締役、忠実義務、競業及び利益相反取引の制限)、第三百五十七条第一項及び第二項(取締役の報告義務)、第三百六十条第一項(株主による取締役の行為の差止め)並びに第三百六十一条第一項及び第四項(取締役の報酬等)の規定は、清算人(同条の規定については、第百七十四条第一項、第四項又は第九項の規定により内閣総理大臣が選任したものを除く。)について準用する。この場合において、同法第三百五十三条中「第三百四十九条第四項」とあるのは「保険業法第百八十条の九第五項において準用する第三百四十九条第四項」と、同法第三百五十四条中「代表取締役」とあるのは「代表清算人」と、同法第三百六十条第一項中「株式を有する株主」とあるのは「社員である者」と、「著しい損害」とあるのは「回復することができない損害」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(清算相互会社の代表)
第百八十条の九 清算人は、清算相互会社を代表する。ただし、他に代表清算人その他清算相互会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。
2 前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算相互会社を代表する。
3 清算相互会社(清算人会設置相互会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(第百七十四条第一項、第四項又は第九項の規定により内閣総理大臣が選任した者を除く。以下この項において同じ。)の互選又は社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。
4 第百八十条の四第一項第一号の規定により取締役が清算人となる場合において、代表取締役を定めていたときは、当該代表取締役が代表清算人となる。
5 会社法第三百四十九条第四項及び第五項(株式会社の代表)並びに第三百五十一条(代表取締役に欠員を生じた場合の措置)の規定は清算相互会社の代表清算人について、同法第三百五十二条(取締役の職務を代行する者の権限)の規定は民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条(法人の代表者の職務執行停止の仮処分等の登記の嘱託)に規定する仮処分命令により選任された清算相互会社の清算人又は代表清算人の職務を代行する者について、会社法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号及び第四号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は清算相互会社の清算人又は代表清算人について、同法第九百三十七条第一項(第二号ロ及びハに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は清算相互会社の一時代表清算人の職務を行うべき者について、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(清算相互会社についての破産手続の開始)
第百八十条の十 清算相互会社の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。
2 清算人は、清算相互会社が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。
3 前項に規定する場合において、清算相互会社が既に債権者に支払ったものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。
(清算人の清算相互会社に対する損害賠償責任)
第百八十条の十一 清算人は、その任務を怠ったときは、清算相互会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
2 清算人が第百八十条の八第四項において準用する会社法第三百五十六条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。
3 第百八十条の八第四項において準用する会社法第三百五十六条第一項第二号又は第三号の取引によって清算相互会社に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。
一 第百八十条の八第四項において準用する会社法第三百五十六条第一項の清算人
二 清算相互会社が当該取引をすることを決定した清算人
三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人
4 第五十三条の三十四及び会社法第四百二十八条第一項(取締役が自己のためにした取引に関する特則)の規定は、清算相互会社の清算人の第一項の責任について準用する。この場合において、同条第一項中「第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは「保険業法第百八十条の八第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(清算人の第三者に対する損害賠償責任)
第百八十条の十二 清算相互会社の清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
2 前項の清算人が、次に掲げる行為をしたときも、同項と同様とする。ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
一 社債(第六十一条に規定する社債をいう。)を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算相互会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録
二 第百八十条の十七において準用する会社法第四百九十二条第一項に規定する財産目録等並びに第百八十条の十七において準用する同法第四百九十四条第一項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
三 虚偽の登記
四 虚偽の公告
(清算人及び監査役の連帯責任)
第百八十条の十三 清算人又は監査役が清算相互会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人又は監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
2 前項の場合には、第五十三条の三十六において準用する会社法第四百三十条の規定は、適用しない。
(清算人会の権限等)
第百八十条の十四 清算相互会社の清算人会は、すべての清算人で組織する。
2 清算人会は、次に掲げる職務を行う。
一 清算人会設置相互会社の業務執行の決定
二 清算人の職務の執行の監督
三 代表清算人の選定及び解職
3 清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。
4 清算人会は、その選定した代表清算人及び第百八十条の九第四項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。
5 第百七十四条第七項の規定により内閣総理大臣が清算相互会社の代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。
6 清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。
一 重要な財産の処分及び譲受け
二 多額の借財
三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
五 第六十一条第一号に掲げる事項その他の社債(同条に規定する社債をいう。)を引き受ける者の募集に関する重要な事項として内閣府令で定める事項
六 清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算相互会社の業務の適正を確保するために必要なものとして内閣府令で定める体制の整備
7 次に掲げる清算人は、清算人会設置相互会社の業務を執行する。
一 清算相互会社の代表清算人
二 代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置相互会社の業務を執行する清算人として選定されたもの
8 前項各号に掲げる清算人は、三月に一回以上、自己の職務の執行の状況を清算人会に報告しなければならない。
9 会社法第三百六十四条(取締役会設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表)及び第三百六十五条(競業及び取締役会設置会社との取引等の制限)の規定は、清算人会設置相互会社について準用する。この場合において、同法第三百六十四条中「第三百五十三条」とあるのは「保険業法第百八十条の八第四項において準用する第三百五十三条」と、同法第三百六十五条第一項中「第三百五十六条」とあるのは「保険業法第百八十条の八第四項において準用する第三百五十六条」と、同条第二項中「第三百五十六条第一項各号」とあるのは「保険業法第百八十条の八第四項において準用する第三百五十六条第一項各号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(清算人会の運営)
第百八十条の十五 会社法第二編第四章第五節第二款(第三百六十七条、第三百七十一条第三項及び第五項、第三百七十二条第三項並びに第三百七十三条を除く。)(運営)の規定は清算人会設置相互会社の清算人会の運営について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条第二項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定はこの条において準用する同法第三百七十一条第二項又は第四項の規定による許可の申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、同条第二項(議事録等)中「株主」とあるのは「社員(総代会を設けているときは、総代)」と、「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは「裁判所の許可を得て」と、同条第六項中「親会社若しくは子会社」とあるのは「保険業法第三十三条の二第一項に規定する実質子会社」と、同法第三百七十二条第二項(取締役会への報告の省略)中「第三百六十三条第二項」とあるのは「保険業法第百八十条の十四第八項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(取締役等に関する規定の適用)
第百八十条の十六 清算相互会社については、第二章第二節第三款、同節第四款第一目及び第二目、第五十三条の五第二項、第五十三条の十一において準用する会社法第三百四十三条第一項及び第二項、第五十三条の十一において準用する同法第三百四十五条第四項において準用する同条第三項、第五十三条の十五において準用する同法第三百五十九条、同款第六目並びに第六十二条の二の規定中取締役、代表取締役、取締役会又は相互会社に関する規定は、それぞれ清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置相互会社に関する規定として清算人、代表清算人、清算人会又は清算人会設置相互会社に適用があるものとする。
(財産目録等)
第百八十条の十七 会社法第二編第九章第一節第三款(第四百九十六条第三項並びに第四百九十七条第一項第三号を除く。)(財産目録等)の規定は、清算相互会社について準用する。この場合において、同法第四百九十二条第一項(財産目録等の作成等)中「第四百八十九条第七項各号」とあるのは「保険業法第百八十条の十四第七項各号」と、「第四百七十五条各号」とあるのは「同法第百八十条各号」と、同法第四百九十四条第一項(貸借対照表等の作成及び保存)中「第四百七十五条各号」とあるのは「保険業法第百八十条各号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(財産処分の順序)
第百八十一条 清算相互会社の清算人は、相互会社の債務の弁済及び基金の払戻しをしなければならない。
2 前項の場合において、基金の払戻しは、相互会社の債務の弁済をした後でなければ、してはならない。
(債務の弁済等)
第百八十一条の二 会社法第二編第九章第一節第四款(債務の弁済等)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十四条(第一号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、清算相互会社について準用する。この場合において、同法第四百九十九条第一項(債権者に対する公告等)中「第四百七十五条各号」とあるのは「保険業法第百八十条各号」と、同法第五百条第二項中「裁判所」とあるのは「内閣総理大臣」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(残余財産の分配)
第百八十二条 清算相互会社の残余財産の処分については、定款に定めがない場合には、社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の決議によらなければならない。
2 清算相互会社の残余財産は、社員に分配し、又は保険契約者等の保護に資するような方法により処分しなければならない。
3 清算相互会社の残余財産を社員に分配する場合には、社員の寄与分(社員の支払った保険料及び当該保険料として収受した金銭を運用することによって得られた収益のうち、保険金、返戻金その他の給付金の支払、事業費の支出その他の支出(第百七十七条第三項の規定による払戻しを含む。)に充てられていないものとして内閣府令で定めるところにより計算した金額をいう。)に応じて、しなければならない。
4 清算相互会社の残余財産を第二項に規定する保険契約者等の保護に資するような方法により処分する場合には、退社員の全体について前項の内閣府令に準じて内閣府令で定めるところにより計算した金額の総額を上限とする。
5 第一項の場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。
6 第一項の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(清算事務の終了等)
第百八十三条 会社法第五百七条(清算事務の終了等)、第五百八条(帳簿資料の保存)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十四条(第一号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、清算相互会社について準用する。この場合において、同法第五百八条第一項中「第四百八十九条第七項各号」とあるのは「保険業法第百八十条の十四第七項各号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
2 会社法第九百二十八条(第二項を除く。)(清算人の登記)、第九百二十九条(第一号に係る部分に限る。)(清算結了の登記)及び第九百三十二条本文(支店における変更の登記等)並びに商業登記法第七十三条から第七十五条まで(清算人の登記、清算人に関する変更の登記、清算結了の登記)の規定は、相互会社の清算に関する登記について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(相互会社の特別清算に関する会社法の準用)
第百八十四条 会社法第二編第九章第二節(第五百二十二条第三項及び第五百四十一条を除く。)(特別清算)、第七編第二章第四節(特別清算に関する訴え)、同編第三章第一節(第八百六十八条第二項から第六項まで及び第八百七十条から第八百七十四条までを除く。)(総則)及び第三節(第八百七十九条、第八百八十条並びに第八百九十八条第一項第二号及び第五項を除く。)(特別清算の手続に関する特則)並びに第九百三十八条第一項から第五項まで(特別清算に関する裁判による登記の嘱託)の規定は、清算相互会社について準用する。この場合において、同法第五百二十二条第一項(調査命令)中「総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主若しくは発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主」とあるのは「社員総数の千分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員若しくは三千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、保険業法第三十八条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者」と、同法第五百三十二条第二項(監督委員の報酬等)中「債権又は清算株式会社の株式」とあるのは「債権」と、同法第五百三十六条第三項(事業の譲渡の制限等)中「第七章(第四百六十七条第一項第五号を除く。)」とあるのは「保険業法第六十二条の二(第一項第四号を除く。)」と、同法第五百六十二条(清算人の調査結果等の債権者集会に対する報告)中「第四百九十二条第一項」とあるのは「保険業法第百八十条の十七において準用する第四百九十二条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第九章 外国保険業者
第一節 通則
(免許)
第百八十五条 外国保険業者は、第三条第一項の規定にかかわらず、日本に支店等(外国保険業者の日本における支店、従たる事務所その他の事務所又は外国保険業者の委託を受けて当該外国保険業者の日本における保険業に係る保険の引受けの代理をする者の事務所をいう。以下この節から第五節までにおいて同じ。)を設けて内閣総理大臣の免許を受けた場合に限り、当該免許に係る保険業を当該支店等において行うことができる。
2 前項の免許は、外国生命保険業免許及び外国損害保険業免許の二種類とする。
3 外国生命保険業免許と外国損害保険業免許とは、同一の者が受けることはできない。
4 外国生命保険業免許は、第三条第四項第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて同項第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行う事業に係る免許とする。
5 外国損害保険業免許は、第三条第五項第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて同項第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行う事業に係る免許とする。
6 外国保険会社等は、日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約については、内閣府令で定める場合を除くほか、日本国内において締結しなければならない。
(日本に支店等を設けない外国保険業者等)
第百八十六条 日本に支店等を設けない外国保険業者は、日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約(政令で定める保険契約を除く。次項において同じ。)を締結してはならない。ただし、同項の許可に係る保険契約については、この限りでない。
2 日本に支店等を設けない外国保険業者に対して日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約の申込みをしようとする者は、当該申込みを行う時までに、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の許可を受けなければならない。
3 内閣総理大臣は、次の各号のいずれかに該当すると認められる場合には、前項の許可をしてはならない。
一 当該保険契約の内容が法令に違反し、又は不公正であること。
二 当該保険契約の締結に代えて、保険会社又は外国保険会社等との間において当該契約と同等又は有利な条件で保険契約を締結することが容易であること。
三 当該保険契約の条件が、保険会社又は外国保険会社等との間において当該契約と同種の保険契約を締結する場合に通常付されるべき条件に比して著しく権衡を失するものであること。
四 当該保険契約を締結することにより、被保険者その他の関係者の利益が不当に侵害されるおそれがあること。
五 当該保険契約を締結することにより、日本における保険業の健全な発展に悪影響を及ぼし、又は公益を害するおそれがあること。
(免許申請手続等)
第百八十七条 第百八十五条第一項の免許を受けようとする外国保険業者は、次に掲げる事項を記載した免許申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一 当該外国保険業者の本国(当該外国保険業者が保険業の開始又は当該外国保険業者に係る法人の設立に当たって準拠した法令を制定した国をいう。以下この節から第四節までにおいて同じ。)の国名並びに当該外国保険業者の氏名又は商号若しくは名称、住所又は本店若しくは主たる事務所の所在地及び保険業の開始又は設立の年月日
二 日本における代表者の氏名及び住所
三 受けようとする免許の種類
四 日本における主たる店舗(支店等のうち、外国保険業者がその日本における保険業の本拠として定めたものをいう。以下この節から第四節までにおいて同じ。)
2 前項の免許申請書には、次に掲げる事項を証する本国の権限のある機関の証明書を添付しなければならない。
一 当該外国保険業者の保険業の開始又は当該外国保険業者に係る法人の設立が適法に行われたこと。
二 当該免許を受けて行おうとする日本における保険業と同種類の保険業を本国において適法に行っていること。
3 前項に定めるもののほか、第一項の免許申請書には、次に掲げる書類その他内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
一 定款又はこれに準ずる書類
二 日本における事業の方法書
三 日本において締結する保険契約の普通保険約款
四 日本において締結する保険契約に係る保険料及び責任準備金の算出方法書
4 前項第二号から第四号までに掲げる書類には、内閣府令で定める事項を記載しなければならない。
5 第五条の規定は、第百八十五条第一項の免許の申請があった場合について準用する。この場合において、第五条第一項第一号及び第二号中「保険会社の業務」とあるのは「外国保険会社等の日本における業務」と、同項第三号中「前条第二項第二号及び第三号」とあるのは「第百八十七条第三項第二号及び第三号」と、同項第四号中「前条第二項第四号」とあるのは「第百八十七条第三項第四号」と読み替えるものとする。
(免許の条件)
第百八十八条 内閣総理大臣は、外国生命保険業免許の申請をした外国保険業者の行おうとする日本における保険業が、保険金額が外国通貨で表示された保険契約で政令で定める者を相手方とするものの引受けのみに係るものである場合には、当該保険契約に係る業務のみを行うことができる旨の条件を付して第百八十五条第一項の免許をすることができる。
2 前項の条件が付された第百八十五条第一項の免許を受けた外国生命保険会社等に対しては、第百九十六条その他の政令で定める規定は適用しないものとするほか、この法律の適用に関し必要な特例を政令で定めることができる。
3 第一項に規定する場合における外国保険業者の第百八十五条第一項の免許の申請手続の特例その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(内閣総理大臣の告示)
第百八十九条 内閣総理大臣は、第百八十五条第一項の免許をしたときは、その旨及び第百八十七条第一項各号に掲げる事項を、遅滞なく、官報で告示するものとする。同項第一号、第二号又は第四号に掲げる事項の変更について第二百九条の規定による届出があったときも、同様とする。
(供託)
第百九十条 外国保険会社等は、日本における保険契約者等の保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める額の金銭を、日本における主たる店舗の最寄りの供託所に供託しなければならない。
2 内閣総理大臣は、日本における保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、外国保険会社等に対し、その日本における保険業を開始する前に、前項の政令で定める額のほか、相当と認める額の金銭の供託を命ずることができる。
3 外国保険会社等は、政令で定めるところにより、当該外国保険会社等のために所要の供託金が内閣総理大臣の命令に応じて供託される旨の契約を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、当該契約において供託されることとなっている金額(以下この条において「契約金額」という。)につき前二項の供託金の全部又は一部の供託をしないことができる。
4 内閣総理大臣は、日本における保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、外国保険会社等と前項の契約を締結した者又は当該外国保険会社等に対し、契約金額に相当する金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
5 外国保険会社等は、第一項の供託金(第二項の規定により同項の金銭の供託を命ぜられた場合には、その供託金を含む。)につき供託(第三項の契約の締結を含む。第八項において同じ。)を行い、その旨を内閣総理大臣に届け出た後でなければ、その免許に係る保険業を開始してはならない。
6 日本における保険契約に係る保険契約者、被保険者又は保険金額を受け取るべき者は、保険契約により生じた債権に関し、当該外国保険会社等に係る供託金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
7 前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
8 外国保険会社等は、第六項の権利の実行その他の理由により、供託金の額(契約金額を含む。)が第一項の政令で定める額に不足することとなったときは、内閣府令で定める日から二週間以内にその不足額につき供託を行い、その旨を遅滞なく内閣総理大臣に届け出なければならない。
9 外国保険会社等は、国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める有価証券(社債、株式等の振替に関する法律第二百七十八条第一項(振替債の供託)に規定する振替債を含む。第二百二十三条第十項、第二百七十二条の五第九項及び第二百九十一条第九項において同じ。)をもって、第一項、第二項又は前項の供託金に代えることができる。
10 第一項、第二項、第四項又は第八項の規定により供託した供託金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、政令で定めるところにより、取り戻すことができる。
一 当該外国保険会社等に係る第百八十五条第一項の免許が第二百五条又は第二百六条の規定により取り消されたとき。
二 当該外国保険会社等に係る第百八十五条第一項の免許が第二百七十三条の規定によりその効力を失ったとき。
11 前各項に定めるもののほか、供託金に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。
(外国保険会社等の商号又は名称)
第百九十一条 第七条第二項の規定は、外国保険会社等には適用しない。
(日本における代表者)
第百九十二条 外国保険会社等(会社法第二条第二号(定義)に規定する外国会社を除く。以下この項から第三項までにおいて同じ。)の日本における代表者は、当該外国保険会社等の日本における業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
2 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
3 外国保険会社等は、その日本における代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
4 外国保険会社等の日本における代表者は、その退任の後においても、これに代わるべき代表者の氏名及び住所その他の場所について商法第二十二条(支配人の登記)若しくは会社法第九百三十三条第二項(外国会社の登記)(第二百十五条において準用する場合を含む。)の登記又は第百八十九条後段の規定による告示があるまでは、なお日本における代表者としての権利義務を有する。
5 外国保険会社等の日本における代表者は、内閣総理大臣の認可を受けた場合を除き、他の会社の常務に従事してはならない。
6 内閣総理大臣は、前項の認可の申請があったときは、当該申請に係る事項が当該外国保険会社等の日本における業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがないと認める場合でなければ、これを認可してはならない。
(外国相互会社)
第百九十三条 外国相互会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。この場合において、その日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければならない。
2 会社法第八百十八条(登記前の継続取引の禁止等)及び第八百十九条(貸借対照表に相当するものの公告)の規定は、外国相互会社について準用する。この場合において、同条第一項中「外国会社の登記をした外国会社(日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるものに限る。)」とあるのは「外国相互会社の登記をした外国相互会社」と、「第四百三十八条第二項」とあるのは「保険業法第五十四条の六第二項」と、同条第二項中「第九百三十九条第一項第一号又は第二号」とあるのは「保険業法第二百十七条第一項第一号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第二節 業務、経理等
(顧客の利益の保護のための体制整備)
第百九十三条の二 外国保険会社等は、当該外国保険会社等又はその親金融機関等若しくは子金融機関等が行う取引に伴い、当該外国保険会社等又はその子金融機関等が行う業務(保険業その他の内閣府令で定める業務に限る。)に係る顧客の利益が不当に害されることのないよう、内閣府令で定めるところにより、当該業務に関する情報を適正に管理し、かつ、当該業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない。
2 前項の「親金融機関等」とは、外国保険会社等の総株主等の議決権の過半数を保有している者その他の当該外国保険会社等と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち、保険会社、銀行、金融商品取引業者その他政令で定める金融業を行う者をいう。
3 第一項の「子金融機関等」とは、外国保険会社等が総株主等の議決権の過半数を保有している者その他の当該外国保険会社等と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち、保険会社、銀行、金融商品取引業者その他政令で定める金融業を行う者をいう。
(特殊関係者との間の取引等)
第百九十四条 外国保険会社等は、当該外国保険会社等と政令で定める特殊の関係のある者(以下この条において「特殊関係者」という。)又は特殊関係者に係る顧客との間で、次に掲げる取引又は行為をしてはならない。ただし、当該取引又は行為をすることにつき内閣府令で定めるやむを得ない理由がある場合において、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
一 特殊関係者との間で当該外国保険会社等の支店等において行う取引で、当該外国保険会社等の取引の通常の条件と著しく異なる条件で行う資産の売買その他の取引
二 特殊関係者との間又は特殊関係者に係る顧客との間で当該外国保険会社等の支店等において行う取引又は行為のうち前号に掲げるものに準ずる取引又は行為で、当該外国保険会社等の行う日本における保険業の健全かつ適切な運営に支障を及ぼすおそれのあるものとして内閣府令で定める取引又は行為
(本店又は主たる事務所の決算書類の提出)
第百九十五条 外国保険会社等は、事業年度ごとに、その本店又は主たる事務所において作成した財産目録、貸借対照表、損益計算書及び事業報告を、内閣府令で定めるところにより、当該事業年度終了後相当の期間内に、内閣総理大臣に提出しなければならない。
(定款等の備付け及び閲覧等)
第百九十六条 外国保険会社等の日本における代表者は、定款若しくはこれに準ずる書類(外国相互会社にあっては、これらの書類及び日本における社員の名簿)又はこれらの電磁的記録を、日本における主たる店舗に備え置かなければならない。
2 外国保険会社等の日本における代表者は、前条に規定する書類又は電磁的記録を、同条の規定により提出した日の翌日から起算して五年を経過する日まで、内閣府令で定めるところにより、日本における主たる店舗に備え置かなければならない。
3 外国保険会社等の日本における代表者は、内閣府令で定めるところにより、日本における事業年度に係る毎決算期に次に掲げる書類及び附属明細書を作成し、その計算の基礎となった日本における事業年度終了の日の翌日から起算して五年を経過する日まで、日本における主たる店舗に備え置かなければならない。
一 日本における保険業の貸借対照表
二 日本における保険業の損益計算書
三 日本における保険業の事業報告
4 前項の書類は、電磁的記録をもって作成することができる。
5 外国保険会社等の保険契約者、保険金額を受け取るべき者その他の債権者及び被保険者は、外国保険会社等の業務を行うべき時間内は、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該外国保険会社等の定めた費用を支払わなければならない。
一 第一項から第三項までの書類が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 第一項から第三項までの書類が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって外国保険会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(資産の国内保有義務)
第百九十七条 外国保険会社等は、第百九十九条において準用する第百十六条第一項及び第百十七条第一項の規定により日本において積み立てた責任準備金及び支払備金の額を基礎として内閣府令で定めるところにより計算した金額と第百九十条の供託金その他の自己資本に相当するものとして内閣府令で定める金額との合計額に相当する資産を、内閣府令で定めるところにより、日本において保有しなければならない。
(会社法等の準用)
第百九十八条 会社法第八条(会社と誤認させる名称等の使用の禁止)の規定は外国相互会社であると誤認されるおそれのある商号又は名称の使用について、同法第九条(自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任)の規定は外国相互会社の名称について、同法第一編第三章第一節(会社の使用人)の規定は外国相互会社の使用人について、同章第二節(第十八条を除く。)(会社の代理商)の規定は外国相互会社のために取引の代理又は媒介をする者について、同編第四章(第二十四条を除く。)(事業の譲渡をした場合の競業の禁止等)の規定は外国相互会社が事業を譲渡し、又は事業若しくは営業を譲り受けた場合について、第五十四条、第五十四条の二並びに第五十四条の三第一項及び第四項の規定は外国相互会社の帳簿その他の資料について、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
2 商法第二編第一章(第五百一条から第五百三条まで及び第五百二十三条を除く。)(総則)の規定は外国相互会社の行う行為について、同編第二章(売買)の規定は外国相互会社が商人又は相互会社(外国相互会社を含む。)との間で行う売買について、同編第三章(交互計算)の規定は外国相互会社が平常取引をする者との間で行う相殺に係る契約について、同編第五章(第五百四十五条を除く。)(仲立営業)の規定は外国相互会社が行う他人間の商行為の媒介について、同編第六章(第五百五十八条を除く。)(問屋営業)並びに第五百九十三条(寄託)の規定は外国相互会社について、それぞれ準用する。
(業務等に関する規定の準用)
第百九十九条 第九十七条、第九十七条の二第一項及び第二項、第九十八条、第九十九条第一項、第二項及び第四項から第六項まで、第百条並びに第百条の二の規定は外国保険会社等の支店等における業務について、第九十九条第三項及び第七項から第十項までの規定は外国生命保険会社等の支店等における業務について、第百一条から第百五条までの規定は外国損害保険会社等が他の損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。)との間で行う共同行為について、第七条の二、第百条の五、第百九条、第百十条第一項及び第三項、第百十一条第一項及び第三項から第六項まで、第百十二条、第百十四条から第百十八条まで並びに第百二十条から第百二十二条までの規定は外国保険会社等について、第百五条の二の規定は外国生命保険会社等について、第百五条の三の規定は外国損害保険会社等について、それぞれ準用する。この場合において、第九十七条第一項中「第三条第二項」とあるのは「第百八十五条第二項」と、第九十九条第六項中「相互会社」とあるのは「外国相互会社」と、同条第八項中「第百三十三条若しくは第百三十四条の規定により同法第三条第一項の免許が取り消された場合若しくは同法第二百七十三条の規定により同法第三条第一項」とあるのは「第二百五条若しくは第二百六条の規定により同法第百八十五条第一項の免許が取り消された場合若しくは同法第二百七十三条の規定により同法第百八十五条第一項」と、「第百三十三条又は第百三十四条の規定により同法第三条第一項」とあるのは「第二百五条又は第二百六条の規定により同法第百八十五条第一項」と、同条第九項中「第百十一条第一項及び第二項」とあるのは「第百九十九条において準用する第百十一条第一項」と、第百条の五中「保険契約者」とあるのは「日本における保険契約者」と、第百五条の二第一項各号並びに同条第二項及び第三項第二号中「指定生命保険業務紛争解決機関」とあるのは「指定外国生命保険業務紛争解決機関」と、同条第一項各号中「生命保険業務」とあるのは「外国生命保険業務」と、第百五条の三第一項各号並びに同条第二項及び第三項第二号中「指定損害保険業務紛争解決機関」とあるのは「指定外国損害保険業務紛争解決機関」と、同条第一項各号中「損害保険業務」とあるのは「外国損害保険業務」と、第百九条中「事業年度」とあるのは「日本における事業年度」と、第百十条第一項中「事業年度ごとに、業務」とあるのは「日本における事業年度ごとに、日本における業務」と、第百十一条第一項中「事業年度ごとに、業務」とあるのは「日本における事業年度ごとに、日本における業務」と、同項及び同条第四項中「本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所その他これらに準ずる場所として内閣府令で定める場所」とあるのは「外国保険会社等の日本における支店その他これに準ずる場所として内閣府令で定める場所」と、同条第六項中「当該保険会社及びその子会社等の業務」とあるのは「当該外国保険会社等の日本における業務」と、第百十二条第一項中「所有する」とあるのは「日本において所有する」と、「内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣」とあるのは「内閣総理大臣」と、同条第二項中「内閣府令」とあるのは「日本において内閣府令」と、第百十四条第一項中「保険契約者」とあるのは「日本における保険契約者」と、第百十五条第一項中「所有する」とあるのは「日本において所有する」と、「価格変動準備金」とあるのは「日本において価格変動準備金」と、同条第二項中「株式等」とあるのは「日本における株式等」と、第百十六条第一項中「毎決算期」とあるのは「日本における事業年度に係る毎決算期」と、「保険契約」とあるのは「日本における保険契約」と、「責任準備金」とあるのは「日本において責任準備金」と、同条第二項中「長期の」とあるのは「日本における長期の」と、同条第三項中「保険契約」とあるのは「日本における保険契約」と、第百十七条第一項中「毎決算期」とあるのは「日本における事業年度に係る毎決算期」と、「保険契約」とあるのは「日本における保険契約」と、「支出として」とあるのは「支出として日本において」と、「支払備金」とあるのは「日本において支払備金」と、第百十八条第一項中「内閣府令で定める保険契約」とあるのは「日本における保険契約のうち内閣府令で定めるもの」と、「設けなければならない」とあるのは「日本において設けなければならない」と、第百二十条第一項中「生命保険会社及び内閣府令で定める要件に該当する損害保険会社」とあるのは「外国生命保険会社等及び内閣府令で定める要件に該当する外国損害保険会社等」と、「は、取締役会において保険計理人」とあるのは「の日本における代表者は、当該外国保険会社等の日本における保険計理人」と、「保険料の算出方法」とあるのは「日本において締結する保険契約に係る保険料の算出方法」と、同条第二項及び第三項中「保険計理人」とあるのは「外国保険会社等の日本における保険計理人」と、第百二十一条中「保険計理人」とあるのは「外国保険会社等の日本における保険計理人」と、「毎決算期」とあるのは「日本における事業年度に係る毎決算期」と、「取締役会」とあるのは「外国保険会社等の日本における代表者」と、第百二十二条中「保険計理人」とあるのは「外国保険会社等の日本における保険計理人」と、「当該保険会社」とあるのは「当該外国保険会社等」と読み替えるものとする。
第三節 監督
(報告又は資料の提出)
第二百条 内閣総理大臣は、外国保険会社等の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、外国保険会社等又は第百八十五条第一項に規定する保険の引受けの代理をする者に対し、当該外国保険会社等の日本における業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
2 内閣総理大臣は、外国保険会社等の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該外国保険会社等の特殊関係者(第百九十四条に規定する特殊関係者をいう。次項及び次条において同じ。)又は当該外国保険会社等から日本における業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含み、前項の保険の引受けの代理をする者を除く。次項において同じ。)に対し、当該外国保険会社等の日本における業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
3 外国保険会社等の特殊関係者又は当該外国保険会社等から日本における業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。
(立入検査)
第二百一条 内閣総理大臣は、外国保険会社等の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該職員に、外国保険会社等の支店等に立ち入らせ、当該外国保険会社等の日本における業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に、外国保険会社等の特殊関係者若しくは当該外国保険会社等から日本における業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。次項において同じ。)の施設に立ち入らせ、当該外国保険会社等に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 外国保険会社等の特殊関係者又は当該外国保険会社等から日本における業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による質問及び検査を拒むことができる。
(健全性の基準)
第二百二条 内閣総理大臣は、外国保険会社等に係る次に掲げる額を用いて、外国保険会社等の日本における業務の運営の健全性を判断するための基準として保険金等の支払能力の充実の状況が適当であるかどうかの基準を定めることができる。
一 第百九十条の供託金その他の内閣府令で定めるものの額の合計額
二 日本において引き受けている保険に係る保険事故の発生その他の理由により発生し得る危険であって通常の予測を超えるものに対応する額として内閣府令で定めるところにより計算した額
(事業の方法書等に定めた事項の変更命令)
第二百三条 内閣総理大臣は、外国保険会社等の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、外国保険会社等の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該外国保険会社等に対し、その必要の限度において、第百八十七条第三項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項の変更を命ずることができる。
(業務の停止等)
第二百四条 内閣総理大臣は、外国保険会社等の業務又は財産の状況に照らして、外国保険会社等の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該外国保険会社等に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、当該外国保険会社等の日本における業務の運営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において、期限を付して日本における業務の全部若しくは一部の停止を命じ、若しくは財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができる。
2 前項の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。)であって、外国保険会社等の保険金等の支払能力の充実の状況によって必要があると認めるときにするものは、外国保険会社等の保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分に応じ内閣府令・財務省令で定めるものでなければならない。
(免許の取消し等)
第二百五条 内閣総理大臣は、外国保険会社等が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該外国保険会社等の日本における業務の全部若しくは一部の停止若しくは日本における代表者の解任を命じ、又は第百八十五条第一項の免許を取り消すことができる。
一 法令(外国の法令を含む。)、法令に基づく内閣総理大臣の処分又は第百八十七条第三項各号に掲げる書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反したとき。
二 第百八十五条第一項の免許又は本国において受けている保険業に係る免許(当該免許に類する許可、登録その他の行政処分を含む。第二百九条第七号において同じ。)に付された条件に違反したとき。
三 公益を害する行為をしたとき。
第二百六条 内閣総理大臣は、外国保険会社等の財産の状況が著しく悪化し、日本における保険業を継続することが日本における保険契約者等の保護の見地から適当でないと認めるときは、当該外国保険会社等の第百八十五条第一項の免許を取り消すことができる。
(監督に関する規定の準用)
第二百七条 第百二十三条から第百二十五条までの規定は、外国保険会社等について準用する。この場合において、第百二十三条第一項中「第四条第二項第二号から第四号まで」とあるのは「第百八十七条第三項第二号から第四号まで」と、第百二十四条第一号中「第四条第二項第二号及び第三号」とあるのは「第百八十七条第三項第二号及び第三号」と、「第五条第一項第三号イからホまで」とあるのは「第百八十七条第五項において準用する第五条第一項第三号イからホまで」と、同条第二号中「第四条第二項第四号」とあるのは「第百八十七条第三項第四号」と、「第五条第一項第四号イからハまで」とあるのは「第百八十七条第五項において準用する第五条第一項第四号イからハまで」と、第百二十五条中「第五条第一項第三号イからホまで又は第四号イからハまで」とあるのは「第百八十七条第五項において準用する第五条第一項第三号イからホまで又は第四号イからハまで」と読み替えるものとする。
第四節 保険業の廃止等
(日本における保険業の廃止)
第二百八条 外国保険会社等は、日本における保険業を廃止しようとする場合(次条第六号に該当する場合を除く。)には、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
(外国保険会社等の届出)
第二百九条 外国保険会社等は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 日本における保険業を開始したとき。
二 第百八十七条第一項第一号、第二号若しくは第四号に掲げる事項又は同条第三項第一号に掲げる書類に定めた事項を変更したとき。
三 資本金若しくは出資の額又は基金の総額を変更したとき。
四 組織変更をしたとき。
五 合併をし、会社分割により事業を承継させ、若しくは承継し、又は事業の全部若しくは重要な一部の譲渡若しくは譲受け(支店等のみに係るものを除く。)をしたとき。
六 解散(合併によるものを除く。)をし、又は保険業の廃止をしたとき。
七 本国において受けている保険業に係る免許を取り消されたとき。
八 破産手続開始の決定があったとき。
九 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
(保険契約の移転に関する規定の準用)
第二百十条 第七章第一節の規定は、外国保険会社等の日本における保険契約の移転について準用する。この場合において、第百三十五条第三項中「債権者」とあるのは「第百八十五条第一項に規定する支店等に係る債権者」と、第百三十六条第一項及び第三項中「移転会社及び移転先会社」とあるのは「移転先会社」と、第百三十六条の二第一項中「前条第一項の株主総会等の会日の二週間前」とあるのは「第百三十五条第一項の契約に係る契約書(以下この節において「移転契約書」という。)の作成日」と、「第百三十五条第一項の契約に係る契約書」とあるのは「移転契約書」と、「各営業所又は各事務所」とあるのは「支店等」と、同条第二項中「移転会社の株主又は保険契約者」とあるのは「移転対象契約者」と、第百三十七条第一項中「第百三十六条第一項の決議」とあるのは「移転契約書の作成」と、第百三十八条第一項中「第百三十六条第一項の決議」とあるのは「移転契約書の作成」と、「締結するとき」とあるのは「日本において締結するとき」と、第百三十九条第二項第三号中「債権者」とあるのは「第百八十五条第一項に規定する支店等に係る債権者」と読み替えるものとする。
2 外国保険会社等が日本における保険契約の全部を移転したときは、その日本における保険業を廃止したものとみなす。この場合においては、第二百八条の規定は、適用しない。
(事業の譲渡又は譲受け並びに業務及び財産の管理の委託に関する規定の準用)
第二百十一条 第百四十二条の規定は外国保険会社等を全部又は一部の当事者とする日本における事業の譲渡又は譲受けについて、第七章第三節の規定は外国保険会社等がその日本における業務及び財産の管理の委託をする場合について、それぞれ準用する。この場合において、第百四十四条第二項中「当該管理の委託をする保険会社(以下この節において「委託会社」という。)及び受託会社」とあるのは「受託会社」と、第百四十六条第二項中「本店又は主たる事務所」とあるのは「同項の日本における主たる店舗」と、同条第三項中「、第十九条」とあるのは「及び第十九条」と、「及び第四十六条(添付書面の通則)(これらの規定を第六十七条」とあるのは「(これらの規定を第二百十六条第一項」と、第百四十八条第三項中「保険業法第百四十四条第二項に規定する委託会社」とあるのは「日本における業務及び財産の管理の委託をした保険業法第二条第七項に規定する外国保険会社等」と、同条第四項中「保険業法第百四十四条第一項」とあるのは「保険業法第二百十一条において準用する同法第百四十四条第一項」と、第百四十九条第一項中「委託会社及び受託会社」とあるのは「受託会社」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(外国保険会社等の清算)
第二百十二条 外国保険会社等は、次の各号のいずれかに該当するときは、日本に所在する財産の全部について清算をしなければならない。
一 当該外国保険会社等に係る第百八十五条第一項の免許が第二百五条又は第二百六条の規定により取り消されたとき。
二 当該外国保険会社等に係る第百八十五条第一項の免許が第二百七十三条の規定によりその効力を失ったとき。
2 前項の規定により外国保険会社等が清算をする場合には、内閣総理大臣は、利害関係人の請求により又は職権で、清算人を選任する。当該清算人を解任する場合についても、同様とする。
3 内閣総理大臣は、前項の規定により清算人を解任する場合においては、当該清算に係る外国保険会社等の日本における主たる店舗の所在地の登記所にその旨の登記を嘱託しなければならない。
4 第百七十八条の規定により読み替えて適用する会社法第五百条(債務の弁済の制限)の規定並びに同法第四百七十六条(清算株式会社の能力)、第二編第九章第一節第二款(清算株式会社の機関)、第四百九十二条(財産目録等の作成等)、同節第四款(第五百条を除く。)(債務の弁済等)、第五百八条(帳簿資料の保存)、同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)(特別清算)、第七編第三章第一節(総則)及び第三節(特別清算の手続に関する特則)並びに第九百三十八条第一項から第五項まで(特別清算に関する裁判による登記の嘱託)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による日本にある外国保険会社等の財産についての清算について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
5 第百七十七条の規定は第一項の規定による外国保険会社等の清算の場合について、第百七十五条及び第百七十九条第一項の規定は第一項の規定による外国保険会社等の清算の場合(前項において準用する会社法第二編第九章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)、第七編第三章第一節及び第三節並びに第九百三十八条第一項から第五項までの規定の適用がある場合を除く。以下この項において同じ。)について、第二百条第一項及び第二百一条第一項の規定は第一項の規定による外国保険会社等の清算の場合において内閣総理大臣が清算に係る外国保険会社等の清算の監督上必要があると認めるときについて、それぞれ準用する。この場合において、第百七十七条第二項中「解散の日」とあるのは「当該外国保険会社等に係る第百八十五条第一項の免許が取り消され、又はその効力を失った日」と、同条第三項中「清算保険会社等」とあるのは「清算に係る外国保険会社等」と、第百七十五条中「前条第一項、第四項又は第九項」とあるのは「第二百十二条第二項」と、「清算保険会社等」とあるのは「清算に係る外国保険会社等」と、第百七十九条第一項中「清算保険会社等」とあるのは「清算に係る外国保険会社等」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
6 第百八十五条第一項の内閣総理大臣の免許を受けた外国保険会社等(外国相互会社を除く。)については、会社法第八百二十条(日本に住所を有する日本における代表者の退任)の規定は、適用しない。
(会社法の準用)
第二百十三条 会社法第八百二十二条第一項から第三項まで(日本にある外国会社の財産についての清算)、第七編第一章第二節(外国会社の取引継続禁止又は営業所閉鎖の命令)、同編第三章第一節(総則)、第四節(外国会社の清算の手続に関する特則)及び第五節(会社の解散命令等の手続に関する特則)、第九百三十七条第二項(裁判による登記の嘱託)並びに第九百三十八条第六項(特別清算に関する裁判による登記の嘱託)の規定は、外国相互会社が日本国内に従たる事務所その他の事務所を設けた場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第五節 雑則
(登記簿)
第二百十四条 登記所に、外国相互会社登記簿を備える。
(会社法の準用)
第二百十五条 会社法第七編第四章第一節(第九百七条を除く。)(総則)並びに第九百三十三条(第一項第一号及び第二項第七号を除く。)(外国会社の登記)、第九百三十四条第二項(日本における代表者の選任の登記等)、第九百三十五条第二項(日本における代表者の住所の移転の登記等)及び第九百三十六条第二項(日本における営業所の設置の登記等)の規定は、外国相互会社の登記について準用する。この場合において、同法第七編第四章第一節(第九百七条を除く。)中「この法律」とあるのは「保険業法及びこの法律」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(商業登記法の準用)
第二百十六条 商業登記法第一条の三から第五条まで(登記所、事務の委任、事務の停止、登記官、登記官の除斥)、第七条から第十五条まで(会社法人等番号、登記簿等の持出禁止、登記簿の滅失と回復、登記簿等の滅失防止、登記事項証明書の交付等、登記事項の概要を記載した書面の交付、附属書類の閲覧、印鑑証明、電磁的記録の作成者を示す措置の確認に必要な事項等の証明、手数料、当事者申請主義、嘱託による登記)、第十七条第一項、第二項及び第四項(登記申請の方式)、第十八条から第十九条の三まで(申請書の添付書面、申請書に添付すべき電磁的記録、添付書面の特例)、第二十条第一項及び第二項(印鑑の提出)、第二十一条から第二十三条の二まで(受付、受領証、登記の順序、登記官による本人確認)、第二十四条(第十一号及び第十二号を除く。)(申請の却下)、第二十五条から第二十七条まで(提訴期間経過後の登記、行政区画等の変更、同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止)、第三十三条(商号の登記の抹消)、第四十四条、第四十五条(会社の支配人の登記)、第五十一条、第五十二条(本店移転の登記)、第百二十八条(申請人)、第百二十九条(外国会社の登記)、第百三十条第一項及び第三項(変更の登記)並びに第百三十二条から第百四十八条まで(更正、抹消の申請、職権抹消、行政手続法の適用除外、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の適用除外、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の適用除外、審査請求、審査請求事件の処理、行政不服審査法の適用除外、省令への委任)の規定は、外国相互会社に関する登記について準用する。この場合において、同法第十七条第四項中「事項又は前項の規定により申請書に記載すべき事項」とあるのは「事項」と、「前二項」とあるのは「同項」と、同法第五十一条第一項中「本店」とあるのは「日本国内の事務所」と、同法第百二十九条第一項中「会社法第九百三十三条第一項の規定による外国会社」とあるのは「外国相互会社の事務所の設置」と、同条第三項中「日本における代表者を定めた旨又は日本に営業所」とあるのは「日本国内に事務所」と、同法第百三十条第三項中「前二項の登記の」とあるのは「第一項の登記の」と、「既に前二項」とあるのは「既に同項」と、「、前二項」とあるのは「、同項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(外国保険会社等の公告方法)
第二百十七条 外国保険会社等(外国会社及び外国相互会社に限る。次項及び第三項において同じ。)の公告方法は、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。
一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
二 電子公告
2 外国保険会社等が前項第二号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号に掲げる方法を定めることができる。
3 会社法第九百四十条第一項(第一号を除く。)及び第三項(電子公告の公告期間等)、第九百四十一条(電子公告調査)、第九百四十六条(調査の義務等)、第九百四十七条(電子公告調査を行うことができない場合)、第九百五十一条第二項(財務諸表等の備置き及び閲覧等)、第九百五十三条(改善命令)並びに第九百五十五条(調査記録簿等の記載等)の規定は、外国保険会社等が電子公告によりこの法律又は他の法律の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、同法第九百四十条第一項第二号中「第四百四十条第一項」とあるのは「保険業法第百九十三条第二項において準用する第八百十九条第一項」と、「定時株主総会」とあるのは「手続」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第一項」と、同法第九百四十一条中「この法律又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項の規定による公告を除く」とあるのは「保険業法の規定による公告(同法第百九十三条第二項において準用する第八百十九条第一項の規定による公告を除く」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 外国保険会社等(外国会社及び外国相互会社を除く。)の公告方法は、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法とする。
(駐在員事務所の設置の届出等)
第二百十八条 第百八十五条第一項の免許を有しない外国保険業者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、第一号に掲げる場合にあってはあらかじめ、その旨及び当該業務の内容、当該業務を行う施設の所在地その他内閣府令で定める事項を、第二号から第四号までに掲げる場合にあっては遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 次に掲げる業務を行うため、日本国内に駐在員事務所その他の施設を設置しようとするとき(他の目的により設置している事務所その他の施設において当該業務を行おうとする場合を含む。)。
イ 保険業に関する情報の収集又は提供
ロ その他保険業に関連を有する業務
二 前号の施設を廃止したとき。
三 第一号の施設において行う同号イ又はロに掲げる業務を廃止したとき。
四 第一号の場合において届け出た事項を変更したとき。
2 内閣総理大臣は、公益上必要があると認めるときは、前項の外国保険業者に対し、同項第一号の施設において行う同号イ又はロに掲げる業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
第六節 特定法人に対する特則
(免許)
第二百十九条 次の各号のいずれにも該当する法人(以下この節において「特定法人」という。)は、保険の引受けを行う当該特定法人の社員(以下「引受社員」という。)の日本における保険業に係る引受けの代理並びに当該日本における保険業に係る当該特定法人及びその引受社員の業務の代理をする者(以下この節において「総代理店」という。)を定め、引受社員が日本において保険業を行うことについて、内閣総理大臣の免許を受けることができる。
一 外国の特別の法令により設立された法人であること。
二 その社員である者が、外国の法令の特別の規定により、当該外国において保険業の免許(当該免許に類する許可、登録その他の行政処分を含む。)を受けないで、保険業を行うことが認められていること。
2 前項の免許は、特定生命保険業免許及び特定損害保険業免許の二種類とする。
3 特定生命保険業免許と特定損害保険業免許とは、同一の特定法人が受けることはできない。
4 特定生命保険業免許は、引受社員が日本における事業として第三条第四項第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて同項第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行うことに係る免許とする。
5 特定損害保険業免許は、引受社員が日本における事業として第三条第五項第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて同項第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行うことに係る免許とする。
6 特定法人が第一項の免許を受けた場合には、当該特定法人の引受社員は、第三条第一項及び第百八十五条第一項の規定にかかわらず、第二項の免許の種類に従い、総代理店の事務所において日本における保険業を行うことができる。
(免許申請手続)
第二百二十条 前条第一項の免許を受けようとする特定法人は、次に掲げる事項を記載した免許申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一 当該特定法人の商号又は名称、本店又は主たる事務所の所在地及び設立の年月日
二 当該特定法人の設立に当たって準拠した法令を制定した国(以下この節において「設立準拠法国」という。)の国名
三 当該特定法人及び引受社員を日本において代表する者(以下この節において「日本における代表者」という。)の氏名及び住所
四 受けようとする免許の種類
五 当該特定法人及び引受社員の日本における主たる店舗(総代理店の本店をいう。以下この節において同じ。)
2 前項の免許申請書には、当該特定法人の設立が適法に行われたこと及び引受社員が設立準拠法国において適法に日本において行おうとする保険業と同種類の保険業を行っていることを証する設立準拠法国の権限のある機関の証明書を添付しなければならない。
3 前項に定めるもののほか、第一項の免許申請書には、次に掲げる書類その他内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
一 特定法人の定款又はこれに準ずる書類
二 引受社員の日本における事業に係る事業の方法書
三 引受社員が日本において締結する保険契約に係る普通保険約款
四 引受社員が日本において締結する保険契約に係る保険料及び責任準備金の算出方法書
五 引受社員が日本において行う保険の引受けについて保険契約の内容を確定するための協議を行うことのある者で内閣府令で定めるものの氏名又は商号及び住所又は本店の所在地を記載した書類
4 前項第二号から第四号までに掲げる書類には、内閣府令で定める事項を記載しなければならない。
(免許審査基準)
第二百二十一条 内閣総理大臣は、第二百十九条第一項の免許の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該申請をした者(以下この項において「申請者」という。)が、その人的構成等に照らして、引受社員の日本における業務の的確、公正かつ効率的な遂行を確保するために必要な知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
二 申請者が、設立準拠法国の法令又は当該法人の規約により引受社員の保険契約上の債務の履行を確実にするための財産を保有していることその他保険契約者等の保護のための措置が十分に講じられていること。
三 引受社員の行う日本における保険業に係る収支の見込みが良好であること。
四 前条第三項第二号及び第三号に掲げる書類に記載された事項が、第五条第一項第三号イからホまでに掲げる基準に適合するものであること。
五 前条第三項第四号に掲げる書類に記載された事項が、第五条第一項第四号イからハまでに掲げる基準に適合するものであること。
2 内閣総理大臣は、前項に定める審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第二百十九条第一項の免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。
(内閣総理大臣の告示)
第二百二十二条 内閣総理大臣は、第二百十九条第一項の免許をしたときは、その旨及び第二百二十条第一項各号に掲げる事項を、遅滞なく、官報で告示するものとする。同項第一号、第二号、第三号又は第五号に掲げる事項の変更について第二百三十四条の規定による届出があったときも、同様とする。
(供託)
第二百二十三条 第二百十九条第一項の免許を受けた特定法人(以下「免許特定法人」という。)は、日本における保険契約者等の保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める額の金銭を、日本における主たる店舗の最寄りの供託所に供託しなければならない。
2 内閣総理大臣は、日本における保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、免許特定法人に対し、引受社員が日本における保険業を開始する前に、前項の政令で定める額のほか、相当と認める額の金銭の供託を命ずることができる。
3 免許特定法人は、政令で定めるところにより、当該免許特定法人のために所要の供託金が内閣総理大臣の命令に応じて供託される旨の契約を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、当該契約において供託されることとなっている金額(以下この条において「契約金額」という。)につき前二項の供託金の全部又は一部の供託をしないことができる。
4 内閣総理大臣は、日本における保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、免許特定法人と前項の契約を締結した者又は当該免許特定法人に対し、契約金額に相当する金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
5 引受社員は、免許特定法人が第一項の供託金(第二項の規定により同項の金銭の供託を命ぜられた場合には、その供託金を含む。)につき供託(第三項の契約の締結を含む。第九項において同じ。)を行い、その旨を内閣総理大臣に届け出た後でなければ、第二百十九条第一項の免許に係る保険業を開始してはならない。
6 引受社員の日本における保険契約に係る保険契約者、被保険者又は保険金額を受け取るべき者は、保険契約により生じた債権に関し、免許特定法人に係る供託金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
7 前項の規定の適用については、免許特定法人は、その引受社員が日本において引き受けた保険に係る保険契約について、当該保険契約に係る引受社員の債務を連帯して保証したものとみなす。
8 第六項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
9 免許特定法人は、第六項の権利の実行その他の理由により、供託金の額(契約金額を含む。)が第一項の政令で定める額に不足することとなったときは、内閣府令で定める日から二週間以内にその不足額につき供託を行い、その旨を遅滞なく内閣総理大臣に届け出なければならない。
10 免許特定法人は、国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める有価証券をもって、第一項、第二項又は前項の供託金に代えることができる。
11 第一項、第二項、第四項又は第九項の規定により供託した供託金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、政令で定めるところにより、取り戻すことができる。
一 当該免許特定法人に係る第二百十九条第一項の免許が第二百三十一条又は第二百三十二条の規定により取り消されたとき。
二 当該免許特定法人に係る第二百十九条第一項の免許が第二百三十六条の規定によりその効力を失ったとき。
12 前各項に定めるもののほか、供託金に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。
(日本において保険業を行う引受社員の届出等)
第二百二十四条 日本における代表者は、日本において保険業を行う引受社員及び第二百二十条第三項第五号の内閣府令で定める者の氏名又は商号及び住所又は本店の所在地を、あらかじめ、内閣総理大臣に届け出なければならない。届け出た事項に変更があったときも、同様とする。
2 日本における代表者は、日本において保険業を行う引受社員の名簿を日本における主たる店舗に備え置かなければならない。
3 引受社員の日本における業務に係る保険契約者、保険金額を受け取るべき者その他の債権者及び被保険者は、総代理店に対して、その業務を行うべき時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該総代理店の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって総代理店の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(事業の方法書等に定めた事項の変更)
第二百二十五条 免許特定法人は、第二百二十条第三項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項(日本における保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ないものとして内閣府令で定める事項を除く。)を変更しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
2 免許特定法人は、前項に規定する書類に定めた事項を変更しようとする場合で、同項の内閣府令で定める事項を変更しようとするときは、あらかじめ、当該変更しようとする旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
3 第百二十四条及び第百二十五条の規定は、第一項の認可及び前項の届出について準用する。この場合において、第百二十四条第一号中「第四条第二項第二号及び第三号」とあるのは「第二百二十条第三項第二号及び第三号」と、同条第二号中「第四条第二項第四号」とあるのは「第二百二十条第三項第四号」と読み替えるものとする。
(報告又は資料の提出)
第二百二十六条 内閣総理大臣は、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、免許特定法人、引受社員又は総代理店に対し、当該免許特定法人又は引受社員の日本における業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
2 内閣総理大臣は、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該引受社員の属する免許特定法人又は当該引受社員から日本における業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含み、当該引受社員及び総代理店を除く。次項並びに次条第二項及び第三項において「免許特定法人等から業務の委託を受けた者」という。)に対し、当該免許特定法人又は引受社員の日本における業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
3 免許特定法人等から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。
(立入検査)
第二百二十七条 内閣総理大臣は、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該職員に、総代理店の事務所に立ち入らせ、当該免許特定法人又は引受社員の日本における業務又は財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に、免許特定法人等から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、その免許特定法人若しくは引受社員に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 免許特定法人等から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による質問及び検査を拒むことができる。
(健全性の基準)
第二百二十八条 内閣総理大臣は、免許特定法人に係る次に掲げる額を用いて、引受社員の日本における業務の運営の健全性を判断するための基準として引受社員の保険金等の支払能力の充実の状況が適当であるかどうかの基準を定めることができる。
一 第二百二十三条の供託金その他の内閣府令で定めるものの額の合計額
二 引受社員の日本において引き受けている保険に係る保険事故の発生その他の理由により発生し得る危険であって通常の予測を超えるものに対応する額として内閣府令で定めるところにより計算した額
(事業の方法書等に定めた事項の変更命令)
第二百二十九条 内閣総理大臣は、免許特定法人及び引受社員の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該免許特定法人に対し、その必要の限度において、第二百二十条第三項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項の変更を命ずることができる。
(業務の停止等)
第二百三十条 内閣総理大臣は、免許特定法人又は引受社員の業務又は財産の状況に照らして、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該免許特定法人又は引受社員に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、当該引受社員の日本における業務の運営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において、期限を付して引受社員の日本における業務の全部若しくは一部の停止を命じ、若しくは財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができる。
2 前項の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。)であって、引受社員の保険金等の支払能力の充実の状況によって必要があると認めるときにするものは、引受社員の保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分に応じ内閣府令・財務省令で定めるものでなければならない。
(免許の取消し等)
第二百三十一条 内閣総理大臣は、免許特定法人又は引受社員が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、引受社員の日本における業務の全部若しくは一部の停止若しくは日本における代表者の解任を命じ、又は第二百十九条第一項の免許を取り消すことができる。
一 法令(外国の法令を含む。)、法令に基づく内閣総理大臣の処分又は第二百二十条第三項第一号から第四号までに掲げる書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反したとき。
二 当該免許に付された条件に違反したとき。
三 公益を害する行為をしたとき。
第二百三十二条 内閣総理大臣は、免許特定法人及び引受社員の財産の状況が著しく悪化し、引受社員が日本における保険業を継続することが日本における保険契約者等の保護の見地から適当でないと認めるときは、当該免許特定法人の第二百十九条第一項の免許を取り消すことができる。
(総代理店の廃止の認可)
第二百三十三条 免許特定法人は、総代理店を廃止しようとする場合には、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
(免許特定法人の届出)
第二百三十四条 免許特定法人は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 当該免許特定法人の引受社員が日本における保険業を開始したとき。
二 第二百二十条第一項第一号、第二号、第三号若しくは第五号に掲げる事項又は同条第三項第一号に掲げる書類に定めた事項を変更したとき。
三 当該免許特定法人が組織変更をしたとき。
四 当該免許特定法人が事業の全部の譲渡をしたとき。
五 当該免許特定法人が解散(合併によるものを除く。)をしたとき。
六 当該免許特定法人について破産手続開始の決定があったとき。
七 日本において保険業を行う引受社員について破産手続開始の決定があったとき。
八 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
(免許特定法人及び引受社員の清算)
第二百三十五条 免許特定法人及び引受社員は、次の各号のいずれかに該当するときは、日本に所在する財産の全部について清算をしなければならない。
一 当該免許特定法人に係る第二百十九条第一項の免許が第二百三十一条又は第二百三十二条の規定により取り消されたとき。
二 当該免許特定法人に係る第二百十九条第一項の免許が次条の規定によりその効力を失ったとき。
2 前項の規定により免許特定法人及び引受社員が清算をする場合には、内閣総理大臣は、利害関係人の請求により又は職権で、清算人を選任する。当該清算人を解任する場合についても、同様とする。
3 内閣総理大臣は、前項の規定により清算人を解任する場合においては、当該清算に係る免許特定法人及び引受社員の日本における主たる店舗の所在地の登記所にその旨の登記を嘱託しなければならない。
4 第百七十八条の規定により読み替えて適用する会社法第五百条(債務の弁済の制限)の規定並びに同法第四百七十六条(清算株式会社の能力)、第二編第九章第一節第二款(清算株式会社の機関)、第四百九十二条(財産目録等の作成等)、同節第四款(第五百条を除く。)(債務の弁済等)、第五百八条(帳簿資料の保存)、同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)(特別清算)、第七編第三章第一節(総則)及び第三節(特別清算の手続に関する特則)並びに第九百三十八条第一項から第五項まで(特別清算に関する裁判による登記の嘱託)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による免許特定法人及び引受社員の財産についての清算について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
5 第百七十七条の規定は第一項の規定による免許特定法人及び引受社員の清算の場合について、第百七十五条及び第百七十九条第一項の規定は第一項の規定による免許特定法人及び引受社員の清算の場合(前項において準用する会社法第二編第九章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)、第七編第三章第一節及び第三節並びに第九百三十八条第一項から第五項までの規定の適用がある場合を除く。以下この項において同じ。)について、第二百二十六条第一項及び第二百二十七条第一項の規定は第一項の規定による免許特定法人及び引受社員の清算の場合において内閣総理大臣が清算に係る免許特定法人及び引受社員の清算の監督上必要があると認めるときについて、それぞれ準用する。この場合において、第百七十七条第二項中「解散の日」とあるのは「当該免許特定法人に係る第二百十九条第一項の免許が取り消され、又はその効力を失った日」と、同条第三項中「清算保険会社等」とあるのは「清算に係る引受社員」と、第百七十五条中「前条第一項、第四項又は第九項」とあるのは「第二百三十五条第二項」と、「清算保険会社等」とあるのは「当該清算に係る免許特定法人及び引受社員」と、第百七十九条第一項中「清算保険会社等」とあるのは「清算に係る免許特定法人及び引受社員」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(免許の失効)
第二百三十六条 免許特定法人が次の各号のいずれかに該当するときは、当該免許特定法人の第二百十九条第一項の内閣総理大臣の免許は、その効力を失う。
一 日本における保険業をすべての引受社員が廃止したとき。
二 当該免許を受けた日から六月を経過しても日本における保険業を開始した引受社員がないとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ、免許特定法人が内閣総理大臣の承認を受けたときを除く。)。
2 第二百三十四条第四号から第六号までのいずれかに該当して同条の規定による届出があったときは、当該届出をした免許特定法人に係る第二百十九条第一項の内閣総理大臣の免許は、その効力を失う。
(内閣総理大臣の告示)
第二百三十七条 次に掲げる場合には、内閣総理大臣は、その旨を官報で告示するものとする。
一 第二百三十条第一項若しくは第二百三十一条の規定又は第二百四十条の規定により適用する第二百四十一条第一項の規定により引受社員の日本における業務の全部又は一部の停止を命じたとき。
二 第二百三十一条又は第二百三十二条の規定により第二百十九条第一項の免許を取り消したとき。
三 第二百四十条の規定により適用する第二百四十一条第一項の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分又は第二百四十条の規定により適用する第二百五十八条第一項の規定による命令をしたとき。
四 前条の規定により第二百十九条第一項の免許がその効力を失ったとき。
(公告)
第二百三十八条 免許特定法人又は引受社員がこの法律の規定により行う公告は、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載しなければならない。
(総代理店の届出等)
第二百三十九条 第二百十九条第一項の免許を受けようとする特定法人及び当該特定法人の引受社員に係る総代理店になろうとする者は、当該免許の申請時までに、その旨、業務の内容、引受社員の日本に所在する財産の管理の方法その他の内閣府令で定める事項を内閣総理大臣に届け出なければならない。届け出た事項に変更があったときも、同様とする。
(この法律の適用関係等)
第二百四十条 特定法人が第二百十九条第一項の免許を受けた場合におけるこの法律の適用については、次に定めるところによる。
一 第百八十五条第六項、第百八十六条第三項、第百九十一条、第百九十七条、第百九十九条において準用する第九十七条、第九十七条の二第一項及び第二項、第九十八条から第百条の二まで、第百十二条並びに第百十四条から第百二十二条まで、第二百十条、次章(第二百六十二条、第二百六十五条の二、第二百六十五条の三、第二百六十五条の六及び第二百六十五条の四十二を除く。)、次編並びに第五編の規定並びにこれらの規定に係る第六編及び第七編の規定の適用については、免許特定法人の引受社員を外国保険会社等又は第二百十九条第二項の免許の種類に応じ外国生命保険会社等若しくは外国損害保険会社等とみなす。この場合において、第百九十七条中「第百九十条」とあるのは「第二百二十三条」と、第百九十九条において準用する第九十七条第一項中「第百八十五条第二項」とあるのは「第二百十九条第二項」と、第百九十九条において準用する第九十九条第八項中「第二百五条若しくは第二百六条の規定により同法第百八十五条第一項の免許が取り消された場合若しくは同法第二百七十三条の規定により同法第百八十五条第一項」とあるのは「第二百三十一条若しくは第二百三十二条の規定により同法第二百十九条第一項の免許が取り消された場合若しくは同法第二百三十六条の規定により同法第二百十九条第一項」と、「第二百五条又は第二百六条の規定により同法第百八十五条第一項」とあるのは「第二百三十一条又は第二百三十二条の規定により同法第二百十九条第一項」とする。
二 第百九十九条において準用する第百一条から第百五条までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、特定損害保険業免許を受けた特定法人の日本において保険業を行う引受社員を外国損害保険会社等とみなす。
三 第百九十五条、第百九十九条において準用する第七条の二、第百十条第一項及び第三項並びに第百十一条第一項及び第三項から第六項まで、第二百六十二条、第二百六十五条の二、第二百六十五条の三、第二百六十五条の六並びに第二百六十五条の四十二の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、免許特定法人を外国保険会社等とみなす。この場合において、第百九十五条中「財産目録、貸借対照表」とあるのは「当該免許特定法人及び引受社員の貸借対照表」と、第百九十九条において準用する第百十条第一項中「日本における業務」とあるのは「免許特定法人及び引受社員の日本における業務」と、第百九十九条において準用する第百十一条第一項中「日本における業務」とあるのは「免許特定法人及び引受社員の日本における業務」と、同項及び同条第四項中「外国保険会社等の日本における支店その他これに準ずる場所として内閣府令で定める場所」とあるのは「第二百十九条第一項に規定する総代理店の本店及び支店その他これに準ずる場所として内閣府令で定める場所」と、同条第六項中「当該外国保険会社等の日本における業務」とあるのは「当該免許特定法人及び引受社員の日本における業務」とする。
三の二 第百九十九条において準用する第百五条の二の規定の適用については、特定生命保険業免許を受けた特定法人を外国生命保険会社等とみなす。この場合において、第百九十九条において準用する第百五条の二第一項各号並びに同条第二項及び第三項第二号中「指定外国生命保険業務紛争解決機関」とあるのは「指定特定生命保険業務紛争解決機関」と、同条第一項各号中「外国生命保険業務」とあるのは「特定生命保険業務」とする。
三の三 第百九十九条において準用する第百五条の三の規定の適用については、特定損害保険業免許を受けた特定法人を外国損害保険会社等とみなす。この場合において、第百九十九条において準用する第百五条の三第一項各号並びに同条第二項及び第三項第二号中「指定外国損害保険業務紛争解決機関」とあるのは「指定特定損害保険業務紛争解決機関」と、同条第一項各号中「外国損害保険業務」とあるのは「特定損害保険業務」とする。
四 第百九十二条及び第百九十六条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、日本における代表者を外国保険会社等の日本における代表者とみなす。この場合において、同条第五項中「外国保険会社等の保険契約者」とあるのは「引受社員の保険契約者」と、「外国保険会社等の業務」とあるのは「総代理店の業務」と、「当該外国保険会社等」とあるのは「当該総代理店」とする。
五 第百九十九条において準用する第百九条並びに第二百十一条において準用する第百四十二条及び第七章第三節の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、免許特定法人及び引受社員を外国保険会社等とみなす。
六 第二百十八条の規定は、免許特定法人の引受社員については、適用しない。
2 原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)その他の政令で定める法令の適用については、政令で定めるところにより、免許特定法人の引受社員を外国保険会社等又は第二百十九条第二項の免許の種類に応じ外国生命保険会社等若しくは外国損害保険会社等とみなす。
第十章 保険契約者等の保護のための特別の措置等
第一節 契約条件の変更
(契約条件の変更の申出)
第二百四十条の二 保険会社(外国保険会社等を含む。第二百四十条の五及び第二百四十条の六を除き、以下この節において同じ。)は、その業務又は財産の状況に照らしてその保険業(外国保険会社等にあっては、日本における保険業。以下この条、第二百四十条の十一、第二百四十一条及び第二百六十二条において同じ。)の継続が困難となる蓋がい然性がある場合には、内閣総理大臣に対し、当該保険会社に係る保険契約(変更対象外契約を除く。)について保険金額の削減その他の契約条項の変更(以下この節において「契約条件の変更」という。)を行う旨の申出をすることができる。
2 保険会社は、前項の申出をする場合には、契約条件の変更を行わなければ保険業の継続が困難となる蓋がい然性があり、保険契約者等(外国保険会社等の場合にあっては、日本における保険契約者等。以下この章において同じ。)の保護のため契約条件の変更がやむを得ない旨及びその理由を、文書をもって、示さなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項の申出に理由があると認めるときは、その申出を承認するものとする。
4 第一項に規定する「変更対象外契約」とは、契約条件の変更の基準となる日において既に保険事故が発生している保険契約(当該保険事故に係る保険金の支払により消滅することとなるものに限る。)その他の政令で定める保険契約をいう。
(業務の停止等)
第二百四十条の三 内閣総理大臣は、前条第三項の承認をした場合において、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、当該保険会社に対し、期限を付して当該保険会社の保険契約の解約に係る業務の停止その他必要な措置を命ずることができる。
(契約条件の変更の限度)
第二百四十条の四 契約条件の変更は、契約条件の変更の基準となる日までに積み立てるべき責任準備金に対応する保険契約に係る権利に影響を及ぼすものであってはならない。
2 契約条件の変更によって変更される保険金、返戻金その他の給付金の計算の基礎となる予定利率については、保険契約者等の保護の見地から保険会社の資産の運用の状況その他の事情を勘案して政令で定める率を下回ってはならない。
(契約条件の変更の決議)
第二百四十条の五 保険会社は、契約条件の変更を行おうとするときは、第二百四十条の二第三項の承認を得た後、契約条件の変更につき、株主総会等の決議を経なければならない。
2 前項の場合には、会社法第三百九条第二項(株主総会の決議)の決議又は第六十二条第二項の決議によらなければならない。
3 第一項の決議を行う場合には、保険会社は、会社法第二百九十九条第一項(株主総会の招集の通知)(第四十一条第一項及び第四十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定による通知において、契約条件の変更がやむを得ない理由、契約条件の変更の内容、契約条件の変更後の業務及び財産の状況の予測、基金及び保険契約者等以外の債権者に対する債務の取扱いに関する事項、経営責任に関する事項その他の内閣府令で定める事項を示さなければならない。
4 第一項の決議を行う場合において、契約条件の変更に係る保険契約に関する契約者配当、剰余金の分配その他の金銭の支払に関する方針があるときは、前項の通知において、その内容を示さなければならない。
5 前項の方針については、その方針を定款に記載し、又は記録しなければならない。
(契約条件の変更における株主総会等の特別決議等に関する特例)
第二百四十条の六 株式会社である保険会社における前条第一項の決議又はこれとともにする会社法第三百九条第二項第三号(同法第百七十一条第一項に係る部分に限る。)から第五号まで、第九号、第十一号若しくは第十二号(株主総会の決議)若しくは第三百二十四条第二項第一号若しくは第四号(種類株主総会の決議)に掲げる株主総会若しくは種類株主総会の決議若しくは第六十九条第二項、第百三十六条第二項、第百四十四条第三項、第百六十五条の三第二項若しくは第百六十五条の十第二項の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
2 株式会社である保険会社における前条第一項の決議とともにする会社法第三百九条第三項各号若しくは第三百二十四条第三項各号に掲げる株主総会若しくは種類株主総会の決議又は同法第三百二十三条(種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合)の規定若しくは第百六十五条の三第四項若しくは第六項若しくは第百六十五条の十第六項の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の半数以上であって出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
3 相互会社である保険会社における前条第一項の決議又はこれとともにする第五十七条第二項、第六十条第二項、第六十二条第二項、第六十二条の二第二項、第八十六条第二項、第百三十六条第二項、第百四十四条第三項、第百五十六条又は第百六十五条の十六第二項(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した社員(総代会を設けているときは、総代)の議決権の四分の三以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
4 第一項の規定により仮にした決議(以下この条において「仮決議」という。)があった場合においては、各株主に対し、当該仮決議の趣旨を通知し、当該仮決議の日から一月以内に再度の株主総会を招集しなければならない。
5 前項の株主総会において第一項に規定する多数をもって仮決議を承認した場合には、当該承認のあった時に、当該仮決議をした事項に係る決議があったものとみなす。
6 前二項の規定は、第二項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、前項中「第一項」とあるのは、「第二項」と読み替えるものとする。
7 第四項及び第五項の規定は、第三項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、第四項中「各株主」とあるのは「各社員(総代会を設けているときは、各総代)」と、同項及び第五項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会を設けているときは、総代会)」と、同項中「第一項」とあるのは「第三項」と読み替えるものとする。
(契約条件の変更に係る書類の備置き等)
第二百四十条の七 保険会社は、第二百四十条の五第一項の決議を行うべき日の二週間前(外国保険会社等にあっては、契約条件の変更についての決定を行った日)から第二百四十条の十三第一項の規定による公告の日まで、契約条件の変更がやむを得ない理由、契約条件の変更の内容、契約条件の変更後の業務及び財産の状況の予測、基金及び保険契約者等以外の債権者に対する債務の取扱いに関する事項、経営責任に関する事項その他の内閣府令で定める事項(第二百四十条の五第四項に規定する方針がある場合にあっては、その方針の内容を含む。)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各営業所又は各事務所(外国保険会社等にあっては、第百八十五条第一項に規定する支店等)に備え置かなければならない。
2 保険会社の株主又は保険契約者(外国保険会社等にあっては、日本における保険契約者)は、当該保険会社に対して、その営業時間内又は事業時間内は、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該保険会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって当該保険会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(保険調査人)
第二百四十条の八 内閣総理大臣は、第二百四十条の二第三項の承認をした場合において、必要があると認めるときは、保険調査人を選任し、保険調査人をして、契約条件の変更の内容その他の事項を調査させることができる。
2 前項の場合においては、内閣総理大臣は、保険調査人が調査すべき事項及び内閣総理大臣に対して調査の結果の報告をすべき期限を定めなければならない。
3 内閣総理大臣は、保険調査人が調査を適切に行っていないと認めるときは、保険調査人を解任することができる。
4 会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第八十条及び第八十一条第一項(管財人の注意義務並びに費用の前払及び報酬)の規定は、保険調査人について準用する。この場合において、同項中「裁判所」とあるのは「内閣総理大臣」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
5 前項において準用する会社更生法第八十一条第一項に規定する費用及び報酬は、第二百四十条の二第一項の保険会社(次条及び第三百十八条の二において「被調査会社」という。)の負担とする。
(保険調査人の調査等)
第二百四十条の九 保険調査人は、被調査会社の取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人及び支配人その他の使用人並びにこれらの者であった者に対し、被調査会社の業務及び財産の状況(これらの者であった者については、その者が当該被調査会社の業務に従事していた期間内に知ることのできた事項に係るものに限る。)につき報告を求め、又は被調査会社の帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
2 保険調査人は、その職務を行うため必要があるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
(保険調査人の秘密保持義務)
第二百四十条の十 保険調査人は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。保険調査人がその職を退いた後も、同様とする。
2 保険調査人が法人であるときは、保険調査人の職務に従事するその役員及び職員は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その役員又は職員が保険調査人の職務に従事しなくなった後においても、同様とする。
(契約条件の変更に係る承認)
第二百四十条の十一 保険会社は、第二百四十条の五第一項の決議(外国保険会社等にあっては、契約条件の変更についての決定。以下この節において同じ。)があった場合(第二百四十条の六第五項(同条第六項及び第七項において準用する場合を含む。)の規定により第二百四十条の五第一項の決議があったものとみなされる場合を含む。)には、当該決議の後、遅滞なく、当該決議に係る契約条件の変更について、内閣総理大臣の承認を求めなければならない。
2 内閣総理大臣は、当該保険会社において保険業の継続のために必要な措置が講じられた場合であって、かつ、第二百四十条の五第一項の決議に係る契約条件の変更が当該保険会社の保険業の継続のために必要なものであり、保険契約者等の保護の見地から適当であると認められる場合でなければ、前項の承認をしてはならない。
(契約条件の変更の通知及び異議申立て等)
第二百四十条の十二 保険会社は、前条第一項の承認があった場合には、当該承認があった日から二週間以内に、第二百四十条の五第一項の決議に係る契約条件の変更の主要な内容を公告するとともに、契約条件の変更に係る保険契約者(以下この条において「変更対象契約者」という。)に対し、同項の決議に係る契約条件の変更の内容を、書面をもって、通知しなければならない。
2 前項の場合においては、契約条件の変更がやむを得ない理由を示す書類、契約条件の変更後の業務及び財産の状況の予測を示す書類、基金及び保険契約者等以外の債権者に対する債務の取扱いに関する事項を示す書類、経営責任に関する事項を示す書類その他の内閣府令で定める書類(第二百四十条の五第四項に規定する方針がある場合にあっては、その方針の内容を示す書類を含む。)を添付し、変更対象契約者で異議がある者は、一定の期間内に異議を述べるべき旨を、前項の書面に付記しなければならない。
3 前項の期間は、一月を下ってはならない。
4 第二項の期間内に異議を述べた変更対象契約者の数が変更対象契約者の総数の十分の一を超え、かつ、当該異議を述べた変更対象契約者の保険契約に係る債権の額に相当する金額として内閣府令で定める金額が変更対象契約者の当該金額の総額の十分の一を超えるときは、契約条件の変更をしてはならない。
5 第二項の期間内に異議を述べた変更対象契約者の数又はその者の前項の内閣府令で定める金額が、同項に定める割合を超えないときは、当該変更対象契約者全員が当該契約条件の変更を承認したものとみなす。
(契約条件の変更の公告等)
第二百四十条の十三 保険会社は、契約条件の変更後、遅滞なく、契約条件の変更をしたことその他の内閣府令で定める事項を公告しなければならない。契約条件の変更をしないこととなったときも、同様とする。
2 保険会社は、契約条件の変更後三月以内に、当該契約条件の変更に係る保険契約者に対し、当該契約条件の変更後の保険契約者の権利及び義務の内容を通知しなければならない。
第二節 業務及び財産の管理等に関する内閣総理大臣の処分等
第一款 業務の停止、合併等の協議の命令並びに業務及び財産の管理
(業務の停止、合併等の協議の命令並びに業務及び財産の管理)
第二百四十一条 内閣総理大臣は、保険会社等若しくは外国保険会社等の業務若しくは財産の状況に照らしてその保険業の継続が困難であると認めるとき、又はその業務(外国保険会社等にあっては、日本における業務。以下この条から第二百五十五条の二までにおいて同じ。)の運営が著しく不適切でありその保険業の継続が保険契約者等の保護に欠ける事態を招くおそれがあると認めるときは、当該保険会社等又は外国保険会社等に対し、業務の全部若しくは一部の停止、合併、保険契約の移転(外国保険会社等にあっては、日本における保険契約の移転)若しくは当該保険会社等若しくは外国保険会社等の株式の他の保険会社等、外国保険会社等若しくは保険持株会社等による取得(第二百四十七条第一項、第二百五十六条から第二百五十八条まで、第二百七十条の三の二第四項及び第五項並びに第二百七十条の四第四項及び第五項において「合併等」という。)の協議その他必要な措置を命じ、又は保険管理人による業務及び財産(外国保険会社等にあっては、日本に所在する財産。以下この条、次条及び第二百四十六条の二から第二百四十七条の二までにおいて同じ。)の管理を命ずる処分をすることができる。ただし、保険会社又は外国保険会社等が預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第百二十六条の五第一項(特定管理を命ずる処分)に規定する特定管理を命ずる処分を受けている場合においては、当該保険会社又は外国保険会社等に対し、保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分をすることはできない。
2 この章において「保険持株会社等」とは、次に掲げる者をいう。
一 保険持株会社
二 第二百七十二条の三十七第二項に規定する少額短期保険持株会社
三 株式を取得することにより保険会社を子会社とする持株会社となることについて第二百七十一条の十八第一項の認可を受けた会社
四 株式を取得することにより少額短期保険業者を子会社とする持株会社となることについて第二百七十二条の三十五第一項の承認を受けた会社
五 前各号に掲げる会社以外の会社(保険会社等及び外国保険会社等を除く。)で保険会社等又は外国保険会社等を子会社とするもの又は子会社としようとするもの
3 保険会社等又は外国保険会社等は、その業務又は財産の状況に照らしてその保険業の継続が困難であるときは、その旨及びその理由を、文書をもって、内閣総理大臣に申し出なければならない。
第二款 業務及び財産の管理
(保険管理人の選任等)
第二百四十二条 前条第一項の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分(以下この款及び第二百五十八条第二項において「管理を命ずる処分」という。)があったときは、当該処分を受けた保険会社等又は外国保険会社等(以下「被管理会社」という。)を代表し、業務の執行並びに財産の管理及び処分を行う権利(外国保険会社等を代表する権利にあっては、日本における保険業に係る範囲に限る。)は、保険管理人に専属する。会社法第八百二十八条第一項及び第二項(会社の組織に関する行為の無効の訴え)(第三十条の十五、第五十七条第六項、第六十条の二第五項及び第百七十一条において準用する場合を含む。)並びに第八百三十一条第一項(株主総会等の決議の取消しの訴え)(第四十一条第二項及び第四十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定並びに第八十四条の二第二項及び第九十六条の十六第二項の規定による取締役及び執行役の権利についても、同様とする。
2 内閣総理大臣は、管理を命ずる処分と同時に、一人又は数人の保険管理人を選任しなければならない。
3 内閣総理大臣は、保険管理人に対して、被管理会社の業務及び財産の管理に関し必要な措置を命ずることができる。
4 内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、第二項の規定により保険管理人を選任した後においても、更に保険管理人を選任し、又は保険管理人が被管理会社の業務及び財産の管理を適切に行っていないと認めるときは、保険管理人を解任することができる。
5 内閣総理大臣は、第二項若しくは前項の規定により保険管理人を選任したとき又は同項の規定により保険管理人を解任したときは、被管理会社にその旨を通知するとともに、官報により、これを公告しなければならない。
6 会社更生法第六十九条、第七十条、第八十条並びに第八十一条第一項及び第五項(数人の管財人の職務執行、管財人代理の選任、注意義務並びに費用の前払及び報酬)の規定は保険管理人について、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第七十八条(代表者の行為についての損害賠償責任)の規定は被管理会社について、それぞれ準用する。この場合において、会社更生法第六十九条第一項中「裁判所の許可」とあるのは「内閣総理大臣の承認」と、同法第七十条中「管財人代理」とあるのは「保険管理人代理」と、同条第二項中「裁判所の許可」とあるのは「内閣総理大臣の承認」と、同法第八十一条第一項中「裁判所」とあるのは「内閣総理大臣」と、同条第五項中「管財人代理」とあるのは「保険管理人代理」と、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第七十八条中「代表理事その他の代表者」とあるのは「保険管理人」と読み替えるものとする。
第二百四十三条 保険会社等は、保険管理人又は保険管理人代理となることができる。
2 保険会社等は、内閣総理大臣から保険管理人となることを求められた場合には、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
3 保険契約者保護機構は、保険管理人又は保険管理人代理となり、その業務を行うことができる。
(通知及び登記)
第二百四十四条 内閣総理大臣は、管理を命ずる処分をしたときは、直ちに、被管理会社の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所にその旨を通知し、かつ、嘱託書に当該命令書の謄本を添付して、被管理会社の本店又は主たる事務所(外国保険会社等の場合にあっては、第百八十五条第一項に規定する支店等の所在地)の登記所に、その登記を嘱託しなければならない。
2 前項の登記には、保険管理人の氏名又は名称及び住所をも登記しなければならない。
3 第一項の規定は、前項に掲げる事項に変更が生じた場合について準用する。
(業務の停止)
第二百四十五条 管理を命ずる処分があったときは、被管理会社は、次に掲げる業務を除き、その業務を停止しなければならない。ただし、保険管理人の申出により、その業務の一部を停止しないことについて内閣総理大臣が必要があると認めた場合の当該業務の一部については、この限りでない。
一 第二百六十六条第一項に規定する加入機構と第二百七十条の六の七第三項の規定による契約を締結した場合において、第二百七十条の三第二項第一号に規定する補償対象契約(以下この条において「補償対象契約」という。)に係る保険金請求権その他の政令で定める権利に係る債権者の請求に基づき、当該補償対象契約の保険金その他の給付金(当該補償対象契約の保険金その他の給付金の額に、当該補償対象契約の種類、予定利率その他の内容、当該請求に係る保険事故が発生した時期等を勘案して内閣府令・財務省令で定める率を乗じて得た額に限る。以下「補償対象保険金」という。)の支払を行う業務(以下「補償対象保険金支払業務」という。)
二 内閣府令・財務省令で定める期間内における特定補償対象契約(補償対象契約のうち保険契約者等の保護のためその存続を図る必要性が低いものとして内閣府令・財務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の解約に係る業務(解約返戻金その他これに類する給付金の支払に係るものを除く。以下「特定補償対象契約解約関連業務」という。)
(株主の名義書換の禁止)
第二百四十六条 被管理会社(外国保険会社等を除く。)が株式会社である場合において、内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、株主の名義書換を禁止することができる。
(保険管理人の報告義務)
第二百四十六条の二 保険管理人は、就職の後遅滞なく、次に掲げる事項を調査し、内閣総理大臣に報告しなければならない。
一 被管理会社が管理を命ずる処分を受ける状況に至った経緯
二 被管理会社の業務及び財産の状況
三 その他必要な事項
(計画の承認)
第二百四十七条 内閣総理大臣は、保険契約者等の保護のため被管理会社に係る保険契約(外国保険会社等にあっては、日本における保険契約。第二百五十四条及び第二百七十条の七第一項を除き、以下この章において同じ。)の存続を図ること又は特定補償対象契約の解約に係る業務その他の業務が円滑に行われることが必要であると認めるときは、保険管理人に対し、次に掲げる事項を含む業務及び財産の管理に関する計画の作成を命ずることができる。
一 被管理会社の業務の整理及び合理化に関する方針
二 被管理会社に係る合併等を円滑に行うための方策
2 保険管理人は、前項の計画を作成したときは、内閣総理大臣の承認を得なければならない。
3 保険管理人は、前項の承認があったときは、遅滞なく、当該承認に係る第一項の計画を実行に移さなければならない。
4 保険管理人は、やむを得ない事情が生じた場合には、内閣総理大臣の承認を受けて、第一項の計画を変更し、又は廃止することができる。
5 内閣総理大臣は、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、保険管理人に対し、第一項の計画の変更又は廃止を命ずることができる。
(保険管理人の調査等)
第二百四十七条の二 保険管理人は、被管理会社の取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人及び支配人その他の使用人並びにこれらの者であった者に対し、被管理会社の業務及び財産の状況(これらの者であった者については、その者が当該被管理会社の業務に従事していた期間内に知ることのできた事項に係るものに限る。)につき報告を求め、又は被管理会社の帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
2 保険管理人は、その職務を行うため必要があるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
(保険管理人等の秘密保持義務)
第二百四十七条の三 保険管理人及び保険管理人代理(以下この条において「保険管理人等」という。)は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。保険管理人等がその職を退いた後も、同様とする。
2 保険管理人等が法人であるときは、保険管理人等の職務に従事するその役員及び職員は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その役員又は職員が保険管理人等の職務に従事しなくなった後においても、同様とする。
(被管理会社の経営者の破綻たんの責任を明確にするための措置)
第二百四十七条の四 保険管理人は、被管理会社の取締役、執行役、会計参与、監査役若しくは会計監査人又はこれらの者であった者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起その他の必要な措置をとらなければならない。
2 保険管理人は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発に向けて所要の措置をとらなければならない。
(保険管理人と被管理会社との取引)
第二百四十七条の五 保険管理人は、自己又は第三者のために被管理会社と取引するときは、内閣総理大臣の承認を得なければならない。この場合においては、民法第百八条(自己契約及び双方代理)の規定は、適用しない。
2 前項の承認を得ないでした行為は、無効とする。ただし、善意の第三者に対抗することができない。
(保険管理人による管理を命ずる処分の取消し)
第二百四十八条 内閣総理大臣は、管理を命ずる処分について、その必要がなくなったと認めるときは、当該管理を命ずる処分を取り消さなければならない。
2 第二百四十四条第一項の規定は、前項の場合について準用する。
(株主総会等の特別決議等に関する特例)
第二百四十九条 株式会社である被管理会社(外国保険会社等を除く。以下この条及び次条において同じ。)における会社法第三百九条第二項第三号(同法第百七十一条第一項に係る部分に限る。)から第五号まで、第九号、第十一号若しくは第十二号(株主総会の決議)若しくは第三百二十四条第二項第一号若しくは第四号(種類株主総会の決議)に掲げる株主総会若しくは種類株主総会の決議又は第六十九条第二項、第百三十六条第二項、第百四十四条第三項、第百六十五条の三第二項若しくは第百六十五条の十第二項の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
2 株式会社である被管理会社における会社法第三百九条第三項各号若しくは第三百二十四条第三項各号に掲げる株主総会若しくは種類株主総会の決議又は同法第三百二十三条(種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合)の規定若しくは第百六十五条の三第四項若しくは第六項若しくは第百六十五条の十第六項の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の半数以上であって出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
3 相互会社である被管理会社における第五十七条第二項、第六十条第二項、第六十二条第二項、第六十二条の二第二項、第八十六条第二項、第百三十六条第二項、第百四十四条第三項、第百五十六条又は第百六十五条の十六第二項(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した社員(総代会を設けているときは、総代)の議決権の四分の三以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
4 第一項の規定により仮にした決議(以下「仮決議」という。)があった場合においては、各株主に対し、当該仮決議の趣旨を通知し、当該仮決議の日から一月以内に再度の株主総会を招集しなければならない。
5 前項の株主総会において第一項に規定する多数をもって仮決議を承認した場合には、当該承認のあった時に、当該仮決議をした事項に係る決議があったものとみなす。
6 前二項の規定は、第二項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、前項中「第一項」とあるのは、「第二項」と読み替えるものとする。
7 第四項及び第五項の規定は、第三項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、第四項中「各株主」とあるのは「各社員(総代会を設けているときは、各総代)」と、同項及び第五項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会を設けているときは、総代会)」と、同項中「第一項」とあるのは「第三項」と読み替えるものとする。
(株主総会等の特別決議に代わる許可)
第二百四十九条の二 株式会社である被管理会社がその財産をもって債務を完済することができない場合には、当該被管理会社は、会社法第百十一条第二項(定款の変更の手続の特則)、第百七十一条第一項(全部取得条項付種類株式の取得に関する決定)、第百九十九条第二項(募集事項の決定)、第四百四十七条第一項(資本金の額の減少)、第四百六十六条(定款の変更)、第四百六十七条第一項第一号から第二号の二まで(事業譲渡等の承認等)及び第四百七十一条第三号(解散の事由)の規定並びに第百三十六条(第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、次に掲げる事項を行うことができる。
一 全部取得条項付種類株式(会社法第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式をいう。)の発行のために必要な定款の変更、当該全部取得条項付種類株式の全部の取得又はこれとともにする同法第百九十九条第一項(募集事項の決定)に規定する募集株式の発行に係る同条第二項に規定する募集事項の決定
二 資本金の額の減少
三 会社法第四百六十七条第一項第一号から第二号の二までに掲げる行為
四 解散
五 保険契約の移転
2 相互会社である被管理会社がその財産をもって債務を完済することができない場合には、当該被管理会社は、第六十二条の二第一項第一号から第二号の二まで、第百三十六条及び第百五十六条の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、次に掲げる事項を行うことができる。
一 第六十二条の二第一項第一号から第二号の二までに掲げる行為
二 保険契約の移転
三 解散
3 保険管理人は、会社法第三百三十九条第一項(解任)、第三百四十七条第一項(種類株主総会における取締役又は監査役の選任等)若しくは第四百三条第一項(執行役の解任等)の規定又は第五十三条の八第一項若しくは第五十三条の二十七第一項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、被管理会社の取締役(被管理会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項及び第五項において同じ。)、執行役、会計参与、監査役又は会計監査人を解任することができる。
4 前項の規定により被管理会社の取締役、執行役、会計参与、監査役又は会計監査人を解任しようとする場合において、解任により法律又は定款に定めた取締役、執行役、会計参与、監査役又は会計監査人の員数を欠くこととなるときは、保険管理人は、会社法第三百二十九条第一項(選任)、第三百四十七条第一項若しくは第四百二条第二項(執行役の選任等)の規定又は第五十二条第一項若しくは第五十三条の二十六第二項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、被管理会社の取締役、執行役、会計参与、監査役又は会計監査人を選任することができる。
5 前項の規定により選任された被管理会社の取締役、会計参与、監査役又は会計監査人は当該被管理会社に係る保険管理人による管理の終了後最初に招集される定時株主総会又は定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会)の終結の時に、執行役は当該定時株主総会又は定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会)が終結した後最初に開催される取締役会の終結の時に退任する。
6 第一項から第四項までに規定する許可(以下この条及び次条において「代替許可」という。)があったときは、当該代替許可に係る事項について株主総会等、種類株主総会又は取締役会の決議があったものとみなす。この場合における第十六条第一項、第百三十六条の二第一項(第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)並びに第二百五十条第三項及び第五項の規定の適用については、第十六条第一項中「資本金又は準備金(以下この節において「資本金等」という。)の額の減少(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)の決議に係る株主総会(会社法第四百四十七条第三項(資本金の額の減少)又は第四百四十八条第三項(準備金の額の減少)に規定する場合にあっては、取締役会)の会日の二週間前」とあるのは「資本金又は準備金の額の減少(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)に係る第二百四十九条の二第一項の許可のあった日以後二週間以内の日」と、第百三十六条の二第一項中「前条第一項の株主総会等の会日の二週間前」とあるのは「保険契約の移転に係る第二百四十九条の二第一項又は第二項の許可のあった日以後二週間以内の日」と、第二百五十条第三項中「次項の公告」とあり、及び同条第五項中「前項の公告」とあるのは「第二百四十九条の二第八項の公告」とし、第百五十六条の二及び第二百五十条第四項の規定は、適用しない。
7 代替許可に係る事件は、当該被管理会社の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
8 裁判所は、代替許可の決定をしたときは、その決定書を被管理会社に送達するとともに、その決定の要旨を公告しなければならない。
9 前項の規定によってする公告は、官報に掲載してする。
10 代替許可の決定は、第八項の規定による被管理会社に対する送達がされた時から、効力を生ずる。
11 代替許可の決定に対しては、株主又は社員は、第八項の公告のあった日から二週間の不変期間内に、即時抗告をすることができる。この場合において、当該即時抗告が解散に係る代替許可の決定に対するものであるときは、執行停止の効力を有する。
12 非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第五条(管轄が住所地により定まる場合の管轄裁判所)、第六条(優先管轄等)、第七条第二項(管轄裁判所の指定)、第四十条(検察官の関与)、第四十一条(検察官に対する通知)、第五十六条第二項(終局決定の告知及び効力の発生等)並びに第六十六条第一項及び第二項(即時抗告をすることができる裁判)の規定は、代替許可に係る事件については、適用しない。
(代替許可に係る登記の特例)
第二百四十九条の三 前条第一項第一号、第二号若しくは第四号若しくは第二項第三号に掲げる事項又は同条第三項若しくは第四項に定める事項に係る代替許可があった場合においては、当該事項に係る登記の申請書には、当該代替許可の決定書の謄本又は抄本を添付しなければならない。
第三款 合併等における契約条件の変更等
(保険契約の移転における契約条件の変更)
第二百五十条 保険会社等又は外国保険会社等は、次に掲げる場合に該当する場合には、第百三十五条第一項(第二百十条第一項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。)の契約において、第百三十五条第四項(第二百十条第一項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。)に規定する軽微な変更のほか、当該契約により移転するものとされる保険契約(特定契約を除く。)について保険金額の削減その他の契約条項の変更(当該軽微な変更、特定補償対象契約以外の補償対象契約(第二百七十条の三第二項第一号に規定する補償対象契約をいう。)について第三項第一号に規定する公告等の時以後に収受した保険料により積み立てるべき責任準備金を減額する変更及び特定補償対象契約について同号に規定する公告等の時以後に発生する解約返戻金その他これに類するものとして内閣府令・財務省令で定める給付金に関しこれら以外の当該特定補償対象契約に係る保険金その他の給付金に比して不利な内容を定める変更を除く。以下この款において「契約条件の変更」という。)を定めることができる。
一 第二百四十一条第一項の規定により保険契約の全部に係る保険契約の移転の協議を命ぜられた場合において、当該保険契約の移転をするとき。
二 被管理会社である場合において、第二百四十七条第二項の承認(同条第四項の変更の承認を含む。)を受けた同条第一項の計画に従って保険契約の全部又は一部に係る保険契約の移転をするとき。
三 第二百六十八条第一項又は第二百七十条第一項の内閣総理大臣の認定を受けた第二百六十条第二項に規定する破綻たん保険会社である場合において、同条第三項に規定する救済保険会社に対しその保険契約の全部に係る保険契約の移転をするとき(前二号に掲げる場合を除く。)。
2 前項第一号又は第三号の保険契約の移転をする場合には、当該保険会社等又は外国保険会社等に係る保険契約(特定補償対象契約解約関連業務に係る保険契約を含む。)のうち、特定契約以外の全部を包括して移転しなければならない。
3 前二項に規定する「特定契約」とは、次に掲げるものをいう。
一 次項の公告の時(当該公告の時において既に、第二百四十一条第一項の規定により業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられ、保険契約に係る支払を停止している場合又は第二百四十五条(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、この条第五項、第二百五十四条第四項若しくは第二百五十五条の二第三項の規定によりその業務を停止し、保険契約に係る支払を停止している場合にあっては、その保険契約に係る支払を停止した時。次号において「公告等の時」という。)において既に保険事故が発生している保険契約(当該保険事故に係る保険金の支払により消滅することとなるものに限る。)
二 公告等の時において既に保険期間が終了している保険契約(公告等の時において保険期間の中途で解約その他の保険契約の終了の事由が発生しているもの(第二百四十条の三の規定による命令により保険契約に係る支払が停止されているものを除く。)を含み、前号に掲げるものを除く。)
4 第一項の場合において、保険会社等にあっては第百三十六条第一項(第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。)の株主総会等の招集の通知の発送日において、当該株主総会等が開かれる旨及び当該契約条件の変更を含む保険契約の移転の決議が会議の目的となっている旨を、外国保険会社等にあっては第百三十五条第一項の契約に係る契約書の作成日において、当該契約条件の変更を含む契約書が作成された旨を、それぞれ公告しなければならない。
5 第一項の保険会社等又は外国保険会社等は、前項の公告の時において既に、第二百四十一条第一項の規定により業務の全部の停止を命ぜられ、又は第二百四十五条本文(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、この項本文、第二百五十四条第四項本文若しくは第二百五十五条の二第三項本文の規定によりその業務の全部を停止している場合を除き、当該公告の時から、その業務の全部(補償対象保険金支払業務及び特定補償対象契約解約関連業務を除く。)を停止しなければならない。ただし、当該保険会社等又は外国保険会社等の申出により、その業務の一部を停止しないことについて、内閣総理大臣が必要があると認めた場合には、当該業務の一部については、この限りでない。
(保険契約の移転の公告等及び異議申立てに関する特例)
第二百五十一条 前条第一項の保険契約の移転をする場合には、第百三十七条第一項(第二百十条第一項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。)の公告に、契約条件の変更により生ずる保険契約者の権利義務の変更の主要な内容その他の内閣府令・財務省令で定める事項を付記しなければならない。
2 前条第一項の保険契約の移転をする場合における第百三十五条第二項並びに第百三十七条第一項本文及び第三項(これらの規定を第二百十条第一項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用については、第百三十五条第二項中「第百三十七条第一項の規定による公告の時において既に保険事故が発生している保険契約(当該保険事故に係る保険金の支払により消滅することとなるものに限る。)その他の政令で定める保険契約」とあるのは「第二百五十条第三項に規定する特定契約」と、第百三十七条第一項本文中「公告するとともに、移転対象契約者にこれらの事項を通知しなければ」とあるのは「公告しなければ」と、同条第三項中「十分の一(保険契約の全部に係る保険契約の移転である場合にあっては、五分の一)」とあるのは「十分の一」と、「当該保険契約について、第一項の規定による公告の時において」とあるのは「当該保険契約が第二百五十条第三項に規定する特定契約である場合において、当該保険契約につき」とし、同条第一項ただし書及び第五項(これらの規定を第二百十条第一項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定は、適用しない。
3 保険会社等又は外国保険会社等が前条第一項各号に掲げる場合に該当する場合において、契約条件の変更を行わないときは、第百三十七条第一項本文及び第三項(これらの規定を第二百十条第一項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用については、第百三十七条第一項本文中「公告するとともに、移転対象契約者にこれらの事項を通知しなければ」とあるのは「公告しなければ」と、同条第三項中「十分の一(保険契約の全部に係る保険契約の移転である場合にあっては、五分の一)」とあるのは「五分の一」とし、同条第一項ただし書及び第五項の規定は、適用しない。
(契約条件の変更を伴う保険契約の移転の効果)
第二百五十二条 第二百五十条第一項の保険契約の移転をしたときは、当該保険契約の移転に係る保険契約に係る債権及び債務については、当該保険契約について第百三十五条第一項(第二百十条第一項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の契約において定められた契約条件の変更がされた後の条件で、第百三十五条第一項に規定する移転先会社が承継する。
(契約条件の変更の通知)
第二百五十三条 第二百五十条第一項の保険契約の移転をした場合における第百四十条第二項本文(第二百十条第一項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定の適用については、第百四十条第二項本文中「同条第四項に規定する軽微な変更を定めたときは、保険契約の移転を受けたこと及び当該軽微な変更の内容」とあるのは、「第二百五十条第一項に規定する契約条件の変更(第百三十五条第四項に規定する軽微な変更を含む。以下この項において同じ。)を定めたときは、保険契約の移転を受けたこと及び当該契約条件の変更後の保険契約者の権利及び義務の内容」とし、同項ただし書(第二百十条第一項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
(合併契約における契約条件の変更)
第二百五十四条 保険会社等は、次に掲げる場合に該当する場合には、合併契約において、当該保険会社等に係る保険契約(特定契約を除く。)について契約条件の変更を定めることができる。
一 第二百四十一条第一項の規定により合併の協議を命ぜられた場合において、合併をしようとするとき。
二 被管理会社である場合において、第二百四十七条第二項の承認(同条第四項の変更の承認を含む。)を受けた同条第一項の計画に従って合併するとき。
三 第二百六十八条第一項又は第二百七十条第一項の内閣総理大臣の認定を受けた第二百六十条第二項に規定する破綻たん保険会社である場合において、同条第三項に規定する救済保険会社が存続することとなる合併をするとき(前二号に掲げる場合を除く。)。
2 第二百五十条第三項の規定は、前項に規定する特定契約について準用する。この場合において、同条第三項第一号中「次項」とあるのは、「第二百五十四条第三項」と読み替えるものとする。
3 第一項の保険会社等は、会社法第七百八十三条第一項(吸収合併契約等の承認等)、第七百九十五条第一項(吸収合併契約等の承認等)若しくは第八百四条第一項(新設合併契約等の承認)又は第百六十五条の三第一項、第百六十五条の十第一項若しくは第百六十五条の十六第一項(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)の承認の決議を行う株主総会等の招集の通知の発送日において、当該株主総会等が開かれる旨及び当該契約条件の変更を含む合併契約の承認の決議が会議の目的となっている旨を公告しなければならない。
4 第一項の保険会社等は、前項の公告の時において既に、第二百四十一条第一項の規定により業務の全部の停止を命ぜられ、又は第二百四十五条本文(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、第二百五十条第五項本文、この項本文若しくは第二百五十五条の二第三項本文の規定によりその業務の全部を停止している場合を除き、当該公告の時から、その業務の全部(補償対象保険金支払業務及び特定補償対象契約解約関連業務を除く。)を停止しなければならない。ただし、当該保険会社等の申出により、その業務の一部を停止しないことについて、内閣総理大臣が必要があると認めた場合には、当該業務の一部については、この限りでない。
(合併の公告及び異議申立てに関する特例)
第二百五十五条 前条第一項の保険会社等は、第百六十五条の七第二項(第百六十五条の十二において準用する場合を含む。)、第百六十五条の十七第二項(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)又は第百六十五条の二十四第二項の規定による公告に、契約条件の変更により生ずる保険契約者の権利義務の変更の主要な内容その他の内閣府令・財務省令で定める事項を付記しなければならない。
2 前条第一項の合併をする場合における第百六十五条の七第四項(第百六十五条の十二において準用する場合を含む。)において準用する第七十条第六項、第百六十五条の十七第四項(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)において準用する第八十八条第六項又は第百六十五条の二十四第六項の規定の適用については、これらの規定中「同項の規定による公告の時において既に保険金請求権等が生じている保険契約(当該保険金請求権等に係る支払により消滅することとなるものに限る。)」とあるのは「第二百五十四条第二項において準用する第二百五十条第三項に規定する特定契約」と、「五分の一」とあるのは「十分の一」と、「保険金請求権等」とあるのは「第二百五十四条第二項において準用する第二百五十条第三項に規定する特定契約に係る保険金請求権その他の政令で定める権利」とする。
3 前条第一項の合併の場合においては、合併後存続する保険会社等又は合併により設立される保険会社等は、合併後三月以内に、同項の保険会社等の保険契約者に対し、その旨及び契約条件の変更後の保険契約者の権利及び義務の内容を通知しなければならない。
(株式の取得における契約条件の変更)
第二百五十五条の二 保険会社等又は外国保険会社等は、次に掲げる場合に該当する場合(当該保険会社等又は外国保険会社等の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るために必要な事項として内閣総理大臣及び財務大臣が定めるものを実施するために、株式の取得がされる場合に限る。)には、契約条件変更計画を作成して、当該保険会社等又は外国保険会社等に係る保険契約(特定契約を除く。)について契約条件の変更を行うことができる。この場合においては、契約条件変更計画において、契約条件の変更により生ずる保険契約者の権利義務の変更の主要な内容その他内閣府令・財務省令で定める事項を定めなければならない。
一 第二百四十一条第一項の規定により他の保険会社等、外国保険会社等又は保険持株会社等に株式を取得されることによりその子会社となることの協議を命ぜられた場合において、他の保険会社等、外国保険会社等又は保険持株会社等に当該株式を取得されることによりその子会社となるとき。
二 被管理会社である場合において、第二百四十七条第二項の承認(同条第四項の変更の承認を含む。)を受けた同条第一項の計画に従って他の保険会社等、外国保険会社等又は保険持株会社等に株式を取得されることによりその子会社となるとき。
三 第二百六十八条第一項の内閣総理大臣の認定を受けた第二百六十条第二項に規定する破綻たん保険会社である場合において、同条第三項に規定する救済保険会社又は救済保険持株会社等に株式を取得されることによりその子会社となるとき(前二号に掲げる場合を除く。)。
2 第二百五十条第三項の規定は、前項に規定する特定契約について準用する。この場合において、同条第三項第一号中「次項」とあるのは、「第二百五十五条の四第一項」と読み替えるものとする。
3 第一項の契約条件の変更をしようとする保険会社等又は外国保険会社等(以下この款において「変更会社」という。)は、第二百五十五条の四第一項の公告の時において既に、第二百四十一条第一項の規定により業務の全部の停止を命ぜられ、又は第二百四十五条本文(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、第二百五十条第五項本文、第二百五十四条第四項本文若しくはこの項本文の規定によりその業務の全部を停止している場合を除き、当該公告の時から、その業務の全部(補償対象保険金支払業務及び特定補償対象契約解約関連業務を除く。)を停止しなければならない。ただし、当該保険会社等又は外国保険会社等の申出により、その業務の一部を停止しないことについて、内閣総理大臣が必要があると認めた場合には、当該業務の一部については、この限りでない。
(契約条件の変更に係る書類の備置き等)
第二百五十五条の三 変更会社は、次条第一項の規定による公告の日から同条第二項の規定により同条第一項の公告に付記した期間の最終日まで、契約条件変更計画の内容その他の内閣府令・財務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各営業所又は各事務所に備え置かなければならない。
2 契約条件変更計画により変更するものとされる保険契約に係る保険契約者(次条において「変更対象契約者」という。)は、変更会社に対して、その営業時間又は事業時間内は、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該変更会社の定めた費用を支払わなければならない。
一 前項の書面の閲覧の請求
二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令・財務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって当該変更会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(契約条件の変更の公告及び異議申立て)
第二百五十五条の四 変更会社は、契約条件変更計画の作成日において、契約条件変更計画の要旨及び貸借対照表その他内閣府令・財務省令で定める事項を公告しなければならない。
2 前項の公告には、変更対象契約者で異議がある者は、一定の期間内に異議を述べるべき旨を付記しなければならない。
3 前項の期間は、一月を下ってはならない。
4 第二項の期間内に異議を述べた変更対象契約者の数が変更対象契約者の総数の十分の一を超え、かつ、当該異議を述べた変更対象契約者の保険契約に係る債権の額に相当する金額として内閣府令・財務省令で定める金額が変更対象契約者の当該金額の総額の十分の一を超えるときは、契約条件の変更をしてはならない。
5 第二項の期間内に異議を述べた変更対象契約者の数又はその者の前項の内閣府令・財務省令で定める金額が、同項に定める割合を超えないときは、当該変更対象契約者全員が当該契約条件の変更を承認したものとみなす。
(契約条件の変更の公告等)
第二百五十五条の五 変更会社は、契約条件の変更後、遅滞なく、契約条件の変更をしたこと及び内閣府令・財務省令で定める事項を公告しなければならない。契約条件の変更をしないこととなったときも、同様とする。
2 変更会社は、契約条件の変更後三月以内に、当該契約条件の変更に係る保険契約者に対し、当該契約条件の変更後の保険契約者の権利及び義務の内容を通知しなければならない。
第三節 合併等の手続の実施の命令等
(合併等の協議の相手方の指定)
第二百五十六条 内閣総理大臣は、保険会社(外国保険会社等を含む。第二百六十条第一項第二号、第六項及び第八項第二号並びに第二百七十条の六を除き、以下この章において同じ。)が破綻たん保険会社(第二百六十条第二項に規定する破綻たん保険会社をいう。以下この節において同じ。)に該当し、かつ、必要があると認めるときは、当該破綻たん保険会社が合併等に係る協議をすべき相手方として他の保険会社又は保険持株会社等を指定し、当該他の保険会社又は保険持株会社等にその協議に応ずるよう勧告することができる。
2 内閣総理大臣は、前項の勧告を行うため必要があると認めるときは、その必要の限度において、破綻たん保険会社又は破綻たん保険会社となる蓋がい然性が高いと認められる保険会社につきその業務又は財産の状況に関する資料を他の保険会社又は保険持株会社等に対して交付し、その他当該勧告に必要な準備行為を行うことができる。
3 内閣総理大臣は、破綻たん保険会社又は破綻たん保険会社となる蓋がい然性が高いと認められる保険会社が会員として加入している保険契約者保護機構に対し、第一項の勧告又は前項の準備行為の実施に関し、必要な協力を求めることができる。
(合併等の条件のあっせん)
第二百五十七条 内閣総理大臣は、前条第一項の場合において、その協議が調わないときは、あらかじめ同項の勧告に係る破綻たん保険会社及び同項の勧告を受けた他の保険会社又は保険持株会社等の意見を聴取し、条件を示して、必要なあっせんをすることができる。
2 前条第二項及び第三項の規定は、前項のあっせんについて準用する。この場合において、同条第二項中「破綻たん保険会社又は破綻たん保険会社となる蓋がい然性が高いと認められる保険会社」とあるのは、「破綻たん保険会社」と読み替えるものとする。
(合併等の手続の実施の命令)
第二百五十八条 内閣総理大臣は、前条第一項の場合において同項の他の保険会社又は保険持株会社等があっせんに係る条件に同意したときは、同項のあっせんに係る破綻たん保険会社に対し、当該条件に従い合併等を実行するために必要な手続をとることを命ずることができる。
2 第二百四十五条の規定は、前項の場合(管理を命ずる処分を受けている場合を除く。)について準用する。この場合において、同条ただし書中「保険管理人」とあるのは、「当該破綻たん保険会社」と読み替えるものとする。
第四節 保険契約者保護機構の行う資金援助等
第一款 保険契約者保護機構
第一目 通則
(目的)
第二百五十九条 保険契約者保護機構(以下この節、次節、第五編及び第六編において「機構」という。)は、破綻たん保険会社に係る保険契約の移転等における資金援助、承継保険会社の経営管理、保険契約の引受け、補償対象保険金の支払に係る資金援助及び保険金請求権等の買取りを行う等により、保険契約者等の保護を図り、もって保険業に対する信頼性を維持することを目的とする。
(定義)
第二百六十条 この節において「保険契約の移転等」とは、次に掲げるものをいう。
一 破綻たん保険会社と他の保険会社との間で、破綻たん保険会社に係る保険契約の全部又は一部に係る保険契約の移転をすること。
二 破綻たん保険会社(外国保険会社等を除く。)と他の保険会社との合併で、当該他の保険会社が存続することとなるもの
三 破綻たん保険会社の株式の他の保険会社又は保険持株会社等による取得で、当該破綻たん保険会社の業務(外国保険会社等にあっては、日本における業務。次項及び次款において同じ。)の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るために必要な事項として内閣総理大臣及び財務大臣が定めるものを実施するために行うもの
2 この節において「破綻たん保険会社」とは、次に掲げる者をいう。
一 業務若しくは財産(外国保険会社等にあっては、日本に所在する財産。次号において同じ。)の状況に照らして保険金の支払を停止するおそれのある者又は保険金の支払を停止した者
二 その財産をもって債務を完済することができない者又はその財産をもって債務を完済することができない事態が生ずるおそれのある者
3 この節において「救済保険会社」とは、保険契約の移転等を行う保険会社のうち破綻たん保険会社でない者をいい、「救済保険持株会社等」とは、第一項第三号に掲げる株式の取得をする保険持株会社等をいう。
4 この節において「資金援助」とは、金銭の贈与、資産の買取り又は損害担保をいう。
5 この節において「損害担保」とは、次の各号に掲げる資産につきその帳簿価額を下回る金額で回収が行われたことその他の事由により損失が生じた場合において、あらかじめ締結する契約に基づき、当該各号に定める者に対して当該損失の額の全部又は一部を補てんすることをいう。
一 第一項第一号、第八項第一号若しくは第十一項に規定する保険契約の移転又は第一項第二号若しくは第八項第二号に規定する合併により救済保険会社、再承継保険会社(保険契約の再承継を行う保険会社で承継保険会社でない者をいう。以下同じ。)又は再移転先保険会社(保険契約の再移転を行う保険会社をいう。以下同じ。)が承継した資産 当該救済保険会社、再承継保険会社又は再移転先保険会社
二 第一項第三号又は第八項第三号に規定する株式の取得をされた保険会社の資産 当該保険会社
6 この節において「承継保険会社」とは、保険契約の移転又は合併により破綻たん保険会社の保険契約を引き継ぎ、かつ、当該引き継いだ保険契約の管理及び処分を行うことを主たる目的とする保険会社であって、機構の子会社(機構がその総株主の議決権の百分の五十を超える議決権を保有する会社をいう。以下同じ。)として設立されたものをいう。
7 この節において「保険契約の承継」とは、承継保険会社が保険契約の移転又は合併により破綻たん保険会社の保険契約を引き継ぎ、かつ、当該引き継いだ保険契約の管理及び処分を行うことをいう。
8 この節において「保険契約の再承継」とは、次に掲げるものをいう。
一 承継保険会社と他の保険会社との間で、承継保険会社に係る保険契約の全部又は一部に係る保険契約の移転をすること。
二 承継保険会社と他の保険会社との合併で、当該他の保険会社が存続することとなるもの
三 承継保険会社の株式の他の保険会社又は保険持株会社等による取得で、当該承継保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るために必要な事項として内閣総理大臣及び財務大臣が定めるものを実施するために行うもの
9 この節において「保険契約の引受け」とは、機構が破綻たん保険会社との契約により当該破綻たん保険会社からその保険契約の全部又は一部に係る保険契約の移転を受けることをいう。
10 この節において「保険契約の管理及び処分」とは、保険契約に基づく保険料の収受及び保険金、返戻金その他の給付金の支払、保険契約に基づき保険料として収受した金銭その他の資産の運用、保険契約に係る再保険契約の締結、保険契約の保険会社への移転その他保険契約に関する行為として内閣府令・財務省令で定めるものをいう。
11 この節において「保険契約の再移転」とは、保険契約の引受けをした機構と保険会社との間で、当該保険契約の引受けにより引き継がれた保険契約の全部又は一部に係る保険契約の移転をすることをいう。
(法人格)
第二百六十一条 機構は、法人とする。
(機構の種類)
第二百六十二条 機構は、保険業に係る免許の種類ごとに、その免許の種類に属する免許を受けた保険会社をその会員とする。
2 前項の免許の種類は、次に掲げる二種類とする。
一 生命保険業免許、外国生命保険業免許及び特定生命保険業免許
二 損害保険業免許、外国損害保険業免許及び特定損害保険業免許
(名称)
第二百六十三条 機構は、その名称中に保険契約者保護機構という文字を用いなければならない。
2 機構でない者は、その名称中に保険契約者保護機構という文字を用いてはならない。
(登記)
第二百六十四条 機構は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の準用)
第二百六十五条 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第四条(住所)及び第七十八条(代表者の行為についての損害賠償責任)の規定は、機構について準用する。
第二目 会員
(会員の資格等)
第二百六十五条の二 機構の会員の資格を有する者は、保険会社(政令で定める保険会社を除く。次条において同じ。)に限る。
2 機構は、会員の資格を有する者の加入を拒み、又はその加入について不当な条件を付してはならない。
(加入義務等)
第二百六十五条の三 保険会社は、その免許と同じ第二百六十二条第二項に規定する免許の種類(次項において「免許の種類」という。)に属する免許を受ける保険会社を会員とする機構の一にその会員として加入しなければならない。
2 第三条第一項、第百八十五条第一項又は第二百十九条第一項の免許を受けようとする者(政令で定める者を除く。)は、その免許の申請と同時に、内閣府令・財務省令で定めるところにより、その免許と同じ免許の種類に属する免許を受ける保険会社を会員とする機構の一に加入する手続をとらなければならない。
3 前項の規定により機構に加入する手続をとった者は、同項の免許を受けたときに、当該機構の会員となる。
4 機構は、前項の規定により保険会社が当該機構の会員となったときは、速やかに、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(脱退等)
第二百六十五条の四 会員は、次に掲げる事由によって脱退する。
一 免許の取消し
二 免許の失効
2 会員は、前項各号に掲げる事由による場合又は内閣総理大臣及び財務大臣の承認を受けて他の機構の会員となる場合を除き、機構を脱退することができない。
3 会員は、機構を脱退した場合においても、次に掲げる資金の借入れに係る債務の履行のために当該機構が負担することとなる費用があるときは、当該会員の負担すべき費用の額として内閣府令・財務省令で定めるところにより当該機構が算定した額を負担金として納付する義務を負う。
一 その脱退の日までに当該機構が行うことを決定した第二百六十五条の二十八第一項第三号から第七号まで並びに同条第二項第一号から第三号までに掲げる業務を実施するために第二百六十五条の四十二の規定によりした資金の借入れ
二 その脱退の日までに当該機構が行うことを決定した第二百六十五条の二十八第一項第三号から第七号まで並びに同条第二項第一号から第三号までに掲げる業務を実施するために第二百六十五条の四十二の規定によりすることとなる資金の借入れ
4 内閣総理大臣及び財務大臣は、第二項の承認の申請があったときは、当該申請に係る会員が次に掲げる要件を満たしている場合でなければ、その承認をしてはならない。
一 当該会員が、その脱退しようとする機構に対し会員として負担する債務を完済していること。
二 当該会員が、前項の規定により同項に規定する算定した額を負担金として納付する義務を履行することが確実と見込まれること。
三 当該会員が、他の機構に会員として加入する手続をとっていること。
(会員に対する過怠金)
第二百六十五条の五 機構は、定款で定めるところにより、この節の規定又は機構の定款その他の規則に違反した会員に対し、過怠金を課することができる。
第三目 設立
(発起人)
第二百六十五条の六 機構を設立するには、その会員になろうとする十以上の保険会社が発起人となることを必要とする。
(創立総会)
第二百六十五条の七 発起人は、定款及び事業計画書を作成した後、会員になろうとする者を募り、会議開催日の二週間前までにこれらを会議の日時及び場所とともに公告して、創立総会を開かなければならない。
2 定款及び事業計画書の承認その他機構の設立に必要な事項の決定は、創立総会の議決によらなければならない。
3 前項の創立総会の議事は、会員の資格を有する者であってその創立総会の開催日までに発起人に対して会員となる旨を書面により申し出たもの及び発起人の二分の一以上が出席して、その出席者の議決権の三分の二以上の多数で決する。
4 次に掲げる事項その他機構の成立の日を含む事業年度の業務の運営に必要な事項は、第二百六十五条の二十五及び第二百六十五条の三十四第三項の規定にかかわらず、創立総会の議決によることができる。
一 業務規程の作成
二 機構の成立の日を含む事業年度の予算及び資金計画の決定
三 第二百六十五条の三十四第一項各号に規定する負担金率の決定
5 第二百六十五条の二十六第二項の規定は、前項の規定により同項に規定する事項を創立総会の議事とする場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前条第一号、第三号及び第五号」とあるのは、「第二百六十五条の七第四項第一号」と読み替えるものとする。
6 第二百六十五条の二十七の四及び第二百六十五条の二十七の五の規定は、創立総会の議決について準用する。
(設立の認可申請)
第二百六十五条の八 発起人は、創立総会の終了後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した認可申請書を内閣総理大臣及び財務大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。
一 名称
二 事務所の所在地
三 役員及び会員の氏名又は名称
2 前項の認可申請書には、定款、事業計画書その他内閣府令・財務省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
(設立の認可)
第二百六十五条の九 内閣総理大臣及び財務大臣は、前条第一項の規定による認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 設立の手続並びに定款及び事業計画書の内容が法令の規定に適合するものであること。
二 定款及び事業計画書に虚偽の記載がないこと。
三 役員のうちに第二百六十五条の十六各号のいずれかに該当する者がないこと。
四 業務の運営が適正に行われることが確実であると認められること。
五 当該申請に係る機構の組織がこの法律の規定に適合するものであること。
2 内閣総理大臣及び財務大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めるときは、設立の認可をしなければならない。
(事務の引継ぎ)
第二百六十五条の十 設立の認可があったときは、発起人は、遅滞なく、その事務を機構の理事長に引き継がなければならない。
(設立の時期等)
第二百六十五条の十一 機構は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
2 機構は、前項の設立の登記をしたときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に届け出なければならない。
第四目 管理
(定款)
第二百六十五条の十二 機構の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 会員に関する事項
五 役員に関する事項
六 運営委員会及び評価審査会に関する事項
七 総会に関する事項
八 業務及びその執行に関する事項
九 負担金に関する事項
十 財務及び会計に関する事項
十一 解散に関する事項
十二 定款の変更に関する事項
十三 公告の方法
2 機構の定款の変更は、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(役員及び業務の決定)
第二百六十五条の十三 機構に、役員として、理事長一人、理事二人以上及び監事一人以上を置く。
2 機構の業務は、定款に別段の定めがあるものを除き、理事長及び理事の過半数をもって決する。
(役員の職務及び権限)
第二百六十五条の十四 理事長は、機構を代表し、その業務を総理する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、機構を代表し、理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 監事は、機構の業務及び経理の状況を監査し、その監査の結果を総会に報告する。
4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は内閣総理大臣及び財務大臣に意見を提出することができる。
(役員の任免及び任期)
第二百六十五条の十五 役員は、定款で定めるところにより、総会において選任し、又は解任する。ただし、設立当時の役員は、創立総会において選任する。
2 前項の規定による役員の選任及び解任は、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 役員の任期は、二年以内において定款で定める期間とする。ただし、設立当時の役員の任期は、二年以内において創立総会で定める期間とする。
4 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格事由)
第二百六十五条の十六 次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 機構が第二百六十五条の四十七の規定により設立の認可を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその役員であった者で、その取消しの日から起算して五年を経過していないもの
二 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
三 禁錮こ以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過していない者
四 この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過していない者
(監事の兼職禁止)
第二百六十五条の十七 監事は、理事長、理事、運営委員会の委員、評価審査会の委員又は機構の職員を兼ねてはならない。
(代表権の制限)
第二百六十五条の十八 機構と理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合においては、定款で定めるところにより、監事が機構を代表する。
第二百六十五条の十八の二 理事長は、機構の職員のうちから、機構の業務の一部に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する代理人を選任することができる。
(運営委員会)
第二百六十五条の十九 機構に、運営委員会(以下この章において「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、この法律によりその権限に属させられた事項を処理するほか、理事長の諮問に応じ、機構の業務の運営に関する重要事項(次条第二項に規定する破綻たん保険会社の財産の評価に関する事項を除く。)を審議する。
3 委員会は、機構の業務の運営につき、理事長に対して意見を述べることができる。
4 委員会の委員は、機構の業務の適切な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
5 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、内閣府令・財務省令で定める。
(評価審査会)
第二百六十五条の二十 機構に、評価審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、次款の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、理事長の諮問に応じ、機構の会員である破綻たん保険会社の財産(外国保険会社等にあっては、日本に所在する財産)の評価に関し必要な事項を審議する。
3 審査会の委員は、保険又は財産の評価に関して学識経験又は専門的知識を有する者のうちから、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
4 前三項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、内閣府令・財務省令で定める。
(役員等の秘密保持義務等)
第二百六十五条の二十一 機構の役員(第二百六十五条の十三第一項の役員をいう。以下同じ。)若しくは職員、委員会の委員、審査会の委員又はこれらの職にあった者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
(役員等の公務員たる性質)
第二百六十五条の二十一の二 機構の役員及び職員、委員会の委員並びに審査会の委員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(会員名簿の縦覧等)
第二百六十五条の二十二 機構は、内閣府令・財務省令で定めるところにより、会員の名簿を作成し、これを内閣総理大臣及び財務大臣に提出するとともに、公衆の縦覧に供しなければならない。
第五目 総会
(総会の招集)
第二百六十五条の二十三 理事長は、定款で定めるところにより、毎事業年度一回通常総会を招集しなければならない。
2 理事長は、必要があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
(指名職員の会議への出席)
第二百六十五条の二十四 内閣総理大臣及び財務大臣がそれぞれ指名するその職員は、総会に出席し、意見を述べることができる。
(総会の議決事項)
第二百六十五条の二十五 この法律で別に定めるもののほか、次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 予算及び資金計画の決定又は変更
三 業務規程の作成又は変更
四 決算
五 解散
六 その他定款で定める事項
(総会の議事)
第二百六十五条の二十六 総会は、総会員の二分の一以上の出席がなければ、議事を開き、議決をすることができない。
2 総会の議事は、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長が決する。ただし、前条第一号、第三号及び第五号に掲げる事項に係る議事は、出席者の議決権の三分の二以上の多数で決する。
3 議長は、定款で定めるところによる。
(臨時総会)
第二百六十五条の二十七 総会員の五分の一以上から会議の目的である事項を示して請求があったときは、理事長は、臨時総会を招集しなければならない。ただし、総会員の五分の一の割合については、定款でこれと異なる割合を定めることができる。
(総会の招集)
第二百六十五条の二十七の二 総会の招集の通知は、総会の日より少なくとも五日前に、その会議の目的である事項を示し、定款で定めた方法に従ってしなければならない。
(総会の決議事項)
第二百六十五条の二十七の三 総会においては、前条の規定によりあらかじめ通知をした事項についてのみ、決議をすることができる。ただし、定款に別段の定めがあるときは、この限りでない。
(会員の議決権)
第二百六十五条の二十七の四 各会員の議決権は、平等とする。
2 総会に出席しない会員は、書面で、又は代理人によって議決をすることができる。
3 前二項の規定は、定款に別段の定めがある場合には、適用しない。
(議決権のない場合)
第二百六十五条の二十七の五 機構と特定の会員との関係について議決をする場合には、その会員は、議決権を有しない。
第六目 業務
(業務)
第二百六十五条の二十八 機構は、第二百五十九条に規定する目的を達成するため、次に掲げる業務を行うものとする。
一 第二百四十三条第三項の規定による保険管理人又は保険管理人代理の業務
二 次目の規定による負担金の収納及び管理
三 次款の規定による保険契約の移転等、保険契約の承継、保険契約の再承継及び保険契約の再移転における資金援助
四 次款の規定による承継保険会社の経営管理その他保険契約の承継に係る業務
五 次款の規定による破綻たん保険会社に係る保険契約の引受け並びに当該保険契約の引受けに係る保険契約の管理及び処分
六 次款の規定による補償対象保険金の支払に係る資金援助
七 第三款の規定による保険金請求権等の買取り
八 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四章第六節(保険契約者保護機構の権限等)及び第六章第四節(保険契約者保護機構の権限)の規定による保険契約者表の提出その他これらの規定による業務
九 破産法の規定により選任される破産管財人、保全管理人、破産管財人代理若しくは保全管理人代理、会社更生法の規定により選任される管財人、管財人代理、保全管理人、保全管理人代理若しくは監督委員、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定により選任される管財人、管財人代理、保全管理人、保全管理人代理若しくは監督委員又は外国倒産処理手続の承認援助に関する法律の規定により選任される承認管財人、保全管理人、承認管財人代理若しくは保全管理人代理の業務
十 預金保険法第百二十六条の四第三項(特別監視代行者)に規定する特別監視代行者の業務
十一 預金保険法第百二十六条の六第一項(機構代理)に規定する機構代理の業務
十二 前各号に掲げる業務に附帯する業務
2 機構は、前項各号に掲げる業務のほか、同項第三号から第七号までに掲げる業務の遂行を妨げない限度において、次に掲げる業務を行うことができる。
一 その会員に対する資金の貸付け
二 破綻たん保険会社の保険契約者等に対する資金の貸付け
三 第四款の規定による清算保険会社(清算に係る保険会社をいう。第二百七十条の八の二及び第二百七十条の八の三において同じ。)の資産の買取り
四 前三号に掲げる業務に附帯する業務
(業務の委託)
第二百六十五条の二十九 機構は、次に掲げる場合を除き、その業務を他の者に委託してはならない。
一 保険契約の管理及び処分に係る業務のうち保険料の収受その他の内閣府令・財務省令で定める業務(以下この条において「保険料収受等業務」という。)を保険会社その他の者に委託する場合
二 保険料収受等業務以外の業務を、あらかじめ内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、保険会社その他の者に委託する場合
2 保険会社は、第百条(第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、機構から保険料収受等業務又は前項第二号の認可を受けた業務の委託を受け、これらの業務を行うことができる。
(業務規程)
第二百六十五条の三十 機構は、第二百六十五条の二十八第一項各号及び第二項各号に掲げる業務(以下「資金援助等業務」という。)について、当該資金援助等業務の開始前に、資金援助等業務の実施に関する業務規程を作成し、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務規程には、資金援助に関する事項、保険契約の承継に関する事項、保険契約の引受けに関する事項、負担金の収納に関する事項、保険金請求権等の買取りに関する事項その他内閣府令・財務省令で定める事項を定めなければならない。
3 内閣総理大臣及び財務大臣は、第一項の認可をした業務規程が資金援助等業務の適正かつ確実な運営をする上で不適当なものとなったと認めるときは、その変更を命ずることができる。
(資料の提出の請求等)
第二百六十五条の三十一 機構は、この節の他の規定により資料の提出を求める場合を除くほか、その業務を行うため必要があるときは、その会員に対し、資料の提出を求めることができる。
2 前項の規定により資料の提出を求められた会員は、遅滞なく、これを提出しなければならない。
3 内閣総理大臣は、機構から要請があった場合において、機構の業務の実施のため特に必要があると認めるときは、機構に対し、資料を交付し、又はこれを閲覧させることができる。
第七目 負担金
(保険契約者保護資金)
第二百六十五条の三十二 機構は、資金援助等業務の実施に要する費用に充てるためのものとして、保険契約者保護資金を設けるものとする。
2 保険契約者保護資金は、機構の資金援助等業務の実施に要する費用に充てる場合でなければ、これを使用してはならない。
(負担金の納付)
第二百六十五条の三十三 会員は、機構の事業年度ごとに、保険契約者保護資金に充てるため、定款で定めるところにより、機構に対し、負担金を納付しなければならない。ただし、機構の当該事業年度末における保険契約者保護資金の残高が、機構の資金援助等業務に要する費用の予想額に照らし十分な額として定款で定めるところにより算定した額に達している事業年度の翌事業年度については、この限りでない。
2 機構は、次の各号に掲げる場合には、前項本文の規定にかかわらず、定款で定めるところにより、当該各号に定める保険会社に該当する会員の負担金を免除することができる。
一 第二百六十八条第一項の内閣総理大臣による認定が行われたとき。 当該認定に係る破綻たん保険会社
二 第二百六十九条第一項の内閣総理大臣による付記が行われたとき。 当該付記に係る破綻たん保険会社
三 第二百七十条第一項の内閣総理大臣による認定が行われたとき。 当該認定に係る破綻たん保険会社
四 承継保険会社が設立されたとき。 当該承継保険会社
(負担金の額)
第二百六十五条の三十四 機構の各事業年度に会員が納付すべき負担金の額は、各会員につき、次に掲げる額の合計額(定款に負担金の最低額が定められた場合において当該合計額が当該最低額を下回るときは、当該最低額に相当する額。以下この項において「年間負担額」という。)とする。ただし、機構の成立の日を含む事業年度に会員が納付すべき負担金の額は、年間負担額を十二で除し、これに機構の成立の日を含む事業年度の月数を乗じて得た額とする。
一 各会員が年間に収受した保険料の額として内閣府令・財務省令で定めるところにより算定した額に、負担金率を乗じて得た額
二 各会員の事業年度末における責任準備金その他の保険金等の支払に充てるために留保されるべき負債の額として内閣府令・財務省令で定めるところにより算定した額に、負担金率を乗じて得た額
2 前項ただし書の月数は、暦に従って計算し、一月未満の端数を生じたときは、これを一月とする。
3 第一項各号の負担金率は、総会の議決を経て、機構が定める。
4 機構は、第一項各号の負担金率を定め、又はこれを変更しようとするときは、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない。
5 第一項各号の負担金率は、次に掲げる基準に適合するように定めなければならない。
一 資金援助等業務に要する費用の予想額に照らし、長期的に機構の財政が均衡するものであること。
二 特定の会員に対し差別的取扱い(会員の経営の健全性に応じてするものを除く。)をしないものであること。
6 前項の規定は、同項第一号に掲げる基準に適合するように負担金率を定めることとした場合には、これによる負担金の納付によって会員の経営の健全性が維持されなくなるときにおいて、当該基準に適合しない負担金率を一時的に定めることを妨げるものと解してはならない。
(延滞金)
第二百六十五条の三十五 会員は、負担金を定款で定められた納期限までに納付しない場合には、機構に対し、延滞金を納付しなければならない。
2 延滞金の額は、未納の負担金の額に納期限の翌日からその納付の日までの日数に応じ年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した金額とする。
第八目 財務及び会計
(事業年度)
第二百六十五条の三十六 機構の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。ただし、機構の成立の日を含む事業年度は、その成立の日からその後最初の三月三十一日までとする。
(予算等)
第二百六十五条の三十七 第二百六十二条第二項第一号に掲げる免許の種類に属する免許を受けた保険会社をその会員とする機構(以下この項及び第二百六十五条の四十二の二において「生命保険契約者保護機構」という。)は、毎事業年度、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に(生命保険契約者保護機構の成立の日を含む事業年度にあっては、成立後遅滞なく)、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 第二百六十二条第二項第二号に掲げる免許の種類に属する免許を受けた保険会社をその会員とする機構(以下この項において「損害保険契約者保護機構」という。)は、毎事業年度、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に(損害保険契約者保護機構の成立の日を含む事業年度にあっては、成立後遅滞なく)、内閣総理大臣及び財務大臣に提出しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
(財務諸表等の承認等)
第二百六十五条の三十八 理事長は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従う決算報告書(次項及び次条において「財務諸表等」という。)を作成し、当該事業年度の終了後最初に招集する通常総会の開催日の四週間前までに、監事に提出しなければならない。
2 理事長は、監事の意見書を添えて前項の財務諸表等を同項の通常総会に提出し、その承認を求めなければならない。
第二百六十五条の三十九 機構は、毎事業年度、前条第二項の通常総会の承認を受けた財務諸表等を、当該事業年度の終了後三月以内に内閣総理大臣及び財務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 機構は、前項の規定により財務諸表等を内閣総理大臣及び財務大臣に提出するときは、これに、財務諸表等に関する監事の意見書を添付しなければならない。
3 機構は、第一項の規定による内閣総理大臣及び財務大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を官報に公告し、かつ、財務諸表等、附属明細書及び前項の監事の意見書を、各事務所に備え置き、内閣府令・財務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
(区分経理)
第二百六十五条の四十 機構は、保険契約の引受けに係る保険契約の管理及び処分に係る業務(これに附帯する業務を含む。)に関する経理については、他の経理と区分し、保険契約の引受けに係る破綻たん保険会社ごとに、特別の勘定(以下「保険特別勘定」という。)を設けて整理しなければならない。
(保険特別勘定の廃止)
第二百六十五条の四十一 機構は、その会員である破綻たん保険会社に係る保険契約の引受けをした場合において、当該保険契約の引受けに係るすべての保険契約につき、その終了、移転その他の事由により管理する必要がなくなったときは、当該破綻たん保険会社について設けた保険特別勘定を廃止するものとする。
2 機構は、前項の規定により保険特別勘定を廃止したときは、当該保険特別勘定に属する資産及び負債を一般勘定(機構の保険特別勘定(第二百七十条の六第二項の規定により機構を保険会社とみなして適用する第百十八条第一項に規定する特別勘定を含む。)以外の勘定をいう。第二百七十条の五において同じ。)に帰属させるものとする。
(借入金)
第二百六十五条の四十二 機構は、資金援助等業務を行うため必要があると認めるときは、政令で定める金額の範囲内において、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、保険会社又は内閣府令・財務省令で定める金融機関から資金の借入れ(借換えを含む。)をすることができる。
(政府保証)
第二百六十五条の四十二の二 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、生命保険契約者保護機構の前条の借入れに係る債務の保証をすることができる。
(余裕金の運用)
第二百六十五条の四十三 機構の業務上の余裕金は、保険特別勘定に属するものを除き、次の方法により運用しなければならない。
一 国債その他内閣総理大臣及び財務大臣の指定する有価証券の保有
二 内閣総理大臣及び財務大臣の指定する金融機関への預金
三 その他内閣府令・財務省令で定める方法
(内閣府令・財務省令への委任)
第二百六十五条の四十四 第二百六十五条の三十六から前条までに規定するもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、内閣府令・財務省令で定める。
第九目 監督
(監督)
第二百六十五条の四十五 機構は、内閣総理大臣及び財務大臣が監督する。
2 内閣総理大臣及び財務大臣は、この節の規定を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、監督上必要な命令をすることができる。
3 内閣総理大臣及び財務大臣は、機構の役員が、この法律、この法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は定款若しくは業務規程に違反する行為をしたときは、当該機構に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。この場合において、機構が総会の議決を経て当該役員を解任したときは、その解任は、第二百六十五条の十五第二項の規定にかかわらず、総会の議決があったときにその効力を生ずるものとする。
(報告及び立入検査)
第二百六十五条の四十六 内閣総理大臣及び財務大臣は、この節の規定の施行に必要な限度において、機構に対し、その業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、機構の事務所に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
(設立の認可の取消し)
第二百六十五条の四十七 内閣総理大臣及び財務大臣は、機構が次の各号のいずれかに該当するときは、第二百六十五条の九第二項の設立の認可を取り消すことができる。
一 この法律、この法律に基づく命令又は当該機構の定款若しくは業務規程に違反したとき。
二 第二百六十五条の三十第三項又は第二百六十五条の四十五第二項若しくは第三項前段の規定による処分に違反したとき。
三 その業務又は財産の状況によりその業務の継続が困難であると認めるとき。
四 公益を害する行為をしたとき。
第十目 雑則
(解散)
第二百六十五条の四十八 機構は、次に掲げる事由によって解散する。
一 総会の決議
二 前条の規定による設立の認可の取消し
2 前項第一号に掲げる事由による解散は、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 機構は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、内閣府令・財務省令で定めるところにより、当該残余財産をその会員がそれぞれ加入することとなる他の機構に帰属させなければならない。
4 前項に定めるもののほか、機構の解散に関する所要の措置は、合理的に必要と判断される範囲内において、政令で定めることができる。
第二款 資金援助等
第一目 資金援助の申込み等
(保険契約の移転等における資金援助の申込み)
第二百六十六条 救済保険会社又は救済保険持株会社等は、破綻たん保険会社が会員として加入している機構(以下この款及び次款において「加入機構」という。)が、保険契約の移転等について資金援助を行うことを、当該破綻たん保険会社と連名で当該加入機構に申し込むことができる。
2 加入機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、同項の申込みをした救済保険会社又は救済保険持株会社等及び破綻たん保険会社その他の関係者に対し、資料の提出を求めることができる。
3 第一項に規定する資金援助のうち資産の買取りは、保険契約の移転等に係る破綻たん保険会社の資産について行うものとする。
(保険契約の承継等の申込み)
第二百六十七条 破綻たん保険会社は、救済保険会社又は救済保険持株会社等が現れる見込みがないことその他の理由により保険契約の移転等を行うことが困難な場合として内閣府令・財務省令で定める場合には、加入機構に対して、保険契約の承継又は保険契約の引受け(以下「保険契約の承継等」という。)を申し込むことができる。
2 破綻たん保険会社は、前項の申込みを行う場合においては、保険契約の移転等に関する他の保険会社又は保険持株会社等との交渉の内容を示す資料その他の内閣府令・財務省令で定める資料を加入機構に提出しなければならない。
3 破綻たん保険会社は、第一項の規定による保険契約の承継の申込みを行うときは、加入機構が当該保険契約の承継について資金援助(金銭の贈与又は資産の買取りに限る。)を行うことを、併せて当該加入機構に申し込むことができる。
4 前条第二項及び第三項の規定は、前項の資金援助について準用する。この場合において、同条第二項中「救済保険会社又は救済保険持株会社等及び破綻たん保険会社」とあるのは、「破綻たん保険会社」と読み替えるものとする。
(保険契約の移転等における適格性の認定)
第二百六十八条 第二百六十六条第一項の場合においては、保険契約の移転等を行う破綻たん保険会社及び救済保険会社又は破綻たん保険会社及び救済保険持株会社等は、同項の申込みが行われる時までに、当該保険契約の移転等について、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。
2 前項の認定の申請は、同項の破綻たん保険会社及び救済保険会社又は破綻たん保険会社及び救済保険持株会社等の連名で行わなければならない。
3 内閣総理大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、第一項の認定を行うことができる。
一 当該保険契約の移転等が行われることが、保険契約者等の保護に資すること。
二 加入機構による資金援助が行われることが、当該保険契約の移転等が円滑に行われるために不可欠であること。
三 当該保険契約の移転等に係る破綻たん保険会社について、保険契約の移転等が行われることなく、その業務の全部の廃止又は解散が行われる場合には、保険業に対する信頼性が損なわれるおそれがあること。
4 内閣総理大臣は、第一項の認定を行ったときは、その旨を加入機構に通知しなければならない。
5 加入機構は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その旨を財務大臣に報告しなければならない。
6 破綻たん保険会社の株式を取得しようとする会社が、当該株式の取得により保険会社を子会社とする持株会社になることについて、第二百七十一条の十八第一項の認可(以下この項において「持株会社認可」という。)の申請をしている場合には、内閣総理大臣は、当該会社について持株会社認可をした後でなければ、第一項の規定による認定を行うことができない。
(保険契約の移転等における適格性の認定の特例)
第二百六十九条 内閣総理大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、第二百五十六条第一項の勧告に、前条第一項の規定にかかわらず、第二百六十六条第一項の申込みを行うことができる旨を付記することができる。
一 第二百五十六条第一項の勧告に係る破綻たん保険会社の業務の全部の廃止又は解散が前条第三項第三号に掲げる要件に該当すること。
二 加入機構による資金援助が行われることが当該勧告に係る保険契約の移転等を行うために不可欠なものであること。
2 前条第四項及び第五項の規定は、前項の付記をした場合について準用する。
(保険契約の承継等における適格性の認定)
第二百七十条 第二百六十七条第一項の場合においては、破綻たん保険会社は、同項の申込みが行われる時までに、同項の保険契約の承継等について、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。
2 内閣総理大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、前項の認定を行うことができる。
一 保険契約の承継等が行われることが、保険契約者等の保護に資すること。
二 加入機構に対して保険契約の承継等の申込みを行う破綻たん保険会社について、当該保険契約の承継等が行われることなく、その業務の全部の廃止又は解散が行われる場合には、保険業に対する信頼性が損なわれるおそれがあること。
三 第二百六十七条第三項の規定による資金援助の申込みが行われる場合においては、当該資金援助が行われることが当該保険契約の承継が円滑に行われるために不可欠であること。
3 内閣総理大臣は、第一項の認定を行ったときは、その旨を加入機構に通知しなければならない。
4 加入機構は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その旨を財務大臣に報告しなければならない。
(破綻たん保険会社の財産の評価)
第二百七十条の二 第二百六十六条第一項又は第二百六十七条第一項の申込みを行う破綻たん保険会社は、その申込みと同時に、又はその申込み後遅滞なく、自ら行ったその財産(外国保険会社等にあっては、日本に所在する財産。以下この款において同じ。)の評価(次項及び第四項において「財産自己評価」という。)が適切であることについて加入機構の確認を求めなければならない。
2 加入機構は、審査会の議を経て、前項の確認を求められた財産自己評価が適切であると判定したときは、当該財産自己評価が適切であることを確認した旨を当該申請をした破綻たん保険会社に通知するものとする。
3 加入機構は、前項の判定をするため必要があると認めるときは、当該申請をした破綻たん保険会社の財産を評価するための調査をすることができる。
4 加入機構は、審査会の議を経て、第一項の確認を求められた財産自己評価が適切でないと判定したときは、その旨を当該申請をした破綻たん保険会社に通知するとともに、当該破綻たん保険会社の財産を評価するための調査をするものとする。
5 加入機構は、審査会の議を経て、前項の規定による調査に基づく評価が適切であることを確認した後、その評価の内容を当該申請をした破綻たん保険会社に通知するものとする。
6 加入機構は、第二項又は前項の通知をしたときは、直ちに、その通知に係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(保険契約の移転等における資金援助)
第二百七十条の三 加入機構は、第二百六十六条第一項の申込みをした破綻たん保険会社に対して前条第二項又は第五項の通知をした後、遅滞なく、委員会の議を経て、当該申込みに係る資金援助を行うかどうかを決定しなければならない。
2 前項の規定による資金援助(金銭の贈与に限る。)の額は、当該資金援助に係る破綻たん保険会社につき、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した残額に第三号に掲げる額を加算して得られた額に相当する金額とする。
一 当該破綻たん保険会社に係る保険契約のうち内閣府令・財務省令で定める保険契約に該当するもの(以下「補償対象契約」という。)に係る責任準備金その他の保険金等の支払に充てるために留保されるべき負債として内閣府令・財務省令で定めるもの(次号及び第二百七十条の五第二項において「特定責任準備金等」という。)の額に、補償対象契約の種類、予定利率その他の内容等を勘案して内閣府令・財務省令で定める率を乗じて得た額
二 当該破綻たん保険会社の前条第二項又は第五項の規定による確認がされた財産の評価(第二百七十条の五第二項において「確認財産評価」という。)に基づく資産の価額のうち、補償対象契約に係る特定責任準備金等に見合うものとして内閣府令・財務省令で定めるところにより計算した額
三 当該破綻たん保険会社に係る保険契約の移転等に要すると見込まれる費用として内閣府令・財務省令で定めるものに該当する費用の額のうち、当該資金援助に係る保険契約の移転等の円滑な実施のために必要であると加入機構が認めた額
3 加入機構は、第一項の決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項として内閣府令・財務省令で定めるものを内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
4 加入機構は、第一項の規定により資金援助を行うことを決定したときは、当該資金援助の申込みを行った保険会社又は保険持株会社等のうち当該資金援助の当事者となるものと、当該資金援助に関する契約を締結するものとする。
5 前項の契約に係る資金援助のうちに損害担保が含まれているときは、当該契約に係る救済保険会社又は救済保険持株会社等は、当該契約において、当該損害担保に係る資産について利益が生じたときは当該利益の額の全部又は一部を当該契約に係る加入機構に納付し、又は当該保険契約の移転等により当該資産を有することとなる者をして当該契約に係る加入機構に納付させるための措置を講ずる旨を約するものとする。
第二目 保険契約の承継
(保険契約の承継)
第二百七十条の三の二 加入機構は、第二百六十七条第一項の規定による保険契約の承継の申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、当該申込みに係る第六項各号に掲げる決定を行う前に、内閣総理大臣に対して第二百五十六条第一項の規定による措置をとることを求めることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により第二百五十六条第一項の規定による措置をとることを求められたときは、遅滞なく、当該措置をとることができるかどうか、及び当該措置をとることとする場合には、そのとるべき措置の内容を加入機構に通知するものとする。
3 加入機構は、前項の規定による内閣総理大臣の通知の内容が第二百五十六条第一項の規定による措置をとるものであったときは、第六項各号に掲げる決定に係る手続の実施を停止するものとする。ただし、第二百七十条の二の規定による確認の手続については、この限りでない。
4 内閣総理大臣が第一項の規定により第二百五十六条第一項の規定による措置をとった場合において、第二百六十七条第一項の規定による保険契約の承継の申込みを行った破綻たん保険会社が、合併等に係る協議を調えたときは、当該破綻たん保険会社は、遅滞なく、当該申込みを取り下げなければならない。
5 前項に規定する場合において、合併等に係る協議が調わないこととなったときは、同項の破綻たん保険会社は、遅滞なく、その旨を加入機構に通知しなければならない。
6 加入機構は、内閣総理大臣に対して第一項の規定による求めをする必要がないと認めたとき、第二項の規定による内閣総理大臣の通知の内容が第二百五十六条第一項の規定による措置をとることができないとするものであったとき、又は前項の規定による通知があったときは、速やかに、委員会の議を経て、第一項の申込みに係る第一号及び第二号に掲げる決定又は第二号に掲げる決定をしなければならない。
一 加入機構が破綻たん保険会社から保険契約を引き継ぐため保険契約の移転又は合併を行う承継保険会社を機構の子会社として設立する旨の決定
二 承継保険会社が破綻たん保険会社から保険契約を引き継ぐため保険契約の移転又は合併を行うべき旨の決定
7 加入機構は、第二百六十七条第三項の申込みを受けた場合において、当該申込みに係る保険契約の承継について前項の決定をするときは、委員会の議を経て、併せて当該申込みに係る資金援助を行うかどうかを決定しなければならない。
8 前条第二項の規定は前項の規定による資金援助(金銭の贈与に限る。)の額について、同条第三項の規定は加入機構が前二項の決定をした場合について、同条第四項の規定は加入機構が前項の規定により資金援助を行うことを決定した場合について、それぞれ準用する。この場合において、同条第二項中「保険契約の移転等」とあるのは「保険契約の承継」と、同条第四項中「保険会社又は保険持株会社等のうち当該資金援助の当事者となるもの」とあるのは「破綻たん保険会社」と読み替えるものとする。
9 第一項の申込みに係る破綻たん保険会社は、加入機構が第六項各号に掲げる決定をしたときは、当該決定に係る承継保険会社と保険契約の全部若しくは一部に係る保険契約の移転又は合併をすることができる。
(承継保険会社の設立等)
第二百七十条の三の三 加入機構は、前条第六項第一号に掲げる決定をしたときは、当該決定に係る出資の内容について委員会の議を経て、承継保険会社となる株式会社の設立の発起人となり、及び当該設立の発起人となった株式会社を機構の子会社として設立するための出資をしなければならない。
2 加入機構は、前項に規定する場合のほか、承継保険会社に対する出資を行おうとするときは、委員会の議を経なければならない。
3 加入機構は、前二項に規定する出資をしたときは、速やかに、その内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(承継保険会社の経営管理)
第二百七十条の三の四 機構は、承継保険会社(当該機構が設立したものに限る。以下この条、第二百七十条の三の六及び第二百七十条の三の十において同じ。)が次に掲げる事項を適確に実施できるようその経営管理を行わなければならない。
一 第二百七十条の三の二第六項第二号に掲げる決定があったときは、当該決定の対象とされた破綻たん保険会社から保険契約を引き継ぐため保険契約の移転又は合併を行うこと。
二 保険契約の管理及び処分その他の業務の実施に際しては、次項の指針に従うこと。
2 機構は、承継保険会社の保険契約の管理及び処分その他の業務についての指針を作成し、内閣総理大臣の承認を受けた後、公表しなければならない。
3 機構は、承継保険会社に対し、その経営に必要な指導及び助言を行うことができる。
4 機構は、承継保険会社の株式の譲渡その他の処分を行ったときは、速やかに、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(会社法第四百六十七条の不適用)
第二百七十条の三の五 会社法第四百六十七条第一項第五号(事業譲渡等の承認等)の規定は、機構が承継保険会社の発行済株式の全部を所有する場合における第二百七十条の二第二項又は第五項の規定による確認がされた財産については、適用しない。
(承継協定)
第二百七十条の三の六 機構は、承継保険会社と次に掲げる事項を含む協定(以下「承継協定」という。)を締結するものとする。
一 承継協定を締結した承継保険会社(以下「協定承継保険会社」という。)は、第二百七十条の三の四第一項各号に掲げる事項を実施すること。
二 協定承継保険会社は、機構が当該協定承継保険会社の資産の買取りを行うことを機構に申し込むことができること。
三 協定承継保険会社は、第二百七十条の三の八第一項に規定する債務の保証の対象となる資金の借入れに関する契約の締結をしようとするときは、当該締結をしようとする契約の内容についての機構の承認を受けること。
2 機構は、承継協定を締結したときは、直ちに、その承継協定の内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(資産の買取り)
第二百七十条の三の七 機構は、前条第一項第二号の申込みを受けたときは、遅滞なく、審査会及び委員会の議を経て、当該申込みに係る資産の買取りを行うかどうかを決定しなければならない。
2 機構は、前項の規定による決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
3 機構は、第一項の規定により資産の買取りを行うことを決定したときは、当該資産の買取りの申込みを行った協定承継保険会社と当該資産の買取りに関する契約を締結するものとする。
(資金の貸付け及び債務の保証)
第二百七十条の三の八 機構は、協定承継保険会社から、協定承継保険会社の業務の円滑な実施のために必要とする資金について、その資金の貸付け又は協定承継保険会社によるその資金の借入れに係る債務の保証の申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議を経て、当該貸付け又は債務の保証を行うことができる。
2 機構は、前項の規定により協定承継保険会社との間で同項の貸付け又は債務の保証に係る契約を締結したときは、直ちに、その契約内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(損失の補てん)
第二百七十条の三の九 機構は、承継協定の定めによる業務の実施により協定承継保険会社に生じた損失の額として政令で定めるところにより計算した金額があるときは、委員会の議を経て、当該金額の範囲内において、当該損失の補てんを行うことができる。
(報告の徴求)
第二百七十条の三の十 機構は、この目の規定による業務を行うため必要があるときは、承継保険会社に対し、承継協定の実施又は財務の状況に関し報告を求めることができる。
(保険契約の再承継における資金援助の申込み)
第二百七十条の三の十一 再承継保険会社又は再承継保険持株会社等(保険契約の再承継を行う保険持株会社等をいう。以下同じ。)は、その行おうとする保険契約の再承継に係る承継保険会社を設立した機構(以下「設立機構」という。)が当該保険契約の再承継について資金援助(損害担保に限る。)を行うことを、当該承継保険会社と連名で当該設立機構に申し込むことができる。
2 設立機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、同項の申込みをした再承継保険会社又は再承継保険持株会社等及び承継保険会社その他の関係者に対し、資料の提出を求めることができる。
(保険契約の再承継における適格性の認定等)
第二百七十条の三の十二 前条第一項の場合においては、当該保険契約の再承継を行う承継保険会社及び再承継保険会社又は承継保険会社及び再承継保険持株会社等は、同項の申込みが行われる時までに、当該保険契約の再承継について、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。
2 第二百六十八条第二項から第六項まで(第三項第三号を除く。)の規定は、前項の認定について準用する。この場合において、同条第二項中「破綻たん保険会社及び救済保険会社又は破綻たん保険会社及び救済保険持株会社等」とあるのは「承継保険会社及び再承継保険会社又は承継保険会社及び再承継保険持株会社等」と、同条第三項中「保険契約の移転等」とあるのは「保険契約の再承継」と、「加入機構」とあるのは「設立機構」と、同条第四項及び第五項中「加入機構」とあるのは「設立機構」と、同条第六項中「破綻たん保険会社」とあるのは「承継保険会社」と読み替えるものとする。
3 第二百七十条の二の規定は、前条第一項の申込みが行われる場合について準用する。この場合において、第二百七十条の二中「破綻たん保険会社」とあるのは「承継保険会社」と、「加入機構」とあるのは「設立機構」と、同条第一項中「その財産(外国保険会社等にあっては、日本に所在する財産。以下この款において同じ。)」とあるのは「その財産」と読み替えるものとする。
(保険契約の再承継の協議の相手方の指定等)
第二百七十条の三の十三 内閣総理大臣は、承継保険会社が保険契約の再承継に係る協議をすべき相手方として他の保険会社又は保険持株会社等を指定し、当該他の保険会社又は保険持株会社等にその協議に応ずるよう勧告することができる。
2 第二百五十六条第二項及び第三項並びに第二百五十七条の規定は、前項の勧告について準用する。この場合において、第二百五十六条第二項中「破綻たん保険会社又は破綻たん保険会社となる蓋がい然性が高いと認められる保険会社」とあるのは「同項の承継保険会社」と、同条第三項中「破綻たん保険会社又は破綻たん保険会社となる蓋がい然性が高いと認められる保険会社が会員として加入している保険契約者保護機構」とあるのは「第二百七十条の三の十三第一項の承継保険会社を設立した保険契約者保護機構」と、第二百五十七条第一項中「破綻たん保険会社」とあるのは「承継保険会社」と読み替えるものとする。
3 内閣総理大臣は、設立機構による資金援助が行われることが第一項の勧告に係る保険契約の再承継を行うために不可欠であると認めるときに限り、当該勧告に、前条第一項の規定にかかわらず、第二百七十条の三の十一第一項の申込みを行うことができる旨を付記することができる。
4 第二百六十八条第四項及び第五項の規定は、前項の付記をした場合について準用する。
(保険契約の再承継における資金援助)
第二百七十条の三の十四 設立機構は、第二百七十条の三の十一第一項の申込みをした承継保険会社に対して第二百七十条の三の十二第三項において準用する第二百七十条の二第二項又は第五項の通知をした後、遅滞なく、委員会の議を経て、当該申込みに係る資金援助を行うかどうかを決定しなければならない。
2 第二百七十条の三第三項の規定は設立機構が前項の決定をした場合について、同条第四項の規定は設立機構が前項の規定により資金援助を行うことを決定した場合について、同条第五項の規定はこの項において準用する同条第四項の契約を締結する再承継保険会社又は再承継保険持株会社等について、それぞれ準用する。この場合において、同条第五項中「保険契約の移転等」とあるのは「保険契約の再承継」と、「加入機構」とあるのは「設立機構」と読み替えるものとする。
第三目 保険契約の引受け
(保険契約の引受け)
第二百七十条の四 加入機構は、第二百六十七条第一項の規定による保険契約の引受けの申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、当該申込みに係る保険契約の引受けを行う前に、内閣総理大臣に対して第二百五十六条第一項の規定による措置をとることを求めることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により第二百五十六条第一項の規定による措置をとることを求められたときは、遅滞なく、当該措置をとることができるかどうか、及び当該措置をとることとする場合には、そのとるべき措置の内容を加入機構に通知するものとする。
3 加入機構は、前項の規定による内閣総理大臣の通知の内容が第二百五十六条第一項の規定による措置をとるものであったときは、保険契約の引受けに係る手続の実施を停止するものとする。ただし、第二百七十条の二の規定による確認の手続については、この限りでない。
4 内閣総理大臣が第一項の規定により第二百五十六条第一項の規定による措置をとった場合において、第二百六十七条第一項の規定による保険契約の引受けの申込みを行った破綻たん保険会社が、合併等に係る協議を調えたときは、当該破綻たん保険会社は、遅滞なく、当該申込みを取り下げなければならない。
5 前項に規定する場合において、合併等に係る協議が調わないこととなったときは、同項の破綻たん保険会社は、遅滞なく、その旨を加入機構に通知しなければならない。
6 加入機構は、内閣総理大臣に対して第一項の規定による求めをする必要がないと認めたとき、第二項の規定による内閣総理大臣の通知の内容が第二百五十六条第一項の規定による措置をとることができないとするものであったとき、又は前項の規定による通知があったときは、速やかに、委員会の議を経て、第一項の申込みに係る保険契約の引受けに関する契約を締結する日を決定しなければならない。
7 第二百七十条の三第三項の規定は、加入機構が前項の決定をした場合について準用する。
8 第一項の申込みに係る破綻たん保険会社は、加入機構が第六項の規定による決定をしたときは、加入機構との保険契約の引受けに関する契約により、当該加入機構に対し、保険契約の全部又は一部に係る保険契約の移転をすることができる。
9 第百三十五条第二項から第四項まで、第百三十六条、第百三十六条の二、第百三十七条(第一項ただし書及び第五項を除く。)から第百四十条(第二項ただし書を除く。)まで、第百五十五条、第二百十条及び第二百五十条から第二百五十三条までの規定は、保険契約の引受けに係る破綻たん保険会社からの加入機構への保険契約の移転について準用する。この場合において、第百三十五条第二項中「前項」とあり、並びに同条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「第二百七十条の四第八項」と、第百三十六条第一項中「前条第一項」とあるのは「第二百七十条の四第八項」と、「移転会社及び移転先会社(外国保険会社等を除く。)」とあるのは「移転会社」と、「以下この章、次章及び第十章」とあるのは「第二百五十条第四項」と、同条第三項中「移転会社及び移転先会社」とあるのは「移転会社」と、「前条第一項」とあるのは「第二百七十条の四第八項」と、第百三十七条第一項中「第百三十五条第一項」とあるのは「第二百七十条の四第八項」と、「移転先会社」とあるのは「当該保険会社が会員として加入している保険契約者保護機構(次条第一項、第百四十条、第百五十五条及び第二百五十二条において「加入機構」という。)」と、「公告するとともに、移転対象契約者にこれらの事項を通知しなければ」とあるのは「公告しなければ」と、同条第三項中「十分の一(保険契約の全部に係る保険契約の移転である場合にあっては、五分の一)」とあるのは「五分の一」と、第百三十八条第一項中「移転先会社」とあるのは「加入機構」と、「第百三十五条第一項」とあるのは「第二百七十条の四第八項」と、第百三十九条第二項中「次に掲げる基準」とあるのは「第一号及び第三号に掲げる基準」と、第百四十条第二項中「移転先会社」とあるのは「加入機構」と、「第百三十五条第一項」とあるのは「第二百七十条の四第八項」と、「同条第四項」とあるのは「同条第九項において準用する第百三十五条第四項」と、同条第三項中「第百三十五条第一項」とあるのは「第二百七十条の四第八項」と、「移転先会社」とあるのは「加入機構」と、第百五十五条第一号中「第百三十五条第一項(第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。)に規定する移転先会社(外国保険会社等を除く。)の株主総会等の議事録」とあるのは「加入機構の総会の議事録」と、第二百十条第一項中「第百三十五条第一項の契約に係る契約書(以下この節において「移転契約書」という。)」とあるのは「第二百七十条の四第八項の契約に係る契約書(以下この節において「移転契約書」という。)」と、第二百五十条第一項中「第百三十五条第一項(第二百十条第一項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。)」とあるのは「第二百七十条の四第八項」と、「第二百六十八条第一項又は第二百七十条第一項」とあるのは「第二百七十条第一項」と、「同条第三項に規定する救済保険会社」とあるのは「当該破綻たん保険会社が会員として加入している保険契約者保護機構」と、同条第四項中「第百三十五条第一項」とあるのは「第二百七十条の四第八項」と、第二百五十二条中「第百三十五条第一項(第二百十条第一項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)」とあるのは「第二百七十条の四第八項」と、「第百三十五条第一項に規定する移転先会社」とあるのは「加入機構」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(保険契約の引受けに係る保険特別勘定への繰入れ等)
第二百七十条の五 加入機構は、前条の規定により保険契約の引受けをしたときは、当該保険契約の引受けに係る保険契約の移転とともに譲り受けた当該保険契約の引受けに係る破綻たん保険会社の財産を、当該破綻たん保険会社について設けた保険特別勘定において受け入れるものとする。
2 加入機構は、前条の規定により保険契約の引受けをしたときは、当該保険契約の引受けに係る破綻たん保険会社につき、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した残額に相当する金額を、一般勘定から当該破綻たん保険会社について設けた保険特別勘定に繰り入れるものとする。
一 当該破綻たん保険会社に係る補償対象契約に係る特定責任準備金等の額に、当該補償対象契約の種類、予定利率その他の内容等を勘案して内閣府令・財務省令で定める率を乗じて得た額
二 当該破綻たん保険会社の確認財産評価に基づく資産の価額のうち、補償対象契約に係る特定責任準備金等に見合うものとして内閣府令・財務省令で定めるところにより計算した額
3 加入機構は、前条の規定により保険契約の引受けをしたときは、当該保険契約の引受けに係る破綻たん保険会社の第四条第二項第二号から第四号までに掲げる書類を引き継ぐものとする。
4 加入機構は、前条の規定による保険契約の引受けに係る保険契約の管理及び処分に係る業務(これに附帯する業務を含む。)の実施によりその保険特別勘定に生じた損失の額として政令で定めるところにより計算した金額があるときは、委員会の議を経て、当該金額の範囲内において、一般勘定から当該保険特別勘定への繰入れをすることができる。
(機構が保険業を行う場合のこの法律の適用関係)
第二百七十条の六 機構は、第三条第一項の規定にかかわらず、第二百七十条の四第八項の規定に基づき締結した保険契約の引受けに関する契約により移転を受けた保険契約の管理及び処分に必要な範囲内において、保険業を行うことができる。
2 機構が前項の規定により保険業を行う場合におけるこの法律の適用については、次に定めるところによる。
一 第九条第一項(第一号に係る部分に限る。)、第九十七条、第九十七条の二第一項及び第二項、第九十八条、第二編第五章(第百九条、第百十三条及び第百十四条を除く。)、第百二十三条から第百二十五条まで、第百三十一条、同編第七章第一節及び第三節並びに第三百九条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、機構を保険会社とみなす。この場合において、第九十七条第一項中「第三条第二項」とあるのは「第二百六十条第九項に規定する保険契約の引受けに係る同条第二項に規定する破綻たん保険会社」と、第九十八条第一項中「次に掲げる業務その他の業務」とあるのは「第一号及び第二号に掲げる業務」と、第百二十条第一項並びに第百二十一条第一項及び第二項中「取締役会」とあるのは「保険契約者保護機構の理事長」と、第百三十六条第一項中「又は社員総会(総代会を設けているときは、総代会)(以下この章、次章及び第十章において「株主総会等」という。)」とあるのは「、社員総会(総代会を設けているときは、総代会)又は保険契約者保護機構の総会(第百四十四条第二項及び第百四十九条第一項において「株主総会等」という。)」と、第百三十六条の二第一項中「移転会社の取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)」とあるのは「保険契約者保護機構の理事」と、「前条第一項の株主総会等の会日の二週間前から」とあるのは「第二百七十条の六第二項第一号の規定により読み替えて適用される前条第一項の保険契約者保護機構の総会の会日から」とする。
二 第百一条から第百五条までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、その会員であった保険契約の引受けに係る破綻たん保険会社が受けていた免許が第二百六十二条第二項第二号に掲げる免許の種類に属するものである場合における機構を損害保険会社とみなす。
三 第百十四条の規定の適用については、機構を保険会社である株式会社とみなす。
3 機構が、第一項の規定により保険業を行う場合には、自動車損害賠償保障法その他の政令で定める法令の適用については、政令で定めるところにより、当該機構を保険会社又は会員の免許の種類に応じ生命保険会社若しくは損害保険会社とみなす。
(保険契約の再移転における資金援助の申込み)
第二百七十条の六の二 再移転先保険会社は、その行おうとする保険契約の再移転に係る保険契約の引受けをした機構(以下「引受機構」という。)が当該保険契約の再移転について資金援助(損害担保に限る。)を行うことを、当該引受機構に申し込むことができる。
2 引受機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、同項の申込みをした再移転先保険会社その他の関係者に対し、資料の提出を求めることができる。
(保険契約の再移転における適格性の認定)
第二百七十条の六の三 前条第一項の場合においては、当該保険契約の再移転を行う引受機構及び再移転先保険会社は、同項の申込みが行われる時までに、当該保険契約の再移転について、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。
2 第二百六十八条第二項から第五項まで(第三項第三号を除く。)の規定は、前項の認定について準用する。この場合において、同条第二項中「破綻たん保険会社及び救済保険会社又は破綻たん保険会社及び救済保険持株会社等」とあるのは「引受機構及び再移転先保険会社」と、同条第三項中「保険契約の移転等」とあるのは「保険契約の再移転」と、「加入機構」とあるのは「引受機構」と、同条第四項及び第五項中「加入機構」とあるのは「引受機構」と読み替えるものとする。
(保険契約の再移転の協議の相手方の指定等)
第二百七十条の六の四 内閣総理大臣は、引受機構が保険契約の再移転に係る協議をすべき相手方として保険会社を指定し、当該保険会社にその協議に応ずるよう勧告することができる。
2 第二百五十六条第二項及び第三項並びに第二百五十七条の規定は、前項の勧告について準用する。この場合において、第二百五十六条第二項中「破綻たん保険会社又は破綻たん保険会社となる蓋がい然性が高いと認められる保険会社」とあるのは「同項の引受機構」と、「他の保険会社又は保険持株会社等」とあるのは「保険会社」と、同条第三項中「破綻たん保険会社又は破綻たん保険会社となる蓋がい然性が高いと認められる保険会社が会員として加入している保険契約者保護機構」とあるのは「第二百七十条の六の四第一項の引受機構」と、第二百五十七条第一項中「破綻たん保険会社」とあるのは「引受機構」と、「他の保険会社又は保険持株会社等」とあるのは「保険会社」と読み替えるものとする。
3 内閣総理大臣は、引受機構による資金援助が行われることが第一項の勧告に係る保険契約の再移転を行うために不可欠であると認めるときに限り、当該勧告に、前条第一項の規定にかかわらず、第二百七十条の六の二第一項の申込みを行うことができる旨を付記することができる。
4 第二百六十八条第四項及び第五項の規定は、前項の付記をした場合について準用する。
(保険契約の再移転における資金援助)
第二百七十条の六の五 引受機構は、第二百七十条の六の二第一項の規定による申込みを受けたときは、遅滞なく、審査会及び委員会の議を経て、当該申込みに係る資金援助を行うかどうかを決定しなければならない。
2 第二百七十条の三第三項の規定は引受機構が前項の決定をした場合について、同条第四項の規定は引受機構が前項の規定により資金援助を行うことを決定した場合について、それぞれ準用する。この場合において、同条第四項中「保険会社又は保険持株会社等のうち当該資金援助の当事者となるもの」とあるのは、「再移転先保険会社」と読み替えるものとする。
3 前項において準用する第二百七十条の三第四項の契約を締結する再移転先保険会社は、当該契約において、当該契約に係る損害担保に係る資産について利益が生じたときは当該利益の額の全部又は一部を当該契約に係る引受機構に納付する旨を約するものとする。
第四目 補償対象保険金の支払に係る資金援助
(補償対象保険金の支払に係る資金援助の申込み)
第二百七十条の六の六 次に掲げる保険会社(第四款までにおいて「特定保険会社」という。)は、加入機構が補償対象保険金の支払に係る資金援助(金銭の贈与に限る。)を行うことを、当該加入機構に申し込むことができる。
一 第二百四十一条第一項の規定によりその業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられ、又は第二百四十五条(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、第二百五十条第五項(第二百七十条の四第九項において準用する場合を含む。)、第二百五十四条第四項若しくは第二百五十五条の二第三項の規定によりその業務を停止し、保険契約に係る支払を停止している保険会社
二 裁判所に破産手続又は更生手続が係属し、保険契約に係る支払を停止している保険会社
2 加入機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、同項の申込みをした特定保険会社その他の関係者に対し、資料の提出を求めることができる。
(補償対象保険金の支払に係る資金援助)
第二百七十条の六の七 加入機構は、前条第一項の申込みを受けたときは、遅滞なく、委員会の議を経て、当該申込みに係る補償対象保険金の支払に係る資金援助を行うかどうかを決定しなければならない。
2 加入機構は、前項の決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
3 加入機構は、第一項の規定により補償対象保険金の支払に係る資金援助を行うことを決定したときは、当該申込みを行った特定保険会社と当該補償対象保険金の支払に係る資金援助に関する契約を締結するものとする。
第三款 保険金請求権等の買取り
(保険金請求権等の買取り)
第二百七十条の六の八 加入機構は、特定保険会社がその保険契約に係る支払のすべてを停止している場合には、委員会の議を経て、補償対象契約に係る保険金請求権その他の政令で定める権利(担保権の目的となっていないものに限る。以下この款において「保険金請求権等」という。)の買取りをすることを決定することができる。
2 前項の買取りは、保険契約に係る支払のすべてを停止している期間内に、前項の保険金請求権等を、その保険金請求権等に係る債権者の請求に基づいて、補償対象契約の保険金その他の給付金の額に当該補償対象契約の種類、予定利率その他の内容、当該請求に係る保険事故が発生した時期等を勘案して内閣府令・財務省令で定める率を乗じて得た額(以下「買取額」という。)で買い取ることにより行うものとする。ただし、加入機構は、その買取りに係る保険金請求権等の回収をした場合において、当該回収によって得た金額から当該買取りに要した費用として内閣府令・財務省令で定めるものの額を控除した金額が、当該買取りに係る買取額を超えるときは、その超える部分の金額を当該保険金請求権等に係る債権者に対して支払うものとする。
3 加入機構は、第一項の決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(買取りの公告等)
第二百七十条の六の九 加入機構は、前条第一項の決定をしたときは、速やかに、同項の保険金請求権等の買取りに係る買取場所、買取額の支払方法その他内閣府令・財務省令で定める事項を定め、これを公告しなければならない。
2 加入機構は、前条第二項ただし書の規定による支払をするときは、あらかじめ、委員会の議を経て、支払額、支払期間その他内閣府令・財務省令で定める事項を定め、これを公告しなければならない。
3 前条第三項の規定は、前項に規定する事項を定めた場合について準用する。
(課税関係)
第二百七十条の六の十 保険金請求権等を有する者が当該保険金請求権等について第二百七十条の六の八第二項の規定による買取りに係る買取額の支払を受けた場合には、当該支払を受けた買取額(当該買取額の支払を受けた者が当該買取額に係る保険金請求権等につき同項ただし書の規定による支払を受けた場合には、当該支払を受けた金額を含む。)は、当該保険金請求権等に係る補償対象契約に基づく保険金その他の給付金の金額とみなして、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)その他の所得税に関する法令の規定を適用する。
2 前項の規定の適用がある場合における租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第四条の二及び第四条の三の規定の特例その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
3 保険金請求権等につき第二百七十条の六の八第二項の規定による買取りに係る買取額(当該買取額に係る保険金請求権等につき同項ただし書の規定により当該保険金請求権等に係る保険事故が発生した後三年以内に支払を受けた場合には、当該支払を受けた金額を含む。以下この項において同じ。)の支払を受けた場合における当該支払を受けた買取額に係る相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)その他相続税又は贈与税に関する法令の規定の適用については、同法第三条第一項第一号中「保険金(共済金」とあるのは「保険金(保険業法(平成七年法律第百五号)第二百七十条の六の十第三項に規定する買取額(第五条第二項において「買取額」という。)及び共済金」と、「当該保険金受取人(」とあるのは「当該保険金受取人(当該買取額の支払を受けた者及び」と、同法第五条第二項中「準ずるもの」とあるのは「準ずるもの(買取額を含む。以下同じ。)」とする。
第四款 雑則
(会員に対する貸付け)
第二百七十条の七 第二百六十五条の二十八第二項第一号の資金の貸付けは、次に掲げる場合において、機構の会員による保険金その他の給付金(外国保険会社等にあっては、日本における保険契約に係る保険金その他の給付金。以下この項において同じ。)の円滑な支払のために必要かつ適当であると認められるときに限り、その申請に基づいて、その必要と認められる金額の範囲内において行うことができる。
一 機構の会員が、一時的な資金事情により、保険金その他の給付金の支払を遅延し、又は遅延するおそれがある場合
二 特定保険会社である機構の会員が、当該機構と第二百七十条の六の七第三項の規定による契約を締結した場合
2 前項第一号の資金の貸付けは、当該資金の貸付けに係る貸付金債権の回収が確実であると認められることその他の内閣府令・財務省令で定める要件を満たすものでなければならない。
3 機構は、第一項の規定による資金の貸付けの申請があったときは、委員会の議を経て、当該資金の貸付けをするかどうかを決定しなければならない。
4 機構は、前項の規定により第一項の資金の貸付けをすることを決定したときは、直ちに、その決定に係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(保険契約者等に対する貸付け)
第二百七十条の八 第二百六十五条の二十八第二項第二号の資金の貸付けは、機構の会員が特定保険会社であるときに限り、当該会員の内閣府令・財務省令で定める保険契約に係る保険契約者等であって保険金請求権その他の内閣府令・財務省令で定める権利を有する者(以下この条において「有資格者」という。)に対して、当該有資格者の申請に基づいて、当該有資格者が当該権利に基づき支払を受け得ると見込まれる金額として内閣府令・財務省令で定める金額の範囲内において行うことができる。
2 前項の資金の貸付けは、有資格者が同項の権利に基づき支払を受ける保険金その他の給付金により当該資金の貸付けに係る債務が確実に弁済されると認められることその他の内閣府令・財務省令で定める要件を満たすものでなければならない。
3 機構は、その会員が特定保険会社となったときは、委員会の議を経て、当該会員について、当該会員の有資格者に対する資金の貸付けをするかどうかを決定しなければならない。
4 機構は、前項の規定により第一項の資金の貸付けをすることを決定したときは、直ちに、その決定に係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告するとともに、速やかに、委員会の議を経て、当該資金の貸付けに係る受付場所、貸付方法その他の内閣府令・財務省令で定める事項を定め、これを公告しなければならない。
(清算保険会社の資産の買取りの申込み)
第二百七十条の八の二 清算保険会社は、機構(当該清算保険会社がその会員であったものに限る。)が当該清算保険会社の資産の買取りを行うことを、当該機構に申し込むことができる。
2 機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、同項の申込みをした清算保険会社その他の関係者に対し、資料の提出を求めることができる。
(清算保険会社の資産の買取り)
第二百七十条の八の三 機構は、前条第一項の申込みを受けたときは、遅滞なく、審査会及び委員会の議を経て、当該申込みに係る資産の買取りを行うかどうかを決定しなければならない。
2 機構は、前項の規定による決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
3 機構は、第一項の規定により資産の買取りを行うことを決定したときは、当該資産の買取りの申込みを行った清算保険会社と当該資産の買取りに関する契約を締結するものとする。
(課税の特例)
第二百七十条の九 第二百四十四条(第二百四十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定による登記については、登録免許税を課さない。
2 機構が、第二百七十条の四の規定により会員である破綻たん保険会社に係る保険契約の引受けをした場合において、同条第八項の規定により締結した保険契約の引受けに関する契約に定められた当該保険契約の引受けに伴う当該破綻たん保険会社の財産の移転により不動産又は動産に関する権利の取得をしたときは、当該不動産又は動産に関する権利の移転の登記については、財務省令で定めるところにより当該取得後一年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税を課さない。
3 承継保険会社が第二百七十条の三の二第六項の規定による同項第二号に掲げる決定を受けて行う第二百七十条第一項の規定による適格性の認定を受けた破綻たん保険会社の保険契約の移転又は当該破綻たん保険会社との合併(次項において「決定に基づく保険契約の移転等」という。)により不動産に関する権利の取得をした場合には、当該不動産に関する権利の移転の登記については、財務省令で定めるところにより当該取得後一年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税を課さない。
4 承継保険会社が決定に基づく保険契約の移転等により取得した土地又は土地の上に存する権利の譲渡(租税特別措置法第六十二条の三第二項第一号イに規定する譲渡をいう。)は、承継保険会社に係る同条並びに同法第六十三条、第六十八条の六十八及び第六十八条の六十九の規定の適用については、同法第六十二条の三第二項第一号に規定する土地の譲渡等には該当しないものとする。
第五節 雑則
(清算手続等における内閣総理大臣の意見等)
第二百七十一条 裁判所は、保険会社等又は外国保険会社等の清算手続、破産手続、再生手続、更生手続又は承認援助手続において、内閣総理大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。
2 内閣総理大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。
3 第百二十九条第一項、第二百一条第一項、第二百二十七条第一項及び第二百七十二条の二十三第一項の規定は、第一項の規定により内閣総理大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。
(根抵当権の譲渡に係る特例)
第二百七十一条の二 被管理会社が承継保険会社(第二百六十条第六項に規定する承継保険会社をいう。第五項及び第二百七十一条の二の三第一項第三号において同じ。)その他の保険会社又は当該被管理会社の保険契約の引受け(第二百六十条第九項に規定する保険契約の引受けをいう。第五項において同じ。)をする機構(以下この条において「承継保険会社等」という。)に対する保険契約の移転とともにする財産の移転により元本の確定前に根抵当権をその担保すべき債権の全部とともに譲渡しようとするときは、当該被管理会社及び当該承継保険会社等は、次に掲げる事項について異議のある根抵当権設定者は当該被管理会社に対し一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告し、又はこれを催告することができる。
一 当該被管理会社から当該承継保険会社等に当該根抵当権が譲渡されること及びその期日
二 当該根抵当権の譲渡の後においても当該根抵当権が当該債権を担保すべきものとすること。
2 前項の期間は、二週間を下ってはならない。
3 第一項の公告又は催告に係る根抵当権設定者が同項各号に掲げる事項について同項の期間内に異議を述べなかったときは、同項第一号に掲げる事項について当該根抵当権設定者の承諾が、同項第二号に掲げる事項について当該根抵当権設定者と同項の公告又は催告に係る承継保険会社等の合意が、それぞれあったものとみなす。
4 根抵当権設定者が第一項各号に掲げる事項の一部について異議を述べたときは、同項各号に掲げる事項の全部について異議を述べたものとみなす。
5 前各項の規定は、承継保険会社又は保険契約の引受けをした機構が他の保険会社に対する保険契約の移転とともにする財産の移転により元本の確定前に根抵当権をその担保すべき債権の全部とともに譲渡しようとする場合について準用する。
(根抵当権移転登記等の申請手続の特例)
第二百七十一条の二の二 前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の場合における根抵当権の移転の登記の申請には、その申請情報と併せて公告又は催告をしたこと及び根抵当権設定者が同条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)の期間内に異議を述べなかったことを証する情報を提供しなければならない。
2 前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の場合における根抵当権の担保すべき債権の範囲に譲渡に係る債権を追加することを内容とする根抵当権の変更の登記は、その申請情報と併せて前項に規定する情報を提供したときは、根抵当権者のみで申請することができる。
(業務の継続の特例)
第二百七十一条の二の三 次の各号に掲げる者は、その営業に関する法令により行うことができない業務に属する契約又は制限されている契約に係る権利義務を当該各号に定める保険契約の移転又は合併により承継した場合には、これらの契約のうち、期限の定めのあるものについては期限満了まで、期限の定めのないものについては承継の日から二年以内の期間に限り、これらの契約に関する業務を継続することができる。
一 第二百五十六条第一項、第二百七十条の三の十三第一項又は第二百七十条の六の四第一項の勧告を受けた保険会社 当該勧告に係る保険契約の移転又は合併
二 第二百六十八条第一項、第二百七十条の三の十二第一項又は第二百七十条の六の三第一項の認定を受けた救済保険会社(第二百六十条第三項に規定する救済保険会社をいう。)、再承継保険会社又は再移転先保険会社 当該認定に係る保険契約の移転又は合併
三 第二百七十条第一項の認定を受けた破綻たん保険会社(第二百六十条第二項に規定する破綻たん保険会社をいう。)との間で当該認定に係る保険契約の移転又は合併をする承継保険会社又は機構 当該保険契約の移転又は合併
2 前項に規定する者は、同項に規定する契約に関する業務の利用者の利便等に照らし特別の事情がある場合において、期間を定めて当該業務を整理することを内容とする計画を作成し、当該計画につき内閣総理大臣の承認を受けたときは、保険契約の移転又は合併の日における当該契約の総額を超えない範囲内において、かつ、当該計画に従い、同項の期限が満了した契約を更新して、又は同項の期間を超えて、当該業務を継続することができる。
第十一章 株主
第一節 通則
(保険会社等の議決権保有に係る届出書の提出)
第二百七十一条の三 一の保険会社の総株主の議決権の百分の五を超える議決権又は一の保険持株会社の総株主の議決権の百分の五を超える議決権の保有者(国、地方公共団体その他これらに準ずるものとして政令で定める法人(第二百七十一条の十において「国等」という。)を除く。以下この章及び第三百三十三条において「保険議決権大量保有者」という。)は、内閣府令で定めるところにより、保険議決権大量保有者となった日から五日(日曜日その他政令で定める休日の日数は、算入しない。次条第一項において同じ。)以内(保有する議決権の数に増加がない場合その他の内閣府令で定める場合にあっては、内閣府令で定める日以内)に、次に掲げる事項を記載した届出書(以下この章において「保険議決権保有届出書」という。)を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一 議決権保有割合(保険議決権大量保有者の保有する当該保険議決権大量保有者がその総株主の議決権の百分の五を超える議決権の保有者である保険会社又は保険持株会社の議決権の数を、当該保険会社又は当該保険持株会社の総株主の議決権で除して得た割合をいう。以下この章において同じ。)に関する事項、取得資金に関する事項、保有の目的その他の保険会社又は保険持株会社の議決権の保有に関する重要な事項として内閣府令で定める事項
二 商号、名称又は氏名及び住所
三 法人である場合においては、その資本金額(出資総額を含む。)及びその代表者の氏名
四 事業を行っているときは、営業所の名称及び所在地並びにその事業の種類
2 第二条第十五項の規定は、前項の場合において保険議決権大量保有者が保有する議決権について準用する。
(保険議決権保有届出書に関する変更報告書の提出)
第二百七十一条の四 保険議決権大量保有者は、一の保険会社の総株主の議決権の百分の五を超える議決権又は一の保険持株会社の総株主の議決権の百分の五を超える議決権の保有者となった日の後に、前条第一項各号に掲げる事項の変更があった場合(議決権保有割合の変更の場合にあっては、百分の一以上増加し又は減少した場合に限る。)には、内閣府令で定めるところにより、その日から五日以内(保有する議決権の数に増加がない場合その他の内閣府令で定める場合にあっては、内閣府令で定める日以内)に、当該変更に係る報告書(以下この条及び次条において「変更報告書」という。)を内閣総理大臣に提出しなければならない。ただし、議決権保有割合が百分の一以上減少したことによる変更報告書で当該変更報告書に記載された議決権保有割合が百分の五以下であるものを既に提出している場合その他の内閣府令で定める場合については、この限りでない。
2 議決権保有割合が減少したことにより変更報告書を提出する者は、短期間に大量の議決権を譲渡したものとして政令で定める基準に該当する場合においては、内閣府令で定めるところにより、譲渡の相手方及び対価に関する事項についても当該変更報告書に記載しなければならない。
3 保険議決権保有届出書又は変更報告書(以下この節において「提出書類」という。)を提出する日の前日までに、新たに変更報告書を提出しなければならない事由が生じた場合には、当該変更報告書は、第一項本文の規定にかかわらず、提出されていない当該提出書類の提出と同時に内閣総理大臣に提出しなければならない。
4 提出書類を提出した者は、当該提出書類に記載された内容が事実と相違し、又は記載すべき事項若しくは誤解を生じさせないために必要な事実の記載が不十分であり、若しくは欠けていると認めるときは、訂正報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
5 第二条第十五項の規定は、第一項及び第二項の場合において保険議決権大量保有者が保有する議決権について準用する。
(保険議決権保有届出書等に関する特例)
第二百七十一条の五 銀行、金融商品取引業者(有価証券関連業を行う者に限る。)、信託会社その他の内閣府令で定める者のうち基準日を内閣総理大臣に届け出た者が保有する議決権で当該議決権に係る株式の発行者である保険会社又は保険持株会社の事業活動を支配することを保有の目的としないもの(議決権保有割合が内閣府令で定める数を超えた場合及び保有の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合を除く。以下この条において「特例対象議決権」という。)に係る保険議決権保有届出書は、第二百七十一条の三第一項の規定にかかわらず、議決権保有割合が初めて百分の五を超える数となった基準日における当該議決権の保有状況に関する事項であって、内閣府令で定めるものを記載したものを、内閣府令で定めるところにより、当該基準日の属する月の翌月十五日までに、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 特例対象議決権に係る変更報告書(当該議決権が特例対象議決権以外の議決権になる場合の変更に係るものを除く。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日までに、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に提出しなければならない。
一 前項の保険議決権保有届出書に係る基準日の後の基準日における議決権保有割合が当該保険議決権保有届出書に記載された議決権保有割合より百分の一以上増加し又は減少した場合その他の同項に規定する内閣府令で定めるものの重要な変更があった場合 当該後の基準日の属する月の翌月十五日
二 当該保険議決権保有届出書に係る基準日の属する月の後の月の末日において議決権保有割合が大幅に増加し又は減少した場合として内閣府令で定める基準に該当することとなった場合 当該末日の属する月の翌月十五日
三 変更報告書に係る基準日の後の基準日における議決権保有割合が当該変更報告書に記載された議決権保有割合より百分の一以上増加し又は減少した場合その他の前項に規定する内閣府令で定めるものの重要な変更があった場合 当該後の基準日の属する月の翌月十五日
四 前三号に準ずる場合として内閣府令で定める場合 内閣府令で定める日
3 前二項の基準日とは、第一項に規定する内閣府令で定める者が内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣に届出をした三月ごとの月の末日をいう。
4 第二条第十五項の規定は、第一項及び第二項の場合において保険議決権大量保有者が保有する特例対象議決権について準用する。
(訂正報告書の提出命令)
第二百七十一条の六 内閣総理大臣は、第二百七十一条の三第一項、第二百七十一条の四第一項若しくは第三項又は前条第一項若しくは第二項の規定により提出書類の提出を受けた場合において、当該提出書類に形式上の不備があり、又は当該提出書類に記載すべき事項のうち重要なものの記載が不十分であると認めるときは、当該提出書類の提出をした者に対し、訂正報告書の提出を命ずることができる。この場合においては、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項(不利益処分をしようとする場合の手続)の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
第二百七十一条の七 内閣総理大臣は、提出書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき事項のうち重要なもの若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けていることを発見したときは、いつでも、当該提出書類の提出をした者に対し、訂正報告書の提出を命ずることができる。この場合においては、行政手続法第十三条第一項(不利益処分をしようとする場合の手続)の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
(保険議決権大量保有者による報告又は資料の提出)
第二百七十一条の八 内閣総理大臣は、提出書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき事項のうち重要なもの若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けている疑いがあると認めるときは、当該提出書類を提出した保険議決権大量保有者に対し、当該提出書類に記載すべき事項又は誤解を生じさせないために必要な事実に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
(保険議決権大量保有者に対する立入検査)
第二百七十一条の九 内閣総理大臣は、提出書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき事項のうち重要なもの若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けている疑いがあると認めるときは、当該職員に当該提出書類を提出した保険議決権大量保有者の事務所その他の施設に立ち入らせ、当該提出書類に記載すべき事項若しくは誤解を生じさせないために必要な事実に関し質問させ、又は当該保険議決権大量保有者の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定による立入り、質問又は検査をする職員は、その立入り、質問又は検査の相手方にその理由を示さなければならない。
第二節 保険主要株主に係る特例
第一款 通則
(保険主要株主に係る認可等)
第二百七十一条の十 次に掲げる取引若しくは行為により一の保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になろうとする者又は保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である会社その他の法人の設立をしようとする者(国等並びに第二百七十一条の十八第一項に規定する持株会社になろうとする会社、同項に規定する者及び保険会社を子会社としようとする保険持株会社を除く。)は、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
一 当該議決権の保有者になろうとする者による保険会社の議決権の取得(担保権の実行による株式の取得その他の内閣府令で定める事由によるものを除く。)
二 当該議決権の保有者になろうとする者がその主要株主基準値以上の数の議決権を保有している会社による第三条第一項の免許の取得
三 その他政令で定める取引又は行為
2 前項各号に掲げる取引又は行為以外の事由により一の保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になった者(国等並びに保険持株会社及び第二百七十一条の十八第二項に規定する特定持株会社を除く。以下この条及び第三百三十三条において「特定主要株主」という。)は、当該事由の生じた日の属する当該保険会社の事業年度の終了の日から一年を経過する日(以下この項及び第四項において「猶予期限日」という。)までに保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。ただし、当該特定主要株主が、猶予期限日後も引き続き保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合は、この限りでない。
3 特定主要株主は、前項の規定による措置により保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。当該措置によることなく保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなったときも、同様とする。
4 内閣総理大臣は、第一項の認可を受けずに同項各号に掲げる取引若しくは行為により保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になった者若しくは保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者として設立された会社その他の法人又は第二項ただし書の認可を受けることなく猶予期限日後も保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である者に対し、当該保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなるよう、所要の措置を講ずることを命ずることができる。
第二百七十一条の十一 内閣総理大臣は、前条第一項又は第二項ただし書の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該認可の申請をした者(以下この条において「申請者」という。)が会社その他の法人である場合又は当該認可を受けて会社その他の法人が設立される場合にあっては、次に掲げる基準に適合すること。
イ 取得資金に関する事項、保有の目的その他の当該申請者又は当該認可を受けて設立される会社その他の法人(以下この号において「法人申請者等」という。)による保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有に関する事項に照らして、当該法人申請者等がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる保険会社の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
ロ 法人申請者等及びその子会社(子会社となる会社を含む。)の財産及び収支の状況に照らして、当該法人申請者等がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる保険会社の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
ハ 法人申請者等が、その人的構成等に照らして、保険業の公共性に関し十分な理解を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
二 前号に掲げる場合以外の場合にあっては、次に掲げる基準に適合すること。
イ 取得資金に関する事項、保有の目的その他の当該申請者による保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有に関する事項に照らして、当該申請者がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる保険会社の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
ロ 当該申請者の財産の状況(当該申請者が事業を行う者である場合においては、収支の状況を含む。)に照らして、当該申請者がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる保険会社の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
ハ 当該申請者が、保険業の公共性に関し十分な理解を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
第二款 監督
(保険主要株主による報告又は資料の提出)
第二百七十一条の十二 内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため、第百二十八条第一項の規定により保険会社に対し報告又は資料の提出を求める場合において、特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である保険主要株主に対し、その理由を示した上で、当該保険会社の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
(保険主要株主に対する立入検査)
第二百七十一条の十三 内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため、第百二十九条第一項の規定による保険会社に対する立入り、質問又は検査を行う場合において、特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に当該保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である保険主要株主の事務所その他の施設に立ち入らせ、当該保険会社若しくは当該保険主要株主の業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は当該保険主要株主の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定による立入り、質問又は検査をする職員は、その立入り、質問又は検査の相手方にその理由を示さなければならない。
(保険主要株主に対する措置命令)
第二百七十一条の十四 内閣総理大臣は、保険主要株主が第二百七十一条の十一各号に掲げる基準(当該保険主要株主に係る第二百七十一条の十第一項又は第二項ただし書の認可に第三百十条第一項の規定に基づく条件が付されている場合にあっては、当該条件を含む。)に適合しなくなったときは、当該保険主要株主に対し、措置を講ずべき期限を示して、当該基準に適合させるために必要な措置をとるべき旨の命令をすることができる。
(保険主要株主に対する改善計画の提出の要求等)
第二百七十一条の十五 内閣総理大臣は、保険主要株主(保険会社の総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者に限る。以下この条において同じ。)の業務又は財産の状況(保険主要株主が会社その他の法人である場合にあっては、当該保険主要株主の子会社その他の当該保険主要株主と内閣府令で定める特殊の関係のある会社の財産の状況を含む。)に照らして、当該保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該保険主要株主に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、当該保険会社の経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において監督上必要な措置を命ずることができる。
2 内閣総理大臣は、保険主要株主に対し前項の規定による命令をした場合において、当該命令に係る措置の実施の状況に照らして必要があると認めるときは、当該保険主要株主がその総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者である保険会社に対し、その業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な措置を命ずることができる。
(保険主要株主に係る認可の取消し等)
第二百七十一条の十六 内閣総理大臣は、保険主要株主が法令若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき又は公益を害する行為をしたときは、当該保険主要株主に対し監督上必要な措置を命じ、又は当該保険主要株主の第二百七十一条の十第一項若しくは第二項ただし書の認可を取り消すことができる。この場合において、同条第一項の認可のうち設立に係るものは、当該認可を受けて設立された会社その他の法人である保険主要株主に対して与えられているものとみなす。
2 保険主要株主は、前項の規定により第二百七十一条の十第一項又は第二項ただし書の認可を取り消されたときは、内閣総理大臣が指定する期間内に保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
第三款 雑則
(外国保険主要株主に対する法律の適用関係)
第二百七十一条の十七 保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であって外国人又は外国法人であるもの(以下この条において「外国保険主要株主」という。)に対しこの法律を適用する場合における特例及び技術的読替えその他外国保険主要株主に対するこの法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三節 保険持株会社に係る特例
第一款 通則
(保険持株会社に係る認可等)
第二百七十一条の十八 次に掲げる取引若しくは行為により保険会社を子会社とする持株会社になろうとする会社又は保険会社を子会社とする持株会社の設立をしようとする者は、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
一 当該会社又はその子会社による保険会社の議決権の取得(担保権の実行による株式の取得その他の内閣府令で定める事由によるものを除く。)
二 当該会社の子会社による第三条第一項の免許の取得
三 その他政令で定める取引又は行為
2 前項各号に掲げる取引又は行為以外の事由により保険会社を子会社とする持株会社になった会社(以下「特定持株会社」という。)は、当該事由の生じた日の属する事業年度終了後三月以内に、当該会社が保険会社を子会社とする持株会社になった旨その他の内閣府令で定める事項を内閣総理大臣に届け出なければならない。
3 特定持株会社は、前項の事由の生じた日の属する事業年度の終了の日から一年を経過する日(以下この項及び第五項において「猶予期限日」という。)までに保険会社を子会社とする持株会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。ただし、当該特定持株会社が、猶予期限日後も引き続き保険会社を子会社とする持株会社であることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合は、この限りでない。
4 特定持株会社は、前項の規定による措置により保険会社を子会社とする持株会社でなくなったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。当該措置によることなく保険会社を子会社とする持株会社でなくなったときも、同様とする。
5 内閣総理大臣は、第一項の認可を受けずに同項各号に掲げる取引若しくは行為により保険会社を子会社とする持株会社になった会社若しくは保険会社を子会社とする持株会社として設立された会社又は第三項ただし書の認可を受けることなく猶予期限日後も保険会社を子会社とする持株会社である会社に対し、保険会社を子会社とする持株会社でなくなるよう、所要の措置を講ずることを命ずることができる。
第二百七十一条の十九 内閣総理大臣は、前条第一項又は第三項ただし書の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該認可の申請をした会社又は当該認可を受けて設立される会社(以下この条において「申請者等」という。)及びその子会社(子会社となる会社を含む。第三号において同じ。)の収支の見込みが良好であること。
二 申請者等が、その人的構成等に照らして、その子会社であり、又はその子会社となる保険会社の経営管理を的確かつ公正に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
三 申請者等の子会社の業務の内容が第二百七十一条の二十二第三項各号のいずれにも該当しないものであること。
2 保険持株会社(外国の法令に準拠して設立されたものを除く。)は、株式会社であって次に掲げる機関を置くものでなければならない。
一 取締役会
二 監査役会、監査等委員会又は指名委員会等
三 会計監査人
(保険持株会社の取締役等の適格性等)
第二百七十一条の十九の二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者は、保険持株会社の取締役、執行役又は監査役となることができない。
2 会社法第三百三十一条第二項ただし書(取締役の資格等)(同法第三百三十五条第一項(監査役の資格等)において準用する場合を含む。)、第三百三十二条第二項(取締役の任期)(同法第三百三十四条第一項(会計参与の任期)において準用する場合を含む。)、第三百三十六条第二項(監査役の任期)及び第四百二条第五項ただし書(執行役の選任等)の規定は、保険持株会社については、適用しない。
3 保険持株会社は、持分会社の無限責任社員又は業務を執行する社員となることができない。
(保険主要株主に係る規定の準用)
第二百七十一条の二十 第二百七十一条の十七の規定は、保険会社を子会社とする持株会社であって外国の法令に準拠して設立されたものについて準用する。
第二款 業務及び子会社
(保険持株会社の業務範囲等)
第二百七十一条の二十一 保険持株会社は、その子会社である保険会社及び第二百七十一条の二十二第一項第二号の二から第十五号までに掲げる会社並びにこれらの会社以外の会社で同項又は同条第四項ただし書の規定による内閣総理大臣の承認を受けて子会社とした会社の経営管理を行うこと並びにこれに附帯する業務のほか、他の業務を営むことができない。
2 保険持株会社は、その業務を営むに当たっては、その子会社である保険会社の業務の健全かつ適切な運営の確保に努めなければならない。
(顧客の利益の保護のための体制整備)
第二百七十一条の二十一の二 保険持株会社は、その子会社である保険会社又は当該保険持株会社の親金融機関等若しくは子金融機関等が行う取引に伴い、当該保険持株会社の子会社である保険会社又は当該保険持株会社の子金融機関等が行う業務(保険業その他の内閣府令で定める業務に限る。)に係る顧客の利益が不当に害されることのないよう、内閣府令で定めるところにより、当該業務に関する情報を適正に管理し、かつ、当該業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない。
2 前項の「親金融機関等」とは、保険持株会社の総株主の議決権の過半数を保有している者その他の当該保険持株会社と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち、保険会社、銀行、金融商品取引業者その他政令で定める金融業を行う者をいう。
3 第一項の「子金融機関等」とは、保険持株会社が総株主等の議決権の過半数を保有している者その他の当該保険持株会社と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち、保険会社(当該保険持株会社の子会社である保険会社を除く。)、銀行、金融商品取引業者その他政令で定める金融業を行う者をいう。
(保険持株会社の子会社の範囲等)
第二百七十一条の二十二 保険持株会社は、次に掲げる会社以外の会社を子会社としようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
一 生命保険会社
二 損害保険会社
二の二 少額短期保険業者
三 銀行
四 長期信用銀行
四の二 資金移動専門会社
五 証券専門会社
六 証券仲介専門会社
七 信託専門会社
八 保険業を行う外国の会社
九 銀行業を営む外国の会社(前号に掲げる会社に該当するものを除く。)
十 有価証券関連業を行う外国の会社(前二号に掲げる会社に該当するものを除く。)
十一 信託業を営む外国の会社(前三号に掲げる会社に該当するものを除く。)
十二 次に掲げる業務を専ら営む会社(イに掲げる業務を営む会社にあっては、主として当該保険持株会社、その子会社(第一号、第二号及び第八号に掲げる者に限る。第五項において同じ。)その他これらに類する者として内閣府令で定めるものの行う業務のためにその業務を営んでいる会社に限る。)
イ 保険会社又は第二号の二から前号までに掲げる会社の行う業務に従属する業務として内閣府令で定めるもの(第五項において「従属業務」という。)
ロ 第百六条第二項第二号に掲げる金融関連業務
十三 新たな事業分野を開拓する会社又は経営の向上に相当程度寄与すると認められる新たな事業活動を行う会社として内閣府令で定める会社(当該会社の総株主等の議決権に内閣府令で定める割合を乗じて得た数を超える議決権を、前号に掲げる会社で内閣府令で定めるものが保有しているものに限る。)
十四 前各号及び次号に掲げる会社のみを子会社とする持株会社で内閣府令で定めるもの(当該持株会社になることを予定している会社を含む。)
十五 前各号に掲げる会社のみを子会社とする外国の会社であって、持株会社と同種のもの又は持株会社に類似するもの(当該会社になることを予定している会社を含み、前号に掲げる会社に該当するものを除く。)
2 前項の承認を受けようとする保険持株会社は、当該承認の申請に係る会社の業務の内容、資本金の額、人的構成その他の内閣府令で定める事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項の承認の申請があったときは、当該申請に係る会社が行い、又は行おうとする業務の内容が、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、その承認をしなければならない。
一 当該業務の内容が、次のイ又はロに該当することから、当該申請をした保険持株会社の子会社である保険会社の社会的信用を失墜させるおそれがあること。
イ 当該業務の内容が、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあること。
ロ 当該業務の内容が、国民生活の安定又は国民経済の健全な発展を妨げるおそれがあること。
二 当該業務の内容が、当該申請に係る会社の資本金の額、人的構成等に照らして、当該申請に係る会社の経営の健全性を損なう危険性が大きく、かつ、その経営の健全性が損なわれた場合には、当該申請をした保険持株会社の子会社である保険会社の経営の健全性が損なわれることとなるおそれがあること。
4 第一項の規定は、同項各号に掲げる会社以外の会社が、保険持株会社又はその子会社の担保権の実行による株式又は持分の取得、保険持株会社又はその子会社による同項第十三号に掲げる会社の株式又は持分の取得その他内閣府令で定める事由により当該保険持株会社の子会社となる場合には、適用しない。ただし、当該保険持株会社は、その子会社となった当該会社を引き続き子会社とすることについて内閣総理大臣の承認を受けた場合を除き、当該会社が当該事由(当該保険持株会社又はその子会社による同号に掲げる会社の株式又は持分の取得その他内閣府令で定める事由を除く。)の生じた日から一年を経過する日までに子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
5 第一項第十二号の場合において、会社が主として保険持株会社、その子会社その他これらに類する者として内閣府令で定めるものの行う業務のために従属業務を営んでいるかどうかの基準は、内閣総理大臣が定める。
6 保険持株会社が、銀行若しくは長期信用銀行を子会社とすることにより銀行持株会社(銀行法第二条第十三項(定義等)に規定する銀行持株会社をいう。以下この項及び第二百七十二条の三十九第六項において同じ。)若しくは長期信用銀行持株会社(長期信用銀行法第十六条の四第一項(子会社の範囲等)に規定する長期信用銀行持株会社をいう。以下この項及び第二百七十二条の三十九第六項において同じ。)になろうとする場合又は銀行持株会社若しくは長期信用銀行持株会社である場合には、前各項の規定を適用せず、銀行法又は長期信用銀行法の相当規定の定めるところによる。
第三款 経理
(保険持株会社の事業年度)
第二百七十一条の二十三 保険持株会社の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。
(保険持株会社に係る業務報告書等)
第二百七十一条の二十四 保険持株会社は、事業年度ごとに、当該保険持株会社及びその子会社その他の当該保険持株会社と内閣府令で定める特殊の関係のある会社(以下この款及び次款において「子会社等」という。)の業務及び財産の状況を連結して記載した中間業務報告書及び業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 中間業務報告書及び業務報告書の記載事項、提出期日その他中間業務報告書及び業務報告書に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(保険持株会社に係る業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等)
第二百七十一条の二十五 保険持株会社は、事業年度ごとに、当該保険持株会社及びその子会社等の業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを当該保険持株会社及び当該子会社等につき連結して記載した説明書類を作成し、当該保険持株会社の子会社である保険会社の本店及び支店その他これに準ずる場所として内閣府令で定める場所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
2 前項の説明書類は、電磁的記録をもって作成することができる。
3 第一項の説明書類が電磁的記録をもって作成されているときは、保険持株会社の子会社である保険会社の本店及び支店その他これに準ずる場所として内閣府令で定める場所において、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項の説明書類を同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
4 前三項に定めるもののほか、第一項の説明書類を公衆の縦覧に供する期間その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
5 保険持株会社は、第一項に規定する事項のほか、当該保険持株会社の子会社である保険会社の保険契約者その他の顧客が当該保険持株会社及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めなければならない。
(保険持株会社の事業報告等の記載事項)
第二百七十一条の二十六 保険持株会社が会社法第四百三十五条第二項(計算書類等の作成)の規定により作成する保険持株会社の事業報告及び附属明細書の記載事項は、内閣府令で定める。
第四款 監督
(保険持株会社等による報告又は資料の提出)
第二百七十一条の二十七 内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため、第百二十八条第一項の規定により保険会社に対し報告又は資料の提出を求める場合において、特に必要があると認めるときは、当該保険会社を子会社とする保険持株会社、当該保険持株会社の子法人等(子会社その他当該保険持株会社がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものをいう。次項並びに次条第二項及び第四項において同じ。)又は当該保険持株会社から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。次項並びに同条第二項及び第四項において同じ。)に対し、その理由を示した上で、当該保険会社の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
2 保険持株会社の子法人等又は当該保険持株会社から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。
(保険持株会社等に対する立入検査)
第二百七十一条の二十八 内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため、第百二十九条第一項の規定による保険会社に対する立入り、質問又は検査を行う場合において、特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に当該保険会社を子会社とする保険持株会社の事務所その他の施設に立ち入らせ、当該保険会社若しくは当該保険持株会社の業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は当該保険持株会社の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため、第百二十九条第一項の規定による保険会社に対する立入り、質問又は検査を行う場合において、特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に当該保険会社を子会社とする保険持株会社の子法人等若しくは当該保険持株会社から業務の委託を受けた者の営業所その他の施設に立ち入らせ、当該保険会社に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前二項の規定による立入り、質問又は検査をする職員は、その立入り、質問又は検査の相手方にその理由を示さなければならない。
4 前条第二項の規定は、第二項の規定による保険持株会社の子法人等又は当該保険持株会社から業務の委託を受けた者に対する質問及び検査について準用する。
(保険持株会社に係る健全性の基準)
第二百七十一条の二十八の二 内閣総理大臣は、次に掲げる額を用いて、保険持株会社及びその子会社等の経営の健全性を判断するための基準として当該保険持株会社の子会社である保険会社における保険金等の支払能力の充実の状況が適当であるかどうかの基準を定めることができる。
一 保険持株会社及びその子会社等における資本金、準備金その他の内閣府令で定めるものの額の合計額
二 当該保険持株会社の子会社等が引き受けている保険に係る保険事故の発生その他の理由により発生し得る危険であって通常の予測を超えるものに対応する額として内閣府令で定めるところにより計算した額
(保険持株会社に対する改善計画の提出の要求等)
第二百七十一条の二十九 内閣総理大臣は、保険持株会社の業務又は保険持株会社及びその子会社等の財産の状況に照らして、当該保険持株会社の子会社である保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該保険持株会社に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、当該保険会社の経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において監督上必要な措置を命ずることができる。
2 前項の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。次項において同じ。)であって、保険持株会社の子会社である保険会社における保険金等の支払能力の充実の状況によって必要があると認めるときにするものは、保険持株会社の子会社である保険会社における保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分に応じ内閣府令・財務省令で定めるものでなければならない。
3 内閣総理大臣は、保険持株会社に対し第一項の規定による命令をした場合において、当該命令に係る措置の実施の状況に照らして特に必要があると認めるときは、当該保険持株会社の子会社である保険会社に対し、その業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な措置を命ずることができる。
(保険持株会社に係る認可の取消し等)
第二百七十一条の三十 内閣総理大臣は、保険持株会社が法令、定款若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき、又は公益を害する行為をしたときは、当該保険持株会社に対しその取締役、執行役、会計参与、監査役若しくは会計監査人の解任その他監督上必要な措置を命じ、若しくは当該保険持株会社の第二百七十一条の十八第一項若しくは第三項ただし書の認可を取り消し、又は当該保険持株会社の子会社である保険会社に対しその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。この場合において、同条第一項の認可のうち設立に係るものは、当該認可を受けて設立された保険持株会社に対して与えられているものとみなす。
2 保険持株会社は、前項の規定により第二百七十一条の十八第一項又は第三項ただし書の認可を取り消されたときは、内閣総理大臣が指定する期間内に保険会社を子会社とする持株会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
3 前項に規定する措置が講じられた場合において、当該措置を講じた会社がなお保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であるときは、当該措置を講じた日を第二百七十一条の十第二項に規定する事由の生じた日とみなして、同項の規定を適用する。
4 内閣総理大臣は、保険会社を子会社とする持株会社が次の各号のいずれかに該当する場合において必要があると認めるときは、当該持株会社の子会社である保険会社に対し、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
一 第二百七十一条の十八第一項の認可を受けずに同項各号に掲げる取引又は行為により保険会社を子会社とする持株会社になったもの
二 第二百七十一条の十八第一項の認可を受けずに保険会社を子会社とする持株会社として設立されたもの
三 第二百七十一条の十八第三項ただし書の認可を受けることなく同項の猶予期限日後も保険会社を子会社とする持株会社であるもの
四 第一項の規定により第二百七十一条の十八第一項又は第三項ただし書の認可を取り消された持株会社であって、第二項の規定による措置を講ずることなく同項の内閣総理大臣が指定する期間後も保険会社を子会社とする持株会社であるもの
第五款 雑則
(保険持株会社に係る合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可)
第二百七十一条の三十一 保険持株会社を全部又は一部の当事者とする合併(当該合併前に保険持株会社であった一の会社が当該合併後も保険持株会社として存続するものに限る。)は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 保険持株会社を当事者とする会社分割(当該会社分割により事業を承継させた保険持株会社又は当該会社分割により事業を承継した保険持株会社が、その会社分割後も引き続き保険持株会社であるものに限る。)は、政令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 保険持株会社を当事者とする事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け(当該事業の譲渡又は譲受けをした保険持株会社が、その譲渡又は譲受け後も引き続き保険持株会社であるものに限る。)は、政令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
4 第二百七十一条の十九第一項の規定は、前三項の認可の申請があった場合について準用する。
第四節 雑則
(届出事項)
第二百七十一条の三十二 保険主要株主(保険主要株主であった者を含む。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 第二百七十一条の十第一項の認可に係る保険主要株主になったとき又は当該認可に係る保険主要株主として設立されたとき。
二 保険会社の総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者となったとき。
三 保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなったとき(第五号の場合を除く。)。
四 保険会社の総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者でなくなったとき(前号及び次号の場合を除く。)。
五 解散したとき(設立、株式移転、合併(当該合併により保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる会社その他の法人を設立する場合に限る。)又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
六 その総株主の議決権の百分の五十を超える議決権が一の株主により取得又は保有されることとなったとき。
七 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
2 保険持株会社(保険持株会社であった会社を含む。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 第二百七十一条の十八第一項の認可に係る保険持株会社になったとき、又は当該認可に係る保険持株会社として設立されたとき。
二 保険会社を子会社とする持株会社でなくなったとき(第五号の場合を除く。)。
三 第二百七十一条の二十二第一項各号に掲げる会社を子会社としようとするとき(第二百七十一条の三十一第一項から第三項までの規定による認可を受けて合併、会社分割又は事業の譲受けをしようとする場合を除く。)。
四 その子会社が子会社でなくなったとき(第二百七十一条の三十一第二項又は第三項の規定による認可を受けて会社分割又は事業の譲渡をした場合及び第二号の場合を除く。)。
五 解散したとき(設立、株式移転、合併(当該合併により保険会社を子会社とする持株会社を設立するものに限る。)又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
六 資本金の額を変更しようとするとき。
七 その総株主の議決権の百分の五を超える議決権が一の株主により取得又は保有されることとなったとき。
八 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
3 第二条第十五項の規定は、第一項第六号及び前項第七号に規定する一の株主が取得し、又は保有することとなった保険主要株主又は保険持株会社の議決権について準用する。
(認可の失効)
第二百七十一条の三十三 第二百七十一条の十第一項の認可について次の各号のいずれかに該当するとき、同条第二項ただし書の認可について第二号又は第三号に該当するときは、当該認可は、その効力を失う。
一 当該認可があった日から六月以内に当該認可があった事項が実行されなかったとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ内閣総理大臣の承認があったときを除く。)。
二 当該認可に係る保険主要株主が保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなったとき。
三 当該認可に係る保険主要株主が当該認可に係る保険会社を子会社とすることについて第二百七十一条の十八第一項又は第三項ただし書の認可を受けたとき。
2 第二百七十一条の十八第一項の認可について次の各号のいずれかに該当するとき、同条第三項ただし書の認可について第二号に該当するときは、当該認可は、その効力を失う。
一 当該認可があった日から六月以内に当該認可があった事項が実行されなかったとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ内閣総理大臣の承認があったときを除く。)。
二 当該認可に係る保険持株会社が保険会社を子会社とする持株会社でなくなったとき。
第十二章 少額短期保険業者の特例
第一節 通則
(登録)
第二百七十二条 内閣総理大臣の登録を受けた者は、第三条第一項の規定にかかわらず、少額短期保険業を行うことができる。
2 少額短期保険業者は、小規模事業者(その収受する保険料が政令で定める基準を超えないものをいう。第二百七十二条の二十六第一項第三号において同じ。)でなければならない。
(登録申請手続)
第二百七十二条の二 前条第一項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一 商号又は名称
二 資本金の額又は基金の総額
三 取締役及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役、指名委員会等設置会社にあっては取締役及び執行役)の氏名
四 会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名又は名称
五 少額短期保険業以外の業務を行うときは、その業務の内容
六 本店その他の事務所の所在地
2 前項の登録申請書には、次に掲げる書類その他内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
一 定款
二 事業方法書
三 普通保険約款
四 保険料及び責任準備金の算出方法書
3 第四条第三項の規定は、前項の規定による同項第一号の定款の添付について準用する。
4 第二項第二号から第四号までに掲げる書類には、内閣府令で定める事項を記載しなければならない。
(登録簿への登録)
第二百七十二条の三 内閣総理大臣は、第二百七十二条第一項の登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を少額短期保険業者登録簿に登録しなければならない。
一 前条第一項各号に掲げる事項
二 登録年月日及び登録番号
2 内閣総理大臣は、少額短期保険業者登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
(登録の拒否)
第二百七十二条の四 内閣総理大臣は、申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は第二百七十二条の二第一項の登録申請書若しくは同条第二項の添付書類のうちに虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
一 株式会社又は相互会社(次に掲げる区分に応じ、次に定めるものに限る。)でない者
イ 資本金の額又は基金(第五十六条の基金償却積立金を含む。次号において同じ。)の総額が政令で定める額に満たない株式会社又は相互会社(以下この項において「株式会社等」という。) 取締役会及び監査役、監査等委員会又は指名委員会等を置くもの
ロ イに掲げる株式会社等以外の株式会社等 取締役会及び監査役会、監査等委員会又は指名委員会等並びに会計監査人を置くもの
二 資本金の額又は基金の総額が保険契約者等の保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める額に満たない株式会社等
三 純資産額が前号に規定する政令で定める額に満たない株式会社等
四 定款の規定が法令に適合しない株式会社等
五 第二百七十二条の二第二項第二号及び第三号に掲げる書類に記載された事項が次に掲げる基準に適合しない株式会社等
イ 保険契約の内容が、保険契約者等の保護に欠けるおそれのないものであること。
ロ 保険契約の内容に関し、特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
ハ 保険契約の内容が、公の秩序又は善良の風俗を害する行為を助長し、又は誘発するおそれのないものであること。
ニ 保険契約の内容が、当該株式会社等の支払能力に照らし、過大な危険の引受けを行うものでないこと。
ホ 保険契約者等の権利義務その他保険契約の内容が、保険契約者等にとって明確かつ平易に定められたものであること。
六 第二百七十二条の二第二項第四号に掲げる書類に記載された保険料及び責任準備金の算出方法が保険数理に基づき合理的かつ妥当なものであることについて、保険計理人による確認が行われていない株式会社等
七 第百三十三条若しくは第百三十四条の規定により第三条第一項の免許を取り消され、第二百七十二条の二十六第一項若しくは第二百七十二条の二十七の規定により第二百七十二条第一項の登録を取り消され、若しくは第三百七条第一項の規定により第二百七十六条若しくは第二百八十六条の登録を取り消された場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の免許若しくは登録(当該免許又は登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日から五年を経過しない株式会社等
八 この法律、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない株式会社等
九 他に行う業務が第二百七十二条の十一第二項ただし書に規定する内閣府令で定める業務以外の業務である株式会社等又は当該他に行う業務がその少額短期保険業を適正かつ確実に行うにつき支障を及ぼすおそれがあると認められる株式会社等
十 取締役、執行役、会計参与又は監査役のうちに次のいずれかに該当する者のある株式会社等
イ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
ロ 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ハ 第百三十三条若しくは第百三十四条の規定により第三条第一項の免許を取り消され、第二百五条若しくは第二百六条の規定により第百八十五条第一項の免許を取り消され、第二百三十一条若しくは第二百三十二条の規定により第二百十九条第一項の免許を取り消され、第二百七十二条の二十六第一項若しくは第二百七十二条の二十七の規定により第二百七十二条第一項の登録を取り消され、若しくは第三百七条第一項の規定により第二百七十六条若しくは第二百八十六条の登録を取り消された場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の免許若しくは登録(当該免許又は登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその会社の取締役、執行役、会計参与若しくは監査役又は日本における代表者であった者(これらに類する役職にあった者を含む。)でその取消しの日から五年を経過しない者
ニ 第三百七条第一項の規定により第二百七十六条若しくは第二百八十六条の登録を取り消された場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日から五年を経過しない者
ホ 第百三十三条の規定により解任を命ぜられた取締役、執行役、会計参与若しくは監査役、第二百五条若しくは第二百三十一条の規定により解任を命ぜられた日本における代表者、第二百七十二条の二十六第二項の規定により解任を命ぜられた取締役、執行役、会計参与若しくは監査役又はこの法律に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた取締役、執行役、会計参与若しくは監査役若しくは日本における代表者(これらに類する役職にあった者を含む。)で、その処分を受けた日から五年を経過しない者
ヘ 第八号に規定する法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
十一 少額短期保険業を的確に遂行するに足りる人的構成を有しない株式会社等
十二 保険会社
2 前項第三号の純資産額は、内閣府令で定めるところにより計算する。
(供託)
第二百七十二条の五 少額短期保険業者は、保険契約者等の保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める額の金銭を本店又は主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
2 内閣総理大臣は、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、少額短期保険業者に対し、その少額短期保険業を開始する前に、前項の政令で定める額のほか、相当と認める額の金銭の供託を命ずることができる。
3 少額短期保険業者は、政令で定めるところにより、当該少額短期保険業者のために所要の供託金が内閣総理大臣の命令に応じて供託される旨の契約を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、当該契約において供託されることとなっている金額(以下この条において「契約金額」という。)につき前二項の規定により供託する供託金の全部又は一部を供託しないことができる。
4 内閣総理大臣は、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、少額短期保険業者と前項の契約を締結した者又は当該少額短期保険業者に対し、契約金額に相当する金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
5 少額短期保険業者は、第一項の規定により供託する供託金(第二項の規定により同項の金銭の供託を命ぜられた場合には、その供託金を含む。)につき供託又は第三項の契約の締結を行い、その旨を内閣総理大臣に届け出た後でなければ、少額短期保険業を開始してはならない。
6 保険契約に係る保険契約者、被保険者又は保険金額を受け取るべき者は、保険契約により生じた債権に関し、当該少額短期保険業者に係る供託金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
7 前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
8 少額短期保険業者は、第六項の権利の実行その他の理由により、供託金の額(契約金額を含む。)が第一項の政令で定める額に不足することとなったときは、内閣府令で定める日から二週間以内にその不足額につき供託又は第三項の契約の締結(第三百十九条第十号において単に「供託」という。)を行い、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
9 第一項、第二項又は前項の規定により供託する供託金は、国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める有価証券をもってこれに充てることができる。
10 第一項、第二項、第四項又は第八項の規定により供託した供託金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、政令で定めるところにより、取り戻すことができる。
一 第二百七十二条の二十六第一項又は第二百七十二条の二十七の規定により第二百七十二条第一項の登録が取り消されたとき。
二 第二百七十二条第一項の登録が第二百七十三条第一項又は第三項の規定によりその効力を失ったとき。
11 前各項に定めるもののほか、供託金に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。
(少額短期保険業者責任保険契約)
第二百七十二条の六 少額短期保険業者は、政令で定めるところにより、少額短期保険業者責任保険契約を締結し、内閣総理大臣の承認を受けたときは、当該契約の効力の存する間、当該契約の保険金の額に応じて前条第一項、第二項又は第八項の規定により供託する供託金の一部の供託又は同条第三項の契約の締結をしないことができる。
2 内閣総理大臣は、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、前項の少額短期保険業者責任保険契約を締結した少額短期保険業者に対し、前条第一項、第二項又は第八項の規定により供託する供託金につき供託又は同条第三項の契約の締結をしないことができるとされた金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
3 前二項に定めるもののほか、少額短期保険業者責任保険契約に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(変更の届出)
第二百七十二条の七 少額短期保険業者は、第二百七十二条の二第一項各号に掲げる事項に変更があったときは、その日から二週間以内に、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の届出を受理したときは、その旨を少額短期保険業者登録簿に登録しなければならない。
(標識の掲示等)
第二百七十二条の八 少額短期保険業者は、事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、内閣府令で定める様式の標識を掲示しなければならない。
2 少額短期保険業者以外の者は、前項の標識又はこれに類似する標識を掲示してはならない。
3 少額短期保険業者に対する第七条第二項の規定の適用については、同項中「誤認されるおそれのある文字」とあるのは、「誤認されるおそれのある文字(少額短期保険業者であることを示す文字として内閣府令で定めるものを除く。)」とする。
(名義貸しの禁止)
第二百七十二条の九 少額短期保険業者は、自己の名義をもって他人に少額短期保険業を行わせてはならない。
(取締役等の兼職制限)
第二百七十二条の十 少額短期保険業者の常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)は、他の会社の常務に従事する場合には、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の承認の申請があったときは、当該申請に係る事項が当該少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがあると認める場合を除き、これを承認しなければならない。
第二節 業務等
(業務の範囲)
第二百七十二条の十一 少額短期保険業者は、少額短期保険業及びこれに付随する業務を行うことができる。
2 少額短期保険業者は、前項の規定により行う業務のほか、他の業務を行うことができない。ただし、少額短期保険業に関連する業務として内閣府令で定める業務で、当該少額短期保険業者が少額短期保険業を適正かつ確実に行うにつき支障を及ぼすおそれがないと認められるものについて、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
3 第二百七十二条第一項の登録の申請書に申請者が第一項の規定により行う業務以外の業務を行う旨の記載がある場合において、当該申請者がその登録を受けたときには、当該業務を行うことにつき前項ただし書の承認を受けたものとみなす。
(運用の方法)
第二百七十二条の十二 少額短期保険業者は、保険料として収受した金銭その他の資産の運用を行うには、次に掲げる方法によらなければならない。
一 内閣府令で定める銀行その他の金融機関への預金
二 国債その他これに準ずるものとして内閣府令で定める有価証券の取得
三 前二号に掲げる方法に準ずるものとして内閣府令で定める方法
(一の保険契約者に係る保険金額等)
第二百七十二条の十三 少額短期保険業者は、一の保険契約者について、その保険金額の合計額が政令で定める金額を超えることとなる保険の引受けを行ってはならない。
2 第百条の二、第百条の三及び第百条の四の規定は、少額短期保険業者について準用する。この場合において、第百条の三中「保険主要株主」とあるのは「第二百七十二条の三十四第一項に規定する少額短期保険主要株主」と、「保険持株会社」とあるのは「第二百七十二条の三十七第二項に規定する少額短期保険持株会社」と読み替えるものとする。
(指定少額短期保険業務紛争解決機関との契約締結義務等)
第二百七十二条の十三の二 少額短期保険業者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。
一 指定少額短期保険業務紛争解決機関(指定紛争解決機関であってその紛争解決等業務の種別が少額短期保険業務であるものをいう。以下この条において同じ。)が存在する場合 一の指定少額短期保険業務紛争解決機関との間で少額短期保険業務に係る手続実施基本契約を締結する措置
二 指定少額短期保険業務紛争解決機関が存在しない場合 少額短期保険業務に関する苦情処理措置及び紛争解決措置
2 少額短期保険業者は、前項の規定により手続実施基本契約を締結する措置を講じた場合には、当該手続実施基本契約の相手方である指定少額短期保険業務紛争解決機関の商号又は名称を公表しなければならない。
3 第一項の規定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間においては、適用しない。
一 第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第二号に掲げる場合に該当することとなったとき 第三百八条の二十三第一項の規定による紛争解決等業務の廃止の認可又は第三百八条の二十四第一項の規定による指定の取消しの時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
二 第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同号の一の指定少額短期保険業務紛争解決機関の紛争解決等業務の廃止が第三百八条の二十三第一項の規定により認可されたとき、又は同号の一の指定少額短期保険業務紛争解決機関の第三百八条の二第一項の規定による指定が第三百八条の二十四第一項の規定により取り消されたとき(前号に掲げる場合を除く。) その認可又は取消しの時に、第一項第一号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
三 第一項第二号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第一号に掲げる場合に該当することとなったとき 第三百八条の二第一項の規定による指定の時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
(少額短期保険業者の子会社の範囲等)
第二百七十二条の十四 少額短期保険業者は、その行う業務に従属し、又は付随し、若しくは関連する業務として内閣府令で定める業務を専ら営む会社以外の会社を子会社としてはならない。
2 少額短期保険業者は、前項に規定する内閣府令で定める業務を専ら営む会社を子会社としようとするときは、第二百七十二条の三十第一項において準用する第百四十二条の規定又は第百六十七条第一項若しくは第百七十三条の六第一項の規定により事業の譲受け、合併又は会社分割の認可を受ける場合を除き、あらかじめ、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
第三節 経理
(事業年度)
第二百七十二条の十五 少額短期保険業者の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。
(業務報告書等)
第二百七十二条の十六 少額短期保険業者は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 第二百七十二条の四第一項第一号ロに掲げる株式会社等である少額短期保険業者(次項及び次条において「特定少額短期保険業者」という。)は、前項の業務報告書のほか、中間業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
3 第百十条第二項の規定は特定少額短期保険業者が子会社その他の当該特定少額短期保険業者と内閣府令で定める特殊の関係のある者(次条及び第二百七十二条の二十五第一項において「子会社等」という。)を有する場合について、第百十条第三項の規定は少額短期保険業者について、それぞれ準用する。この場合において、同項中「前二項」とあるのは、「第二百七十二条の十六第一項及び第二項並びに前項」と読み替えるものとする。
(業務及び財産の状況に関する説明書類)
第二百七十二条の十七 第百十一条第一項及び第三項から第六項までの規定は少額短期保険業者について、同条第二項の規定は特定少額短期保険業者が子会社等を有する場合について、それぞれ準用する。
(事業費等の償却等に関する規定の準用)
第二百七十二条の十八 第百十三条、第百十五条、第百十六条第一項及び第三項、第百十七条並びに第百二十条から第百二十二条までの規定は少額短期保険業者について、第百十四条の規定は少額短期保険業者である株式会社について、それぞれ準用する。この場合において、第百十六条第三項中「前二項」とあるのは「第一項」と、第百二十一条第一項第一号中「内閣府令で定める保険契約に係る責任準備金が健全な保険数理に基づいて」とあるのは「保険料が保険数理に基づき合理的かつ妥当な方法により算出されているかどうか、責任準備金が保険数理に基づき合理的かつ妥当な方法により」と読み替えるものとする。
第四節 監督
(事業方法書等に定めた事項の変更)
第二百七十二条の十九 少額短期保険業者は、第二百七十二条の二第二項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項を変更しようとする場合は、あらかじめ当該変更しようとする旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2 少額短期保険業者は、前項の規定による届出が第二百七十二条の二第二項第四号に掲げる書類に定めた事項の変更である場合には、当該書類に定めた保険料及び責任準備金の算出方法が、保険数理に基づき合理的かつ妥当なものであると認められることについて、保険計理人が確認した結果を記載した意見書を提出しなければならない。
3 前項の意見書に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(事業方法書等に定めた事項の変更の届出等)
第二百七十二条の二十 前条の規定による届出があった場合は、内閣総理大臣が当該届出を受理した日の翌日から起算して六十日を経過した日(当該届出が第二百七十二条の二第二項第四号に掲げる書類に定めた事項のみの変更に係るものである場合は、当該届出を受理した日の翌日)に、当該届出に係る変更があったものとする。
2 内閣総理大臣は、前条の規定による届出(第二百七十二条の二第二項第四号に掲げる書類に定めた事項のみの変更に係る届出を除く。以下この条において同じ。)に係る事項が第二百七十二条の四第一項第五号に規定する基準に適合していると認めるときは、前項に規定する期間を相当と認める期間に短縮することができる。この場合において、内閣総理大臣は、当該届出をした者に対し、遅滞なく、当該期間の短縮を通知しなければならない。
3 内閣総理大臣は、前条の規定による届出に係る事項が第二百七十二条の四第一項第五号に規定する基準に適合するかどうかについて審査するため相当の期間を要し、当該審査期間が第一項に規定する期間内に終了しないと認める相当の理由があるときは、当該期間を相当と認める期間に延長することができる。この場合において、内閣総理大臣は、当該届出をした者に対し、遅滞なく、当該延長後の期間及び当該延長の理由を通知しなければならない。
4 内閣総理大臣は、前条の規定による届出に係る事項が第二百七十二条の四第一項第五号に規定する基準に適合しないと認めるときは、当該届出を受理した日の翌日から起算して六十日を経過するまでの期間(前項の規定により当該期間が延長された場合にあっては、当該延長後の期間)内に限り、当該届出をした者に対し、期限を付して当該届出に係る事項について変更を命じ、又は当該届出の撤回を命ずることができる。
(届出事項)
第二百七十二条の二十一 少額短期保険業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 少額短期保険業を開始したとき。
二 その子会社が子会社でなくなったとき(第二百七十二条の三十第一項において準用する第百四十二条又は第百七十三条の六第一項の規定による認可を受けて事業の譲渡又は会社分割をした場合を除く。)。
三 資本金の額又は基金の総額を増額しようとするとき。
四 定款の変更をしたとき。
五 その総株主の議決権の百分の五を超える議決権が一の株主により取得又は保有されることとなったとき。
六 その他内閣府令(金融破綻たん処理制度及び金融危機管理に係るものについては、内閣府令・財務省令)で定める場合に該当するとき。
2 第二条第十五項の規定は、前項第五号に規定する一の株主が取得し、又は保有することとなった少額短期保険業者の議決権について準用する。
(報告又は資料の提出)
第二百七十二条の二十二 内閣総理大臣は、少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、少額短期保険業者に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
2 内閣総理大臣は、少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該少額短期保険業者の子法人等(子会社その他少額短期保険業者がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものをいう。次項並びに次条第二項及び第三項において同じ。)又は当該少額短期保険業者から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。次項並びに同条第二項及び第三項において同じ。)に対し、当該少額短期保険業者の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
3 少額短期保険業者の子法人等又は当該少額短期保険業者から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。
(立入検査)
第二百七十二条の二十三 内閣総理大臣は、少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該職員に、少額短期保険業者の営業所、事務所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に、少額短期保険業者の子法人等若しくは当該少額短期保険業者から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該少額短期保険業者に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 少額短期保険業者の子法人等又は当該少額短期保険業者から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による質問及び検査を拒むことができる。
(事業方法書等に定めた事項の変更命令)
第二百七十二条の二十四 内閣総理大臣は、少額短期保険業者が第二百七十二条の二第二項第四号に掲げる書類に定めた事項が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該少額短期保険業者に対し、期限を付して同号に掲げる書類に定めた事項の変更を命ずることができる。
一 保険料の算出方法が、保険金等割合(毎決算期において、その事業年度に保険契約に基づいて支払義務が発生した保険金その他の給付金(これに準ずるものとして内閣府令で定めるものを含む。)を、当該保険契約により収受した保険料として内閣府令で定めるもので除して得た割合をいう。)その他の収支の状況に照らして、保険数理に基づき合理的かつ妥当なものであると認められないとき。
二 責任準備金の算出方法が、保険数理に基づき合理的かつ妥当なものであると認められないとき。
2 内閣総理大臣は、前項に規定する場合のほか、少額短期保険業者の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該少額短期保険業者に対し、その必要の限度において、第二百七十二条の二第二項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項の変更を命ずることができる。
(業務改善命令)
第二百七十二条の二十五 内閣総理大臣は、少額短期保険業者の業務若しくは財産又は少額短期保険業者及びその子会社等の財産の状況に照らして、当該少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該少額短期保険業者に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、又は提出された改善計画の変更を命じ、その他監督上必要な措置を命ずることができる。
2 前項の規定による命令であって、少額短期保険業者の保険金等の支払能力の充実の状況によって必要があると認めるときにするものは、少額短期保険業者の保険金等の支払能力の充実の状況に係る区分に応じ内閣府令・財務省令で定めるものでなければならない。
(登録の取消し等)
第二百七十二条の二十六 内閣総理大臣は、少額短期保険業者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、期限を付して当該少額短期保険業者の業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は第二百七十二条第一項の登録を取り消すことができる。
一 第二百七十二条の四第一項第一号から第四号まで、第七号、第八号又は第十一号に該当したとき。
二 不正の手段により第二百七十二条第一項の登録を受けたとき。
三 小規模事業者でなくなったとき、その他法令の規定に違反したとき。
四 法令に基づく内閣総理大臣の処分又は第二百七十二条の二第二項各号に掲げる書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反したとき。
五 公益を害する行為をしたとき。
2 内閣総理大臣は、少額短期保険業者の取締役、執行役、会計参与又は監査役が第二百七十二条の四第一項第十号イからヘまでのいずれかに該当することとなったとき、法令の規定に違反する行為をしたとき、又は前項第四号若しくは第五号に該当する行為をしたときは、当該少額短期保険業者に対し当該取締役、執行役、会計参与又は監査役の解任を命ずることができる。
第二百七十二条の二十七 内閣総理大臣は、少額短期保険業者の財産の状況が著しく悪化し、少額短期保険業を継続することが保険契約者等の保護の見地から適当でないと認めるときは、当該少額短期保険業者の第二百七十二条第一項の登録を取り消すことができる。
(健全性の基準に関する規定の準用)
第二百七十二条の二十八 第百三十条の規定は、少額短期保険業者について準用する。
第五節 保険契約の移転等
(保険契約の移転に関する規定の準用)
第二百七十二条の二十九 第七章第一節の規定は、少額短期保険業者の保険契約の移転について準用する。この場合において、第百三十五条第一項中「外国保険会社等」とあるのは、「外国保険会社等及び少額短期保険業者」と読み替えるものとする。
(事業の譲渡又は譲受け並びに業務及び財産の管理の委託に関する規定の準用)
第二百七十二条の三十 第百四十二条の規定は、少額短期保険業者を全部又は一部の当事者とする事業の譲渡又は譲受けについて準用する。
2 第七章第三節の規定は、少額短期保険業者がその業務及び財産の管理の委託をする場合について準用する。この場合において、第百四十四条第一項中「外国保険会社等(内閣府令で定めるものを除く。)」とあるのは、「外国保険会社等(内閣府令で定めるものを除く。)及び少額短期保険業者」と読み替えるものとする。
第六節 株主
第一款 少額短期保険主要株主
(少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者に係る承認等)
第二百七十二条の三十一 次に掲げる取引若しくは行為により一の少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になろうとする者又は少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である会社その他の法人の設立をしようとする者(第二百七十一条の十第一項に規定する国等、第二百七十二条の三十五第一項に規定する持株会社になろうとする会社、同項に規定する者及び少額短期保険業者を子会社としようとする第二百七十二条の三十七第二項に規定する少額短期保険持株会社を除く。)は、あらかじめ、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
一 当該議決権の保有者になろうとする者による少額短期保険業者の議決権の取得(担保権の実行による株式の取得その他の内閣府令で定める事由によるものを除く。)
二 当該議決権の保有者になろうとする者がその主要株主基準値以上の数の議決権を保有している会社による第二百七十二条第一項の登録を受ける行為
三 その他政令で定める取引又は行為
2 前項各号に掲げる取引又は行為以外の事由により一の少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になった者(第二百七十一条の十第一項に規定する国等、第二百七十二条の三十五第二項に規定する特定少額短期持株会社及び第二百七十二条の三十七第二項に規定する少額短期保険持株会社を除く。以下この条及び第三百三十三条において「特定少額短期主要株主」という。)は、当該事由の生じた日の属する当該少額短期保険業者の事業年度の終了の日から一年を経過する日(以下この項及び第四項において「猶予期限日」という。)までに少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。ただし、当該特定少額短期主要株主が、猶予期限日後も引き続き少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であることについて内閣総理大臣の承認を受けた場合は、この限りでない。
3 特定少額短期主要株主は、前項の規定による措置により少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。当該措置によることなく少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなったときも、同様とする。
4 内閣総理大臣は、第一項の承認を受けずに同項各号に掲げる取引若しくは行為により少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になった者若しくは少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者として設立された会社その他の法人又は第二項ただし書の承認を受けることなく猶予期限日後も少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である者に対し、当該少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなるよう、所要の措置を講ずることを命ずることができる。
5 第二条第十五項の規定は、前各項の場合において、少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者が保有する議決権について準用する。
(承認申請手続)
第二百七十二条の三十二 前条第一項又は第二項ただし書の承認を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一 議決権保有割合(当該承認を受けようとする者の保有する当該承認に係る少額短期保険業者の議決権の数を、当該少額短期保険業者の総株主の議決権で除して得た割合をいう。第二百七十二条の三十六第一項及び第二百七十二条の四十二第一項において同じ。)に関する事項、取得資金に関する事項、保有の目的その他の少額短期保険業者の議決権の保有に関する重要な事項として内閣府令で定める事項
二 商号、名称又は氏名及び住所
三 法人である場合においては、その資本金又は出資の額及びその代表者の氏名
四 事業を行っているときは、営業所の名称及び所在地並びにその事業の種類
2 前項の承認申請書には、次条第一項第一号ハ及び第二号ハに該当しないことを誓約する書面その他内閣府令で定める書面を添付しなければならない。
3 第二条第十五項の規定は、第一項の場合において、承認申請書を提出する者が保有する議決権について準用する。
第二百七十二条の三十三 内閣総理大臣は、第二百七十二条の三十一第一項又は第二項ただし書の承認の申請があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを承認しなければならない。
一 当該承認の申請をした者(以下この条において「申請者」という。)が会社その他の法人である場合又は当該承認を受けて会社その他の法人が設立される場合にあっては、次のいずれかに該当するとき。
イ 取得資金に関する事項、保有の目的その他の当該申請者又は当該承認を受けて設立される会社その他の法人(以下この号において「法人申請者等」という。)による少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有に関する事項に照らして、当該法人申請者等がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがあること。
ロ 法人申請者等及びその子会社(子会社となる会社を含む。)の財産及び収支の状況に照らして、当該法人申請者等がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがあること。
ハ 法人申請者等が、次のいずれかに該当する者であること。
(1) 第百三十三条若しくは第百三十四条の規定により第三条第一項の免許を取り消され、第二百五条若しくは第二百六条の規定により第百八十五条第一項の免許を取り消され、第二百三十一条若しくは第二百三十二条の規定により第二百十九条第一項の免許を取り消され、第二百七十二条の二十六第一項若しくは第二百七十二条の二十七の規定により第二百七十二条第一項の登録を取り消され、若しくは第三百七条第一項の規定により第二百七十六条若しくは第二百八十六条の登録を取り消された場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の免許若しくは登録(当該免許又は登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日から五年を経過しない者
(2) 第二百七十二条の四第一項第八号に規定する法律又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
(3) 役員のうちに会社法第三百三十一条第一項第二号(取締役の資格等)若しくは第十二条第一項の規定により読み替えて適用する同法第三百三十一条第一項第三号に掲げる者又は第二百七十二条の四第一項第十号イからヘまでのいずれかに該当する者のある者
二 前号に掲げる場合以外の場合にあっては、次のいずれかに該当するとき。
イ 取得資金に関する事項、保有の目的その他の当該申請者による少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有に関する事項に照らして、当該申請者がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがあること。
ロ 当該申請者の財産の状況(当該申請者が事業を行う者である場合においては、収支の状況を含む。)に照らして、当該申請者がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがあること。
ハ 当該申請者が、次のいずれかに該当する者であること。
(1) 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者であって、その法定代理人が会社法第三百三十一条第一項第二号若しくは第十二条第一項の規定により読み替えて適用する同法第三百三十一条第一項第三号に掲げる者又は第二百七十二条の四第一項第十号イからヘまでのいずれかに該当する者であるもの
(2) 会社法第三百三十一条第一項第二号若しくは第十二条第一項の規定により読み替えて適用する同法第三百三十一条第一項第三号に掲げる者又は第二百七十二条の四第一項第十号イからヘまでのいずれかに該当する者
2 第二条第十五項の規定は、前項の場合において、申請者が保有する議決権について準用する。
(監督に関する規定の準用)
第二百七十二条の三十四 第二百七十一条の十二から第二百七十一条の十四まで及び第二百七十一条の十六の規定は、少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である少額短期保険主要株主(第二百七十二条の三十一第一項各号に掲げる取引若しくは行為について保有者となる承認を受け、同項の承認を受けて設立され、又は同条第二項ただし書の承認を受けている者をいう。以下同じ。)について準用する。この場合において、第二百七十一条の十二中「第百二十八条第一項」とあるのは「第二百七十二条の二十二第一項」と、第二百七十一条の十三中「第百二十九条第一項」とあるのは「第二百七十二条の二十三第一項」と、第二百七十一条の十四中「第二百七十一条の十一各号」とあるのは「第二百七十二条の三十三第一項各号」と、「第二百七十一条の十第一項又は第二項ただし書の認可」とあるのは「第二百七十二条の三十一第一項又は第二項ただし書の承認」と、第二百七十一条の十六第一項中「第二百七十一条の十第一項若しくは第二項ただし書の認可」とあるのは「第二百七十二条の三十一第一項若しくは第二項ただし書の承認」と、「同条第一項の認可」とあるのは「同条第一項の承認」と、「当該認可」とあるのは「当該承認」と、同条第二項中「第二百七十一条の十第一項又は第二項ただし書の認可」とあるのは「第二百七十二条の三十一第一項又は第二項ただし書の承認」と読み替えるものとする。
2 第二条第十五項の規定は、前項の場合において、少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者が保有する議決権について準用する。
第二款 少額短期保険持株会社
(少額短期保険持株会社に係る承認等)
第二百七十二条の三十五 次に掲げる取引若しくは行為により少額短期保険業者を子会社とする持株会社になろうとする会社又は少額短期保険業者を子会社とする持株会社の設立をしようとする者は、あらかじめ、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
一 当該会社又はその子会社による少額短期保険業者の議決権の取得(担保権の実行による株式の取得その他の内閣府令で定める事由によるものを除く。)
二 当該会社の子会社による第二百七十二条第一項の登録を受ける行為
三 その他政令で定める取引又は行為
2 前項各号に掲げる取引又は行為以外の事由により少額短期保険業者を子会社とする持株会社になった会社(以下「特定少額短期持株会社」という。)は、当該事由の生じた日の属する事業年度終了後三月以内に、当該会社が少額短期保険業者を子会社とする持株会社になった旨その他の内閣府令で定める事項を内閣総理大臣に届け出なければならない。
3 特定少額短期持株会社は、前項の事由の生じた日の属する事業年度の終了の日から一年を経過する日(以下この項及び第五項において「猶予期限日」という。)までに少額短期保険業者を子会社とする持株会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。ただし、当該特定少額短期持株会社が、猶予期限日後も引き続き少額短期保険業者を子会社とする持株会社であることについて内閣総理大臣の承認を受けた場合は、この限りでない。
4 特定少額短期持株会社は、前項の規定による措置により少額短期保険業者を子会社とする持株会社でなくなったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。当該措置によることなく少額短期保険業者を子会社とする持株会社でなくなったときも、同様とする。
5 内閣総理大臣は、第一項の承認を受けずに同項各号に掲げる取引若しくは行為により少額短期保険業者を子会社とする持株会社になった会社若しくは少額短期保険業者を子会社とする持株会社として設立された会社又は第三項ただし書の承認を受けることなく猶予期限日後も少額短期保険業者を子会社とする持株会社である会社に対し、少額短期保険業者を子会社とする持株会社でなくなるよう、所要の措置を講ずることを命ずることができる。
第二百七十二条の三十六 前条第一項又は第三項ただし書の承認を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一 議決権保有割合に関する事項、取得資金に関する事項、保有の目的その他の少額短期保険業者の議決権の保有に関する重要な事項として内閣府令で定める事項
二 商号
三 資本金の額
四 取締役及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役、指名委員会等設置会社にあっては取締役及び執行役)の氏名
五 本店その他の営業所の名称及び所在地
2 前項の承認申請書には、定款、貸借対照表、損益計算書、次条第一項第三号に該当しないことを誓約する書面その他内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
第二百七十二条の三十七 内閣総理大臣は、第二百七十二条の三十五第一項又は第三項ただし書の承認の申請があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを承認しなければならない。
一 当該承認の申請をした会社又は当該承認を受けて設立される会社(以下この条において「申請者等」という。)及びその子会社(子会社となる会社を含む。第四号において同じ。)の財産及び収支の状況に照らして、当該申請者等がその子会社であり、又はその子会社となる少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがあること。
二 申請者等が、その人的構成等に照らして、その子会社であり、又はその子会社となる少額短期保険業者の経営管理を的確かつ公正に遂行することができる知識及び経験を有しない者であること。
三 申請者等が第二百七十二条の三十三第一項第一号ハに該当する者であること。
四 申請者等の子会社の業務の内容が第二百七十二条の三十九第三項各号のいずれかに該当するものであること。
2 少額短期保険持株会社(少額短期保険業者を子会社とする持株会社であって、第二百七十二条の三十五第一項各号に掲げる取引若しくは行為について保有者となる承認を受け、同項の承認を受けて設立され、又は同条第三項ただし書の承認を受けているものをいう。以下同じ。)は、外国の法令に準拠して設立されたものを除き、株式会社であって次に掲げる機関を置くものでなければならない。
一 取締役会
二 監査役会、監査等委員会又は指名委員会等
三 会計監査人
(少額短期保険持株会社の取締役等の適格性等)
第二百七十二条の三十七の二 会社法第三百三十一条第二項ただし書(取締役の資格等)(同法第三百三十五条第一項(監査役の資格等)において準用する場合を含む。)、第三百三十二条第二項(取締役の任期)(同法第三百三十四条第一項(会計参与の任期)において準用する場合を含む。)、第三百三十六条第二項(監査役の任期)及び第四百二条第五項ただし書(執行役の選任等)の規定は、少額短期保険持株会社については、適用しない。
2 少額短期保険持株会社は、持分会社の無限責任社員又は業務を執行する社員となることができない。
(少額短期保険持株会社の業務範囲等)
第二百七十二条の三十八 少額短期保険持株会社は、次条第一項各号に掲げる会社及びこれらの会社以外の会社で同項又は同条第四項ただし書の規定による内閣総理大臣の承認を受けて子会社とした会社の経営管理を行うこと並びにこれに附帯する業務のほか、他の業務を営むことができない。
2 少額短期保険持株会社は、その業務を営むに当たっては、その子会社である少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営の確保に努めなければならない。
(少額短期保険持株会社の子会社の範囲等)
第二百七十二条の三十九 少額短期保険持株会社は、次に掲げる会社以外の会社を子会社としようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
一 少額短期保険業者
二 少額短期保険業者の行う業務に従属し、又は付随し、若しくは関連する業務として内閣府令で定める業務を専ら営む会社
2 前項の承認を受けようとする少額短期保険持株会社は、当該承認の申請に係る会社の業務の内容、資本金の額、人的構成その他の内閣府令で定める事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項の承認の申請があったときは、当該申請に係る会社が行い、又は行おうとする業務の内容が、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを承認しなければならない。
一 当該業務の内容が、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあること。
二 当該業務の内容が、当該申請に係る会社の資本金の額、人的構成等に照らして、当該申請に係る会社の経営の健全性を損なう危険性が大きく、かつ、その経営の健全性が損なわれた場合には、当該申請をした少額短期保険持株会社の子会社である少額短期保険業者の経営の健全性が損なわれることとなるおそれがあること。
4 第一項の規定は、同項各号に掲げる会社以外の会社が、少額短期保険持株会社又はその子会社の担保権の実行による株式又は持分の取得その他の内閣府令で定める事由により当該少額短期保険持株会社の子会社となる場合には、適用しない。ただし、当該少額短期保険持株会社は、その子会社となった当該会社を引き続き子会社とすることについて内閣総理大臣の承認を受けた場合を除き、当該会社が当該事由の生じた日から一年を経過する日までに子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
5 少額短期保険持株会社が、保険会社を子会社とすることにより保険持株会社になろうとする場合又は保険持株会社である場合には、前条第一項の規定及び前各項の規定を適用せず、第二百七十一条の二十二の規定の定めるところによる。
6 少額短期保険持株会社が、銀行若しくは長期信用銀行を子会社とすることにより銀行持株会社若しくは長期信用銀行持株会社になろうとする場合又は銀行持株会社若しくは長期信用銀行持株会社である場合には、前条第一項の規定及び第一項から第四項までの規定を適用せず、銀行法又は長期信用銀行法の相当規定の定めるところによる。
(経理、監督等に関する規定の準用)
第二百七十二条の四十 第二百七十一条の二十三の規定は少額短期保険持株会社の事業年度について、第二百七十一条の二十四の規定は少額短期保険持株会社及びその子会社その他の当該少額短期保険持株会社と内閣府令で定める特殊の関係のある会社(以下この条において「子会社等」という。)の業務及び財産の状況を連結して記載した中間業務報告書及び業務報告書について、第二百七十一条の二十五第一項から第四項までの規定は少額短期保険持株会社及びその子会社等の業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを当該少額短期保険持株会社及び当該子会社等につき連結して記載した説明書類について、同条第五項の規定は少額短期保険持株会社について、第二百七十一条の二十六の規定は少額短期保険持株会社の事業報告及び附属明細書の記載事項について、それぞれ準用する。
2 第二百七十一条の二十七の規定は少額短期保険業者を子会社とする少額短期保険持株会社、当該少額短期保険持株会社の子法人等(子会社その他当該少額短期保険持株会社がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)又は当該少額短期保険持株会社から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下この項において同じ。)について、第二百七十一条の二十八第一項の規定は少額短期保険業者を子会社とする少額短期保険持株会社について、同条第二項及び第四項の規定は少額短期保険持株会社の子法人等又は当該少額短期保険持株会社から業務の委託を受けた者について、同条第三項の規定はこれらの規定による立入り、質問又は検査をする職員について、第二百七十一条の二十八の二の規定は少額短期保険持株会社の子会社である少額短期保険業者について、第二百七十一条の二十九第一項及び第二項の規定は少額短期保険持株会社について、同条第三項の規定は少額短期保険持株会社の子会社である少額短期保険業者について、第二百七十一条の三十の規定は少額短期保険持株会社又は少額短期保険持株会社の子会社である少額短期保険業者について、それぞれ準用する。この場合において、第二百七十一条の二十七第一項中「第百二十八条第一項」とあるのは「第二百七十二条の二十二第一項」と、第二百七十一条の二十八第一項及び第二項中「第百二十九条第一項」とあるのは「第二百七十二条の二十三第一項」と、第二百七十一条の三十第一項中「第二百七十一条の十八第一項若しくは第三項ただし書の認可」とあるのは「第二百七十二条の三十五第一項若しくは第三項ただし書の承認」と、「同条第一項の認可」とあるのは「同条第一項の承認」と、「当該認可」とあるのは「当該承認」と、同条第二項中「第二百七十一条の十八第一項又は第三項ただし書の認可」とあるのは「第二百七十二条の三十五第一項又は第三項ただし書の承認」と、同条第三項中「第二百七十一条の十第二項」とあるのは「第二百七十二条の三十一第二項」と、同条第四項第一号及び第二号中「第二百七十一条の十八第一項の認可」とあるのは「第二百七十二条の三十五第一項の承認」と、同項第三号中「第二百七十一条の十八第三項ただし書の認可」とあるのは「第二百七十二条の三十五第三項ただし書の承認」と、同項第四号中「第二百七十一条の十八第一項又は第三項ただし書の認可」とあるのは「第二百七十二条の三十五第一項又は第三項ただし書の承認」と読み替えるものとする。
第三款 雑則
(外国少額短期保険主要株主又は外国少額短期保険持株会社に対する法律の適用関係)
第二百七十二条の四十一 少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であって外国人若しくは外国法人であるもの又は少額短期保険業者を子会社とする持株会社であって外国の法令に準拠して設立されたもの(以下この条において「外国少額短期保険主要株主等」という。)に対しこの法律を適用する場合における特例及び技術的読替えその他外国少額短期保険主要株主等に対するこの法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(届出事項)
第二百七十二条の四十二 少額短期保険主要株主(少額短期保険主要株主であった者を含む。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 第二百七十二条の三十一第一項の承認に係る少額短期保険主要株主になったとき、又は当該承認に係る少額短期保険主要株主として設立されたとき。
二 第二百七十二条の三十二第一項各号に掲げる事項に変更があったとき(議決権保有割合に変更があったときを除く。)。
三 少額短期保険業者の総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者となったとき。
四 少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなったとき(第六号の場合を除く。)。
五 少額短期保険業者の総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者でなくなったとき(前号及び次号の場合を除く。)。
六 解散したとき(設立、株式移転、合併(当該合併により少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる会社その他の法人を設立する場合に限る。)又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
七 その総株主の議決権の百分の五十を超える議決権が一の株主により取得又は保有されることとなったとき。
八 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
2 少額短期保険持株会社(少額短期保険持株会社であった会社を含む。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 第二百七十二条の三十五第一項の承認に係る少額短期保険持株会社になったとき、又は当該承認に係る少額短期保険持株会社として設立されたとき。
二 少額短期保険業者を子会社とする持株会社でなくなったとき(第五号の場合を除く。)。
三 第二百七十二条の三十九第一項各号に掲げる会社を子会社としようとするとき。
四 その子会社が子会社でなくなったとき(第二号の場合を除く。)。
五 解散したとき(設立、株式移転、合併(当該合併により少額短期保険業者を子会社とする持株会社を設立するものに限る。)又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
六 資本金の額を変更しようとするとき。
七 その総株主の議決権の百分の五を超える議決権が一の株主により取得又は保有されることとなったとき。
八 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
3 第二条第十五項の規定は、第一項第七号及び前項第七号に規定する一の株主が取得し、又は保有することとなった少額短期保険主要株主又は少額短期保険持株会社の議決権について準用する。
(承認の失効)
第二百七十二条の四十三 第二百七十一条の三十三第一項の規定は少額短期保険主要株主に係る第二百七十二条の三十一第一項の承認又は同条第二項ただし書の承認について、第二百七十一条の三十三第二項の規定は少額短期保険持株会社に係る第二百七十二条の三十五第一項の承認又は同条第三項ただし書の承認について、それぞれ準用する。
第十三章 雑則
(免許又は登録の失効)
第二百七十三条 保険会社(外国保険会社等を含む。)又は少額短期保険業者が次の各号のいずれか(外国保険会社等にあっては、第一号又は第五号)に該当するときは、第三条第一項若しくは第百八十五条第一項の免許又は第二百七十二条第一項の登録は、その効力を失う。
一 保険業(外国保険会社等にあっては、日本における保険業。第五号において同じ。)を廃止したとき。
二 解散したとき(設立、株式移転、合併(当該合併により保険会社を設立するものに限る。)又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
三 保険業を営む株式会社が保険契約の全部に係る保険契約の移転をしたとき。
四 保険業を営む株式会社が会社分割により保険契約の全部を承継させたとき。
五 当該免許又は登録を受けた日から六月以内に保険業を開始しなかったとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けたときを除く。)。
2 第二百九条第五号から第八号までのいずれかに該当して同条の規定による届出(同条第五号に係る届出にあっては、当該合併後当該外国保険会社等が消滅することとなる合併、当該外国保険会社等の事業の全部を承継させることとなる会社分割及び事業の全部の譲渡に係る届出に限る。)があったときは、当該届出をした外国保険会社等に係る第百八十五条第一項の内閣総理大臣の免許は、その効力を失う。
3 少額短期保険業者が第三条第一項の免許を受けたときは、第二百七十二条第一項の登録は、その効力を失う。
(内閣総理大臣の告示)
第二百七十四条 次に掲げる場合には、内閣総理大臣は、その旨を官報で告示するものとする。
一 第百三十二条第一項、第百三十三条、第二百四条第一項、第二百五条、第二百四十一条第一項又は第二百七十二条の二十六第一項の規定により業務(外国保険会社等にあっては、日本における業務)の全部又は一部の停止を命じたとき。
二 第百三十三条、第百三十四条、第二百五条、第二百六条、第二百七十二条の二十六第一項又は第二百七十二条の二十七の規定により第三条第一項若しくは第百八十五条第一項の免許又は第二百七十二条第一項の登録を取り消したとき。
三 第二百四十一条第一項の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分又は第二百五十八条第一項の規定による命令をしたとき。
四 前条の規定により第三条第一項又は第百八十五条第一項の免許がその効力を失ったとき。
五 第二百七十一条の十六第一項の規定により第二百七十一条の十第一項又は第二項ただし書の認可を取り消したとき。
六 第二百七十一条の三十第一項の規定により第二百七十一条の十八第一項又は第三項ただし書の認可を取り消したとき。
七 第二百七十一条の三十第一項の規定により保険持株会社の子会社である保険会社の業務の全部又は一部の停止を命じたとき。
八 第二百七十一条の三十第四項の規定により保険会社の業務の全部又は一部の停止を命じたとき。
九 第二百七十一条の三十三の規定により第二百七十一条の十第一項若しくは第二項ただし書又は第二百七十一条の十八第一項若しくは第三項ただし書の認可が効力を失ったとき。
第三編 保険募集
第一章 通則
(保険募集の制限)
第二百七十五条 次の各号に掲げる者が当該各号に定める保険募集を行う場合を除くほか、何人も保険募集を行ってはならない。
一 次条の登録を受けた生命保険募集人 その所属保険会社等のために行う保険契約の締結の代理又は媒介(生命保険募集人である銀行その他の政令で定める者(以下この条において「銀行等」という。)又はその役員若しくは使用人にあっては、保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ない場合として内閣府令で定める場合に限る。)
二 損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。以下この編において同じ。)の役員(代表権を有する役員並びに監査役、監査等委員及び監査委員を除く。以下この条、第二百八十三条及び第三百二条において同じ。)若しくは使用人又は次条の登録を受けた損害保険代理店若しくはその役員若しくは使用人 その所属保険会社等のために行う保険契約の締結の代理又は媒介(損害保険代理店である銀行等又はその役員若しくは使用人にあっては、保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ない場合として内閣府令で定める場合に限る。)
三 特定少額短期保険募集人(少額短期保険募集人のうち、第三条第五項第一号に掲げる保険その他内閣府令で定める保険のみに係る保険募集を行う者で、少額短期保険業者の委託を受けた者又はその者の再委託を受けた者でないものをいう。以下同じ。)又は次条の登録を受けた少額短期保険募集人 その所属保険会社等のために行う保険契約の締結の代理又は媒介(少額短期保険募集人である銀行等又はその役員若しくは使用人にあっては、保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ない場合として内閣府令で定める場合に限る。)
四 第二百八十六条の登録を受けた保険仲立人又はその役員若しくは使用人 保険契約(外国保険会社等以外の外国保険業者が保険者となる保険契約については、政令で定めるものに限る。)の締結の媒介(保険仲立人である銀行等又はその役員若しくは使用人にあっては、保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ない場合として内閣府令で定める場合に限る。)であって生命保険募集人、損害保険募集人及び少額短期保険募集人がその所属保険会社等のために行う保険契約の締結の媒介以外のもの
2 銀行等は、他の法律の規定にかかわらず、次条又は第二百八十六条の登録を受けて保険募集を行うことができる。
3 保険募集の再委託は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合において、当該再委託をする者(以下この条、第二百八十一条第一号及び第二百八十三条において「保険募集再委託者」という。)及びその所属保険会社等が、あらかじめ、再委託に係る事項の定めを含む委託に係る契約の締結について、内閣総理大臣の認可を受けたときに限り、行うことができる。
一 保険募集再委託者が、第一項第一号から第三号までに掲げる者のうち保険会社又は外国保険会社等であって、その所属保険会社等と内閣府令で定める密接な関係を有する者であること。
二 再委託を受ける者が、保険募集再委託者の生命保険募集人又は損害保険募集人であること。
三 保険募集再委託者が、再委託について、所属保険会社等の許諾を得ていること。
4 前項の認可の申請は、内閣府令で定めるところにより、保険募集再委託者及び所属保険会社等の連名で行わなければならない。
5 内閣総理大臣は、第三項の認可の申請があった場合においては、その申請者が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 当該再委託が第三項各号に掲げる要件のいずれにも該当すること。
二 当該保険募集再委託者及び所属保険会社等が、再委託に係る保険募集の的確、公正かつ効率的な遂行を確保するために必要な体制の整備その他の措置を講じていること。
第二章 保険募集人及び所属保険会社等
第一節 保険募集人
(登録)
第二百七十六条 特定保険募集人(生命保険募集人、損害保険代理店又は少額短期保険募集人(特定少額短期保険募集人を除く。)をいう。以下同じ。)は、この法律の定めるところにより、内閣総理大臣の登録を受けなければならない。
(登録の申請)
第二百七十七条 前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一 商号若しくは名称又は氏名及び生年月日
二 事務所の名称及び所在地
三 所属保険会社等の商号、名称又は氏名
四 他に業務を行っているときは、その業務の種類
五 その他内閣府令で定める事項
2 前項の登録申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 第二百七十九条第一項第一号から第五号まで、第七号、第八号(同項第六号に係る部分を除く。)、第九号(同項第六号に係る部分を除く。)、第十号又は第十一号のいずれにも該当しないことを誓約する書面
二 登録申請者が法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この編において同じ。)であるときは、その役員(法人でない社団又は財団におけるその代表者又は管理人を含む。第二百八十三条及び第三百二条を除き、以下この編において同じ。)の氏名及び住所を記載した書面
三 前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類
(登録の実施)
第二百七十八条 内閣総理大臣は、第二百七十六条の登録の申請があった場合においては、次条第一項から第三項までの規定により登録を拒否する場合を除くほか、直ちに、次に掲げる事項を内閣府令で定める場所に備える生命保険募集人登録簿、損害保険代理店登録簿又は少額短期保険募集人登録簿に登録しなければならない。
一 前条第一項各号に掲げる事項
二 登録年月日及び登録番号
2 内閣総理大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者及び所属保険会社等に通知しなければならない。
(登録の拒否)
第二百七十九条 内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
一 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
二 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
三 この法律又はこれに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
四 第三百七条第一項の規定により第二百七十六条の登録を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から三年を経過しないものを含む。)又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。以下この号において「登録等」という。)を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該登録等を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から三年を経過しないものを含む。)
五 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
六 申請の日前三年以内に保険募集に関し著しく不適当な行為をした者
七 保険仲立人又はその役員若しくは保険募集を行う使用人
八 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号又は次号のいずれかに該当するもの
九 法人でその役員のうちに第一号から第六号までのいずれかに該当する者のあるもの
十 個人でその保険募集を行う使用人のうちに第七号に該当する者のあるもの
十一 法人でその役員又は保険募集を行う使用人のうちに第七号に該当する者のあるもの
2 内閣総理大臣は、前項の規定により登録を拒否しようとするときは、あらかじめ、登録申請者にその旨を通知し、その者又はその代理人の出頭を求め、釈明のための証拠を提出する機会を与えるため、内閣総理大臣の指定する職員をして意見を聴取させなければならない。
3 前項の場合において、内閣総理大臣は、意見を聴取される者が正当な理由がないのに、意見の聴取に応じないときは、意見の聴取を行わないで登録を拒否することができる。
4 内閣総理大臣は、前三項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、書面をもって、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
(変更等の届出等)
第二百八十条 特定保険募集人が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 第二百七十七条第一項各号に掲げる事項について変更があったとき。 当該変更に係る特定保険募集人
二 保険募集の業務を廃止したとき。 特定保険募集人であった個人又は特定保険募集人であった法人を代表する役員
三 特定保険募集人である個人が死亡したとき。 その相続人
四 特定保険募集人である法人について破産手続開始の決定があったとき。 その破産管財人
五 特定保険募集人である法人が合併(法人でない社団又は財団にあっては、合併に相当する行為。次号において同じ。)により消滅したとき。 その法人を代表する役員であった者
六 特定保険募集人である法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散(法人でない社団又は財団にあっては、解散に相当する行為)をしたとき。 その清算人(法人でない社団又は財団にあっては、その代表者又は管理人であった者)
2 内閣総理大臣は、前項第一号に係る同項の届出を受理したときは、届出があった事項を生命保険募集人登録簿、損害保険代理店登録簿又は少額短期保険募集人登録簿に登録し、その旨を所属保険会社等に通知しなければならない。
3 特定保険募集人が第一項第二号から第六号までのいずれかに該当することとなったときは、当該特定保険募集人の登録は、その効力を失う。
(登録免許税及び手数料)
第二百八十一条 第二百七十六条の登録を受けようとする者(登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)別表第一第三十七号の規定により新たな登録とみなされる場合における前条第一項第一号の規定による届出をする者を含む。)は、第一号に掲げる場合にあっては同法の定めるところにより登録免許税を、第二号に掲げる場合にあっては実費を勘案して政令で定める額の手数料を、それぞれ納めなければならない。
一 所属保険会社等からの委託又は保険募集再委託者からの再委託(一時的な必要に基づき期限を付して行われる委託又は再委託で内閣府令で定めるものを除く。)を受けて行う第二百七十七条第一項の規定による登録の申請(登録免許税法第三十四条の規定により新たな登録とみなされる場合における前条第一項第一号の規定による届出を含む。)を行う場合
二 前号に規定する申請以外の申請を行う場合
(生命保険募集人に係る制限)
第二百八十二条 生命保険会社(外国生命保険会社等を含む。以下この編において同じ。)又はその委託を受けた者は、他の生命保険会社の生命保険募集人に対して、保険募集の委託又は再委託をしてはならない。
2 生命保険募集人は、他の生命保険会社の役員若しくは使用人若しくはこれらの者の使用人を兼ね、又は他の生命保険会社の委託若しくはその委託を受けた者の再委託を受けて保険募集を行い、若しくは他の生命保険会社の委託若しくはその委託を受けた者の再委託を受けて保険募集を行う者の役員若しくは使用人として保険募集を行うことができない。
3 前二項の規定は、生命保険募集人が二以上の所属保険会社等を有する場合においても、その保険募集に係る業務遂行能力その他の状況に照らして、保険契約者等の保護に欠けるおそれがないものとして政令で定める場合には、適用しない。
第二節 所属保険会社等
(所属保険会社等及び保険募集再委託者の賠償責任)
第二百八十三条 所属保険会社等は、保険募集人が保険募集について保険契約者に加えた損害を賠償する責任を負う。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 所属保険会社等の役員である保険募集人(生命保険会社にあっては、当該役員の使用人である生命保険募集人を含む。)が行う保険募集については、所属保険会社等が当該役員の選任について相当の注意をし、かつ、これらの者の行う保険募集について保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたとき。
二 所属保険会社等の使用人である保険募集人(生命保険会社にあっては、当該使用人の使用人である生命保険募集人を含む。)が行う保険募集については、所属保険会社等が当該使用人(生命保険会社の使用人の使用人を除く。)の雇用について相当の注意をし、かつ、これらの者の行う保険募集について保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたとき。
三 所属保険会社等の委託に基づく特定保険募集人又はその役員若しくは使用人である保険募集人が行う保険募集については、所属保険会社等が当該特定保険募集人の委託をするについて相当の注意をし、かつ、これらの者の行う保険募集について保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたとき。
四 保険募集再委託者の再委託に基づく特定保険募集人又はその役員若しくは使用人である保険募集人(以下この条において「保険募集再受託者等」という。)が行う保険募集については、所属保険会社等が当該保険募集再受託者等に対する再委託の許諾を行うについて相当の注意をし、かつ、当該保険募集再受託者等の行う保険募集について保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたとき。
3 保険募集再委託者は、保険募集再受託者等が保険募集について保険契約者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、当該保険募集再委託者が再委託をするについて相当の注意をし、かつ、当該保険募集再受託者等の行う保険募集について保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたときは、この限りでない。
4 第一項の規定は所属保険会社等から保険募集人に対する求償権の行使を妨げず、また、前項の規定は保険募集再委託者から保険募集再受託者等に対する求償権の行使を妨げない。
5 民法第七百二十四条(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)の規定は、第一項及び第三項の請求権について準用する。
(所属保険会社等を代理人とする登録の申請等)
第二百八十四条 特定保険募集人又は第二百八十条第一項第二号から第六号までに定める者は、所属保険会社等を代理人として、第二百七十七条第一項の規定による登録の申請又は第二百八十条第一項若しくは第三百二条の規定による届出をすることができる。
(特定保険募集人の原簿)
第二百八十五条 所属保険会社等は、内閣府令で定めるところにより、当該所属保険会社等に係る特定保険募集人に関する原簿を、その本店若しくは主たる事務所又は支店若しくは従たる事務所(外国保険会社等の場合にあっては、第百八十五条第一項に規定する支店等)に備え置かなければならない。
2 利害関係人は、必要があるときは、所属保険会社等に対して、前項の原簿の閲覧を求めることができる。
第三章 保険仲立人
(登録)
第二百八十六条 保険仲立人は、この法律の定めるところにより、内閣総理大臣の登録を受けなければならない。
(登録の申請)
第二百八十七条 前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一 商号、名称又は氏名及び住所
二 事務所の名称及び所在地
三 取り扱う保険契約の種類
四 他に業務を行っているときは、その業務の種類
五 その他内閣府令で定める事項
2 前項の登録申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 第二百八十九条第一項第一号から第五号まで、第七号、第八号(同項第六号に係る部分を除く。)、第九号(同項第六号に係る部分を除く。)又は第十号のいずれにも該当しないことを誓約する書面
二 登録申請者が法人であるときは、その役員の氏名及び住所を記載した書面
三 前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類
(登録の実施)
第二百八十八条 内閣総理大臣は、第二百八十六条の登録の申請があった場合においては、次条第一項から第三項までの規定により登録を拒否する場合を除くほか、直ちに、次に掲げる事項を内閣府令で定める場所に備える保険仲立人登録簿に登録しなければならない。
一 前条第一項各号に掲げる事項
二 登録年月日及び登録番号
2 内閣総理大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
3 内閣総理大臣は、保険仲立人登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
(登録の拒否)
第二百八十九条 内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
一 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
二 禁錮こ以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
三 この法律又はこれに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
四 第三百七条第一項の規定により第二百八十六条の登録を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から三年を経過しないものを含む。)又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。以下この号において「登録等」という。)を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該登録等を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から三年を経過しないものを含む。)
五 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
六 申請の日前三年以内に保険募集に関し著しく不適当な行為をした者
七 保険会社等若しくは外国保険会社等、これらの役員(保険募集人である者を除く。)又は保険募集人(損害保険代理店の使用人については、保険募集を行う者に限る。)
八 個人でその保険募集を行う使用人のうちに前各号のいずれかに該当する者のあるもの
九 法人でその役員又は保険募集を行う使用人のうちに第一号から第七号までのいずれかに該当する者のあるもの
十 保険募集に係る業務を的確に遂行するに足りる能力を有しない者
2 内閣総理大臣は、前項の規定により登録を拒否しようとするときは、あらかじめ、登録申請者にその旨を通知し、その者又はその代理人の出頭を求め、釈明のための証拠を提示する機会を与えるため、内閣総理大臣の指定する職員をして意見を聴取させなければならない。
3 前項の場合において、内閣総理大臣は、意見を聴取される者が正当な理由がないのに、意見の聴取に応じないときは、意見の聴取を行わないで登録を拒否することができる。
4 内閣総理大臣は、前三項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、書面をもって、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
(変更等の届出等)
第二百九十条 保険仲立人が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 第二百八十七条第一項各号に掲げる事項について変更があったとき。 当該変更に係る保険仲立人
二 保険募集の業務を廃止したとき。 保険仲立人であった個人又は保険仲立人であった法人を代表する役員
三 保険仲立人である個人が死亡したとき。 その相続人
四 保険仲立人である法人について破産手続開始の決定があったとき。 その破産管財人
五 保険仲立人である法人が合併(法人でない社団又は財団にあっては、合併に相当する行為。次号において同じ。)により消滅したとき。 その法人を代表する役員であった者
六 保険仲立人である法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散(法人でない社団又は財団にあっては、解散に相当する行為)をしたとき。 その清算人(法人でない社団又は財団にあっては、その代表者又は管理人であった者)
2 内閣総理大臣は、前項第一号に係る同項の届出を受理したときは、届出があった事項を保険仲立人登録簿に登録しなければならない。
3 保険仲立人が第一項第二号から第六号までのいずれかに該当することとなったときは、当該保険仲立人の登録は、その効力を失う。
(保証金)
第二百九十一条 保険仲立人は、保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
2 前項の保証金の額は、保険仲立人の業務の状況及び保険契約者等の保護を考慮して、政令で定める額とする。
3 保険仲立人は、政令で定めるところにより、当該保険仲立人のために所要の保証金が内閣総理大臣の命令に応じて供託される旨の契約を締結し、かつ、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、当該契約において供託されることとなっている金額(以下この条において「契約金額」という。)につき第一項の保証金の全部又は一部の供託をしないことができる。
4 内閣総理大臣は、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、保険仲立人と前項の契約を締結した者又は当該保険仲立人に対し、契約金額に相当する金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
5 保険仲立人は、第一項の保証金につき供託(第三項の契約の締結を含む。)を行い、かつ、その旨を内閣総理大臣に届け出た後でなければ、保険契約の締結の媒介を行ってはならない。
6 保険仲立人に保険契約の締結の媒介を委託した保険契約者、当該保険契約の被保険者又は保険金額を受け取るべき者は、保険契約の締結の媒介に関して生じた債権に関し、当該保険仲立人に係る保証金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
7 前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
8 保険仲立人は、第六項の権利の実行その他の理由により、保証金の額(契約金額を含む。第十項において同じ。)が第二項の政令で定める額に不足することとなったときは、内閣府令で定める日から二週間以内にその不足額につき供託(第三項の契約の締結を含む。第三百十九条第十一号において同じ。)を行い、かつ、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
9 第一項又は前項の規定により供託する保証金は、国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める有価証券をもってこれに充てることができる。
10 第一項、第四項又は第八項の規定により供託した保証金は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、内閣総理大臣の承認を受けて、その全部又は一部を取り戻すことができる。
一 前条第一項第二号から第六号までのいずれかに該当することとなったとき。
二 第三百七条第一項又は第二項の規定により登録が取り消されたとき。
三 業務の状況の変化その他の理由により保証金の額が第二項の政令で定める額を超えることとなったとき。
11 内閣総理大臣は、前項の承認をするときは、保険契約の締結の媒介に関して生じた債権の弁済を確保するために必要と認める限度において、取り戻すことができる時期及び取り戻すことができる保証金の額を指定することができる。
12 前各項に定めるもののほか、保証金に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。
(保険仲立人賠償責任保険契約)
第二百九十二条 保険仲立人は、政令で定めるところにより、保険仲立人賠償責任保険契約を締結し、内閣総理大臣の承認を受けたときは、当該契約の効力の存する間、当該契約の保険金の額に応じて前条第一項の保証金の一部の供託(同条第三項の契約の締結を含む。次項において同じ。)をしないことができる。
2 内閣総理大臣は、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、前項の保険仲立人賠償責任保険契約を締結した保険仲立人に対し、前条第一項の保証金につき供託をしないことができるとされた金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
3 前二項に定めるもののほか、保険仲立人賠償責任保険契約に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(商法の準用)
第二百九十三条 商法第五百四十三条、第五百四十四条及び第五百四十六条から第五百五十条まで(仲立営業)の規定は、保険仲立人が行う保険契約の締結の媒介であって相互会社(外国相互会社を含む。)が当該保険契約の保険者となるべきものについて準用する。
第四章 業務
(情報の提供)
第二百九十四条 保険会社等若しくは外国保険会社等、これらの役員(保険募集人である者を除く。)、保険募集人又は保険仲立人若しくはその役員若しくは使用人は、保険契約の締結、保険募集又は自らが締結した若しくは保険募集を行った団体保険(団体又はその代表者を保険契約者とし、当該団体に所属する者を被保険者とする保険をいう。次条、第二百九十四条の三第一項及び第三百条第一項において同じ。)に係る保険契約に加入することを勧誘する行為その他の当該保険契約に加入させるための行為(当該団体保険に係る保険契約の保険募集を行った者以外の者が行う当該加入させるための行為を含み、当該団体保険に係る保険契約者又は当該保険契約者と内閣府令で定める特殊の関係のある者が当該加入させるための行為を行う場合であって、当該保険契約者から当該団体保険に係る保険契約に加入する者に対して必要な情報が適切に提供されることが期待できると認められるときとして内閣府令で定めるときにおける当該加入させるための行為を除く。次条及び第三百条第一項において同じ。)に関し、保険契約者等の保護に資するため、内閣府令で定めるところにより、保険契約の内容その他保険契約者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならない。ただし、保険契約者等の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定める場合は、この限りでない。
2 前項の規定は、第三百条の二に規定する特定保険契約の締結又はその代理若しくは媒介に関しては、適用しない。
3 保険募集人は、保険募集を行おうとするときは、あらかじめ、顧客に対し次に掲げる事項を明らかにしなければならない。
一 所属保険会社等の商号、名称又は氏名
二 自己が所属保険会社等の代理人として保険契約を締結するか、又は保険契約の締結を媒介するかの別
三 その他内閣府令で定める事項
4 保険仲立人は、保険契約の締結の媒介を行おうとするときは、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を顧客に交付しなければならない。
一 保険仲立人の商号、名称又は氏名及び住所
二 保険仲立人の権限に関する事項
三 保険仲立人の損害賠償に関する事項
四 その他内閣府令で定める事項
5 保険仲立人は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該顧客の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該保険仲立人は、当該書面を交付したものとみなす。
(顧客の意向の把握等)
第二百九十四条の二 保険会社等若しくは外国保険会社等、これらの役員(保険募集人である者を除く。)、保険募集人又は保険仲立人若しくはその役員若しくは使用人は、保険契約の締結、保険募集又は自らが締結した若しくは保険募集を行った団体保険に係る保険契約に加入することを勧誘する行為その他の当該保険契約に加入させるための行為に関し、顧客の意向を把握し、これに沿った保険契約の締結等(保険契約の締結又は保険契約への加入をいう。以下この条において同じ。)の提案、当該保険契約の内容の説明及び保険契約の締結等に際しての顧客の意向と当該保険契約の内容が合致していることを顧客が確認する機会の提供を行わなければならない。ただし、保険契約者等の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定める場合は、この限りでない。
(業務運営に関する措置)
第二百九十四条の三 保険募集人は、保険募集の業務(自らが保険募集を行った団体保険に係る保険契約に加入させるための行為に係る業務その他の保険募集の業務に密接に関連する業務を含む。以下この条並びに第三百五条第二項及び第三項において同じ。)に関し、この法律又は他の法律に別段の定めがあるものを除くほか、内閣府令で定めるところにより、保険募集の業務に係る重要な事項の顧客への説明、保険募集の業務に関して取得した顧客に関する情報の適正な取扱い、保険募集の業務を第三者に委託する場合における当該保険募集の業務の的確な遂行、二以上の所属保険会社等を有する場合における当該所属保険会社等が引き受ける保険に係る一の保険契約の契約内容につき当該保険に係る他の保険契約の契約内容と比較した事項の提供、保険募集人指導事業(他の保険募集人に対し、保険募集の業務の指導に関する基本となるべき事項(当該他の保険募集人が行う保険募集の業務の方法又は条件に関する重要な事項を含むものに限る。)を定めて、継続的に当該他の保険募集人が行う保険募集の業務の指導を行う事業をいう。)を実施する場合における当該指導の実施方針の適正な策定及び当該実施方針に基づく適切な指導その他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない。
2 保険仲立人は、保険募集の業務に関し、この法律又は他の法律に別段の定めがあるものを除くほか、内閣府令で定めるところにより、保険募集の業務に係る重要な事項の顧客への説明、保険募集の業務に関して取得した顧客に関する情報の適正な取扱い、保険募集の業務を第三者に委託する場合における当該保険募集の業務の的確な遂行その他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない。
(自己契約の禁止)
第二百九十五条 損害保険代理店及び保険仲立人は、その主たる目的として、自己又は自己を雇用している者を保険契約者又は被保険者とする保険契約(保険仲立人にあっては、内閣府令で定めるものに限る。次項において「自己契約」という。)の保険募集を行ってはならない。
2 前項の規定の適用については、損害保険代理店又は保険仲立人が保険募集を行った自己契約に係る保険料の合計額として内閣府令で定めるところにより計算した額が、当該損害保険代理店又は保険仲立人が保険募集を行った保険契約に係る保険料の合計額として内閣府令で定めるところにより計算した額の百分の五十を超えることとなったときは、当該損害保険代理店又は保険仲立人は、自己契約の保険募集を行うことをその主たる目的としたものとみなす。
第二百九十六条 削除
(保険仲立人の開示事項)
第二百九十七条 保険仲立人は、顧客から求められたときは、保険契約の締結の媒介に関して当該保険仲立人が受ける手数料、報酬その他の対価の額その他内閣府令で定める事項を、明らかにしなければならない。
(結約書の記載事項)
第二百九十八条 保険仲立人に対する商法第五百四十六条第一項(結約書作成及び交付義務)(第二百九十三条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同項中「其要領」とあるのは、「内閣府令ニ定ムル事項」とする。
(保険仲立人の誠実義務)
第二百九十九条 保険仲立人は、顧客から委託を受けてその顧客のため誠実に保険契約の締結の媒介を行わなければならない。
(指定保険仲立人保険募集紛争解決機関との契約締結義務等)
第二百九十九条の二 保険仲立人は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。
一 指定保険仲立人保険募集紛争解決機関(指定紛争解決機関であってその紛争解決等業務の種別が保険仲立人保険募集であるものをいう。以下この条において同じ。)が存在する場合 一の指定保険仲立人保険募集紛争解決機関との間で保険仲立人保険募集に係る手続実施基本契約を締結する措置
二 指定保険仲立人保険募集紛争解決機関が存在しない場合 保険仲立人保険募集に関する苦情処理措置及び紛争解決措置
2 保険仲立人は、前項の規定により手続実施基本契約を締結する措置を講じた場合には、当該手続実施基本契約の相手方である指定保険仲立人保険募集紛争解決機関の商号又は名称を公表しなければならない。
3 第一項の規定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間においては、適用しない。
一 第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第二号に掲げる場合に該当することとなったとき 第三百八条の二十三第一項の規定による紛争解決等業務の廃止の認可又は第三百八条の二十四第一項の規定による指定の取消しの時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
二 第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同号の一の指定保険仲立人保険募集紛争解決機関の紛争解決等業務の廃止が第三百八条の二十三第一項の規定により認可されたとき、又は同号の一の指定保険仲立人保険募集紛争解決機関の第三百八条の二第一項の規定による指定が第三百八条の二十四第一項の規定により取り消されたとき(前号に掲げる場合を除く。) その認可又は取消しの時に、第一項第一号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
三 第一項第二号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第一号に掲げる場合に該当することとなったとき 第三百八条の二第一項の規定による指定の時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
(保険契約の締結等に関する禁止行為)
第三百条 保険会社等若しくは外国保険会社等、これらの役員(保険募集人である者を除く。)、保険募集人又は保険仲立人若しくはその役員若しくは使用人は、保険契約の締結、保険募集又は自らが締結した若しくは保険募集を行った団体保険に係る保険契約に加入することを勧誘する行為その他の当該保険契約に加入させるための行為に関して、次に掲げる行為(自らが締結した又は保険募集を行った団体保険に係る保険契約に加入することを勧誘する行為その他の当該保険契約に加入させるための行為に関しては第一号に掲げる行為(被保険者に対するものに限る。)に限り、次条に規定する特定保険契約の締結又はその代理若しくは媒介に関しては同号に規定する保険契約の契約条項のうち保険契約者又は被保険者の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項を告げない行為及び第九号に掲げる行為を除く。)をしてはならない。ただし、第二百九十四条第一項ただし書に規定する保険契約者等の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定める場合における第一号に規定する保険契約の契約条項のうち保険契約者又は被保険者の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項を告げない行為については、この限りでない。
一 保険契約者又は被保険者に対して、虚偽のことを告げ、又は保険契約の契約条項のうち保険契約者又は被保険者の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項を告げない行為
二 保険契約者又は被保険者が保険会社等又は外国保険会社等に対して重要な事項につき虚偽のことを告げることを勧める行為
三 保険契約者又は被保険者が保険会社等又は外国保険会社等に対して重要な事実を告げるのを妨げ、又は告げないことを勧める行為
四 保険契約者又は被保険者に対して、不利益となるべき事実を告げずに、既に成立している保険契約を消滅させて新たな保険契約の申込みをさせ、又は新たな保険契約の申込みをさせて既に成立している保険契約を消滅させる行為
五 保険契約者又は被保険者に対して、保険料の割引、割戻しその他特別の利益の提供を約し、又は提供する行為
六 保険契約者若しくは被保険者又は不特定の者に対して、一の保険契約の契約内容につき他の保険契約の契約内容と比較した事項であって誤解させるおそれのあるものを告げ、又は表示する行為
七 保険契約者若しくは被保険者又は不特定の者に対して、将来における契約者配当又は社員に対する剰余金の分配その他将来における金額が不確実な事項として内閣府令で定めるものについて、断定的判断を示し、又は確実であると誤解させるおそれのあることを告げ、若しくは表示する行為
八 保険契約者又は被保険者に対して、当該保険契約者又は被保険者に当該保険会社等又は外国保険会社等の特定関係者(第百条の三(第二百七十二条の十三第二項において準用する場合を含む。第三百一条において同じ。)に規定する特定関係者及び第百九十四条に規定する特殊関係者のうち、当該保険会社等又は外国保険会社等を子会社とする保険持株会社及び少額短期保険持株会社(以下この条及び第三百一条の二において「保険持株会社等」という。)、当該保険持株会社等の子会社(保険会社等及び外国保険会社等を除く。)並びに保険業を行う者以外の者をいう。)が特別の利益の供与を約し、又は提供していることを知りながら、当該保険契約の申込みをさせる行為
九 前各号に定めるもののほか、保険契約者等の保護に欠けるおそれがあるものとして内閣府令で定める行為
2 前項第五号の規定は、保険会社等又は外国保険会社等が第四条第二項各号、第百八十七条第三項各号又は第二百七十二条の二第二項各号に掲げる書類に基づいて行う場合には、適用しない。
(金融商品取引法の準用)
第三百条の二 金融商品取引法第三章第一節第五款(第三十四条の二第六項から第八項まで(特定投資家が特定投資家以外の顧客とみなされる場合)並びに第三十四条の三第五項及び第六項(特定投資家以外の顧客である法人が特定投資家とみなされる場合)を除く。)(特定投資家)及び第四十五条(第三号及び第四号を除く。)(雑則)の規定は保険会社等若しくは外国保険会社等又は保険仲立人が行う特定保険契約(金利、通貨の価格、同法第二条第十四項に規定する金融商品市場における相場その他の指標に係る変動により損失が生ずるおそれ(当該保険契約が締結されることにより顧客の支払うこととなる保険料の合計額が、当該保険契約が締結されることにより当該顧客の取得することとなる保険金、返戻金その他の給付金の合計額を上回ることとなるおそれをいう。)がある保険契約として内閣府令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)又は顧客のために特定保険契約の締結の媒介を行うことを内容とする契約の締結について、同章第二節第一款(第三十五条から第三十六条の四まで(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者の業務の範囲、第二種金融商品取引業又は投資助言・代理業のみを行う者の兼業の範囲、業務管理体制の整備、顧客に対する誠実義務、標識の掲示、名義貸しの禁止、社債の管理の禁止等)、第三十七条第一項第二号(広告等の規制)、第三十七条の二(取引態様の事前明示義務)、第三十七条の三第一項第二号及び第六号並びに第三項(契約締結前の書面の交付)、第三十七条の五から第三十七条の七まで(保証金の受領に係る書面の交付、書面による解除、指定紛争解決機関との契約締結義務等)、第三十八条第一号、第二号及び第七号並びに第三十八条の二(禁止行為)、第三十九条第三項ただし書及び第五項(損失補てん等の禁止)並びに第四十条の二から第四十条の七まで(最良執行方針等、分別管理が確保されていない場合の売買等の禁止、金銭の流用が行われている場合の募集等の禁止、特定投資家向け有価証券の売買等の制限、特定投資家向け有価証券に関する告知義務、のみ行為の禁止、店頭デリバティブ取引に関する電子情報処理組織の使用義務等)を除く。)(通則)の規定は保険会社等、外国保険会社等、保険募集人又は保険仲立人が行う特定保険契約の締結又はその代理若しくは媒介について、それぞれ準用する。この場合において、これらの規定中「金融商品取引契約」とあるのは「特定保険契約等」と、「金融商品取引業」とあるのは「特定保険契約の締結又はその代理若しくは媒介の業務」と、同法第三十四条中「顧客を相手方とし、又は顧客のために金融商品取引行為(第二条第八項各号に掲げる行為をいう。以下同じ。)」とあるのは「特定保険契約(保険業法第三百条の二に規定する特定保険契約をいう。以下同じ。)又は顧客のために特定保険契約の締結の媒介」と、同法第三十七条第二項中「金融商品取引行為」とあるのは「特定保険契約の締結」と、同法第三十七条の三第一項中「締結しようとするとき」とあるのは「締結しようとするとき、又は特定保険契約の締結の代理若しくは媒介を行うとき」と、「交付しなければならない」とあるのは「交付するほか、保険契約者等(保険業法第五条第一項第三号イに規定する保険契約者等をいう。以下この項において同じ。)の保護に資するため、内閣府令で定めるところにより、当該特定保険契約の内容その他保険契約者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならない」と、同項第一号中「金融商品取引業者等」とあるのは「特定保険契約等を締結する保険会社等(保険業法第二条の二第一項に規定する保険会社等をいう。)、外国保険会社等(同法第二条第七項に規定する外国保険会社等をいう。)又は保険仲立人(同条第二十五項に規定する保険仲立人をいう。)」と、同項第五号中「金融商品取引行為」とあるのは「特定保険契約の締結」と、同法第三十八条第一項中「使用人」とあるのは「使用人(保険募集人(保険業法第二条第二十三項に規定する保険募集人をいう。)を除く。第三十九条第三項において同じ。)」と、同法第三十九条第一項第一号中「有価証券の売買その他の取引(買戻価格があらかじめ定められている買戻条件付売買その他の政令で定める取引を除く。)又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券売買取引等」という。)」とあるのは「特定保険契約の締結」と、「有価証券又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券等」という。)」とあるのは「特定保険契約」と、「顧客(信託会社等(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。以下同じ。)が、信託契約に基づいて信託をする者の計算において、有価証券の売買又はデリバティブ取引を行う場合にあつては、当該信託をする者を含む。以下この条において同じ。)」とあるのは「顧客」と、「損失」とあるのは「損失(当該特定保険契約が締結されることにより顧客の支払う保険料の合計額が当該特定保険契約が締結されることにより当該顧客の取得する保険金、返戻金その他の給付金の合計額を上回る場合における当該保険料の合計額から当該保険金、返戻金その他の給付金の合計額を控除した金額をいう。以下この条において同じ。)」と、「補足するため」とあるのは「補足するため、当該特定保険契約によらないで」と、同項第二号中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定保険契約の締結」と、「有価証券等」とあるのは「特定保険契約」と、「追加するため」とあるのは「追加するため、当該特定保険契約によらないで」と、同項第三号中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定保険契約の締結」と、「有価証券等」とあるのは「特定保険契約」と、「追加するため、」とあるのは「追加するため、当該特定保険契約によらないで」と、同条第二項中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定保険契約の締結」と、同条第三項中「原因となるものとして内閣府令で定めるもの」とあるのは「原因となるもの」と、同法第四十条第一号中「金融商品取引行為」とあるのは「特定保険契約等の締結」と、同法第四十五条第二号中「第三十七条の二から第三十七条の六まで、第四十条の二第四項及び第四十三条の四」とあるのは「第三十七条の三(第一項各号に掲げる事項に係る部分に限り、同項第二号及び第六号並びに第三項を除く。)及び第三十七条の四」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第三百一条 保険会社等又は外国保険会社等は、その特定関係者(第百条の三に規定する特定関係者(保険業を行う者に限る。)をいい、外国保険会社等の場合にあっては、第百九十四条に規定する特殊関係者(保険業を行う者に限る。)をいう。以下この条において同じ。)が行う保険契約の締結又はその特定関係者に係る保険募集に関して、次に掲げる行為又は取引をしてはならない。
一 当該特定関係者を保険者とする保険契約の保険契約者又は被保険者に対して、特別の利益の提供を約し、又は提供する行為
二 当該特定関係者との間又は当該特定関係者を保険者とする保険契約の保険契約者若しくは被保険者との間で行う行為又は取引のうち前号に掲げるものに準ずる行為又は取引で、保険募集の公正を害するおそれのあるものとして内閣府令で定める行為又は取引
第三百一条の二 保険持株会社等及びその子会社(保険会社等及び外国保険会社等を除く。)は、当該保険持株会社等の子会社である保険会社等若しくは外国保険会社等が行う保険契約の締結又は当該保険会社等若しくは外国保険会社等に係る保険募集に関して、次に掲げる行為又は取引をしてはならない。
一 当該保険会社等又は外国保険会社等を保険者とする保険契約の保険契約者又は被保険者に対して、特別の利益の提供を約し、又は提供する行為
二 当該保険会社等又は外国保険会社等を保険者とする保険契約の保険契約者若しくは被保険者との間で行う行為又は取引のうち前号に掲げるものに準ずる行為又は取引で、保険募集の公正を害するおそれのあるものとして内閣府令で定める行為又は取引
第五章 監督
(役員又は使用人の届出)
第三百二条 損害保険代理店、少額短期保険募集人又は保険仲立人は、その役員又は使用人(少額短期保険募集人の役員又は使用人にあっては、特定少額短期保険募集人に限る。)に保険募集を行わせようとするときは、その者の氏名及び生年月日を内閣総理大臣に届け出なければならない。届け出た事項について変更を生じたとき、又は届出に係る役員若しくは使用人が保険募集を行わないこととなったとき、若しくはこれらの者が死亡したときも、同様とする。
(帳簿書類の備付け)
第三百三条 特定保険募集人(その規模が大きいものとして内閣府令で定めるものに限るものとし、生命保険募集人にあっては生命保険会社の委託を受けた者又はその者の再委託を受けた者に限り、少額短期保険募集人にあっては少額短期保険業者の委託を受けた者又はその者の再委託を受けた者に限る。次条において同じ。)又は保険仲立人は、内閣府令で定めるところにより、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿書類を備え、保険契約者ごとに保険契約の締結の年月日その他の内閣府令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(事業報告書の提出)
第三百四条 特定保険募集人又は保険仲立人は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、事業報告書を作成し、毎事業年度経過後三月以内に、これを内閣総理大臣に提出しなければならない。
(立入検査等)
第三百五条 内閣総理大臣は、この法律の施行に必要な限度において、特定保険募集人又は保険仲立人に対し、その業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、当該特定保険募集人若しくは保険仲立人の事務所に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 内閣総理大臣は、この法律の施行に特に必要な限度において、特定保険募集人若しくは保険仲立人と保険募集の業務に関して取引する者若しくは当該特定保険募集人若しくは保険仲立人から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下この項及び次項において同じ。)に対し、当該特定保険募集人若しくは保険仲立人の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、当該特定保険募集人若しくは保険仲立人から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該特定保険募集人若しくは保険仲立人に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し当該特定保険募集人若しくは保険仲立人から業務の委託を受けた者に対し質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 特定保険募集人若しくは保険仲立人と保険募集の業務に関して取引する者又は当該特定保険募集人若しくは保険仲立人から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告若しくは資料の提出又は質問若しくは検査を拒むことができる。
(業務改善命令)
第三百六条 内閣総理大臣は、特定保険募集人又は保険仲立人の業務の運営に関し、保険契約者等の利益を害する事実があると認めるときは、保険契約者等の保護のため必要な限度において、当該特定保険募集人又は保険仲立人に対し、業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(登録の取消し等)
第三百七条 内閣総理大臣は、特定保険募集人又は保険仲立人が次の各号のいずれかに該当するときは、第二百七十六条若しくは第二百八十六条の登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 特定保険募集人が第二百七十九条第一項第一号から第三号まで、第四号(この法律に相当する外国の法令の規定に係る部分に限る。)、第五号、第七号、第八号(同項第六号に係る部分を除く。)、第九号(同項第六号に係る部分を除く。)、第十号若しくは第十一号のいずれかに該当することとなったとき、又は保険仲立人が第二百八十九条第一項第一号から第三号まで、第四号(この法律に相当する外国の法令の規定に係る部分に限る。)、第五号、第七号、第八号(同項第六号に係る部分を除く。)、第九号(同項第六号に係る部分を除く。)若しくは第十号のいずれかに該当することとなったとき。
二 不正の手段により第二百七十六条又は第二百八十六条の登録を受けたとき。
三 この法律又はこの法律に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき、その他保険募集に関し著しく不適当な行為をしたと認められるとき。
2 内閣総理大臣は、特定保険募集人若しくは保険仲立人の事務所の所在地を確知できないとき、又は特定保険募集人若しくは保険仲立人の所在(法人である場合にあっては、その法人を代表する役員の所在)を確知できないときは、内閣府令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該特定保険募集人又は保険仲立人から申出がないときは、当該特定保険募集人又は保険仲立人の登録を取り消すことができる。
3 前項の規定による処分については、行政手続法第三章(不利益処分)の規定は、適用しない。
(登録の抹消等)
第三百八条 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、特定保険募集人又は保険仲立人の登録を抹消しなければならない。
一 前条第一項又は第二項の規定により第二百七十六条又は第二百八十六条の登録を取り消したとき。
二 第二百八十条第三項の規定により第二百七十六条の登録がその効力を失ったとき、又は第二百九十条第三項の規定により第二百八十六条の登録がその効力を失ったとき。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により特定保険募集人に関する登録を抹消したときは、当該特定保険募集人に係る所属保険会社等にその旨を通知しなければならない。この場合において、当該所属保険会社等は、第二百八十五条第一項に規定する原簿から当該特定保険募集人に係る記載を消除しなければならない。
第四編 指定紛争解決機関
第一章 通則
(紛争解決等業務を行う者の指定)
第三百八条の二 内閣総理大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、紛争解決等業務を行う者として、指定することができる。
一 法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含み、外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体を除く。第四号ニにおいて同じ。)であること。
二 第三百八条の二十四第一項の規定によりこの項の規定による指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者又は他の法律の規定による指定であって紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるものを取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者でないこと。
三 この法律若しくは弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者でないこと。
四 役員のうちに、次のいずれかに該当する者がないこと。
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
ロ 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
ハ 禁錮こ以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ニ 第三百八条の二十四第一項の規定によりこの項の規定による指定を取り消された場合若しくはこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている当該指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前一月以内にその法人の役員(外国の法令上これと同様に取り扱われている者を含む。ニにおいて同じ。)であった者でその取消しの日から五年を経過しない者又は他の法律の規定による指定であって紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるもの若しくは当該他の法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている当該政令で定める指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前一月以内にその法人の役員であった者でその取消しの日から五年を経過しない者
ホ この法律若しくは弁護士法又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
五 紛争解決等業務を的確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すること。
六 役員又は職員の構成が紛争解決等業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
七 紛争解決等業務の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)が法令に適合し、かつ、この法律の定めるところにより紛争解決等業務を公正かつ的確に実施するために十分であると認められること。
八 次項の規定により意見を聴取した結果、手続実施基本契約の解除に関する事項その他の手続実施基本契約の内容(第三百八条の七第二項各号に掲げる事項を除く。)その他の業務規程の内容(同条第三項の規定によりその内容とするものでなければならないこととされる事項並びに同条第四項各号及び第五項第一号に掲げる基準に適合するために必要な事項を除く。)について異議(合理的な理由が付されたものに限る。)を述べた保険業関係業者の数の保険業関係業者の総数に占める割合が政令で定める割合以下の割合となったこと。
2 前項の申請をしようとする者は、あらかじめ、内閣府令で定めるところにより、保険業関係業者に対し、業務規程の内容を説明し、これについて異議がないかどうかの意見(異議がある場合には、その理由を含む。)を聴取し、及びその結果を記載した書類を作成しなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定による指定をしようとするときは、同項第五号から第七号までに掲げる要件(紛争解決手続の業務に係る部分に限り、同号に掲げる要件にあっては、第三百八条の七第四項各号及び第五項各号に掲げる基準に係るものに限る。)に該当していることについて、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。
4 第一項の規定による指定は、紛争解決等業務の種別ごとに行うものとし、同項第八号の割合は、当該紛争解決等業務の種別ごとに算定するものとする。
5 内閣総理大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、指定紛争解決機関の商号又は名称及び主たる営業所又は事務所の所在地、当該指定に係る紛争解決等業務の種別並びに当該指定をした日を官報で告示しなければならない。
(指定の申請)
第三百八条の三 前条第一項の規定による指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した指定申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一 指定を受けようとする紛争解決等業務の種別
二 商号又は名称
三 主たる営業所又は事務所その他紛争解決等業務を行う営業所又は事務所の名称及び所在地
四 役員の氏名又は商号若しくは名称
2 前項の指定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 前条第一項第三号及び第四号に掲げる要件に該当することを誓約する書面
二 定款及び法人の登記事項証明書(これらに準ずるものを含む。)
三 業務規程
四 組織に関する事項を記載した書類
五 財産目録、貸借対照表その他の紛争解決等業務を行うために必要な経理的な基礎を有することを明らかにする書類であって内閣府令で定めるもの
六 前条第二項に規定する書類その他同条第一項第八号に掲げる要件に該当することを証する書類として内閣府令で定めるもの
七 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類
3 前項の場合において、定款、財産目録又は貸借対照表が電磁的記録で作成されているときは、書類に代えて当該電磁的記録を添付することができる。
(秘密保持義務等)
第三百八条の四 指定紛争解決機関の紛争解決委員(第三百八条の十三第二項の規定により選任された紛争解決委員をいう。次項、次条第二項並びに第三百八条の七第二項及び第四項において同じ。)若しくは役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、紛争解決等業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない。
2 指定紛争解決機関の紛争解決委員又は役員若しくは職員で紛争解決等業務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第二章 業務
(指定紛争解決機関の業務)
第三百八条の五 指定紛争解決機関は、この法律及び業務規程の定めるところにより、紛争解決等業務を行うものとする。
2 指定紛争解決機関(紛争解決委員を含む。)は、当事者である加入保険業関係業者(手続実施基本契約を締結した相手方である保険業関係業者をいう。以下この編において同じ。)若しくはその顧客(顧客以外の保険契約者等を含む。以下この編において同じ。)又はこれらの者以外の者との手続実施基本契約その他の契約で定めるところにより、紛争解決等業務を行うことに関し、負担金又は料金その他の報酬を受けることができる。
(苦情処理手続又は紛争解決手続の業務の委託)
第三百八条の六 指定紛争解決機関は、他の指定紛争解決機関又は他の法律の規定による指定であって紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるものを受けた者(第三百八条の十三第四項及び第五項において「受託紛争解決機関」という。)以外の者に対して、苦情処理手続又は紛争解決手続の業務を委託してはならない。
(業務規程)
第三百八条の七 指定紛争解決機関は、次に掲げる事項に関する業務規程を定めなければならない。
一 手続実施基本契約の内容に関する事項
二 手続実施基本契約の締結に関する事項
三 紛争解決等業務の実施に関する事項
四 紛争解決等業務に要する費用について加入保険業関係業者が負担する負担金に関する事項
五 当事者である加入保険業関係業者又はその顧客(以下この編において単に「当事者」という。)から紛争解決等業務の実施に関する料金を徴収する場合にあっては、当該料金に関する事項
六 他の指定紛争解決機関その他相談、苦情の処理又は紛争の解決を実施する国の機関、地方公共団体、民間事業者その他の者との連携に関する事項
七 紛争解決等業務に関する苦情の処理に関する事項
八 前各号に掲げるもののほか、紛争解決等業務の実施に必要な事項として内閣府令で定めるもの
2 前項第一号の手続実施基本契約は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。
一 指定紛争解決機関は、加入保険業関係業者の顧客からの保険業務等関連苦情の解決の申立て又は当事者からの紛争解決手続の申立てに基づき苦情処理手続又は紛争解決手続を開始すること。
二 指定紛争解決機関又は紛争解決委員は、苦情処理手続を開始し、又は加入保険業関係業者の顧客からの申立てに基づき紛争解決手続を開始した場合において、加入保険業関係業者にこれらの手続に応じるよう求めることができ、当該加入保険業関係業者は、その求めがあったときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならないこと。
三 指定紛争解決機関又は紛争解決委員は、苦情処理手続又は紛争解決手続において、加入保険業関係業者に対し、報告又は帳簿書類その他の物件の提出を求めることができ、当該加入保険業関係業者は、その求めがあったときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならないこと。
四 紛争解決委員は、紛争解決手続において、保険業務等関連紛争の解決に必要な和解案を作成し、当事者に対し、その受諾を勧告することができること。
五 紛争解決委員は、紛争解決手続において、前号の和解案の受諾の勧告によっては当事者間に和解が成立する見込みがない場合において、事案の性質、当事者の意向、当事者の手続追行の状況その他の事情に照らして相当であると認めるときは、保険業務等関連紛争の解決のために必要な特別調停案を作成し、理由を付して当事者に提示することができること。
六 加入保険業関係業者は、訴訟が係属している請求を目的とする紛争解決手続が開始された場合には、当該訴訟が係属している旨、当該訴訟における請求の理由及び当該訴訟の程度を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
七 加入保険業関係業者は、紛争解決手続の目的となった請求に係る訴訟が提起された場合には、当該訴訟が提起された旨及び当該訴訟における請求の理由を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
八 前二号に規定する場合のほか、加入保険業関係業者は、紛争解決手続の目的となった請求に係る訴訟に関し、当該訴訟の程度その他の事項の報告を求められた場合には、当該事項を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
九 加入保険業関係業者は、第六号若しくは第七号の訴訟が裁判所に係属しなくなった場合又はその訴訟について裁判が確定した場合には、その旨及びその内容を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
十 加入保険業関係業者は、その顧客に対し指定紛争解決機関による紛争解決等業務の実施について周知するため、必要な情報の提供その他の措置を講じなければならないこと。
十一 前各号に掲げるもののほか、保険業務等関連苦情の処理又は保険業務等関連紛争の解決の促進のために必要であるものとして内閣府令で定める事項
3 第一項第二号の手続実施基本契約の締結に関する事項に関する業務規程は、保険業関係業者から手続実施基本契約の締結の申込みがあった場合には、当該保険業関係業者が手続実施基本契約に係る債務その他の紛争解決等業務の実施に関する義務を履行することが確実でないと見込まれるときを除き、これを拒否してはならないことを内容とするものでなければならない。
4 第一項第三号に掲げる事項に関する業務規程は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 苦情処理手続と紛争解決手続との連携を確保するための措置が講じられていること。
二 紛争解決委員の選任の方法及び紛争解決委員が保険業務等関連紛争の当事者と利害関係を有することその他の紛争解決手続の公正な実施を妨げるおそれがある事由がある場合において、当該紛争解決委員を排除するための方法を定めていること。
三 指定紛争解決機関の実質的支配者等(指定紛争解決機関の株式の所有、指定紛争解決機関に対する融資その他の事由を通じて指定紛争解決機関の事業を実質的に支配し、又はその事業に重要な影響を与える関係にあるものとして内閣府令で定める者をいう。)又は指定紛争解決機関の子会社等(指定紛争解決機関が株式の所有その他の事由を通じてその事業を実質的に支配する関係にあるものとして内閣府令で定める者をいう。)を保険業務等関連紛争の当事者とする保険業務等関連紛争について紛争解決手続の業務を行うこととしている指定紛争解決機関にあっては、当該実質的支配者等若しくは当該子会社等又は指定紛争解決機関が紛争解決委員に対して不当な影響を及ぼすことを排除するための措置が講じられていること。
四 紛争解決委員が弁護士でない場合(司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第三条第一項第七号(業務)に規定する紛争について行う紛争解決手続において、紛争解決委員が同条第二項に規定する司法書士である場合を除く。)において、紛争解決手続の実施に当たり法令の解釈適用に関し専門的知識を必要とするときに、弁護士の助言を受けることができるようにするための措置を定めていること。
五 紛争解決手続の実施に際して行う通知について相当な方法を定めていること。
六 紛争解決手続の開始から終了に至るまでの標準的な手続の進行について定めていること。
七 加入保険業関係業者の顧客が指定紛争解決機関に対し保険業務等関連苦情の解決の申立てをする場合又は保険業務等関連紛争の当事者が指定紛争解決機関に対し紛争解決手続の申立てをする場合の要件及び方式を定めていること。
八 指定紛争解決機関が加入保険業関係業者から紛争解決手続の申立てを受けた場合において、保険業務等関連紛争の他方の当事者となる当該加入保険業関係業者の顧客に対し、速やかにその旨を通知するとともに、当該顧客がこれに応じて紛争解決手続の実施を依頼するか否かを確認するための手続を定めていること。
九 指定紛争解決機関が加入保険業関係業者の顧客から第七号の紛争解決手続の申立てを受けた場合において、保険業務等関連紛争の他方の当事者となる当該加入保険業関係業者に対し、速やかにその旨を通知する手続を定めていること。
十 紛争解決手続において提出された帳簿書類その他の物件の保管、返還その他の取扱いの方法を定めていること。
十一 紛争解決手続において陳述される意見又は提出され、若しくは提示される帳簿書類その他の物件に含まれる保険業務等関連紛争の当事者又は第三者の秘密について、当該秘密の性質に応じてこれを適切に保持するための取扱いの方法を定めていること。第三百八条の十三第九項に規定する手続実施記録に記載されているこれらの秘密についても、同様とする。
十二 保険業務等関連紛争の当事者が紛争解決手続を終了させるための要件及び方式を定めていること。
十三 紛争解決委員が紛争解決手続によっては保険業務等関連紛争の当事者間に和解が成立する見込みがないと判断したときは、速やかに当該紛争解決手続を終了し、その旨を保険業務等関連紛争の当事者に通知することを定めていること。
十四 指定紛争解決機関の紛争解決委員、役員及び職員について、これらの者が紛争解決等業務に関し知り得た秘密を確実に保持するための措置を定めていること。
5 第一項第四号及び第五号に掲げる事項に関する業務規程は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 第一項第四号に規定する負担金及び同項第五号に規定する料金の額又は算定方法及び支払方法(次号において「負担金額等」という。)を定めていること。
二 負担金額等が著しく不当なものでないこと。
6 第二項第五号の「特別調停案」とは、和解案であって、次に掲げる場合を除き、加入保険業関係業者が受諾しなければならないものをいう。
一 当事者である加入保険業関係業者の顧客(以下この項において単に「顧客」という。)が当該和解案を受諾しないとき。
二 当該和解案の提示の時において当該紛争解決手続の目的となった請求に係る訴訟が提起されていない場合において、顧客が当該和解案を受諾したことを加入保険業関係業者が知った日から一月を経過する日までに当該請求に係る訴訟が提起され、かつ、同日までに当該訴訟が取り下げられないとき。
三 当該和解案の提示の時において当該紛争解決手続の目的となった請求に係る訴訟が提起されている場合において、顧客が当該和解案を受諾したことを加入保険業関係業者が知った日から一月を経過する日までに当該訴訟が取り下げられないとき。
四 顧客が当該和解案を受諾したことを加入保険業関係業者が知った日から一月を経過する日までに、当該紛争解決手続が行われている保険業務等関連紛争について、当事者間において仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項(定義)に規定する仲裁合意がされ、又は当該和解案によらずに和解若しくは調停が成立したとき。
7 業務規程の変更は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
8 内閣総理大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、当該認可に係る業務規程が第四項各号及び第五項各号に掲げる基準(紛争解決手続の業務に係る部分に限る。)に適合していることについて、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。
(手続実施基本契約の不履行の事実の公表等)
第三百八条の八 指定紛争解決機関は、手続実施基本契約により加入保険業関係業者が負担する義務の不履行が生じた場合において、当該加入保険業関係業者の意見を聴取し、当該不履行につき正当な理由がないと認めるときは、遅滞なく、当該加入保険業関係業者の商号、名称又は氏名及び当該不履行の事実を公表するとともに、内閣総理大臣に報告しなければならない。
2 指定紛争解決機関は、保険業務等関連苦情及び保険業務等関連紛争を未然に防止し、並びに保険業務等関連苦情の処理及び保険業務等関連紛争の解決を促進するため、加入保険業関係業者その他の者に対し、情報の提供、相談その他の援助を行うよう努めなければならない。
(暴力団員等の使用の禁止)
第三百八条の九 指定紛争解決機関は、暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号(定義)に規定する暴力団員(以下この条において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者をいう。)を紛争解決等業務に従事させ、又は紛争解決等業務の補助者として使用してはならない。
(差別的取扱いの禁止)
第三百八条の十 指定紛争解決機関は、特定の加入保険業関係業者に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。
(記録の保存)
第三百八条の十一 指定紛争解決機関は、第三百八条の十三第九項の規定によるもののほか、内閣府令で定めるところにより、紛争解決等業務に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。
(指定紛争解決機関による苦情処理手続)
第三百八条の十二 指定紛争解決機関は、加入保険業関係業者の顧客から保険業務等関連苦情について解決の申立てがあったときは、その相談に応じ、当該顧客に必要な助言をし、当該保険業務等関連苦情に係る事情を調査するとともに、当該加入保険業関係業者に対し、当該保険業務等関連苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
(指定紛争解決機関による紛争解決手続)
第三百八条の十三 加入保険業関係業者に係る保険業務等関連紛争の解決を図るため、当事者は、当該加入保険業関係業者が手続実施基本契約を締結した指定紛争解決機関に対し、紛争解決手続の申立てをすることができる。
2 指定紛争解決機関は、前項の申立てを受けたときは、紛争解決委員を選任するものとする。
3 紛争解決委員は、人格が高潔で識見の高い者であって、次の各号のいずれかに該当する者(第一項の申立てに係る当事者と利害関係を有する者を除く。)のうちから選任されるものとする。この場合において、紛争解決委員のうち少なくとも一人は、第一号又は第三号(当該申立てが司法書士法第三条第一項第七号(業務)に規定する紛争に係るものである場合にあっては、第一号、第三号又は第四号)のいずれかに該当する者でなければならない。
一 弁護士であってその職務に従事した期間が通算して五年以上である者
二 保険業務等に従事した期間が通算して十年以上である者
三 消費生活に関する消費者と事業者との間に生じた苦情に係る相談その他の消費生活に関する事項について専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める者
四 当該申立てが司法書士法第三条第一項第七号に規定する紛争に係るものである場合にあっては、同条第二項に規定する司法書士であって同項に規定する簡裁訴訟代理等関係業務に従事した期間が通算して五年以上である者
五 前各号に掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める者
4 指定紛争解決機関は、第一項の申立てを第二項の規定により選任した紛争解決委員(以下この条及び次条第一項において単に「紛争解決委員」という。)による紛争解決手続に付するものとする。ただし、紛争解決委員は、当該申立てに係る当事者である加入保険業関係業者の顧客が当該保険業務等関連紛争を適切に解決するに足りる能力を有する者であると認められることその他の事由により紛争解決手続を行うのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりに第一項の申立てをしたと認めるときは、紛争解決手続を実施しないものとし、紛争解決委員が当該申立てを受託紛争解決機関における紛争解決手続に相当する手続に付することが適当と認めるときは、指定紛争解決機関は、受託紛争解決機関に紛争解決手続の業務を委託するものとする。
5 前項ただし書の規定により紛争解決委員が紛争解決手続を実施しないこととしたとき、又は受託紛争解決機関に業務を委託することとしたときは、指定紛争解決機関は、第一項の申立てをした者に対し、その旨を理由を付して通知するものとする。
6 紛争解決委員は、当事者若しくは参考人から意見を聴取し、若しくは報告書の提出を求め、又は当事者から参考となるべき帳簿書類その他の物件の提出を求め、和解案を作成して、その受諾を勧告し、又は特別調停(第三百八条の七第六項に規定する特別調停案を提示することをいう。)をすることができる。
7 紛争解決手続は、公開しない。ただし、紛争解決委員は、当事者の同意を得て、相当と認める者の傍聴を許すことができる。
8 指定紛争解決機関は、紛争解決手続の開始に先立ち、当事者である加入保険業関係業者の顧客に対し、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項について、これを記載した書面を交付し、又はこれを記録した電磁的記録を提供して説明をしなければならない。
一 当該顧客が支払う料金に関する事項
二 第三百八条の七第四項第六号に規定する紛争解決手続の開始から終了に至るまでの標準的な手続の進行
三 前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
9 指定紛争解決機関は、内閣府令で定めるところにより、その実施した紛争解決手続に関し、次に掲げる事項を記載した手続実施記録を作成し、保存しなければならない。
一 保険業務等関連紛争の当事者が紛争解決手続の申立てをした年月日
二 保険業務等関連紛争の当事者及びその代理人の氏名、商号又は名称
三 紛争解決委員の氏名
四 紛争解決手続の実施の経緯
五 紛争解決手続の結果(紛争解決手続の終了の理由及びその年月日を含む。)
六 前各号に掲げるもののほか、実施した紛争解決手続の内容を明らかにするために必要な事項であって内閣府令で定めるもの
(時効の中断)
第三百八条の十四 紛争解決手続によっては保険業務等関連紛争の当事者間に和解が成立する見込みがないことを理由に紛争解決委員が当該紛争解決手続を終了した場合において、当該紛争解決手続の申立てをした当該保険業務等関連紛争の当事者がその旨の通知を受けた日から一月以内に当該紛争解決手続の目的となった請求について訴えを提起したときは、時効の中断に関しては、当該紛争解決手続における請求の時に、訴えの提起があったものとみなす。
2 指定紛争解決機関の紛争解決等業務の廃止が第三百八条の二十三第一項の規定により認可され、又は第三百八条の二第一項の規定による指定が第三百八条の二十四第一項の規定により取り消され、かつ、その認可又は取消しの日に紛争解決手続が実施されていた保険業務等関連紛争がある場合において、当該紛争解決手続の申立てをした当該保険業務等関連紛争の当事者が第三百八条の二十三第三項若しくは第三百八条の二十四第四項の規定による通知を受けた日又は当該認可若しくは取消しを知った日のいずれか早い日から一月以内に当該紛争解決手続の目的となった請求について訴えを提起したときも、前項と同様とする。
(訴訟手続の中止)
第三百八条の十五 保険業務等関連紛争について当該保険業務等関連紛争の当事者間に訴訟が係属する場合において、次の各号のいずれかに掲げる事由があり、かつ、当該保険業務等関連紛争の当事者の共同の申立てがあるときは、受訴裁判所は、四月以内の期間を定めて訴訟手続を中止する旨の決定をすることができる。
一 当該保険業務等関連紛争について、当該保険業務等関連紛争の当事者間において紛争解決手続が実施されていること。
二 前号の場合のほか、当該保険業務等関連紛争の当事者間に紛争解決手続によって当該保険業務等関連紛争の解決を図る旨の合意があること。
2 受訴裁判所は、いつでも前項の決定を取り消すことができる。
3 第一項の申立てを却下する決定及び前項の規定により第一項の決定を取り消す決定に対しては、不服を申し立てることができない。
(加入保険業関係業者の名簿の縦覧)
第三百八条の十六 指定紛争解決機関は、加入保険業関係業者の名簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
(名称の使用制限)
第三百八条の十七 指定紛争解決機関でない者(金融商品取引法第百五十六条の三十九第一項(紛争解決等業務を行う者の指定)の規定による指定を受けた者その他これに類する者として政令で定めるものを除く。)は、その名称又は商号中に指定紛争解決機関であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
第三章 監督
(変更の届出)
第三百八条の十八 指定紛争解決機関は、第三百八条の三第一項第二号から第四号までのいずれかに掲げる事項に変更があったときは、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により指定紛争解決機関の商号若しくは名称又は主たる営業所若しくは事務所の所在地の変更の届出があったときは、その旨を官報で告示しなければならない。
(手続実施基本契約の締結等の届出)
第三百八条の十九 指定紛争解決機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 保険業関係業者と手続実施基本契約を締結したとき、又は当該手続実施基本契約を終了したとき。
二 前号に掲げるもののほか、内閣府令で定めるとき。
(業務に関する報告書の提出)
第三百八条の二十 指定紛争解決機関は、事業年度ごとに、当該事業年度に係る紛争解決等業務に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 前項の報告書に関する記載事項、提出期日その他必要な事項は、内閣府令で定める。
(報告徴収及び立入検査)
第三百八条の二十一 内閣総理大臣は、紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行のため必要があると認めるときは、指定紛争解決機関に対し、その業務に関し報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、指定紛争解決機関の営業所若しくは事務所その他の施設に立ち入らせ、当該指定紛争解決機関の業務の状況に関し質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、指定紛争解決機関の加入保険業関係業者若しくは当該指定紛争解決機関から業務の委託を受けた者に対し、当該指定紛争解決機関の業務に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、これらの者の営業所若しくは事務所その他の施設に立ち入らせ、当該指定紛争解決機関の業務の状況に関し質問させ、若しくはこれらの者の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
(業務改善命令)
第三百八条の二十二 内閣総理大臣は、指定紛争解決機関の紛争解決等業務の運営に関し、紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行を確保するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該指定紛争解決機関に対して、その業務の運営の改善に必要な措置を命ずることができる。
2 内閣総理大臣は、指定紛争解決機関が次の各号のいずれかに該当する場合において、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。
一 第三百八条の二第一項第五号から第七号までに掲げる要件(紛争解決手続の業務に係る部分に限り、同号に掲げる要件にあっては、第三百八条の七第四項各号及び第五項各号に掲げる基準に係るものに限る。以下この号において同じ。)に該当しないこととなった場合又は第三百八条の二第一項第五号から第七号までに掲げる要件に該当しないこととなるおそれがあると認められる場合
二 第三百八条の五、第三百八条の六、第三百八条の九又は第三百八条の十三の規定に違反した場合(その違反行為が紛争解決手続の業務に係るものである場合に限る。)
(紛争解決等業務の休廃止)
第三百八条の二十三 指定紛争解決機関は、紛争解決等業務の全部若しくは一部の休止(次項に規定する理由によるものを除く。)をし、又は廃止をしようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
2 指定紛争解決機関が、天災その他のやむを得ない理由により紛争解決等業務の全部又は一部の休止をした場合には、直ちにその旨を、理由を付して内閣総理大臣に届け出なければならない。指定紛争解決機関が当該休止をした当該紛争解決等業務の全部又は一部を再開するときも、同様とする。
3 第一項の規定による休止若しくは廃止の認可を受け、又は前項の休止をした指定紛争解決機関は、当該休止又は廃止の日から二週間以内に、当該休止又は廃止の日に苦情処理手続又は紛争解決手続(他の指定紛争解決機関又は他の法律の規定による指定であって紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるものを受けた者(以下この項において「委託紛争解決機関」という。)から業務の委託を受けている場合における当該委託に係る当該委託紛争解決機関の苦情を処理する手続又は紛争の解決を図る手続を含む。次条第四項において同じ。)が実施されていた当事者、当該当事者以外の加入保険業関係業者及び他の指定紛争解決機関に当該休止又は廃止をした旨を通知しなければならない。指定紛争解決機関が当該休止をした当該紛争解決等業務の全部又は一部を再開するときも、同様とする。
(指定の取消し等)
第三百八条の二十四 内閣総理大臣は、指定紛争解決機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第三百八条の二第一項の規定による指定を取り消し、又は六月以内の期間を定めて、その業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第三百八条の二第一項第二号から第七号までに掲げる要件に該当しないこととなったとき、又は指定を受けた時点において同項各号のいずれかに該当していなかったことが判明したとき。
二 不正の手段により第三百八条の二第一項の規定による指定を受けたとき。
三 法令又は法令に基づく処分に違反したとき。
2 内閣総理大臣は、指定紛争解決機関が次の各号のいずれかに該当する場合において、前項の規定による処分又は命令をしようとするときは、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。
一 第三百八条の二第一項第五号から第七号までに掲げる要件(紛争解決手続の業務に係る部分に限り、同号に掲げる要件にあっては、第三百八条の七第四項各号及び第五項各号に掲げる基準に係るものに限る。以下この号において同じ。)に該当しないこととなった場合又は第三百八条の二第一項の規定による指定を受けた時点において同項第五号から第七号までに掲げる要件に該当していなかったことが判明した場合
二 第三百八条の五、第三百八条の六、第三百八条の九又は第三百八条の十三の規定に違反した場合(その違反行為が紛争解決手続の業務に係るものである場合に限る。)
3 内閣総理大臣は、第一項の規定により第三百八条の二第一項の規定による指定を取り消したときは、その旨を官報で告示するものとする。
4 第一項の規定により第三百八条の二第一項の規定による指定の取消しの処分を受け、又はその業務の全部若しくは一部の停止の命令を受けた者は、当該処分又は命令の日から二週間以内に、当該処分又は命令の日に苦情処理手続又は紛争解決手続が実施されていた当事者、当該当事者以外の加入保険業関係業者及び他の指定紛争解決機関に当該処分又は命令を受けた旨を通知しなければならない。
第五編 雑則
(保険契約の申込みの撤回等)
第三百九条 保険会社等若しくは外国保険会社等に対し保険契約の申込みをした者又は保険契約者(以下この条において「申込者等」という。)は、次に掲げる場合を除き、書面によりその保険契約の申込みの撤回又は解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。
一 申込者等が、内閣府令で定めるところにより、保険契約の申込みの撤回等に関する事項を記載した書面を交付された場合において、その交付をされた日と申込みをした日とのいずれか遅い日から起算して八日を経過したとき。
二 申込者等が、営業若しくは事業のために、又は営業若しくは事業として締結する保険契約として申込みをしたとき。
三 一般社団法人若しくは一般財団法人、特別の法律により設立された法人、法人でない社団若しくは財団で代表者若しくは管理人の定めのあるもの又は国若しくは地方公共団体が保険契約の申込みをしたとき。
四 当該保険契約の保険期間が一年以下であるとき。
五 当該保険契約が、法令により申込者等が加入を義務付けられているものであるとき。
六 申込者等が保険会社等、外国保険会社等、特定保険募集人又は保険仲立人の営業所、事務所その他の場所において保険契約の申込みをした場合その他の場合で、申込者等の保護に欠けるおそれがないと認められるものとして政令で定める場合
2 前項第一号の場合において、保険会社等又は外国保険会社等は、同号の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該申込者等の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該保険会社等又は外国保険会社等は、当該書面を交付したものとみなす。
3 前項前段に規定する方法(内閣府令で定める方法を除く。)により第一項第一号の規定による書面の交付に代えて行われた当該書面に記載すべき事項の提供は、申込者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該申込者等に到達したものとみなす。
4 保険契約の申込みの撤回等は、当該保険契約の申込みの撤回等に係る書面を発した時に、その効力を生ずる。
5 保険会社等又は外国保険会社等は、保険契約の申込みの撤回等があった場合には、申込者等に対し、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金その他の金銭の支払を請求することができない。ただし、第一項の規定による保険契約の解除の場合における当該解除までの期間に相当する保険料として内閣府令で定める金額については、この限りでない。
6 保険会社等又は外国保険会社等は、保険契約の申込みの撤回等があった場合において、当該保険契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。ただし、第一項の規定による保険契約の解除の場合における当該保険契約に係る保険料の前払として受領した金銭のうち前項の内閣府令で定める金額については、この限りでない。
7 特定保険募集人その他の保険募集を行う者は、保険契約につき申込みの撤回等があった場合において、当該保険契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
8 保険仲立人その他の保険募集を行う者は、保険会社等又は外国保険会社等に保険契約の申込みの撤回等に伴い損害賠償その他の金銭を支払った場合において、当該支払に伴う損害賠償その他の金銭の支払を、申込みの撤回等をした者に対し、請求することができない。
9 保険契約の申込みの撤回等の当時、既に保険金の支払の事由が生じているときは、当該申込みの撤回等は、その効力を生じない。ただし、申込みの撤回等を行った者が、申込みの撤回等の当時、既に保険金の支払の事由の生じたことを知っているときは、この限りでない。
10 第一項及び第四項から前項までの規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。
(認可等の条件)
第三百十条 内閣総理大臣又は内閣総理大臣及び財務大臣は、この法律の規定による認可、許可又は承認(次項及び第三百十二条において「認可等」という。)に条件を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、認可等の趣旨に照らして、又は認可等に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものでなければならない。
(検査職員の証票の携帯及び提示等)
第三百十一条 第百二十二条の二第四項、第百二十九条(第百七十九条第二項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第二百一条(第二百十二条第六項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第二百二十七条(第二百三十五条第五項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第二百六十五条の四十六、第二百七十一条の九、第二百七十一条の十三(第二百七十二条の三十四第一項において準用する場合を含む。)、第二百七十一条の二十八(第二百七十二条の四十第二項において準用する場合を含む。)、第二百七十二条の二十三(第百七十九条第二項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第三百五条又は第三百八条の二十一の規定による立入り、質問又は検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
2 前項に規定する各規定による立入り、質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(財務大臣への協議)
第三百十一条の二 内閣総理大臣は、保険会社等、外国保険会社等又は免許特定法人に対し次に掲げる処分をすることが保険業に対する信頼性の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、保険業に対する信頼性の維持を図るために必要な措置に関し、財務大臣に協議しなければならない。
一 第百三十二条第一項、第百三十三条、第二百四条第一項、第二百五条、第二百三十条第一項、第二百三十一条、第二百四十一条第一項、第二百七十一条の三十第一項若しくは第四項(第二百七十二条の四十第二項において準用する場合を含む。)又は第二百七十二条の二十六第一項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令
二 第二百四十条の三の規定による業務の停止の命令
三 第百三十三条、第百三十四条、第二百五条、第二百六条、第二百三十一条、第二百三十二条、第二百七十二条の二十六第一項又は第二百七十二条の二十七の規定による第三条第一項、第百八十五条第一項若しくは第二百十九条第一項の免許又は第二百七十二条第一項の登録の取消し
四 第二百四十一条第一項の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分
2 内閣総理大臣は、その行おうとする次の各号に掲げる処分により当該各号に定める機構の業務が行われたならば、機構の利用可能な資金の状況が著しく悪化し保険業に対する信頼性の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、保険業に対する信頼性の維持を図るために必要な措置に関し、財務大臣に協議しなければならない。
一 第二百六十八条第一項、第二百七十条第一項、第二百七十条の三の十二第一項若しくは第二百七十条の六の三第一項の認定又は第二百六十九条第一項、第二百七十条の三の十三第三項若しくは第二百七十条の六の四第三項の付記 保険契約の移転等(第二百六十条第一項に規定する保険契約の移転等をいう。)、保険契約の承継(同条第七項に規定する保険契約の承継をいう。)、保険契約の再承継(同条第八項に規定する保険契約の再承継をいう。)又は保険契約の再移転(同条第十一項に規定する保険契約の再移転をいう。)のための第二百六十五条の二十八第一項第三号に規定する資金援助
二 第二百七十条第一項の認定 第二百六十五条の二十八第一項第五号に規定する保険契約の引受け
(財務大臣への通知)
第三百十一条の三 内閣総理大臣は、次に掲げる処分をしたときは、速やかに、その旨を財務大臣に通知するものとする。
一 第三条第一項、第百八十五条第一項若しくは第二百十九条第一項の規定による免許又は第二百七十二条第一項の規定による登録
二 第百六条第七項(第二百六十条第二項に規定する破綻たん保険会社に該当する保険会社その他の内閣府令・財務省令で定める保険会社を子会社としようとする場合に限る。)、第百三十九条第一項(第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。)、第百四十二条(第二百七十二条の三十第一項において準用する場合を含む。)、第百五十三条第一項、第百六十七条第一項、第二百八条、第二百三十三条、第二百七十一条の十第一項若しくは第二項ただし書、第二百七十一条の十八第一項若しくは第三項ただし書、第二百七十一条の三十一第一項から第三項まで、第二百七十二条の三十一第一項若しくは第二項ただし書又は第二百七十二条の三十五第一項若しくは第三項ただし書の規定による認可又は承認
三 第百三十二条第一項、第百三十三条、第二百四条第一項、第二百五条、第二百三十条第一項、第二百三十一条、第二百四十条の三、第二百四十一条第一項、第二百四十七条第五項、第二百五十八条第一項、第二百七十一条の六、第二百七十一条の七、第二百七十一条の十第四項、第二百七十一条の十四(第二百七十二条の三十四第一項において準用する場合を含む。)、第二百七十一条の十五、第二百七十一条の十六第一項(第二百七十二条の三十四第一項において準用する場合を含む。)、第二百七十一条の十八第五項、第二百七十一条の二十九第一項若しくは第三項若しくは第二百七十一条の三十第一項若しくは第四項(これらの規定を第二百七十二条の四十第二項において準用する場合を含む。)、第二百七十二条の二十五第一項、第二百七十二条の二十六第一項若しくは第二項、第二百七十二条の三十一第四項又は第二百七十二条の三十五第五項の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。)
四 第百三十三条、第百三十四条、第二百五条、第二百六条、第二百三十一条若しくは第二百三十二条の規定による第三条第一項、第百八十五条第一項若しくは第二百十九条第一項の免許の取消し又は第二百七十二条の二十六第一項若しくは第二百七十二条の二十七の規定による第二百七十二条第一項の登録の取消し
五 第二百七十一条の十六第一項の規定による第二百七十一条の十第一項若しくは第二項ただし書の認可の取消し、第二百七十一条の三十第一項の規定による第二百七十一条の十八第一項若しくは第三項ただし書の認可の取消し、第二百七十二条の三十四第一項において準用する第二百七十一条の十六第一項の規定による第二百七十二条の三十一第一項若しくは第二項ただし書の承認の取消し又は第二百七十二条の四十第二項において準用する第二百七十一条の三十第一項の規定による第二百七十二条の三十五第一項若しくは第三項ただし書の承認の取消し
六 第二百四十一条第一項の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分
七 第二百四十七条第二項又は第四項の規定による承認
2 内閣総理大臣は、次に掲げる規定による届出(第一号及び第四号に掲げる規定による届出にあっては、内閣府令・財務省令で定める場合に係るものに限る。)があったときは、速やかに、その旨を財務大臣に通知するものとする。
一 第百二十七条第一項(同項第八号に係る部分に限る。)
二 第二百九条(同条第五号から第八号までに係る部分に限る。)
三 第二百三十四条(同条第四号から第七号までに係る部分に限る。)
四 第二百七十二条の二十一第一項(第六号に係る部分に限る。)
(財務大臣への資料提出等)
第三百十一条の四 財務大臣は、その所掌に係る金融破綻たん処理制度及び金融危機管理に関し、保険業に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
2 財務大臣は、その所掌に係る金融破綻たん処理制度及び金融危機管理に関し、保険業に係る制度の企画又は立案をするため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、保険会社等、外国保険会社等、免許特定法人の総代理店(第二百十九条第一項に規定する総代理店をいう。)、保険主要株主、保険持株会社、少額短期保険主要株主、少額短期保険持株会社その他の関係者に対し、資料の提出、説明その他の協力を求めることができる。
(内閣府令等への委任)
第三百十二条 この法律に定めるもののほか、この法律による認可等に関する申請の手続、書類の提出の手続その他この法律を実施するため必要な事項は、内閣府令(機構及びその行う業務に係るものにあっては、内閣府令・財務省令)で定める。
(権限の委任)
第三百十三条 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
2 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
(経過措置)
第三百十四条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に従い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第六編 罰則
第三百十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第三条第一項の規定に違反して、内閣総理大臣の免許を受けないで保険業を行った者
二 第七条の二(第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、他人に保険業を行わせた者
三 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第二十四条第一項第一号の規定に違反して、同号に掲げる行為(同法第二条第三項各号に掲げる信託の引受けに係るものを除く。)をした者
四 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第二十七条第一項の規定による報告書(同法第二条第三項各号に掲げる信託の引受けに係るものを除く。以下この号において同じ。)を交付せず、又は虚偽の記載をした報告書を交付した者
五 第百条の五第一項(第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、運用報告書を交付せず、若しくは同項に規定する事項を記載しない運用報告書若しくは虚偽の記載をした運用報告書を交付した者又は第百条の五第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する方法により当該事項を欠いた提供若しくは虚偽の事項の提供をした者
六 不正の手段により第二百七十二条第一項の登録を受けた者
七 第二百七十二条の九の規定に違反して、他人に少額短期保険業を行わせた者
八 第三百条第一項の規定に違反して、同項第一号に掲げる行為(運用実績連動型保険契約に係るものに限る。)をした者
九 第三百条の二において準用する金融商品取引法第三十九条第一項の規定に違反した者
第三百十五条の二 次に掲げる違反があった場合においては、その違反行為をした者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第二百七十一条の十八第一項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで、同項各号に掲げる取引若しくは行為により保険会社を子会社とする持株会社になったとき、又は保険会社を子会社とする持株会社を設立したとき。
二 第二百七十一条の十八第三項の規定に違反して同項に規定する猶予期限日を超えて保険会社を子会社とする持株会社であったとき。
三 第二百七十一条の十八第五項の規定による命令に違反して保険会社を子会社とする持株会社であったとき又は第二百七十一条の三十第二項の規定に違反して同項に規定する内閣総理大臣が指定する期間を超えて保険会社を子会社とする持株会社であったとき。
四 第二百七十二条の三十五第一項の規定による内閣総理大臣の承認を受けないで、同項各号に掲げる取引若しくは行為により少額短期保険業者を子会社とする持株会社になったとき、又は少額短期保険業者を子会社とする持株会社を設立したとき。
五 第二百七十二条の三十五第三項の規定に違反して同項に規定する猶予期限日を超えて少額短期保険業者を子会社とする持株会社であったとき。
六 第二百七十二条の三十五第五項の規定による命令に違反して少額短期保険業者を子会社とする持株会社であったとき、又は第二百七十二条の四十第二項において準用する第二百七十一条の三十第二項の規定に違反して同項に規定する内閣総理大臣が指定する期間を超えて少額短期保険業者を子会社とする持株会社であったとき。
第三百十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第五条第二項(第百八十七条第五項において準用する場合を含む。)又は第二百二十一条第二項の規定により付した条件に違反した者
二 第百三十二条第一項、第百三十三条、第二百四条第一項、第二百五条、第二百三十条第一項、第二百三十一条、第二百四十一条第一項、第二百七十一条の三十第一項若しくは第四項(第二百七十二条の四十第二項において準用する場合を含む。)又は第二百七十二条の二十六第一項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者
三 第二百四十条の三の規定による業務の停止の命令に違反した者
四 第百八十六条第一項の規定に違反した者
五 第百八十八条第一項の規定により付した条件に違反した者
六 第百九十条第五項、第二百二十三条第五項又は第二百七十二条の五第五項の規定に違反した者
七 第二百四十五条(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、第二百五十条第五項(第二百七十条の四第九項において準用する場合を含む。)、第二百五十四条第四項又は第二百五十五条の二第三項の規定に違反して業務を行った者
第三百十六条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)において準用する信託業法第二十四条第一項第一号の規定に違反して、同号に掲げる行為(同法第二条第三項各号に掲げる信託の引受けに係るものに限る。)をした者又は第九十九条第八項において準用する同法第二十四条第一項第三号若しくは第四号の規定に違反して、これらの規定に掲げる行為をした者
二 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第二十七条第一項の規定による報告書(同法第二条第三項各号に掲げる信託の引受けに係るものに限る。以下この号において同じ。)を交付せず、又は虚偽の記載をした報告書を交付した者
三 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第二十九条第二項の規定に違反した者
四 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第四十二条第一項から第三項までの規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
五 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第四十二条第一項から第三項までの規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第三百十六条の三 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第三百八条の三第一項の規定による指定申請書又は同条第二項の規定によりこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録に虚偽の記載又は記録をしてこれらを提出した者
二 第三百八条の九の規定に違反した者
三 第三百八条の二十第一項の規定による報告書を提出せず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者
四 第三百八条の二十一第一項若しくは第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又はこれらの規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくはこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
五 第三百八条の二十二第一項の規定による命令に違反した者
第三百十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一 第百十条第一項(第百九十九条において準用する場合を含む。)若しくは第二項(第二百七十二条の十六第三項において準用する場合を含む。)、第百九十五条、第二百七十一条の二十四第一項(第二百七十二条の四十第一項において準用する場合を含む。)又は第二百七十二条の十六第一項若しくは第二項の規定に違反して、これらの規定に規定する書類若しくは電磁的記録を提出せず、又はこれらの書類若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしてこれらの書類若しくは電磁的記録を提出した者
一の二 第百十一条第一項(第百九十九条及び第二百七十二条の十七において準用する場合を含む。)若しくは第二項(第二百七十二条の十七において準用する場合を含む。)若しくは第二百七十一条の二十五第一項(第二百七十二条の四十第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、これらの規定に規定する書類を公衆の縦覧に供せず、若しくは第百十一条第四項(第百九十九条及び第二百七十二条の十七において準用する場合を含む。)若しくは第二百七十一条の二十五第三項(第二百七十二条の四十第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、第百十一条第三項(第百九十九条及び第二百七十二条の十七において準用する場合を含む。)若しくは第二百七十一条の二十五第二項(第二百七十二条の四十第一項において準用する場合を含む。)に規定する電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとらず、又はこれらの規定に違反して、これらの書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして、公衆の縦覧に供し、若しくは電磁的記録に記録すべき事項を記録せず、若しくは虚偽の記録をして、電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとった者
二 第百二十八条第一項若しくは第二項、第二百条第一項若しくは第二項、第二百二十六条第一項若しくは第二項、第二百七十一条の八、第二百七十一条の十二(第二百七十二条の三十四第一項において準用する場合を含む。)、第二百七十一条の二十七第一項(第二百七十二条の四十第二項において準用する場合を含む。)又は第二百七十二条の二十二第一項若しくは第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
三 第百二十九条第一項若しくは第二項、第二百一条第一項若しくは第二項、第二百二十七条第一項若しくは第二項、第二百七十一条の九第一項、第二百七十一条の十三第一項(第二百七十二条の三十四第一項において準用する場合を含む。)、第二百七十一条の二十八第一項若しくは第二項(第二百七十二条の四十第二項において準用する場合を含む。)若しくは第二百七十二条の二十三第一項若しくは第二項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
四 第百七十九条第一項(第二百十二条第五項及び第二百三十五条第五項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
五 第百七十九条第二項において準用する第百二十八条第一項若しくは第二百七十二条の二十二第一項、第二百十二条第五項において準用する第二百条第一項又は第二百三十五条第五項において準用する第二百二十六条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
六 第百七十九条第二項において準用する第百二十九条第一項若しくは第二百七十二条の二十三第一項、第二百十二条第五項において準用する第二百一条第一項、第二百三十五条第五項において準用する第二百二十七条第一項又は第二百七十一条第三項において準用する第百二十九条第一項、第二百一条第一項、第二百二十七条第一項若しくは第二百七十二条の二十三第一項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
七 第二百七十一条の三十第一項(第二百七十二条の四十第二項において準用する場合を含む。)の規定による命令(取締役、執行役、会計参与、監査役若しくは会計監査人の解任又は業務の全部若しくは一部の停止の命令を除く。)に違反した者
八 第三百十条第一項の規定により付した条件(第二百七十一条の十八第一項若しくは第三項ただし書の規定による認可又は第二百七十二条の三十五第一項若しくは第三項ただし書の規定による承認に係るものに限る。)に違反した者
第三百十七条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第十一条第五項の規定に違反して、保険金信託業務を開始した者
二 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第二十四条の二又は第三百条の二において準用する金融商品取引法第三十九条第二項の規定に違反した者
三 第二百七十二条の二第一項の登録申請書又は同条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者
四 第二百七十五条第一項各号に掲げる者でない者であって、保険募集を行った者
五 不正の手段により第二百七十六条又は第二百八十六条の登録を受けた者
六 第二百九十一条第五項の規定に違反した者
七 第三百条第一項の規定に違反して、同項第一号に掲げる行為(運用実績連動型保険契約に係るものを除く。)をした者又は同項第二号若しくは第三号に掲げる行為をした者
八 第三百条の二において準用する金融商品取引法第三十七条の三第一項(第二号及び第六号を除く。)の規定に違反して、書面を交付せず、若しくは同項に規定する事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載をした書面を交付した者又は同条第二項において準用する同法第三十四条の二第四項に規定する方法により当該事項を欠いた提供若しくは虚偽の事項の提供をした者
九 第三百七条第一項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者
十 第三百八条の四第一項の規定に違反して、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用した者
第三百十七条の三 前条第二号の場合において、犯人又は情を知った第三者が受けた財産上の利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
2 金融商品取引法第二百九条の二(混和した財産の没収等)及び第二百九条の三第二項(没収の要件等)の規定は、前項の規定による没収について準用する。この場合において、同法第二百九条の二第一項中「第百九十八条の二第一項又は第二百条の二」とあるのは「保険業法第三百十七条の三第一項」と、「この条、次条第一項及び第二百九条の四第一項」とあるのは「この項」と、「次項及び次条第一項」とあるのは「次項」と、同条第二項中「混和財産(第二百条の二の規定に係る不法財産が混和したものに限る。)」とあるのは「混和財産」と、同法第二百九条の三第二項中「第百九十八条の二第一項又は第二百条の二」とあるのは「保険業法第三百十七条の三第一項」と読み替えるものとする。
第三百十八条 第二百四十条の十、第二百四十七条の三又は第二百六十五条の二十一の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第三百十八条の二 被調査会社の取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人若しくは支配人その他の使用人又はこれらの者であった者が第二百四十条の九第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 被管理会社の取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人若しくは支配人その他の使用人又はこれらの者であった者が第二百四十七条の二第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第三百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第十一条第八項の規定に違反して、供託を行わなかった者
二 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第二十四条の二又は第三百条の二において準用する金融商品取引法第三十七条第一項(第二号を除く。)に規定する事項を表示せず、又は虚偽の表示をした者
三 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第二十四条の二又は第三百条の二において準用する金融商品取引法第三十七条第二項の規定に違反した者
四 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第二十四条の二において準用する金融商品取引法第三十七条の三第一項(第二号から第四号まで及び第六号を除く。)の規定に違反して、書面を交付せず、若しくは同項に規定する事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載をした書面を交付した者又は同条第二項において準用する同法第三十四条の二第四項に規定する方法により当該事項を欠いた提供若しくは虚偽の事項の提供をした者
五 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第二十六条第一項の規定による書面を交付せず、又は虚偽の書面を交付した者
六 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第二十九条第三項の規定による書面を交付せず、又は虚偽の書面を交付した者
七 第百九十条第八項の規定に違反して、同項の不足額につき供託を行わなかった者
八 第二百二十三条第九項の規定に違反して、同項の不足額につき供託を行わなかった者
九 第二百七十二条の三十六第一項の承認申請書又は同条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者
十 第二百七十二条の五第八項の規定に違反して、同項の不足額につき供託を行わなかった者
十一 第二百九十一条第八項の規定に違反して、同項の不足額につき保証金の供託を行わなかった者
十二 第三百条の二において準用する金融商品取引法第三十七条の四第一項の規定による書面を交付せず、若しくは虚偽の記載をした書面を交付した者又は同条第二項において準用する同法第三十四条の二第四項に規定する方法により虚偽の事項の提供をした者
第三百十九条の二 第三百八条の十一又は第三百八条の十三第九項の規定による記録の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記録を作成した者は、百万円以下の罰金に処する。
第三百十九条の三 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第二百六十五条の四十六の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
二 第二百六十五条の四十六の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
三 第二百七十条の三第三項(第二百七十条の三の二第八項、第二百七十条の三の十四第二項、第二百七十条の四第七項及び第二百七十条の六の五第二項において準用する場合を含む。)、第二百七十条の三の三第三項、第二百七十条の三の四第四項、第二百七十条の三の六第二項、第二百七十条の三の七第二項、第二百七十条の三の八第二項、第二百七十条の六の七第二項、第二百七十条の六の八第三項(第二百七十条の六の九第三項において準用する場合を含む。)、第二百七十条の七第四項、第二百七十条の八第四項又は第二百七十条の八の三第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
四 第二百七十条の三の十の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
五 第三百八条の二十三第一項の規定による認可を受けないで紛争解決等業務の全部若しくは一部の休止又は廃止をした者
第三百二十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第百二条第一項(第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定による認可を受けてしなければならない事項を認可を受けないでした者
一の二 第百二十二条の二第四項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
一の三 第二百六十五条の三十一第一項、第二百六十六条第二項(第二百六十七条第四項において準用する場合を含む。)、第二百六十七条第二項、第二百七十条の三の十一第二項、第二百七十条の六の二第二項、第二百七十条の六の六第二項又は第二百七十条の八の二第二項の規定による資料を提出せず、又は虚偽の資料を提出した者
二 第二百七十七条第一項の登録申請書若しくは同条第二項の書類又は第二百八十七条第一項の登録申請書若しくは同条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者
三 第三百三条の規定に違反して、帳簿書類を備えず、これに同条に規定する事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又はこれを保存しなかった者
四 第三百四条の規定に違反して、同条に規定する書類を提出せず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をしてこれを提出した者
五 第三百五条第一項又は第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
六 第三百五条第一項又は第二項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
七 第三百六条の規定による命令に違反した者
八 第三百八条の八第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
九 第三百八条の十八第一項、第三百八条の十九又は第三百八条の二十三第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
十 第三百八条の二十三第三項又は第三百八条の二十四第四項の規定による通知をせず、又は虚偽の通知をした者
第三百二十一条 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第三百十五条第三号から第五号まで、第八号若しくは第九号又は第三百十六条第一号から第三号まで、第六号若しくは第七号 三億円以下の罰金刑
二 第三百十六条の二、第三百十六条の三(第二号を除く。)又は第三百十七条第一号から第三号まで、第七号若しくは第八号 二億円以下の罰金刑
三 第三百十七条の二第二号 一億円以下の罰金刑
四 第三百十五条(第三号から第五号まで、第八号及び第九号を除く。)、第三百十五条の二、第三百十六条第四号若しくは第五号、第三百十六条の三第二号、第三百十七条第四号から第六号まで、第三百十七条の二(第二号を除く。)又は第三百十八条の二から前条まで 各本条の罰金刑
2 法人でない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその法人でない社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
(取締役等の特別背任罪)
第三百二十二条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は保険会社等に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該保険会社等に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 保険会社等の保険管理人又は保険計理人
二 相互会社の発起人
三 相互会社の設立時取締役又は設立時監査役
四 相互会社の取締役、執行役、会計参与又は監査役
五 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された相互会社の取締役、執行役又は監査役の職務を代行する者
六 第五十三条の十二第二項、第五十三条の十五において準用する会社法第三百五十一条第二項、第五十三条の二十五第二項において準用する同法第四百一条第三項(第五十三条の二十七第三項において準用する場合を含む。)又は第五十三条の三十二において準用する同法第四百二十条第三項において準用する同法第四百一条第三項の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者
七 相互会社の支配人
八 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた相互会社の使用人
九 検査役(相互会社に係るものに限る。)
2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算相互会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算相互会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。
一 清算相互会社の清算人
二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算相互会社の清算人の職務を代行する者
三 第百八十条の五第四項において準用する第五十三条の十二第二項の規定又は第百八十条の九第五項において準用する会社法第三百五十一条第二項の規定により選任された清算相互会社の一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者
四 清算相互会社の清算人代理
五 清算相互会社の監督委員
六 清算相互会社の調査委員
3 前二項の未遂は、罰する。
(代表社債権者等の特別背任罪)
第三百二十三条 相互会社の代表社債権者又は決議執行者(第六十一条の八第二項において準用する会社法第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。以下同じ。)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、社債権者に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の未遂は、罰する。
(会社財産を危うくする罪)
第三百二十四条 保険業を営む株式会社(以下この編において「株式会社」という。)の保険管理人又は保険計理人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 会社法第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号に掲げる事項について、裁判所又は株主総会若しくは種類株主総会に対して虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたとき。
二 何人の名義をもってするかを問わず、株式会社の計算において不正にその株式を取得し、又は質権の目的としてこれを受けたとき。
三 法令又は定款の規定に違反して、剰余金の配当をしたとき。
四 株式会社の目的の範囲外において、投機取引のために株式会社の財産を処分したとき。
2 相互会社の保険管理人、保険計理人、第三百二十二条第一項第二号から第九号までに掲げる者又は第三十条の十一第二項若しくは第七十九条第三項において準用する会社法第九十四条第一項の規定により選任された者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、前項と同一の刑に処する。
一 相互会社の設立の場合において社員の数、基金の総額の引受け若しくは基金の拠出に係る払込みについて、又は第二十四条第一項各号に掲げる事項について、裁判所又は創立総会に対して虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたとき。
二 法令又は定款の規定に違反して、基金の償却、基金利息の支払又は剰余金の分配をしたとき。
三 相互会社の目的の範囲外において、投機取引のために相互会社の財産を処分したとき。
3 相互会社が株式会社となる組織変更をする場合において、相互会社の保険管理人、第三百二十二条第一項第四号から第六号まで若しくは第九号に掲げる者又は株式会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役となるべき者が、株式の引受け、払込み若しくは金銭以外の財産の給付について、又は第九十二条第三号に掲げる事項について、内閣総理大臣若しくは裁判所又は社員総会若しくは総代会に対して虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
4 株式会社が相互会社となる組織変更をする場合において、株式会社の保険管理人、取締役、会計参与、監査役、執行役、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された株式会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役の職務を代行する者、会社法第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項若しくは第四百一条第三項(同法第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者若しくは検査役又は相互会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役となるべき者が、基金の総額の引受け若しくは基金の拠出に係る払込みについて、保険契約者総会又は保険契約者総代会に対して虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したときも、前項と同様とする。
(虚偽文書行使等の罪)
第三百二十五条 第三百二十二条第一項第一号から第八号までに掲げる者又は基金若しくは相互会社の社債(第六十一条に規定する社債をいう。)を引き受ける者の募集の委託を受けた者が、株式、基金、新株予約権、社債(第六十一条に規定する社債及び会社法第二条第二十三号に規定する社債をいう。以下この項において同じ。)又は新株予約権付社債を引き受ける者の募集をするに当たり、保険会社等の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 相互会社の社債(第六十一条に規定する社債をいう。)の売出しを行う者が、その売出しに関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又は当該文書の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその売出しの事務の用に供したときも、前項と同様とする。
3 相互会社が株式会社となる組織変更をする場合において、相互会社の保険管理人又は第三百二十二条第一項第四号から第八号までに掲げる者が、第九十二条の規定による株式を引き受ける者の募集をするに当たり、組織変更後の株式会社の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときも、第一項と同様とする。
4 株式会社が相互会社となる組織変更をする場合において、株式会社の保険管理人、取締役、会計参与、監査役、執行役、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された株式会社の取締役、監査役若しくは執行役の職務を代行する者、会社法第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項若しくは第四百一条第三項(同法第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者又は支配人その他営業に関するある種類若しくは特定の事項の委任を受けた使用人が、第七十八条第一項の規定による基金の募集に当たり、基金の募集の広告その他基金の募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときも、第一項と同様とする。
(預合いの罪)
第三百二十六条 第三百二十二条第一項第一号から第八号までに掲げる者が、基金の拠出に係る払込み又は株式の払込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。預合いに応じた者も、同様とする。
2 相互会社が株式会社となる組織変更をする場合において、前条第三項に規定する者が、第九十二条の規定による募集に係る株式の払込みを仮装するため預合いを行ったときも、前項と同様とする。預合いに応じた者も、同様とする。
3 株式会社が相互会社となる組織変更をする場合において、前条第四項に規定する者が、第七十八条第三項において準用する第三十条の三第一項の払込みを仮装するため預合いを行ったときも、第一項と同様とする。預合いに応じた者も、同様とする。
(株式の超過発行の罪)
第三百二十七条 株式会社の保険管理人が、株式会社が発行することができる株式の総数を超えて株式を発行したときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
(取締役等の贈収賄罪)
第三百二十八条 次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
一 第三百二十二条第一項各号又は第二項各号に掲げる者
二 第三百二十三条に規定する者
三 相互会社の会計監査人又は第五十三条の十二第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者
四 保険会社の保険調査人
2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
(社員等の権利の行使に関する贈収賄罪)
第三百二十九条 次に掲げる事項に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
一 相互会社の社員総会、総代会、創立総会、社債権者集会若しくは債権者集会、株式会社が第六十八条第一項の組織変更をする場合の保険契約者総会若しくは保険契約者総代会又は外国相互会社の債権者集会における発言又は議決権の行使
二 第三十八条第一項若しくは第二項、第三十九条、第四十条第一項、第四十五条第一項若しくは第二項、第四十六条、第四十七条第一項、第五十条第一項若しくは第二項、第五十三条の十五において準用する会社法第三百五十八条第一項(第二号を除く。)若しくは第三百六十条第一項、第五十三条の三十二において準用する同法第四百二十二条第一項、第五十三条の三十六において準用する同法第四百二十六条第七項、第百八十条の五第二項若しくは第百八十条の八第四項において準用する同法第三百六十条第一項に規定する社員若しくは総代の権利の行使、第百八十四条において準用する同法第五百十一条第一項若しくは第五百二十二条第一項に規定する社員若しくは債権者の権利の行使又は第百八十四条において準用する同法第五百四十七条第一項若しくは第三項に規定する債権者の権利の行使
三 社員総数の千分の五、千分の三若しくは千分の一以上に相当する数若しくは三千名若しくは千名以上の社員(特定相互会社にあっては、第三十八条第一項、第三十九条第一項又は第五十条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)、九名若しくは三名以上の総代又は相互会社における社債(第六十一条に規定する社債をいう。以下この号において同じ。)の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる社債を有する社債権者の権利の行使
四 この法律又はこの法律において準用する会社法に規定する訴えの提起(相互会社の社員、債権者又は保険会社等(株式会社に限る。)に係る適格旧株主(第九十六条の四において準用する同法第八百四十七条の四第二項又は第九十六条の四の二において準用する同法第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。)がするものに限る。)
五 この法律において準用する会社法第八百四十九条第一項の規定による社員の訴訟参加
2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。
(没収及び追徴)
第三百三十条 第三百二十八条第一項又は前条第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
(株主等の権利の行使に関する利益供与の罪)
第三百三十一条 保険会社等の保険管理人又は第三百二十二条第一項第四号から第七号までに掲げる者若しくはその他の相互会社の使用人が、株主若しくは社員若しくは総代の権利又は当該保険会社等(株式会社に限る。)に係る適格旧株主(会社法第八百四十七条の二第九項(第九十六条の四の二において準用する場合を含む。)及び第九十六条の四において準用する同法第八百四十七条の四第二項に規定する適格旧株主をいう。第三項において同じ。)の権利の行使に関し、保険会社等又はその子会社(同法第二条第三号に規定する子会社(保険会社等が相互会社であるときは、その実質子会社)をいう。以下この項及び第三項において同じ。)の計算において財産上の利益を供与したときは、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。保険会社等(株式会社に限る。以下この項において同じ。)における同法第九百六十条第一項第三号から第六号までに掲げる者又はその他の当該保険会社等の使用人が、当該保険会社等に係る適格旧株主(第九十六条の四において準用する同法第八百四十七条の四第二項又は第九十六条の四の二において準用する同法第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主をいう。)の権利の行使に関し、当該保険会社等又はその子会社の計算において財産上の利益を供与したときも、同様とする。
2 情を知って、前項の利益の供与を受け、又は第三者にこれを供与させた者も、同項と同様とする。
3 株主若しくは社員若しくは総代の権利又は保険会社等(株式会社に限る。)に係る適格旧株主の権利の行使に関し、保険会社等又はその子会社の計算において第一項の利益を自己又は第三者に供与することを同項に規定する者に要求した者も、同項と同様とする。
4 前二項の罪を犯した者が、その実行について第一項に規定する者に対し威迫の行為をしたときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
5 前三項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。
6 第一項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
(国外犯)
第三百三十一条の二 第三百二十二条から第三百二十四条まで、第三百二十六条、第三百二十七条、第三百二十八条第一項、第三百二十九条第一項及び前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。
2 第三百二十八条第二項、第三百二十九条第二項及び前条第二項から第四項までの罪は、刑法第二条の例に従う。
(法人における罰則の適用)
第三百三十二条 第三百二十二条から第三百二十七条まで、第三百二十八条第一項、第三百二十九条第一項又は第三百三十一条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定並びに第三百二十二条第三項及び第三百二十三条第二項の規定は、その行為をした取締役、執行役その他業務を執行する役員又は支配人に対してそれぞれ適用する。
(虚偽届出等の罪)
第三百三十二条の二 第六十七条の二又は第二百十七条第三項において準用する会社法第九百五十五条第一項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。以下この条において同じ。)に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は同項の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかった者は、三十万円以下の罰金に処する。
(両罰規定)
第三百三十二条の三 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の刑を科する。
(過料に処すべき行為)
第三百三十三条 保険会社等の発起人、設立時取締役、設立時執行役、設立時監査役、取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、会計監査人若しくはその職務を行う社員、清算人、第百四十四条第一項(第二百七十二条の三十第二項において準用する場合を含む。)に規定する受託会社、保険管理人、保険調査人、会社法第五百二十五条第一項(第百八十四条において準用する場合を含む。)の清算人代理、同法第五百二十七条第一項(第百八十四条において準用する場合を含む。)の監督委員、同法第五百三十三条(第百八十四条において準用する場合を含む。)の調査委員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、執行役、監査役若しくは清算人の職務を代行する者、第三百二十二条第一項第六号若しくは会社法第九百六十条第一項第五号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、第三百二十二条第二項第三号若しくは同法第九百六十条第二項第三号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、第三百二十八条第一項第三号若しくは同法第九百六十七条第一項第三号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者、検査役、株主名簿管理人、社債原簿管理人、社債管理者、事務を承継する社債管理者、代表社債権者、決議執行者若しくは支配人、外国保険会社等の日本における代表者、清算人、第二百十一条において準用する第百四十四条第一項に規定する受託会社、保険管理人、保険調査人若しくは支配人、免許特定法人及び引受社員を日本において代表する者、外国保険会社等と第百九十条第三項の契約を締結した者、免許特定法人と第二百二十三条第三項の契約を締結した者若しくは少額短期保険業者と第二百七十二条の五第三項の契約を締結した者、機構の役員、保険議決権大量保有者(保険議決権大量保有者が保険議決権大量保有者でなくなった場合における当該保険議決権大量保有者であった者を含み、保険議決権大量保有者が法人(第二条の二第一項第一号に掲げる法人でない団体を含む。第六十四号及び第七十号を除き、以下この項において同じ。)であるときは、その取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、代表者、支配人、業務を執行する社員又は清算人)、保険主要株主若しくは少額短期保険主要株主(保険主要株主又は少額短期保険主要株主が保険主要株主又は少額短期保険主要株主でなくなった場合における当該保険主要株主又は少額短期保険主要株主であった者を含み、保険主要株主又は少額短期保険主要株主が法人であるときは、その取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、代表者、支配人、業務を執行する社員又は清算人)、特定主要株主若しくは特定少額短期主要株主(特定主要株主又は特定少額短期主要株主が保険会社等の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなった場合における当該特定主要株主又は特定少額短期主要株主であった者を含み、特定主要株主又は特定少額短期主要株主が法人であるときは、その取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、代表者、支配人、業務を執行する社員又は清算人)、保険持株会社若しくは少額短期保険持株会社(保険持株会社又は少額短期保険持株会社が保険持株会社又は少額短期保険持株会社でなくなった場合における当該保険持株会社又は少額短期保険持株会社であった会社を含む。)の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、支配人若しくは清算人又は特定持株会社若しくは特定少額短期持株会社(特定持株会社又は特定少額短期持株会社が保険会社等を子会社とする持株会社でなくなった場合における当該特定持株会社又は特定少額短期持株会社であった会社を含む。)の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、支配人、業務を執行する社員若しくは清算人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 削除
二 第八条第一項、第百九十二条第五項又は第二百七十二条の十第一項の規定に違反して他の会社の常務に従事したとき。
三 この法律又はこの法律において準用する会社法の規定による登記を怠ったとき。
四 この法律若しくはこの法律において準用する会社法の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。
五 この法律又はこの法律において準用する会社法の規定による開示をすることを怠ったとき。
六 この法律又はこの法律において読み替えて準用する会社法の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。
七 この法律又はこの法律において準用する会社法の規定による調査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
八 この法律又はこの法律において準用する会社法に規定する事項について、官庁、社員総会、総代会、創立総会、保険契約者総会、保険契約者総代会、社債権者集会又は債権者集会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠蔽したとき。
九 定款、社員総会、総代会、創立総会、取締役会、重要財産委員会、監査役会、監査等委員会、指名委員会等、保険契約者総会、保険契約者総代会、社債権者集会若しくは債権者集会の議事録、社員の名簿、会計帳簿、貸借対照表、損益計算書、事業報告、第五十四条の三第二項若しくは第百八十条の十七において準用する会社法第四百九十四条第一項の附属明細書、会計参与報告、監査報告、会計監査報告、決算報告、社債原簿、財産目録、事務報告又は第六十一条の五において準用する同法第六百八十二条第一項若しくは第六百九十五条第一項、第百六十五条の二第一項、第百六十五条の九第一項、第百六十五条の十三第一項、第百六十五条の十五第一項、第百六十五条の十九第一項若しくは第百六十五条の二十一第一項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
十 この法律又はこの法律において準用する会社法の規定に違反して、帳簿又は書類若しくは書面若しくは電磁的記録を備え置かなかったとき。
十一 正当な理由がないのに、社員総会、総代会、創立総会、保険契約者総会又は保険契約者総代会において、社員になろうとする者、社員、総代又は保険契約者の求めた事項について説明をしなかったとき。
十二 第十五条、第五十六条から第五十九条まで、第九十一条第四項、第百十二条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)又は第百十五条(第百九十九条及び第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)の規定に違反して、準備金若しくは積立金を計上せず、若しくは積み立てず、又はこれらを取り崩したとき。
十三 第十七条第二項若しくは第四項(これらの規定を第五十七条第四項において準用する場合を含む。)、第七十条第二項若しくは第四項(第百六十五条の七第四項(第百六十五条の十二において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第七十七条第四項、第八十八条第二項若しくは第四項(第百六十五条の十七第四項(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第百三十七条第一項若しくは第二項(これらの規定を第二百十条第一項(第二百七十条の四第九項において準用する場合を含む。)、第二百七十条の四第九項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。)、第百六十五条の七第二項(第百六十五条の十二において準用する場合を含む。)、第百六十五条の十七第二項(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)、第百六十五条の二十四第二項若しくは第四項、第百七十三条の四第二項若しくは第四項、第二百四十条の十二第一項から第三項まで、第二百五十一条第一項(第二百七十条の四第九項において準用する場合を含む。)、第二百五十五条第一項又は第二百五十五条の四第一項から第三項までの規定に違反して、資本金若しくは準備金の額の減少若しくは基金償却積立金の取崩し、組織変更、保険契約者総代会の設置、保険契約の移転、合併、会社分割、第二百四十条の二第一項に規定する契約条件の変更又は第二百五十条第一項に規定する契約条件の変更をしたとき。
十四 第三十九条第一項又は第四十六条第一項の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会又は総代会の目的としなかったとき。
十五 第四十条第二項若しくは第四十七条第二項において準用する会社法第三百七条第一項第一号の規定若しくは第五十三条の十五において準用する同法第三百五十九条第一項第一号の規定による裁判所の命令又は第四十一条第一項若しくは第四十九条第一項において準用する同法第二百九十六条第一項の規定に違反して、社員総会又は総代会を招集しなかったとき。
十六 第四十一条第一項において準用する会社法第三百一条若しくは第三百二条の規定、第四十八条の規定又は第五十四条の五(第五十四条の十第六項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、社員総会又は総代会の招集の通知に際し、書類若しくは書面を交付せず、又は電磁的方法により情報を提供しなかったとき。
十七 取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。
十七の二 第五十三条の二第五項の規定に違反して、社外取締役を監査等委員である取締役の過半数に選任しなかったとき。
十八 第五十三条の五第三項の規定に違反して、社外監査役を監査役の半数以上に選任しなかったとき。
十九 第五十三条の十一において準用する会社法第三百四十三条第二項又は第三百四十四条の二第二項の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会若しくは総代会の目的とせず、又はその請求に係る議案を社員総会若しくは総代会に提出しなかったとき。
二十 第五十三条の十五において準用する会社法第三百六十五条第二項(第五十三条の三十二において準用する同法第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定又は第百八十条の十四第九項において準用する同法第三百六十五条第二項の規定に違反して、取締役会若しくは清算人会に報告せず、又は虚偽の報告をしたとき。
二十一 第五十三条の十九第三項の規定に違反して、常勤の監査役を選定しなかったとき。
二十二 社債(第六十一条に規定する社債をいう。)の発行の日前に社債券を発行したとき。
二十三 第六十一条の五において準用する会社法第六百九十六条の規定に違反して、遅滞なく社債券を発行しなかったとき。
二十四 社債券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。
二十五 第六十一条の六の規定に違反して社債(第六十一条に規定する社債をいう。)を発行し、又は第六十一条の七第八項において準用する会社法第七百十四条第一項の規定に違反して事務を承継する社債管理者を定めなかったとき。
二十六 第六十七条の二又は第二百十七条第三項において準用する会社法第九百四十一条の規定に違反して、同条の調査を求めなかったとき。
二十七 第六十九条、第七十八条又は第八十六条の規定に違反して組織変更をしたとき。
二十八 第九十八条第二項本文若しくは第九十九条第四項前段若しくは第五項(これらの規定を第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して認可を受けないでこれらの規定に規定する業務を行ったとき、又は第二百七十二条の十一第二項ただし書の規定に違反して承認を受けないで同項ただし書に規定する業務を行ったとき。
二十九 第九十九条第四項後段(第百九十九条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定に違反して、認可を受けないで同項後段に規定する業務の内容又は方法を変更したとき。
三十 第百条(第百九十九条において準用する場合を含む。)、第二百七十一条の二十一第一項、第二百七十二条の十一第二項又は第二百七十二条の三十八第一項の規定に違反して他の業務を行ったとき。
三十一 第百条の四(第二百七十二条の十三第二項において準用する場合を含む。)、第二百七十一条の十九の二第三項又は第二百七十二条の三十七の二第二項の規定に違反して、持分会社の無限責任社員又は業務を執行する社員となったとき。
三十二 第百六条第一項の規定に違反して同項に規定する子会社対象会社以外の会社(第百七条第一項に規定する国内の会社を除く。)を子会社としたとき、又は第二百七十二条の十四第一項の規定に違反して同項に規定する内閣府令で定める業務を専ら営む会社以外の会社を子会社としたとき。
三十三 第百六条第七項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで同項に規定する子会社対象保険会社等を子会社としたとき、若しくは同条第九項において準用する同条第七項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで同条第一項各号に掲げる会社を当該各号のうち他の号に掲げる会社(同条第七項に規定する子会社対象保険会社等に限る。)に該当する子会社としたとき又は第二百七十二条の十四第二項の規定による内閣総理大臣の承認を受けないで同項に規定する内閣府令で定める業務を専ら営む会社を子会社としたとき。
三十四 第百七条第一項又は第二項ただし書の規定に違反したとき。
三十五 第百七条第三項又は第五項の規定により付した条件に違反したとき。
三十六 第百十六条又は第百十七条(これらの規定を第百九十九条及び第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)の規定に違反して、責任準備金又は支払備金を積み立てなかったとき。
三十七 第百十八条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して同項各号に掲げる行為をしたとき。
三十八 第百二十条第一項(第百九十九条及び第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)の規定に違反して、保険計理人の選任手続をせず、若しくは第百二十条第二項(第百九十九条及び第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)の内閣府令で定める要件に該当する者でない者を保険計理人に選任し、又は第百二十条第三項(第百九十九条及び第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定に違反して、同項の規定による届出をしなかったとき。
三十九 第百二十二条(第百九十九条及び第二百七十二条の十八において準用する場合を含む。)、第百九十条第四項、第二百二十三条第四項、第二百四十二条第三項、第二百五十八条第一項若しくは第二百七十二条の五第四項の規定による命令又は第百三十二条第一項、第二百四条第一項、第二百三十条第一項、第二百四十条の三、第二百四十一条第一項若しくは第二百七十二条の二十五第一項の規定による命令(業務の全部又は一部の停止の命令を除くものとし、改善計画の提出を求めることを含む。)に違反したとき。
四十 第百二十三条第一項(第二百七条において準用する場合を含む。)又は第二百二十五条第一項の規定による認可を受けないで、これらの規定に規定する書類に定めた事項の変更をしたとき。
四十一 第百二十三条第二項(第二百七条において準用する場合を含む。)若しくは第二百二十五条第二項の規定による届出をせず、又は第百二十五条第一項(第二百七条及び第二百二十五条第三項において準用する場合を含む。)に規定する期間(第百二十五条第二項又は第三項(これらの規定を第二百七条及び第二百二十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定により当該期間が短縮され、又は延長された場合にあっては、当該短縮又は延長後の期間)内に第百二十三条第一項(第二百七条において準用する場合を含む。)若しくは第二百二十五条第一項の内閣府令で定める事項を変更したとき。
四十二 第百二十五条第四項(第二百七条及び第二百二十五条第三項において準用する場合を含む。)又は第二百七十二条の二十第四項の規定による変更又は届出の撤回の命令に違反したとき。
四十三 第九十八条第二項ただし書(第百九十九条において準用する場合を含む。)、第百二十七条第一項、第二百九条、第二百十八条第一項、第二百三十四条、第二百三十九条、第二百七十一条の三十二第一項若しくは第二項、第二百七十二条の二十一第一項又は第二百七十二条の四十二第一項若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
四十四 第百三十一条、第二百三条、第二百二十九条又は第二百七十二条の二十四第一項若しくは第二項の規定による命令に違反したとき。
四十五 第百三十六条(第二百十条第一項(第二百七十条の四第九項において準用する場合を含む。次号において同じ。)、第二百七十条の四第九項及び第二百七十二条の二十九において準用する場合を含む。)の規定に違反して保険契約の移転の手続をしたとき。
四十六 削除
四十七 第百七十六条の規定に違反して、書類若しくは書面若しくは電磁的記録を提出せず、又は当該書類若しくは書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をして、これらを提出したとき。
四十八 第百八十条の十第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てをすることを怠り、又は第百八十四条において準用する会社法第五百十一条第二項の規定に違反して、特別清算開始の申立てをすることを怠ったとき。
四十九 第百八十一条の規定に違反して財産を処分したとき。
五十 清算の結了を遅延させる目的をもって、第百八十一条の二において準用する会社法第四百九十九条第一項の期間を不当に定めたとき。
五十一 第百八十一条の二において準用する会社法第五百条第一項の規定又は第百八十四条において準用する同法第五百三十七条第一項の規定に違反して債務の弁済をしたとき。
五十二 第百八十一条の二において準用する会社法第五百二条の規定に違反して、清算相互会社の財産を分配したとき。
五十三 第百八十四条において準用する会社法第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の規定に違反したとき。
五十四 第百八十四条において準用する会社法第五百四十条第一項若しくは第二項又は第五百四十二条の規定による保全処分に違反したとき。
五十五 第百九十七条の規定に違反して、同条に規定する合計額に相当する資産を日本において保有しないとき。
五十六 第二百十三条において準用する会社法第八百二十七条第一項の規定による裁判所の命令に違反したとき。
五十七 第二百十八条第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。
五十八 第二百四十条の八第二項の期限までに調査の結果の報告をしないとき。
五十九 第二百四十一条第三項の規定に違反して、申出をせず、又は虚偽の申出をしたとき。
六十 第二百四十二条第二項の規定により内閣総理大臣が選任した保険管理人に事務の引渡しをしないとき。
六十一 第二百四十三条第二項の規定に違反して、正当な理由がないのに、保険管理人となることを拒否したとき。
六十二 第二百四十八条第一項の規定により同項に規定する管理を命ずる処分が取り消されたにもかかわらず、第二百四十二条第一項に規定する被管理会社の取締役、執行役又は清算人に事務の引渡しをしないとき。
六十三 第二百七十一条の三第一項、第二百七十一条の四第一項、第三項若しくは第四項、第二百七十一条の五第一項若しくは第二項、第二百七十一条の六、第二百七十一条の七、第二百七十一条の十第三項、第二百七十一条の十八第二項若しくは第四項、第二百七十二条の三十一第三項又は第二百七十二条の三十五第二項若しくは第四項の規定による提出若しくは届出をせず、又は虚偽の提出若しくは届出をしたとき。
六十四 第二百七十一条の十第一項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで、同項各号に掲げる取引若しくは行為により保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になったとき又は保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である会社その他の法人を設立したとき。
六十五 第二百七十一条の十第二項の規定に違反して同項に規定する猶予期限日を超えて保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であったとき。
六十六 第二百七十一条の十第四項の規定による命令に違反して保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であったとき又は第二百七十一条の十六第二項の規定に違反して同項に規定する内閣総理大臣が指定する期間を超えて保険会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であったとき。
六十七 第二百七十一条の十四(第二百七十二条の三十四第一項において準用する場合を含む。)、第二百七十一条の十五、第二百七十一条の十六第一項(第二百七十二条の三十四第一項において準用する場合を含む。)又は第二百七十一条の二十九第一項若しくは第三項(これらの規定を第二百七十二条の四十第二項において準用する場合を含む。)の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。)に違反したとき。
六十八 第二百七十一条の二十二第一項の規定による内閣総理大臣の承認を受けないで、同項各号に掲げる会社以外の会社を子会社としたとき。
六十九 第二百七十二条の十九第一項若しくは第二項の規定による届出若しくは提出をせず、又は第二百七十二条の二十第一項に規定する期間(同条第二項又は第三項の規定により当該期間が短縮され、又は延長された場合にあっては、当該短縮又は延長後の期間)内に第二百七十二条の十九第一項に規定する書類に定めた事項を変更したとき。
七十 第二百七十二条の三十一第一項の規定による内閣総理大臣の承認を受けないで、同項各号に掲げる取引若しくは行為により少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になったとき、又は少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である会社その他の法人を設立したとき。
七十一 第二百七十二条の三十一第二項の規定に違反して同項に規定する猶予期限日を超えて少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であったとき。
七十二 第二百七十二条の三十一第四項の規定による命令に違反して少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であったとき、又は第二百七十二条の三十四第一項において準用する第二百七十一条の十六第二項の規定に違反して同項に規定する内閣総理大臣が指定する期間を超えて少額短期保険業者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であったとき。
七十三 第二百七十二条の三十九第一項の規定による内閣総理大臣の承認を受けないで、同項各号に掲げる会社以外の会社を子会社としたとき。
七十四 第二百七十五条第三項の規定に違反して、認可を受けないで保険募集の再委託を行い、又は行わせたとき。
七十五 第三百十条第一項の規定により付した条件に違反したとき。
2 株式会社の保険管理人又は外国保険会社等の保険管理人は、会社法第九百七十六条各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
第三百三十三条の二 次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。
一 第六十七条の二又は第二百十七条第三項において準用する会社法第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
二 正当な理由がないのに、第六十七条の二又は第二百十七条第三項において準用する会社法第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者
第三百三十四条 保険金信託業務を行う生命保険会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役若しくは清算人、第百四十四条第一項に規定する受託会社、保険管理人、会社法第五百二十七条第一項(第百八十四条において準用する場合を含む。)の規定により選任された清算株式会社若しくは清算相互会社の監督委員、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された株式会社若しくは相互会社の取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を代行する者、同条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社若しくは清算相互会社の清算人若しくは代表清算人の職務を代行する者、会社法第三百四十六条第二項(同法第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時役員の職務を行うべき者若しくは一時清算人の職務を行うべき者、同法第四百一条第三項(同法第四百三条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時委員の職務を行うべき者若しくは一時執行役の職務を行うべき者、第五十三条の十二第二項(第百八十条の五第四項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時役員の職務を行うべき者若しくは一時清算人の職務を行うべき者、第五十三条の二十五第二項(第五十三条の二十七第三項において準用する場合を含む。)において準用する同法第四百一条第三項の規定により選任された一時委員の職務を行うべき者若しくは一時執行役の職務を行うべき者若しくは支配人又は保険金信託業務を行う外国生命保険会社等の日本における代表者、清算人、第二百十一条において準用する第百四十四条第一項に規定する受託会社、保険管理人若しくは支配人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。
一 第九十九条第七項前段(第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、認可を受けないで保険金信託業務を行ったとき。
二 第九十九条第七項後段(第百九十九条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による認可を受けないで同項後段に規定する保険金信託業務の方法を変更したとき。
三 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第六条の規定に基づく命令に違反して信託につき補てん又は補足の契約を行ったとき。
四 信託法(平成十八年法律第百八号)第三十四条の規定に違反して、同条の規定により行うべき信託財産の管理を行わないとき。
第三百三十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。
一 第七条第二項の規定に違反した者
二 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第十一条第四項の規定による命令に違反して、供託を行わなかった者
三 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第二十九条の二の規定に違反して、重要な信託の変更又は信託の併合若しくは信託の分割を行った者
四 第二百七十二条の八第一項の規定に違反した者
五 第二百七十二条の八第二項の規定に違反して、同条第一項の規定による標識又はこれに類似する標識を掲示した者
六 第二百七十二条の三十二第一項の承認申請書又は同条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者
七 第三百八条の十六の規定に違反した者
第三百三十六条 機構の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、五十万円以下の過料に処する。
一 第二百六十五条の二十二の規定に違反して、同条に規定する名簿を公衆の縦覧に供しないとき。
二 第二百六十五条の四十五第二項又は第三項の規定による命令に違反したとき。
第三百三十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。
一 第百八十六条第二項の規定に違反して、許可を受けないで同項に規定する保険契約の申込みをした者
二 第二百八十条第一項、第二百九十条第一項又は第三百二条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 第二百九十一条第四項又は第二百九十二条第二項の規定による命令に違反して、供託しなかった者
第三百三十七条の二 機構の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、二十万円以下の過料に処する。
一 第二編第十章第四節の規定により内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったとき。
二 第二百六十四条第一項の規定による政令に違反して登記することを怠ったとき。
三 第二百六十五条の二第二項の規定に違反したとき。
四 第二百六十五条の二十八に規定する業務以外の業務を行ったとき。
五 第二百六十五条の三十七又は第二百六十五条の三十九第一項若しくは第二項に規定する書類を提出せず、又は虚偽の書類を提出したとき。
六 第二百六十五条の四十三の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
七 第二百六十八条第五項(第二百六十九条第二項、第二百七十条の三の十二第二項、第二百七十条の三の十三第四項、第二百七十条の六の三第二項及び第二百七十条の六の四第四項において準用する場合を含む。)、第二百七十条第四項又は第二百七十条の二第六項(第二百七十条の三の十二第三項において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第三百三十七条の三 第二百六十三条第二項の規定に違反した者は、百万円以下の過料に処する。
第三百三十八条 第二十一条において準用する会社法第八条第一項の規定に違反して、相互会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者は、百万円以下の過料に処する。
第三百三十九条 第三百八条の十七の規定に違反してその名称又は商号中に、指定紛争解決機関と誤認されるおそれのある文字を使用した者は、十万円以下の過料に処する。
第七編 没収に関する手続等の特例
(第三者の財産の没収手続等)
第三百四十条 第三百十七条の三第一項の規定により没収すべき財産である債権等(不動産及び動産以外の財産をいう。次条及び第三百四十二条において同じ。)が被告人以外の者(以下この条において「第三者」という。)に帰属する場合において、当該第三者が被告事件の手続への参加を許されていないときは、没収の裁判をすることができない。
2 第三百十七条の三第一項の規定により、地上権、抵当権その他の第三者の権利がその上に存在する財産を没収しようとする場合において、当該第三者が被告事件の手続への参加を許されていないときも、前項と同様とする。
3 金融商品取引法第二百九条の四第三項から第五項まで(第三者の財産の没収手続等)の規定は、地上権、抵当権その他の第三者の権利がその上に存在する財産を没収する場合において、第三百十七条の三第二項において準用する同法第二百九条の三第二項の規定により当該権利を存続させるべきときについて準用する。この場合において、同法第二百九条の四第三項及び第四項中「前条第二項」とあるのは、「保険業法第三百十七条の三第二項において準用する前条第二項」と読み替えるものとする。
4 第一項及び第二項に規定する財産の没収に関する手続については、この法律に別段の定めがあるもののほか、刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法(昭和三十八年法律第百三十八号)の規定を準用する。
(没収された債権等の処分等)
第三百四十一条 金融商品取引法第二百九条の五第一項(没収された債権等の処分等)の規定は第三百十七条の二第二号の罪に関し没収された債権等について、同法第二百九条の五第二項の規定は同号の罪に関し没収すべき債権の没収の裁判が確定したときについて、同法第二百九条の六(没収の裁判に基づく登記等)の規定は権利の移転について登記又は登録を要する財産を同号の罪に関し没収する裁判に基づき権利の移転の登記又は登録を関係機関に嘱託する場合について、それぞれ準用する。
(刑事補償の特例)
第三百四十二条 第三百十七条の二第二号の罪に関し没収すべき債権等の没収の執行に対する刑事補償法(昭和二十五年法律第一号)による補償の内容については、同法第四条第六項(補償の内容)の規定を準用する

出典:e-Govウェブサイト(http://www.e-gov.go.jp)
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=407AC0000000105&openerCode=1

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